楽園爆破の犯人たちへ 求   作:XP-79

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楽園のかなた
14. 母親似と言われることが多いんだがぜんっぜん嬉しくない


「―――――」

 

 あれからどのくらいの時間が立ったのだろうか。

 すごく長い時間のような気もするが、一瞬だったような気もする。よく覚えていない。

 思い出せないということはそう大したことでも無いのだろうが。

 頭の端にひっかかる疑念を他所に置いて、ルルーシュは捕らえた虫を上機嫌で咀嚼しながら地面を這いずり回っていた。深い草を掻き分けながら他に獲物は居ないかと探りながら進む。

 だが突然に奇妙な音楽が聞こえてルルーシュは触手を擡げた。

 ドンドンという張りのある音と、木管楽器のホウホウという柔らかな音が重なり合って鼓膜を揺らす。

 単音では耳に優しいばかりの音だというのに、紡ぐ音楽は異常に神経を逆立てた。何か神聖なものの舌が肌の上を這いずり回って血管の中まで侵してくるような、不可思議かつ冒涜的な触感はこれまで感じたことのないものだった。

 性行為などという生ぬるいものではない。身の毛もよだつような悍ましさにぶるりと体を震わせる。

 魚眼をぱちりと開いて周囲を見回す。怪しい者は周囲一帯には見えない。ではと今度は髭をぴんと立てて音が作る空気の波元を探った。

 すぐにその音はどこか奥底から聞こえてくるものだと気付いて、翼を翻してそちらに向かう。

 悍ましい音楽ではあるが、不気味な旋律にはどこか人を引き寄せる魅力があった。自分はその魅力に一瞬にして囚われてしまったのだと気付いた時には全てが遅かった。

 

「―――シュ様、」

 

 そちらに向かうと決めた瞬間に視界が一面真っ暗闇に変貌したのだ。

 瞳は役に立たない。超音波を発して周囲を探ると周囲一帯はうねうねとスライムのような物質で出来ているようだった。色彩はオーロラのように刻一刻と色を変えて一瞬も同じ景色を作り出さない。

 ただその存在を近くに感じて、毛並みを逆立てて後ずさりする。

 ここに向かってきたのは間違いだった。

 そう後悔するも不思議なことに体が動かない。身じろぎさえ許されない。

 ドンドン、ホウホウ。奇妙な踊りを踏む幾つもの足音に鳥肌が立つ。

 ドンドン、ホウホウ。ドンドン。ホウホウ。

 そこでようやくこれは太鼓とフルートの音だと気付いた。

 近づいてくる。乱舞のような不規則な足音がじゃりじゃりと地面を擦っている。

 

「―――ルーシュ様」

 

 太鼓とフルートの音が近寄ってくる。逃れるために体を捩るが、全身が石化したように動かない。

 太鼓とフルートの音が近寄ってくる。

 

 太鼓とフルートの音が近寄ってくる。

 

 

 

 

 

 太鼓とフルートの音が近寄ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 太鼓とフルートの、音が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルルーシュ様、ルルーシュ様!お気を確かにお持ちください!!」

 涙が混じるような声に頭を揺さぶられてルルーシュは覚醒した。

 耳の近くで擦れて引き攣るような音が引っ切り無しに騒めいて煩かった。暫くして、ようやくそれが自分の荒い呼吸の音だと気付いた。開いた眼は緊張のあまり溢れた涙で濁っていた。

 涙を振るい落とすように何度も瞬きをしてあたりを見回す。そこは雲海の上でも海原の中でもなく、首に繋がっている自分の体は雨粒では無かった。

 ジェレミアが自分の体を抱えている。引き攣る筋肉をほぐすように身じろぎさせると、ジェレミアはゆっくりと体を地面に横たえさせた。

 地面は石畳のような造りをしていてひんやりと冷たく、硬い。

 冷たい。そうだ、感覚がある。つまり肉体がある。

 ルルーシュは自分の手足を眼で見た。指は片腕に5つ生えていて、腕は2本ある。足も同様。自分の肉体は人間の姿そのままであり、自分の思い通りに動いた。そのことがまるで奇跡のように感じた。

 上を向くとジェレミアも普段と変わらない深緑色の髪と琥珀色の瞳をしていた。どう見ても人間の姿だ。中身は半分機械なんだがそんな細かい事はどうでもいい。些細なことだ。鳥だったり昆虫だったりした経験が肌を撫でる今は心からそう思える。

