魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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ああー、フェス超行きたかった-。

これを書き始めてから、余計に熱が、愛が上がってきている。

そしてジョージさん! 違うんだ。僕らはジョージさんの演じる型月キャラ全て(ネコ・カオス含み)を愛しているんだ!! 


これからも僕らのミスタータイプムーンでいてくださぁあああいい!!(必死)

というわけでイルステリアス天動説などの余韻(?)を残しつつ7月最後の更新どうぞ読んでください。



第3話『魔法使いの決断』

 リーナ以下、ほぼ全員―――具体的に言えば恒星級の隊員という人間以外は去ってしまった査問室に刹那はまだいた。

 

 

 リーナは驚きの辞令が降ったことで動転していたが、様々な手続きがあるとしてシルヴィア・マーキュリー・ファースト少尉など多くの隊員たちにかつがれる形で部屋から出て行った。

 

 

「先程は挨拶できなくて申し訳なかったな。ここ(スターズ養成所)の指導教官役も請け負っているユーマ・ポラリスだ。君が叩きのめしたラルフ、ハーディ、カノープス少佐と同じ恒星級の魔法師だ」

 

「同じくアンジェラ・ミザールよ。ボストンでは色々引っ掻き回してくれたけど最終的にリーナの味方をしてくれてありがとうね」

 

 

 男女二人から挨拶をされて同じく手を握り合ったことで、少しだけ感じる。

 

 

 ポラリス、ミザール―――カノープス、アルゴル、ミルファク……『シリウス』。天文科(アニムスフィア)ほど詳しいわけではないが、それで察する。

 

 

「皆さんは、スターズの中でも選抜された存在―――恒星。己で輝ける綺羅星の軍人ということですか?」

 

「察しが良いな。だが最近、異世界の魔法使いの手で『流星』にされたようなものだがね」

 

「本気で殺しにかかっていれば、まだ違った気もしますが」

 

 

 こちらの明晰さにカノープス少佐が、皮肉交じりに言ってきたが、そう言って対抗しておく。容易に乗せられないことが何故か少佐にとっては面白いことのようだ……。

 

 不愉快さはないのが幸いであるが―――。

 

 

「さてと、では准尉―――いや少尉には話せない裏事情を話そう―――、君も聞きたかったのではないかな?」

 

「そりゃまぁあなたが、苦渋の顔をしていなければ何も思いませんでしたよ………」

 

『刹那はその辺り鋭いからね。あまりカンが良すぎるというのも考え物だよ』

 

 

 オニキスから言われながらも、表情は変えられない。戦略級魔法師とやらの価値とイコールで縛り付けられる総隊長のシリウスという地位。

 

 その裏側に隠されたものを―――。

 

 

 カノープス及びバランスの話を聞く度に―――何か言いようのないものが広がる。

 

 掻い摘んで言えば―――今回のボストンでの新ソ連関連の捕り物の本当の目的は、リーナに脱走魔法師を『処刑』するだけのことが出来るかの『適正テスト』であったのだ。

 

 ボストンにいる間者をそういった脱走した魔法師―――時に『軍人』に見立ててのハンティングテスト。

 

 そういったことが行われた理由というのは単純な話。『魔法師』を相手取るときに一番に『カウンターテロ』をする人材と言うのは同じ『魔法師』なのである。

 

 そしてまたそれを行うのは、この国においては『恒星級の魔法師』の役目であり―――更に言えば、シリウスという総隊長の役目は重い。

 

 

「あんな女の子に『人殺し』をさせるのはどうかと思いましたが、まぁなくは無い話でしょう……」

 

「君はあまり忌避感のようなものはないんだな」

 

「そりゃ、俺はこの世界では外様ですから―――ただ独自に調べたところによれば、『魔法師』というのは随分と互助意識というか同胞意識が強いみたいで……」

 

 

 こういった所は『魔術師』とは違う。

 

 基本的に魔術師とは『独立独歩』。己一人で『道』を歩いていかなければいけない存在だ。

 

