ウルトラマンコスモス劇中にあったかもしれない出来事。そしてウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティスのその後にあるかもしれない物語

ウルトラマンの日記念でウルトラマン関連初書き


ウルトラマンコスモスED ウルトラマンコスモス~君だけにできる何か~をモチーフに書いてみました


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君だけの答え

 とある住宅街。普段は人々の生活でにぎわっているはずのその町は怪獣の足音や建物が破壊される音、人々の逃げ走る悲鳴が響いていた。

 

 その町の端に寂れた神社があった。怪獣の進路上にあるその神社の社に一人の少年が膝を抱えてうずくまっていた。怪獣が一つ爆発を起こすたびにビクンと体を震わせるもそこから逃げようとはしない。

 少年は生きることを諦めていた。かつてはとある夢を追いかけ努力をしていたが親は少年の夢を否定し、クラスの友人たちも所詮は夢物語だと囃し立てる。そのことに疲れ、絶望しきっており、どうせ叶えられないのなら・・・といつも逃げてきたこの場所を死に場所に選び怪獣に踏みつぶされるのを今か今かと待っているのだった。

 

「君!!」

 

 唐突に声がかけられる。顔を上げて声の主を確かめると青いジャケットに身を包んだ青年だった。少年はその人に心当たりがあった。

 

「春野・・・ムサシ、さん?」

「僕を知っているのかい?」

 

 SRCの怪獣保護を目的としたチームEYESの隊員の一人で以前見学に行った際に案内担当だったのを少年は覚えていた。

 

「ひとまずは安全なところに・・・」

「ほっといて!!!!」

 

 肩にかけられた手を乱暴に払いのける。そのことに驚いたムサシをよそに少年からは貯めこんでいたものを吐き出すかのように言葉を続けた。

 幼い頃に怪獣に命を助けられたこと、怪獣と人間が共存できることを夢見たこと、それを親しい人に否定されたこと、夢を貶されることに疲れてしまったこと。自分が何をやりたいのかわからなくなったこと。自分でも抑えきれない想いが口から出ていく。その間、ムサシは口を挟まずに少年に目を合わせあふれ出る感情を聞いていた。

 やがて吐きつくして息を荒くする少年にムサシは一言告げた

 

「そんなことがあっても夢を捨てないなんてそれほどその怪獣のことが忘れられないんだね」

 

 それを聞いて少年は目を見開いた。忘れていた大切なこと、山でがけ崩れに巻き込まれて奇跡的に一命はとりとめたもののケガを負って動けなくなった自分をその怪獣は自身の触手を伸ばし癒してくれた。それだけではなく救助が来るまで守っていてくれた。不思議なことに救助されるときには影も形もなくなり、その後何度探してもいなかった。

 

「僕も同じようなことになったことがあるからわかる。それだけその存在が大切で、その記憶が、気持ちを忘れたくないから夢を捨てたくないんじゃないか?その素敵な夢を」

 

 図星だった。少年の頬を伝ってとめどなく涙があふれてくる。ようやく自分の夢を認めてくれる人に出会えたとか自分がそんなに怪獣のことが大切だったのかとかいろんな感情が溢れてくる。そんな少年の頭をムサシは優しく撫でた。

 

「なら、生きて夢を追いかけてくれ。その怪獣への想いの答えがわかったとき、君だけにできる何かが探し出せるさ」

「俺だけにできる・・・何か?」

「ああ、だから生きてくれ。こんなところで死なないで生きてくれ」

 

 ムサシの言葉に少年は頷く。それを見たムサシが笑って頷いた。と大きな振動が二人を襲う。

振り向けば怪獣がすぐそこまで迫ってきていた。ここにきて恐怖で腰を抜かした少年をムサシは立ち上がり優しく撫でた。

 

「大丈夫、僕に任せて」

 

 ムサシがそういうと怪獣に向かって走り出す。そこに怪獣の放った光弾が襲い掛かる。あっと思った次の瞬間、ムサシは懐から何か取り出し空に掲げ叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「コスモーーーーーーース!!!!」