「じぇれみあ、」

「お体は平気ですか?」

「へいき、平気だ」

 頭をぶるりと震わせて立ち上がる。何カ月も寝たきりだったかのように体が重い。

 両足で地面に立つと眩暈がした。ふらつく体を支えられて瞬きを繰り返す。

「あれは、何だ、何だったんだ。あの音は、あれは……あの冒涜的なおぞましいものは、」

「?皇宮の執務室に居た時からまだ10分程度しか経っておりませんよ。何が起こったかは不明ですが、ギアスが使われたことは確かだと思われます。ここは――――」

 ぐるりと周囲を見回すジェレミアの仕草につられてルルーシュも眼を周囲に向けた。

 そこは奇妙としか言いようがない世界だった。

 

 ドームの内側のように天井が空を覆っている。天井と壁は鉄色の金属光沢のある均一な素材で覆われていた。

 細やかな紋様が天井を覆い尽くしていて古代遺跡のように厳かな雰囲気がするものの、近代的な機械がそこかしこに散在していて奇妙な調和を見せている。

 整然と並ぶ紋様と機器類は綻び一つ無い精緻な機械のような印象を与えた。しかし足元には粗雑な石畳が敷き詰められていて、どこかちぐはぐだ。

 埃の一つも無い純度の高い空気は冷たいが肌寒さは感じない。

 目の前にはコーネリアとギルフォード、そしてC.C.が立っていた。起き上がったルルーシュを見てC.C.は安堵の息を吐いた。

「起きたか」

「C.C.、ここは」

「Cの世界だ。非現実的世界。本来ならば死後の魂のみが辿り着くことを許される一瞬の黄昏。物理法則の一切が通用しない虚数世界だよ」

 ルルーシュは目を細めて四方に視線を向けた。そう言われれば一度来たことがある、南極にあった黄昏の扉から侵入したCの世界と雰囲気が似ている。

 現実離れした雰囲気の空間は印象通り現実ではなかったらしい。

 Cの世界に足を踏み入れたことの無いコーネリアはどの文明にも属さない巨大な遺跡のような空間を前に目を白黒としていた。

「こ、ここはどこなんだ。こんな場所聞いたことが無い。私達は皇宮にいたのに何故一瞬でこんな所に」

「虚数世界―――ここはシャルルが引き籠った世界ですよ、姉上」

「その通り!」

 ばっ、とオレンジ色のドレスを纏った美女が目の前に突如として出現した。

 

 アラベスクのポーズからくるくると回転して、ドレスの端を摘まんで花開くように広げる。美しいポーズを保つ女の容姿は美女という言葉以外に形容し難いものだった。

 長い黒髪に碧眼。星を飾っているように鮮やかな目元。二児の母とは思えない艶やかな肌。そして毒を振りまく満面の笑み。

 息が詰まった。言葉を失ったルルーシュの肩を支えるジェレミアが驚愕の面持ちでその存在へ声をかけた。

「マ、マリアンヌ様……?まさか、お亡くなりになった筈では、」

「そうよジェレミア!久しぶりねえ、元気にしてた?」

 くふふふ、と笑うマリアンヌは6年前と全く変わらない容姿をしていた。

 ありえないと思うも、この数か月でありえないことがあまりに多く起こり過ぎていた。

 

 母が生きていたということはありえないことだろうか。

 いや、あの女なら。あの抜け目なく質の悪い女狐が易々と暗殺されるとはむしろ考え難い。

 そもそも何故あの女がギアスに何の関りも無いと思っていたのだろうか。自分もナナリーもギアス嚮団の実験体だったのだから生みの親が関わっていない筈が無いだろうに。

 つまりこの計画にマリアンヌは最初から関わっており、死んだと周囲に思わせた後もずっとこの計画のために動いていたのか。全身が憤怒のあまりざわざわと沸き立つ。

 自分とナナリーは最初からモルモットであり、母が死亡したという偽装を伝える価値さえ見出されていなかったのか。

 血を分けた母とはいえ悍ましい女だ。父といい、自分の血は呪われているに違いない。いつかジェレミアの子供を産むようなことがあればまともに育つのだろうかと今のうちから疑念が湧く。

 

「―――まさか生きているとは思いませんでしたよ母さん。たとえあなたでも全身マシンガンで穴だらけにされれば死ぬと思っていたのですが、一体どこまで人間を辞めたのですか」

「久しぶりのお母様との対面に酷い言い草ね。ま、種明かしをするとね、私もギアスを持っていたのよ」

 ほら、とマリアンヌは瞳を赤く染めた。瞳の中には赤い鳥が飛んでいた。

「私のギアスは意識を自分の体から抜け出させて、他人の体に仮住まいするギアス。V.V.にアリエス宮を襲撃されて死にかかった私は、あのアーニャっていう子供の体に住処を移したってわけ」

「ギアス……マリアンヌ皇妃、あなたもですか」

 

 コーネリアはぎりりと歯を食いしばった。どいつもこいつも、ふざけている。

 