 それは根源の渦へと至る為、というのもあるが、それ以上に魔術師の大半がろくでもない存在ばかりだからだ。無論、肉親や家族への情というのが無い存在ばかりではないが、師である両親、後継者の座を賭けて争う兄弟、姉妹などざらな話。

 

 一定の年齢まではいいかもしれないが……様々な時期にそうしたことが有りえるのが魔術師の世界。

 同時に神秘の漏洩ということをあからさまにやったものを処断することもある。

 

 

「世間様に知られている『異能力』だからこそ、そうなんでしょうけどね―――」

 

「君の世界には無かったのかい? そういった『魔術師』どうしの組織と言うのは」

 

「ありましたが、それは『必要』に迫られた結果であって、詳しい話を省けば我々には『敵』が多すぎたのですよ」

 

「―――敵、ですか?」

 

 

 アンジェラ・ミザールの疑問に首肯でのみ答えて―――オニキスに任せる。

 

 

『魔術師たちの互助組織であり学術機関たる『魔術協会』。いくつかの『分派』や『分校』などが存在しているこの組織には、明確な敵と潜在的な敵とが存在していた。

 一つには、奇蹟とは『主』(しゅ)と『主の御子(みこ)』の『御業』(みわざ)として、『魔術』を『異端』と認定して魔術師を狩り出すローマ・ヴァチカンに存在する『聖堂教会』

 彼らとの間には一定の協定が存在して時に魔術師以上の『異端』を狩り出すために協力したりすることもあったが―――本質的には、教会は全ての魔術師を狩り出すことを是としている』

 

 二つの『キョウカイ』に存在している協定は既に『破棄』されているも同然だが、ある『村』でのことがあって、現在は『痛み分け』となってしまった。

 

 どちらも『やり損ねた』形である。だが、皆の興味はそこではなかった。

 

 

「魔術師以上の異端?……」

 

 

『それこそが『潜在的な敵』―――俗に『吸血鬼』と呼ばれる存在、我々の世界では『死徒』という言葉で表現される『永遠を生きるものたち』。

 彼らの中には、それこそ西暦以前から存在して『不老不死』の存在となり二千年以上も生きながらえているのもいる。

 詳しい説明は省くが『星の精霊』の従者が転じてそういう存在となって、彼らの『超抜能力』『神代の魔術』……何より一度に何百人単位のグールを生み出す能力は『一つの都市、10万人単位での犠牲者を『一夜』にして生み出すこともある。

 分かりやすく言えば、一匹の吸血鬼が街に混じるだけで一夜にしてバイオハザードが発生するのさ。街は―――生ける屍が闊歩するだけとなりえる』

 

 

 恐らくバランスやカノープスたちには想像出来ないだろうが、本当に災厄なのだ。奴ら死徒の起こす惨劇というのは――――。

 

 目立たずにやるような狡猾なヤツがいる一方で、アホみたいに血を吸いまくって目立たせるようなのもいる。

 

 どちらにせよ―――。そういった存在を狩り出してきたのも自分なのだ。

 

 

「ともあれ、そういった微妙な『三すくみ』が出来上がっていたわけですよ。『魔術師』は、教会の『代行者』に勝るが、『死徒』には勝てない。逆に『神意』を語る『代行者』は『死徒』には勝る―――まぁ大まかな考えでしかないんですけどね」

 

 

 だが、それこそがある意味では『平穏』(バランス)を保つ原因となっていた。然るにこの世界において魔法師を止められる側に立つものも『魔法師』であるということが、状況を複雑化させている。

 

 そして国家間の対立。民族・宗教などを除いたとしても……根本において魔法師の味方は魔法師という原理があるからこそ状況が複雑化する。

 

 更に言えば―――。それに関してはオニキスが言ってきた。

 

 

『私としては2090年代に至ったことで『ゼロサムゲーム』の『冷戦構造』が出来上がっていることが、ある意味では悲しいね。賤しくも言わせてもらうが、君達、魔法師が人類の発展、『人理の柱』になれていたならば、こんなことにはなっていない。

