魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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新規投稿に見えて、実はただの追記ということ。

前回、短すぎたので、今回の話に合体させることにしました。

よろしくお願いします。


第207話『聖夜異変―――Ⅸ』

「ソード了解。しかし再び彼らとはね……」

 

『こちらとしては、あまり歓迎せざる事態だが、致し方あるまい。彼ら向きの事案だ。我々は人身売買のルートの壊滅と少女たちの奪還に専念しろ』

 

「了解です。チャップリン……このコードネームの応答、なんとかなりませんかね警視?」

 

『あきらめろ寿和。由緒ある伝統を潰すのは忍びない』

 

 どんな『由緒』があるかなんてのは知らないが、まぁこういった諜報活動的な言い合いに憧れが無かったわけではない。

 パトカーの中で応答し合った年配の捜査官にはどうしても頭が上がらない。どうやら張っていた組が『怪しい』から『妖しい』に変わった時点で、それとなく『専門家』をこの案件に関わらせたのだ。

 

 その手際は、見事というほかない。

 

『現場での判断は任せる。抜かるなよソード』

「了解です」

 

 古めかしい無線機に見えるも、その実『電子の魔女』にすら盗聴されないシステムを使いこなした寿和は、パトカーの外に出てから今にも本牧埠頭を直撃しそうな朱色の光竜を響子と見るのだった。

 

「被疑者死亡で書類送検なんてことは勘弁願いたいですね」

 

「大丈夫ですよ。リーナも刹那君も首尾よくこなせます」

 

 信頼している響子とは対称的に寿和としては、色々と物申したいことは多いのだが……。ともあれ、事態が自分向きでなくなれば、任せることしか出来ないのだから。

 

 ☆

 ☆

 ☆

 

 

 クリスマスの夜空を駆け抜ける真っ赤な龍。寒風をさほど感じないのは、足場であり乗り物にしている龍が遅いからではなく、これを使役している魔術師が、何かしらの循環暖房をしてくれているからだろう。

 

 むしろ足場の温かさもあり、ぬくぬくとした思いすらある。あるのだが、とりあえず達也としては疑問を投げかけるのだった。

 

「んで? この邪王炎殺黒龍波のような火竜は何なんだ?」

 

「最近の変換機能ってすごいよな。『じゃおうえん』と打っただけでいくつものサジェストを出してきたからな」

 

「茶化すなよ刹那。まぁあの壺のような炉心が礼装なんだろうけれどよ。要はここまで派手な魔法を使っての攻撃をする理由が達也は知りたいんだろう?」

 

「ぶっはー! 夜空を近くに見ながらのお酒はサイコーですねー!!」

 

 達也からの疑問をはぐらかすとレオからツッコまれ、最後には関係ないやつが飲酒で締めてくれた。

 

 なんだこの微妙な幽白四人組は。

 

 ちなみに並びは、先頭に刹那、次に達也、レオ―――尾に器用に跨っているのが景虎である。

 

 達也が一番飛影っぽいのに。けど『邪眼の力をなめるなよ』とか言えるのは俺の方だ、などと思いつつ、レオに言われた通り『派手な魔術』で強襲をかける意図の説明を開始。

 

「アーチャーのサーヴァントが持つ『結界宝具』。恐らく『思想魔術』による三重の結界は、発動したが最後―――アーチャーが意図した相手を『静止』状態に追い込めるんだろうな」

 

『仏教における『六道輪廻図』……天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道―――これらの六趣、六界の様式を以て土地を縛り付けるという、いわゆる修験者が用いる験力思想による魔術だ。彼ら風に言えば法術だろうけどね』

 

 オニキスに言われてレオも思い出す。確かにあのサーヴァントがマントを脱ぎ捨てた後に自分の身は全て縛られた。

 

 既にランサーによってずたぼろになったマント。その裏地には、梵字に似た模様を『三重の円』でつなげたものがある。

 

『恐らくこの結界宝具は、いくらでも『作れる』んだろうな。相当に『腕のいい』結界師がいたんだろうけれど……』

 

「織田信長は取れなかったか……」

 

 信長の天下統一を10年遅らせたと言われる石山合戦の戦いの一つ。

 

 天王寺砦の戦いにおいて、信長は窮地に陥った明智光秀を助けるべく、集まるものも集まらない兵力で救援に向かった。

 