 怒りを抱いているのはルルーシュも同様だった。笑みを浮かべるマリアンヌを前にして腹の中に沸き上がる怒りを吐き散らかさないよう血流が逆巻く程の努力をしなければならなかった。

 マリアンヌがアーニャの体の中にいたのならば、シャルルに進言して自分達が日本に捨てられることを阻止することも出来ただろう。そうでなくともナナリーに声をかけることぐらいは出来た。

 幼くして兄妹二人で放り出されたナナリーが母が生きているという事実を知っていれば、どれだけ心の支えになっただろうか。

 母の本性に大方気づいていた自分は良い。だが無邪気に母を慕っていたナナリーになんて仕打ちをするのだ。

「KMFに乗せられてE.U.まで連行された時から人非人だと唾棄していましたが、とうとう本当に人間を辞めましたか。寄生虫のように幼女に取り縋ってまで生きようとするとは見上げた人格者だ」

「あら、人間は生きるために必死で努力するものよ?私は最大限の努力をしただけ。非難される謂れは無いし、あったとしても口先だけじゃ私は痛くもなんともないわよ?」

「……貴様のような女からナナリーが生まれたことが何よりの驚きだよ」

 にっこりと笑うマリアンヌの顔面に唾を擦り付けてやりたい誘惑に駆られたが、それよりも現状把握の方が先だった。

 

 マリアンヌの背後には人の手足や顔面、動物の内臓、木の幹、昆虫の触角、そういったものが混ぜ合わさって構築されている巨大な螺旋が奈落の底から天にまで続いていた。石畳は螺旋の手前ですっぱりと切れて巨大な穴がその先に続いている。穴の底は見えない。ドームの天井は螺旋が繋がる付近には黒い穴が空いており、螺旋に纏わりつくように星が輝いていた。

 うねりながら昇る螺旋は天才彫刻家が命をかけて彫り上げたように生々しい質感があり、非現実的な構造をしているのに圧倒的な生命力を感じさせる美しいものだった。しかしそれは作り物ではなく、寸断なく呻き声を上げながらゆっくりと混ぜ合わさってゆく。螺旋は重力を嘲笑うように少しずつ上に流れてより高い場所を目指していた。

 だがその先に何があるのかはあれも分かっていないだろう。

 よく分かる。ついさっきまで自分もあの一部だったのだから。

 

「それは……意識か。この世界全ての――――」

「ご名答。そうよ、これは集合無意識。我々自身であり、我々の神でもあるものよ」

 すごいでしょ、見てみて、と言わんばかりにマリアンヌは目を煌めかせた。

 目を細めて渦巻く集合無意識を見上げる。集合無意識は自身に視線を向ける矮小な一つの生物の存在など気にすることも無く、ただただ上だけを目指して上って行く。

 10分程度だろうがあの中の一つとして存在していて思うことは一つだった。

 

 あれは存在してはいけない。

 

 自分という存在が摩耗して溶けて行く感覚は気味の悪い快感だった。何も考えなくて良い、何もしなくて良い、ただ海に揺蕩うように流される感触がまだ皮膚に残っている。

 あのままずっと永遠に存在していられたらという欲望がまだこびりついていることに気付いてぞくりと背筋を強張らせた。

「あれがラグナレクの接続とやらの産物か」

「ええ。ナナリーのギアスによるものよ」

 マリアンヌは眩しいものでも見るように目をうっそりと細めて集合無意識を見上げた。どこぞの高貴な令嬢が芸術品を愛でているような顔だった。

「ナナリーのギアスは計り知れないほどに強力なものだったわ。あなたと同じ絶対順守のギアス、それも範囲型のね。ナナリーのギアスの範囲は地球一つを覆い尽くす程に広大だった。そしてナナリーは世界に対してギアスをかけたの」

「……なんて、」

「体を捨て去り、意識だけとなってCの世界へ向かえ、と」

 低い声色に顔を向けると巌のように厳めしい顔つきをした男が姿を現した。シャルルだ。ゆったりとした足つきで歩くシャルルその後ろにはビスマルクが続いていた。

 シャルルはマリアンヌと並んで実の娘2人を柔らかい視線で見やった。

10年前ならば身分の低い母と父が寄り添っている光景に何かしらの感慨でも抱いたかもしれない。だが今は米神に血管が浮かぶ。

 もうこの夫婦に対してルルーシュは何の情も感じなかった。隣に立つコーネリアも同じだったようで、剣を鞘から抜きはらう硬質な音が聞こえた。

「父上は、マリアンヌ皇妃は、いや、貴様らはこんなことのためにユフィを犠牲にしたのか……あの集合無意識とやらを作るためにユフィを犠牲にして、私達も使って、そんなことのために、」