 幼子に遺伝子改良を行い、脳髄を弄り、果てはそうして強化された子供達を大人達の『愚劇』に投じさせる。

 確かに彼らに最初から汚いものを見せることで『現実』を教えるのは教育論かもしれないがね。

 だが―――それでも、けれどせめて、子供達にやがて来る世界が、少しでも美しいものであれ、と。そう努力すべきだった。でなければ誰が『未来』に祝福の『福音』を告げられるんだ』

 

 

 オニキスの人工精霊の元となったパーソナルスクリプトは、『万能の天才』と言われた人物である。この人物は―――本当に『人間』を愛していた。

 

 真実から眼を逸らすことを許さず、されどそこに一握りの未来に繋がる何かを欲していた。そしてまたオニキスが言う『愚劇』に一人の少女が投じられようとしていた。

 

 

 オニキスの言葉はこの場に居るスターズ全員を沈黙させていた。部外者の勝手な意見ではあるが、それでも―――何かしら思う所が無かったわけではない。

 

 

 だからこそ―――刹那も覚悟を決める。所詮ははぐれもの。無頼漢を気取れるほど強くは無いが―――。

 

 

 あの金色の少女に苦悩させ精神をすり減らすような真似はさせたくないのだ。

 

 

「組織には身綺麗なのが一人はいなきゃ後で絶対にツケを支払うハメになります。ウェットワークス(汚れ仕事)が組織のトップ、総隊長の『責務』というのは間尺が合わないでしょう」

 

「―――セツナ君、まさか……」

 

「あそこまで話しておいて、まさかも何も無いでしょ。俺だったらば存分に使い潰して構いませんよ。貰うもの貰えれば、内勤の『ヒットマン』ぐらいやってやれないこともない。『頭』が示すべきもの、誇示すべきものは『ちから』じゃない。『理想』だと思いますよ。そうでなくとも―――『意思』は曲げない。そのぐらいがちょうどいいんだ」

 

 

 何でもかんでも一人で出来るわけではない。魔術師が独立独歩とはいえ―――本当にダメな時には諦めるより先に協力する。互いに無いものを補い合う。

 

 

 あの傲慢なバルトメロイ・ローレライですら、『楽隊』を指揮しての戦いも演じていたのだ。

 

 院長補佐であるあの人からすれば―――『エミヤの人間は私を軽く見るのか?』などと言ってくるだろうか、あの人のスカウトを断り―――今、自分はアンジ-・『シリウス』の旗下に収まろうとしているのだから。

 

 内心でのみ、そんなことを考えて―――バランス大佐を見る。黙考する美麗の女性の心中はどうなのだろうかと考える。

 

 

 そうして十秒ほどの沈黙を切り裂いて口を開く。

 

 

「過去、シリウス―――恒星の中でも一際輝くこの星を冠するに値する魔法師は、そうそう現れなかった。カノープスこと『ベンジャミン・ロウズ』とて、シリウスに格上げすることは却下された……本当ならばもう少し選定に時間を掛けた上で、彼女のコードを決めたかったのだが……」

 

「新ソ連の浮遊戦艦を落としたのは俺です。それすらも表沙汰に出来ないならば―――『半分』は、俺が担うべきでしょう?」

 

 

 ここまで性急にリーナの昇進が決まったのは刹那がやりすぎたのも一因だ。如何に彼女が戦略級魔法を行使できたとしても、軍人の官階というのは簡単に与えられるものではない。

 

 

「……分かった。ただし君は正規の軍人ではない。外部協力員、嘱託職員という形でスターズの『魔法師』という立場に就いてもらう。昔風に言えば『傭兵』ということだ」

 

「はい」

 

「等級としては『スター・ファースト』に相当する実力なのだが、恒星級ではなく『サテライト級』の魔法師として登録させてもらう」

 

「称号なんて今の俺には意味がありませんよ」

 

「だが、組織の決まりだ。従ってもらいたい―――せめてどの『衛星』の名を貰うかぐらいは、決めさせようか」

 

 

 別にどれでもいいと思えたが―――ただそれでも『選ぶチャンス』が貰えたのならば、それを活用しないことはない。

 