 最終的には光秀立て籠もる天王寺砦に精鋭ごと己も向かうことで、本願寺側の攻勢を挫いた。

 

 大雑把にはこんなところだが、この救援行動。特に敵からの銃弾が絶え間ないところを突っ切った際に、信長は脚に銃弾を受けることとなった。

 

 あわや大惨事ともいえるハプニングであるが、まぁ最終的には軽傷で済んだ辺り、悪運は強いのだろう。

 

「毘沙門天を信仰していないから、そんなことになるのです。私だったらば、砦の守備兵も出させて銃兵を壊乱に追い込んでいましたよ」

 

「そりゃお前(軍神)だから出来ること。つーかなに? お虎が前に出ると直江親子も甘粕景持や北条一門も銃弾をものともしないのか?」

 

「いやー、私がライダークラスで現界していれば、越軍八相車懸りの陣とか出来たんですけどねー。マスターのドジ♪」

 

 なんでさ。というか覚えている限りでは、『風林火山』がライダーで現界しているはずだから、己はランサーとして召喚に応じたとか言っていたような気がする。

 

 ともあれ、いまので分かったこともある。

 

「武将の指揮能力次第では、そのスキルや特性が自身の一門衆や家臣にも付与されるということか」

 

『察するに、あのアーチャーも結界を講じることで、魔王を倒そうとしていたんだろうね。実際、この時の信長及び光秀の関係性は良かった。

 そして、アーチャー……雑賀孫市は、丹波攻めが失敗に終わった明智光秀を救援するべく魔王はやってくると思っていたんだろう』

 

 神秘のテクスチャを引き剥がしていく信長を撃滅するべく、乾坤一擲の策として法力を用いて足止めをし、信長に銃弾を届けるべく―――しかし、現実に、信長の心臓を貫くことはなかった……。

 

「信長による『方面軍構想』か。十師族の現状にも繋がるものがあるな」

 

 達也の何気ない言葉。だが、あんまりこの構想は上手くいかなかった。

 

 鬼柴田……かかれ柴田を敗北させた『手取川の戦い』にしかり、やはりまだまだ『集合体』として有力武将が『方面軍』を動かすには、信長のトップダウン方式は、織田家に根強いものがあったほどだ。

 

 そんな刹那の頭の中での考えを呼んだのか、お虎ちゃん得意満面。

 

 だが、せっちゃん知っているよ。

 

 その戦いにノッブがやってきていると思って冬を越そうと城で待ち構えていたら、厠で力み死しちゃったこと。

 

 せっちゃんと歴史家、ウソつかないよ。

 

「にゃー!!!!!!!」

「うおおおお!! マスター殺しの危機!! ランサーからの理不尽な攻撃(不正解)が俺を襲う!!」

 

「まぁ手取川で鬼シバタ―――――!!!!!」

「にゃ――――!!!!!」

 

(達也も同じことを考えたか。オレは黙して語らず! 沈黙は―――)

「にゃああああ!!!」

「なんでオレまでぇえええ!!!!」

 

『男子諸君、デリカシーというものを学びたまえ♪』

 

 真っ逆さまに大地に落ちかねないところでの攻撃。

 朱龍のオーラを消しかねないランサーからの神速の打突を躱しに躱した後は―――。

 

「いいですか男子三人。戦国の軍神アイドル 水樹景虎ちゃんは、トイレとかいかない!!」

 

 ダイヤモンドは砕けない、みたいなフレーズを語る景虎に、何度も頷く男子三人(正座状態)。

 

 サーイエッサーと言わざるをえない軍神の勢いに気圧されながらも、本牧埠頭は見えつつある……。

 

「最初の疑問に立ち返るが、刹那はこの『ギリシャ火』という魔術礼装を何で作ったんだ?」

 

「それをいまさら気にするか。兄弟子の一人が『原始電池』―――バグダッド電池を模した礼装を作ったのを見てから、んじゃ『火』から辿ってみるかと思って文献もあやふやなギリシャ火を再現しようと思ったんだ」

 

 その時、刹那の顔が苦笑に歪むのを達也は目ざとく診てしまった。

 

 理由は分からないが、ギリシャ火という大筒から発生した『魔竜』は、正しく爆撃の為の準備を開始しつつある。

 

『さぁ終着点だ。準備は万端だな。刹那?』

 

「そいつはいいんだが、こういう登場が多いよな。俺って……」

 

 この世界に来てからの初仕事、リーナちゃんR-18危機一髪の瞬間といい……。

 