「そんなことじゃないわ。世界を楽園にする唯一の方法よ」

「楽園だと?」

「ええ。楽園よ。ジェレミアのギアスキャンセラーに引っ張られてCの世界へ抜け出すまで、あなたたちも感じたはずよ。差別のない絶対的に平和な楽園を―――」

「あれが楽園だと?ふざけるな!!他の生物に意識をぐちゃぐちゃにされて自分を見失うだけじゃないか!死とどんな違いがあると言うんだ!」

「違うわ、生き続けるのよ。あの中の一つになって。そう、ナナリーもあの中にいるわ。ユフィだって。貴方達以外の全ての生命体が争うことなくあそこで共存しているの。これが楽園でなくて何だというの?」

 マリアンヌの言葉に息が詰まる。

 あの存在の中には確かに楽園と呼ばれるに相応しい泥濘のような安寧があることを、コーネリアもルルーシュも、そしてギルフォードも寒気がするほどに理解していた。

 理解できなかったのはナナリーのギアスが発動するのとほぼ同時にギアスキャンセラーが働き、一瞬たりとも集合無意識に取り込まれなかったジェレミアと、ギアスの効かないC.C.だけだった。集合無意識を直接に感じた3人は苦虫を噛み潰したように顔を顰めた。

 

 集合無意識の中で胎児のように安堵という羊水を揺蕩う感覚は、確かに強制的に幸せを齎すものだった。

 

 残る感覚を振り払うようにルルーシュは懐から拳銃を取り出す。隣でジェレミアも体に仕込まれた刃物を引き出した。ギルフォードはコーネリアを護る様に立ちはだかり拳銃を取り出す。

「ナナリーのギアスで意識が肉体から離れたというのならばギアスキャンセラーを使えば済むことだ。さっさとそこをどいてもらうぞ。貴様らの戯言に付き合っていられるか、我々は現実世界に帰る!」

「言われなくてもギアスキャンセラーは使ってもらうわよ?このままじゃあずっと私達はCの世界に籠りっきりになっちゃうもの。ずーっとこの殺風景な世界にいるつもりは毛頭ないわぁ」

 マリアンヌは宙から剣を取り出して切っ先をルルーシュへ向けた。

 ビスマルクは目線でシャルルに許可を伺う。シャルルが深く頷くとマリアンヌの隣に立って剣を抜いた。

「肉体は食事と水が無ければ死んで腐ってしまう。だから生きとし生ける全ての者に、集合無意識の状態のままであと二カ月間位過ごして貰うの。二カ月もすればもう意識は完全に一つの塊になって元の姿には戻れなくなる。それからギアスキャンセラーを使ってナナリーのギアスをキャンセルして、私達は元の世界に帰るのよ。意識を宿せる肉体が一つ残らず死んでしまった世界にね」

 夢見るように呟く言葉は冗談を言っているようではなかった。

 意識が無くとも肉体は生きる。眠っている間、気絶している間も肉体は健気に生命活動を続けている。

 だがそう長くは続かない。肉体とは意識の入れ物なのだ。意識が無くては必ず滅びる。

 かんらかんらと鐘が鳴るような笑い声が上がる。

「肉体を無くした意識はどうなるのかしらね。死んじゃうのかしら?それとも全く新しい存在になるのかしら?」

「っ、はあ!」

 コーネリアがマリアンヌに切りかかった。常人であれば胴を2つに分かたれるだろう重い一撃をマリアンヌは優美な仕草で受け止めてそのまま押し返した。

 力負けしたコーネリアが背後に後ずさり、体勢が崩れる。マリアンヌが上段に構えた剣の切っ先がコーネリアに向かう。

「皇女様!」

 ギルフォードが銃口をマリアンヌに向けた。だが引き金を引く前にビスマルクがギルフォードへ切りかかる。

 ルルーシュは銃口をマリアンヌへ向けて即座に撃った。あらあらと呟きながらマリアンヌは銃弾を雨粒の様に剣で弾く。

 ギルフォードへ襲い掛かったビスマルクの剣はジェレミアが咄嗟に受け止めた。

 機械駆動の腕力でビスマルクの剛腕を振り払うと、力負けした事実に目を見開いたビスマルクはそのまま数歩下がる。

 バランスを崩したビスマルクにコーネリアが切りかかる。

 しかしビスマルクの首を切り落とすよりマリアンヌの剣の方が速かった。コーネリアの顔に血液が巻き散った。

 

「……ギルフォード?」

 

 マリアンヌの剣にはコーネリアを庇ったギルフォードが突き刺さっていた。

 胸元を貫いた剣先は人形を引き裂くように上へと滑り、胸の中心から肩までに大きな裂け目を作った。ぐらりと倒れるギルフォードをコーネリアは受け止める。

「ギルフォード、ギルフォード!!」

「肉体を必要としない、数十億の意識が溶け合ったものが現実世界に戻ったら何を望むのかしら。肉体を欲しがるのかしら?それとももう人間らしい欲求なんて何も持たない、何もかもを超越したものになるのかしら、ちょっと前のシュナイゼルみたいに―――いいえ、神様みたいに」