 カノープスやアルゴル、そしてシリウス―――マーキュリーなどもいたことを考えれば―――衛星の中でも自分にとって意味のあるものは―――。

 

 決めた後には、早かった。

 

 

「―――何か思い入れがあるのか?」

 

 

 告げたコードネーム。頂いた『衛星』に関して、聞いてきたバランスに対して―――それは秘密だと言ったことで全ては決まった。

 

 条件交渉は後々、されどスターズ及びUSNA軍が求める依頼内容をファイルにして渡されたことで、その日はお開きとなった。

 

 

「案内は―――『扉の外にいる娘』に教えてもらいたまえ―――」

 

 

 自分の仮宿に関しては、どうやら案内役がいるようであり預けていた。もとい様々に調べられただろう私物を返却してもらいながら、扉を開けて出る。

 

 

「それでは失礼させてもらいます」

 

「ああ、ゆっくり休みなさい」

 

 

 時間はもはや深夜になっていた。どこか年上の優しい姉貴分な言葉で、今度はこっちが面食らうも、顔に出す前に退室した。

 

 外には軍事基地の壁に寄り掛る少女。この度、輝けるシリウスのコードを頂き、数か月の研修を経て、同時に『隊』を組織した上での就任となるだろう女の子だった。

 

 

「総隊長になろうって人が、そんな顔でいいのかね?」

 

「そんな顔ってどんな顔よ?」

 

「なんだか雨ざらしの中にいる捨て犬みたいな顔」

 

「……それは仕方ないわよ―――」

 

 

 降って湧いたチャンスというわけではないが、目指していたものへの道が開かれて、更に言えばその頂点に至るなど―――シンデレラ・ストーリーとしては出来過ぎだろう。

 

 だが、表情はどこか浮かないものだ。渡されたパスコードの部屋の番号まで歩きながら話す。

 

 

「元々、『ここ』は人材不足らしいな。軍隊における将官・佐官教育と違って魔法師の場合、能力の上下のみが判断基準らしいから狭き門であるとも言われたよ」

 

「うん。私自身、ボストンでの一件がスターズ正隊員へのテストであることは分かっていたし、『北極海戦争』でのこともあったから、『もしかしたら』っていう期待はあったわ」

 

 

 この世界で言うところの米ソの『局地的大戦争』、矛盾した表現ではあるが、それによってこの国の魔法師戦力は、ある意味では壊滅した。

 

 即時の補充をしようにも、魔法師の数が少ないうえにその上、軍隊…兵士としての適性もある人間となるとさらに少ない上に、そこからさらに『優秀な魔法師』ということまで必要になる。

 

 

 この世界の科学技術レベルから察するに、誰でもいいから『魔法師に頼らず『サイボーグ神父』を作りましょう!』などと語る人間がいなかったか甚だ疑問である。

 

 オーフ〇ン・フィンランディよりも〇09か0〇3を―――うん、泥沼である。

 

 フラット先輩が出会ったと言う聖堂教会の『サイボーグ代行者』を想像するに、そんなことも考える。

 

 

「ともあれ、辞令が降った以上は、それに従うのが民主政体の軍人の義務だろ。がんばってくれ小さな兵隊さん(スモール・ソルジャー)♪」

 

「嫌味ね。ったく―――あなたはどうするの?」

 

 

 嘆息するも、それが聞きたい事項かと気付き苦笑する。別段口止めされた事項でなければ話しても構うまい。

 

 不安げな顔をしているリーナの心配を取り除くことも必要だろう。

 

 

「バランス大佐はオレをスターズに『所属』させたいらしい。無論、兵卒としての教育なんてしていないから外部協力員的な立場に収めるらしいが」

 

「プライベート・ミリタリーってこと?」

 

「そうだな。ある意味ではワンマンアーミー。たった一人の軍隊なわけだ」

 

 

 元々、正規軍で無い兵士を雇い入れて戦わせるという『傭兵』は有史以来存在してきた。

 

 征服王イスカンダルの最大の宿敵『ペルシア帝国』においても傭兵は存在していた。中には、国王ともどもエジプトやインドにまで傭兵として出稼ぎしていた国まであったという。