 

 

 

 

 

 

 次の瞬間、ムサシは青き巨人、ウルトラマンコスモスへと姿を変えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの俺の未来を変えた出来事から6年。俺は今SRCのチームEYESの一員になっていた。

 あのあと俺は夢を追いかけ続け、あの時助けてくれたあの怪獣のことを知るために、そして春野ムサシさんのあとを追う形でSRCの門をたたき、無事チームEYESに所属することになった。

 まあ、その怪獣のことはチームEYESのデータベースどころかSRCのデータベースにも存在しなかったし、ムサシさんはアストロノーツとなり自分発案のネオ・ユートピア計画で別の星に移住しちまったあとだし、隊長・・・イブキキャップには自己紹介のときに最初のころのムサシみたいなやつが入ってきたなって言われちまうし・・・いやそれは内心すごくうれしかったんだが。

 

 今俺は昨晩観測された怪獣らしきエネルギー反応の調査のためあの町に来ていた。他の隊員は別の任務で少し別な場所で怪獣対処している。

 シェパードから降りた俺はラウンダーショットを使い怪獣らしき反応を探していた俺はふとあの神社のことを思い出しそこへ向かった。

 神社はそのままの状態で残っており、心が落ち着く静けさを保っていた。

 

「変わらねぇな・・・ん?」

 

 ふと視線を感じて振り返ると女の子が木の影からこちらを見ていた。

 

「お嬢ちゃん、どうしたー?」

 

 声をかけるとおそるおそる俺の近くまで歩いてきてお嬢ちゃんは言った

 

「ホオリンガには何もしないで」

「・・・・ホオリンガ?」

 

 

 

 

 

 お嬢ちゃん、花ちゃんがいうホオリンガとはこの街がまだ村だったときからある古い伝説らしく、花ちゃんの家系以外誰も知らないらしい。

 

 いわく、ホオリンガはどこからともかく現れやがて山になるらしい。

 

 花ちゃんの家にはホオリンガにまつわる数々の文献が存在しており、それを花ちゃんに見せてもらっているとその一つに目が留まった。それはホオリンガが描かれた古い文献であった。

 

 黄色い花のような口に青い触手、そして青白くもどこかやさしい目。間違いなく俺を助けてくれた怪獣に特徴が一致していた。

 

「なんだよ・・・ずっと近くにいたんじゃねぇか・・・」

「お兄さん、泣いてるの?」

「花ちゃん・・・ホオリンガのこと教えてくれてありがとうね」

 

 俺の頬を涙が流れる。それを隊員服の袖でふいているとラウンダーショットに通信が入った。

 

「はい、こちら・・・」

「フブキだ!こっちで対応していた怪獣がそっちに逃げた!町の住民の避難誘導を頼む!!」

 

 こちらの言葉をさえぎって聞こえてきたのはフブキキャップの焦りの声だった。

 

「了解、すぐさま・・・!?」

 

 すぐに避難させるために返答した瞬間、爆音と共にサイレンが鳴り響いた。

外に出ればすでに怪獣は町へ進入、めちゃくちゃに暴れながら町を進んでおり、その後をテックライガー1号、3号、4号が追っていた。

 

「花ちゃん、すぐさま避難するんだ!」

「うん・・・・・あっ!!」

 

 避難しようとした花ちゃんが声をあげた。何かあったのか怪獣に振り返ると青い触手に絡まれ動きが封じられていた。まさか・・・!?そこからすぐ近くの山が姿を変え、怪獣へと変わっていく。

 花ちゃんに見せてもらったものと俺の思い出がまるでパズルのピースがハマっていくかのように目の前の怪獣に合致していく。

 

「あれが・・・ホオリンガ・・・」

 