 血を吐きながら地べたに横たわるギルフォードの頬を摩る。

 大量の出血はどう見ても致命傷であり、治療する手立ても無い。この世界には医者も医療機関も存在しない。

 表情を失ったコーネリアはがたがたと震える体でギルフォードを抱きしめた。

 マリアンヌは唇に微笑を浮かべて剣をぶらぶらと片手で持ちながら、息を止めたギルフォードに縋りつくコーネリアを見下ろす。 

「こんなのを見ると、シュナイゼルは失敗作じゃなかったのかもしれないって思っちゃうわね。手術の副作用で感情が無くなったのかと思ったけれど、あれこそが完成した集合無意識の―――神様の試作品だったのかもしれないわ。完璧な頭脳、完璧な容姿、私欲を持たず人類のために全力を尽くす完璧なる客観性の持ち主―――あなたが余計なギアスをかけなければ今頃はシュナイゼルが世界を平和にしていたかもしれないわねぇ」

「兄上は……っ、兄上は、感情がある人間だ!!ふざけた神なんかじゃない!!兄上を馬鹿にするな!!」

 

 騎士に取り縋るコーネリアを馬鹿にするような口調へ怒気を露わにしながらもルルーシュの背筋は恐怖で冷えた。

 この女は化け物だ。生きていてはいけないものだ。

 ナナリーに縋りついて許しを乞うたシャルルなんて比ではない。この女こそが全ての災厄の源だったのだ。

 顔を引き攣らせて銃口を向けるルルーシュに、マリアンヌは血に濡れた剣をステッキのように振り回しながら満足げに微笑む。

「そうよ。あなたはそれでいいの。あなたもすぐに集合無意識の一部になって、神になるのだから。神を馬鹿にする神様。集合無意識にアンビバレンツな要素を残す貴重な意識になるのかしらね」

「っ、ジェレミア!」

「はい!」

 ルルーシュの声に応じてジェレミアがギアスキャンセラーを発動する。

 左目を中心に青い光が満ちた。光は集合無意識に向かって注がれる。青い光に照らされて集合無意識に埋め込まれた顔は眩しそうに目を細めた。

 しかしそれだけだった。

 光が止んでも目の前の集合無意識は変わらずその場にあり続ける。変わらずうねりながらただひたすらに上空を目指していた。

 

 キャンセラーを閉ざしたジェレミアはその場に膝をついて倒れた。息が荒く、頭を抱えて吐きそうな程に顔を真っ青にしている。残った一つの瞳孔はぽかりと開いていた。

 尋常ではない様子に銃口をマリアンヌに向けたままルルーシュはジェレミアの傍へとにじり寄る。

 キャンセラーが集合無意識に何の作用も齎していないのは見れば分かる。そもそも残ったギアス嚮団の資料から見ると、ナナリーと違ってジェレミアはキャンセラーへの適性が高かったわけではないようだった。機械化して無理やりに発動させているようなものだ。

 だからナナリーのギアスがキャンセルできなかったのなら分かる。だがジェレミアの様子は、ただ効果が無かったという範疇を超えているようだった。

「どうした、何が起こった」

「……キャンセラーが正常に作動しません。容量がオーバーしているのかと思われます」

 脳内で反響するぐわんぐわんという呻き声に耐えながらジェレミアは体を丸めた。

 

 キャンセラーを使おうとした瞬間に脳内に大量の声が響き渡ったのだ。無数の鳴き声が入り混じった声はルルーシュが集合無意識の中で聞いたものと同じ無意識達の絶叫だった。

 強靭な部類に入る精神力があるとは言え人間としての範囲は超えていないジェレミアに耐えられるものではない。

 全世界の生命合わせて兆か、京か、それとも垓か。それよりさらに多いのか。その全てにギアスをかけたナナリーの能力は計り知れない。ジェレミアのギアスキャンセラーはナナリーのギアスとは比較にならない程に劣っており、近寄るだけで踏み潰されかねない脆弱なものだった。

 

 C.C.がルルーシュとジェレミアの前に盾になるように立つ。細い背中には忌避感が刻まれていた。C.C.は忌々し気な顔で集合無意識を見上げた。

「ナナリーのギアスが強力過ぎるのか、膨大な数の意識にキャンセラーの許容量が追い付かなかったのか、もしくはあいつらの小細工だろう」

「強いて言うなら全部かしらね?C.C.、あなたが協力してくれないって言うから調整が色々と面倒だったわよ。シャルルのコード1つでなんとかしなくちゃならなくなったんだから」