 

 古代ギリシャを除けば、一番有名なのはやはり『戦国最強の弱兵』と呼ばれた織田信長の軍もその大半は食い詰めた浪人など『銭』で雇われた兵士である。

 

 

 国家に帰属しない傭兵は、確かにあまり信用出来る存在ではあるまい。しかしながら、それこそが有史以来あらゆる『戦い』における重要な『ファクター』となりえたのかもしれない。

 

 

 人類史における『人理』にも通じるものかもしれない―――。勝つ側(討幕)にせよ。負ける側(佐幕)にせよ。そういうことだ。

 

 

「一人じゃないわ……絶対に私の下でこきつかってやるんだから、あなたは私の部下よ♪(予定)」

 

「―――そいつはやる気が出る言葉だ」

 

 

 人差し指で下から見上げるようにしながらの突きつけ。ガンドでも受けたかのように少し見惚れた。

 

 ああだこうだと鬱になっておきながら最後には挑戦的な笑みを浮かべるリーナの二面性は、アンバランスな天才すぎて放っておけない。

 

 

 そうこうしていると――――ようやく窓がある廊下になった。襲撃を受けても大丈夫な防弾ガラスだろう。

 

 そんな防弾ガラス越しのそこに―――輝く『衛星』の姿。

 

 

 その『姿』にムカつき、ケンカを売った『魔法使い』もいれば、その『姿』に恋い焦がれ輪廻の輪に入り込んだもの、その『姿』が見たくて迷宮に閉じこもった神論者――――。

 

 

「わぁ……『フルムーン』だわ」

 

「ああ―――」

 

 

 リーナと共に見上げた月。夜空に瞬く満点の『星々』の中でも輝く―――『星』。その美しさと壮麗さに誰もが目を奪われる。

 

 

 その姿を誰もが忘れてしまいそうになりながらも―――。

 

 

 見てしまえば―――。言うしかなくなる。

 

 

 それは―――どこまでも『死』を見続けてきた男も言っていた言葉など知る由もなく刹那の口を衝いた。

 

 

 

 

 ―――ああ、気がつかなかった。こんやはこんなにも つきが、きれい――――――だ――――――。

 

 

 

 

 

 † † † †

 

 

「コードネームに『月』を選ぶか――――、己が太陽なくば、輝けぬものだということか?」

 

「そんな深い意図があるようには見えませんでしたね―――」

 

 

 達筆に万年筆で書かれた遠坂刹那のスターズにおけるコードネームは―――。

 

 心中でのみ読み上げるベンジャミン。

 

 

『セイエイ・タイプ・ムーン』

 

 

 その意味を問うことが出来なかったベンジャミンは少し後悔した。

 

 セイエイ=『聖永』という造語であり意味合いとしては、『長く続く永遠』。少しだけ日本文化に素養があるベンジャミンならば、刹那の意味は分かったが、そちらには思いつかず。

 

 

 少しだけ誤解をする。『精鋭』の方であると――――。

 

 

 刹那の意図。それは即ち―――『永遠』など求めず、ただその長い時間の中での『一瞬』『瞬間』を精一杯生きたいという意味であった。

 

 

 月は―――刹那にとって『永遠』の象徴であったから―――そういった『皮肉』でしかなかったのだ。

 

 

 後にこのコードネームが数多の脱走魔法師及び外法の徒を震え上がらせ―――『逃げ出してきた運命』を打ち砕くことなど―――誰も知る由も無かったのだ……。

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

 

「ってなんでお前と同室!? つーか同居人とかいなかったのかよ!?」

 

「あきらめるのね。私はアナタの監視兼護衛役。言うなれば『カイル・リース』よ!」

 

「俺が『サラ・コナー』とか、とんだ矛盾。つーか男女逆。―――んじゃリーナと俺の子供は、未来の人類軍のリーダーか」

 

「え?」「あっ」

 

 

 ……などと猛々しくなる前の現在の彼にとっての『敵』とは、真っ赤になる同居人との生活をどうしたものかと頭を悩ませるのみであった。

 

 

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