 ホオリンガは触手をムチのようにしならせ怪獣に攻撃していく。それを黙って受ける怪獣ではなく、自身をからめとっていた触手を無理やり引きちぎる形で脱出し、ホウリンガに光弾を放つ。ホオリンガの悲痛な叫びが辺りに響き渡る。

 すぐさまラウンダーショットの通信機を入れホオリンガを守るよう具申していると

 

「ダメッッッ!!!」

 

 花ちゃんが叫びながら走りだす。

 

「花ちゃん!?」

 

 それを追って俺も走り出す。すぐさま花ちゃんには追いついたが「ホオリンガをいじめないで」とか「やめてぇ・・・」といった悲痛な声が怪獣にも届いてしまったらしくホオリンガに光弾を放っていた怪獣がこちらへターゲットを変え光弾を放とうとする。

 それに気づいたフブキキャップの逃げろの叫びがラウンダーショットを通じて聞こえるがもう間に合わない。

 怪獣は俺たちに向けて光弾を放った。周りがスローモーションに見え、当たるまでとても長く感じる。咄嗟に花ちゃんを庇う形で怪獣に背を向けた。無駄だと分かっていても、これが俺にできる何かなのかもしれないと思ったから。

 でも、それは間違いだと気づいたのはすぐだ。俺はまだ夢を追いかけ続けてる最中だ。まだ何も答えを見つけてない。こんなところで死んでたまるか。絶対に絶対ッッッ!

 

「死んでたまるかあああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 光弾が爆発を引き起こす音が聞こえた。だが俺は・・・俺と花ちゃんは生きていた。不思議に思って顔を上げると俺たちをかつて見た手が包み込み、無事を確認するかのように顔をのぞかせていた。

 

「ウルトラマン・・・コスモス!!」

 

 俺は歓喜とも言える声を花ちゃんと一緒にあげていた。ウルトラマンコスモスは俺たちを静かにゆっくりおろすと怪獣に太極拳のようなファイティングポーズを取り、俺たちを守るように戦い始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 怪獣はウルトラマンコスモスの手によって大人しくされ怪獣保護センターへと輸送されていった。俺はそれを見届けた後ホオリンガの元へ行った。

 ホオリンガは触手の何本か欠損しており、残った触手で俺と花ちゃんを歓迎してくれた。

 俺の頬に触れてくる触手に懐かしさと暖かさを覚え、またもや泣いてしまったがそんなことは些細なことだろう。

 

「ありがとう・・・ホオリンガ・・・俺を救ってくれて」

 

 ホオリンガがどういたしましてと言ったかのような小さな優しい声をあげるとその姿を山へと変えていった。

 




「ムサシさん、お久しぶりです」
「うん、ひさしぶり。6年ぶりだっけ?」
「そうなりますね。いや~、懐かしいですね~」
「あのあとどうなったんだい?」
「まあ、頑張りましたとだけ」
「・・・・答え・・・見つかったかい?」
「ええ・・・なんとなくですけど」
「そうか・・・今は聞かないよ。いつかジュランに来たとき、カオスヘッダーと一緒に聞かせてくれないか」
「はい・・・ってなんでカオスヘッダー!?」
「いやだってきみの危機を教えてくれたのカオスヘッダーだよ?6年前からずっと見守ってるよ?」
「なにそれちょっと怖い・・・」








ウルトラマンの日でなんか書こうと考えてジード系でなんか書こうと思ったけど、思いつかなくて記念日ってことで作者にとって初めてのウルトラマンにして一番好きなウルトラマンコスモスを書きました。ホオリンガはコスモスの世界観にも合うんじゃないかと安直な考えから登場。花ちゃんはX本編から。
当初の予定ではカオスヘッダーが主人公に取り付いてカオスウルトラマンコスモスとして怪獣と戦うのも面白いかなと思ったけど、答えを見つけてはいないのにウルトラマンになるのはおかしくないか?ということで却下。
なお、カオスヘッダーは最初の怪獣に取り付いておりその時に主人公を目にかけており、一部を彼のストーキングに当てているという誰得裏設定

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