 本当は2つ必要だったのに、とマリアンヌが悪戯な仕草で肩を竦める。

「でも私達の小細工が無くても、そもそも集合無意識にギアスキャンセラーをかけるなんて無理な話なのよ。だってあれは神様なんだから」

「神に王の力は通じない。増してやキャンセラーはコードの紛い物。偽の力が通じる訳も無い」

 哀れみの籠ったシャルルの視線を睨み返す。

 ジェレミアを抱えながらルルーシュは銃口をマリアンヌに向けた。

 しかしこの女に銃弾など通じないことはもう分かっている。ビスマルクも同様だろう。シャルルに至ってはコードを持っているために何の意味も無い。

 

 どうする、どうすれば良い。

 

 ぐるぐると思考を巡らせながら目の前の集合無意識を見やる。

 ナナリーのギアスを打ち破るにはどうすればいいのか。

 

 シャルルとマリアンヌの言を信じるのならば、あと2か月のうちに集合無意識は完全に一つの塊になってしまうらしい。あの言葉がブラフとは思えない。

 たった10分程度で自己が摩耗しそうになった感覚がまだ骨身に残っている。あの状態が数か月も続く事を想像すると身震いがした。

 むしろ2か月も持たないだろう。精々が一日かそこらだ。

 その内にナナリーのギアスを解いて集合無意識を現実の世界に戻さなければならない。

 あまり時間をかけてしまうと、たとえ肉体が生きている内に現実世界に帰れたとしても一塊になった集合無意識がまたバラバラになって元の自分の肉体に戻ることができるのか分からない。

 不確定要素が多すぎる。さらに負けは許されない。自然と息が荒くなる。

 

 背後に庇ったジェレミアが息を整える音が聞こえた。

「ジェレミア、大丈夫か?」

「問題ありません。次こそは必ず」

 唇を噛みしめたジェレミアは単なる強がりだと一目でわかる顔をしていた。こんな顔は12年に渡る長い付き合いだが初めて見た。

 顔面はぞっとする程に蒼白で、左目が痛むのか顔を始終顰めている。足はがくがくと震えて死にかけの病人より酷い有様をしている。

 

 ギアスは他者の脳に影響を及ぼす能力がある。ギアスキャンセラーはギアスを取り消すために脳へ作用する。

 ギアスキャンセラーが取り付けられたジェレミアの左目はその能力を発揮するために大脳に直接繋がっていた。オーバーヒートしたギアスキャンセラーは脳に繋がる神経をショートさせてばちばちと音を立てて発熱していたのだった。

 脳が溶け落ちて流れ出しそうな痛みが頭蓋内で持続的に暴れており、ジェレミアは引き攣る硬膜の痛みを吐き出そうと荒く息を吐きだした。

 

「動くなよオレンジ君。それ以上無理をすると脳が焼けて死ぬぞ」

「はあ!?」

「そうよ、あなたには全人類が死んでからキャンセラーを使ってもらわないと困るんだから。ここで無茶して死なれたら後が面倒よ」

「っ、もうキャンセラーを使うな!あとは俺がなんとかするから、」

 腕に爪を立てるルルーシュを見下ろしてジェレミアは無言のまま首を振った。

 ギアスを無かったことにできる能力は今の所キャンセラーしか無い。集合無意識にかけられたナナリーのギアスを消去することができるのは自分だけだ。視線をマリアンヌに向ける。

 ずっと前にあの美しい皇妃を好きだったことがあった。多分初恋だった。

 しかしその時の淡い感情を呼び起こすようなものはあの時と何も変わらない美貌には何も認められなかった。

「あなた方に命じられて私が素直にキャンセラーを使うとお思いなのでしょうか」

「ギアスが暴走するようにギアスキャンセラーだって暴走するのよ?ましてやそれをあなたに取り付けたのは私達。暴走すれば脳みそぶっ飛ぶまでキャンセラーが使えるようにちゃんと取り付けてあるから安心なさい」

「貴様、ぶち殺す。絶対殺す」

 ユフィの死体が脳裏に蘇る。ルルーシュは唾を吐いて母親を睨んだ。

 次にジェレミアを見ると柔らかくにこりと笑った。その笑みは命令されれば今すぐにでも脳みそぶっ飛ぶまで全力を尽くすだろう忠義に満ちていた。

 ぞっとして視線を逃すと視界の端にギルフォードの死体に取り縋るコーネリアの哀れな姿が映る。押し殺された泣き声が鼓膜に突き刺さる。

 可哀想だと思うが言葉をかける余裕は無い。自分のことしか考えることができない。極限の状態において人は本当に大事なこと以外に情動を傾ける余裕を失う。

 ただ長い間連れ添った騎士を失ったコーネリアが周囲の全てを遮断して涙を流す姿にルルーシュは恐怖を感じた。

 嫌だ。

 嫌だ、ああはなりたくない。

 

「ルルーシュ様」

「ギアスキャンセラー以外にも手段はある筈だ。それに成功率はそう高くも無い。そんな無茶な手段を取って失敗したらどうする」

「ルルーシュ様」

「許可できない。お前は休んでいろ……いや、C.C.に案内させれば現実世界へ帰ることも可能だろう。お前だけでも戻れ。お前がこの場から去ればあいつらの計画も崩れるだろう。こちらは何とかする。お前はC.C.と退避していろ」

「ここに貴方一人で残って何ができると言うんですか。冷静になって下さい」

「これは命令だジェレミア」

 皇帝服の裾を握り締めて集合無意識を睨むルルーシュの言葉には具体性も何も無かった。今のルルーシュは皇帝でもゼロでもなく、ただ目の前の問題から目を逸らしているだけの少女でしかなかった。

 

 もしギアスキャンセラーを持っているのが自分でなければ、今や全生物の代表としてここに立つ者としてルルーシュは別の命令を下しただろう。そうと分かる以上ジェレミアは人形のように是と答える訳にはいかなかった。

 シャルルの隣に立つビスマルクを見やる。ビスマルクは主君の傍であるからか碌に口を開くことも無く、集合無意識に意識を向けることも無く、ただ剣を抜いてシャルルの身を護ることばかりに注力していた。

 たとえ死んでもああは成りたくないものだ。

 ジェレミアは奥歯に力を入れて手を振り上げた。白く緩やかな曲線を描く頬に向けて容赦なく振り下ろす。パアンという音が響く。白い頬が一瞬で痛々しいまでに赤く染まった。

 ルルーシュは衝撃の走った頬を指でなぞりながらゆるゆるとジェレミアを見上げた。何の後悔も無い毅然とした顔があった。その表情には怒りさえ混じっていた。

 

 初めてジェレミアに殴られた。

 あのジェレミアに。

 

 唇を動かすのを止めたルルーシュをジェレミアは見降ろす。ジェレミアは上司に進言する軍人の顔をしていた。しかしそれは同時に家族の顔でもあった。

「戦うと決めたのでしょう。生きるためには戦う必要があると確かに仰ったでしょう。ならば最善の選択をなさって下さい。逃げるのでも目を背けるのでもなく、最も正しいと思う決断をなさるのです。それがルルーシュ様にとって戦うということなのではないですか?」

 熱した鉄を叩くような口調だった。

 そんなつもりで戦うと決めた訳じゃないと言いたかった。しかしそれを言わせてくれるような甘さをジェレミアは振り捨てていた。

 

 確かにナナリーに向けて、戦うことのない人生などありえないと言った。しかしこんなことは想定していなかった。

 どうして自分じゃないんだ。

 

 いや、だめだ。そんなことを今考えている暇など無い。

 戦うんだ。戦うのならば最善の答えを。

 脳のひんやりとした部分が動き始める。頬の痛みに熱がとられて発熱していた脳が急速に冷たさを取り戻していた。

 

 キャンセラーがナナリーのギアスを無効化すれば全てが解決する。

 だがジェレミアが失敗し、更に死亡してしまった場合、キャンセラーを無くした集合無意識は二度と現実世界に帰ることなくCの世界を永遠に彷徨うことになる。そして自分もコーネリアも集合無意識に取り込まれることになるだろう。リスクは高い。

 

 他に手は無いのか。

 マリアンヌとシャルル、ビスマルクに目を向ける。

 彼らは集合無意識に取り込まれていない。全生命が一つとなることが楽園だと言うのならば、彼ら自身が楽園に飲み込まれなければ意味は無い筈だ。

 

 C.C.、あなたが協力してくれないって言うから調整が色々と面倒だったわよ。シャルルのコード1つでなんとかしなくちゃならなくなったんだから―――

 

「コードが無いと集合無意識を保てないのか?」

 マリアンヌはぴくりと眉を揺らした。シャルルは僅かに目を細める。それで答えは十分だった。

 

 どうしてナナリーがCの世界に囚われてから集合無意識を作り出すまで3カ月も必要だったのか。

 ナナリーに幾度もギアスを使わせて強化するための時間かと思った。しかしそれだけでは無かったらしい。

 集合無意識を固定化するためにはコードが必要なのだ。それも元々の計画では2つのコードが必要だったのだろう。C.C.がラグナレクの接続への協力を断ったことでコードを1つしか使えなくなり、その調整に時間が必要だったのではないだろうか。

 

 痛む頬を拭ってシャルルを睨む。

「ジェレミア、シャルルのコードを奪うぞ。試してみる価値はある。少なくともお前のギアスキャンセラーに賭けるよりは勝算は高い」

「しかし、」

「コードを奪った後の問題はその時に考える。不老不死になるよりあれにまた取り込まれる方が俺は嫌だ」

「……イエス、ユアマジェスティ」

 ジェレミアは剣の切っ先をビスマルクに向ける。

 シャルルのコードをルルーシュが奪うということは、ルルーシュが忌むべき不老不死者になるということに繋がる。C.C.は何か言おうとして一度口を開き、しかし何も言わずに首を振って閉じた。

 黙ってルルーシュの盾となるべく立つ。ルルーシュは銃口をマリアンヌに向けた。

 しかしマリアンヌに抗するだけの白兵戦能力はC.C.にもルルーシュにも無い。さらに肉体を持たず物理的な脳が存在しないマリアンヌに、脳に作用することで効果を発揮するギアスが効くのか不明だ。

 背後でギルフォードの遺骸にしがみついて目を腫らすコーネリアにちらりと目を向ける。

「コーネリア姉上」

「………ギル、」

「コーネリア、立て」

 ルルーシュは声を張り上げた。軍楽隊のラッパのように高らかな声だった。

「死体に取り縋り無力な女のようにいじましく目を腫らして満足か。V.V.を殺してユフィの復讐を果たしたお前の気概はどこに行った。騎士の復讐を成すのは主君の役目ではないのか。それとも惚れた男が死んだ瞬間にただの女に成り下がったか。ギルフォードをその程度の女に仕えた馬鹿な男にさせるつもりか。それが嫌ならさっさと立て、立ち上がれ、そして戦え!」

 歯噛みする鈍い音が聞こえるようだった。

 安い挑発にコーネリアが苛立っているのが手に取るように分かる。

 しかしコーネリアは安い挑発だと知っていてもそれに乗らないという選択肢を持たない。なにしろプライドが桁外れに高い女だ。

 さらに彼女は自分の騎士を目の前で殺されて、おいおいと悲嘆にくれるだけの淑やかな女ではないことをルルーシュは理解していた。

 そんな女とナリタ連山で戦った記憶は無い。

 

 背後でコーネリアが幽鬼のようにゆらゆらと立ち上がるのが視界の端に見えた。

 マリアンヌがにやにやと目の前で笑っている。片手で剣をくるくると弄んでいるが既にあれは臨戦態勢だ。

 母親だからマリアンヌは自分を殺さないだろうという甘い夢は見ていない。

 じりじりと後ずさりしながらコーネリアの方向へと逃げる。

「私はジェレミアの復讐に一年かかった。お前もユフィの復讐に数か月の時間を要した。だが今は目の前に仇がいる。幸運だとは思わないか?」

「何が、何が幸運だ!!」

 コーネリアは吼えながら剣の切っ先をコーネリアに向けた。

「こんなことが幸運であってたまるものか、何が幸運だ、何がっ」

 ぶるぶると震える剣を構えるコーネリアに計算通りだと内心で笑みを漏らす。

 

 コーネリアの内心は怒りと悲憤で荒れ狂っていることだろう。

 そして彼女は激情の全てをギルフォードの復讐相手であるマリアンヌにぶつける。その結果たとえコーネリアが負けたとしても、彼女の実力ならば暫くは自分とC.C.の盾にはなるだろう。

 その隙にシャルルの所に向かいコードを奪う。

 しかし彼女はマリアンヌの前に突き出す盾としてはあまりに薄過ぎた。マリアンヌがコーネリアを無視して執拗にルルーシュを狙えば彼女の剣は容易にルルーシュに突き刺さるだろう。額から汗が零れた。

 

 顔の造り自体はマリアンヌに似ていながらも、白い皇帝服を翻してマリアンヌとシャルルを交互に睨みつけるルルーシュの顔はマリアンヌとは全く違っていた。もっと生き汚く必死の形相をしていた。

 その生気に満ちた表情が、コードを手に入れて数百年もすれば虚ろで中身の無い人形のようなものに変わることを確信しているからこそC.C.は最後の確認をせずにはいられなかった。

「それがお前の決断でいいんだな。あの集合無意識に取り込まれてあいつらの言う楽園に向かうのではなく、コードを手に入れて現実に帰ると、それで本当にいいんだな?」

「そうだC.C.。俺はシャルルからコードを奪う」

 ルルーシュの答えは毅然として変わらなかった。

 不老不死の苦しみを知らない子供の決断をC.C.は嗤うことも無く黙って頷いた。

「……分かった」

 幾つもの言いたいことを飲み込んでC.C.はマリアンヌを睨む。マリアンヌの優雅で、ただ美しいだけの顔を。

 

 生きるということ。生き延びるということ。そのために戦うということ。

 C.C.は忘れていたそれらの全てを背後の子供の表情に見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

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