 空中から大爆撃と共に降り立つ。いわゆる強襲攻撃。

 

 錬鉄の英雄のようなスマートな攻撃とは真逆のそれを行う気持ちとは、つまり……。

 

『古今東西……魔女は星界を飛翔しながら求め訴えるシンデレラのために地上に降り立つ―――。況や『男魔女』(ウォーロック)もそうなのさ!! さぁ戦いの時だ!! マーチを鳴らせ!! 』

 

投影・重創(トレース・フラクタル)―――全投影連弾創射(ソードバレルマキシストライク)!!!」

 

 その言葉を合図に魔法使いたちは、降り積もる雪に混じる光のシャワーと共に本牧埠頭に降り立つ。

 

 ☆

 ☆

 ☆

 ☆

 

「首尾よくいくかね? アタシじゃランサーには手こずるんだが」

 

「それでもやらねばならないんだアーチャー。俺が表の世界で行きていくためにも……」

 

「まぁ気持ちは分からなくもないぜ。アタシも最終的には傭兵なんかで食っていけないってことで、土地持ちの武士になったからなぁ」

 

 雑賀衆の頭目。その人生はそれなりに波乱万丈であった。

 最後まで魔王に『協力』を出来なかった日々。雑賀衆全体ではないが……孫市自身は、『彼女』とは反対の極にいる人間であった。

 

 その中でも思い出すのは、『南無阿弥陀仏』と唱えることで極楽浄土に行けることを唱える宗派の総本山に着く前のことだった……。

 

 野田・福島城の戦い。櫓の上から鉄砲を放ってきた魔王に辛勝をした上で『石山』に付くことを決めた際―――。

 

 1人の辛気臭い坊主を見た。

 

 近隣の村の人々は石山に逃げ込んではいたが、それでも逃げ遅れたか、何か守らねばならないものがあったか、はたまた石山の決起で動いた宗徒か……どちらであるかは分からない。

 

 だが明らかに『武士』ではない『幼い屍』を前に経を唱える坊主を見た。

 

 そして(かばね)に脚がないのを見たのか、読経を終えると『義足』を与えて手を再び合わせる……。

 

『そんなことしたって、誰かが持っていくだけかもしれねぇぜ』

 

『それでも構わぬ。脚がなければ『浄土』で難儀することもあろう。せめて私が弔っている間に、事を終えるを願うのみだ』

 

 巷の坊主の殆どが、法衣も袈裟も数珠も高価な物に、あまりにも綺羅びやかなものにしている中、男は黒一色の法衣を纏うのみであった。

 

 巷の生臭坊主にくらべれば地味ではあるが、それでもそれは男にこの上なく似合っていた。

 

『アンタ―――石山の坊さんじゃないな?』

 

『然り。顕如殿の蜂起を受けて叡山より参ったものだ。名は名乗らないでおこう雑賀孫市』

 

 そのかたっ苦しい言いように、叡山の堕落した生臭坊主たちから『煙たがられていた』んじゃないかと孫市は思った。

 

 会話は途切れたかと思うぐらいに念仏を唱えていた坊主は、再びこちらに声を掛けてきた。

 

『顕如殿は、『南無阿弥陀仏』を唱え続ければ極楽浄土に行けると思っているようだが、お前もそうか?』

 

『まぁな―――この乱世で善行ばかりを行えているなんて胸張れるヤツはいないだろう。ならば、せめて―――死ぬ前には、イイところにいけるって信じたいじゃないか』

 

『私もそう考えたかったがな……』

 

『何かをしたかったのか?』

 

『ああ、私は人を救いたかった。報われぬ人生を全て正したかった―――だが、人は救うものではなく、終わらせるものだと悟って理解した』

 

 ―――人間(ワタシ)には、誰も救えない。

 

 絶望の果てに矮小さを悟った男の言葉が孫市を貫いた……。

 

 血煙漂う屍転がる戦場の跡に、その男の絶望しきった黒い顔が焼き付いたのだ。

 

 台密の僧。多くの人の嘆きと悲しみを真正面から受け止めすぎた男。

 

 その男のことを思い出してから、マスターの願いを聞いておく。

 

杉谷(スギヤ)。アンタの望みは何だ?」

 

「俺は弱体のマスターだからな。『力』を見せた後は、適当に『拾われるさ』。お前を『寄越せ』と言われたならば、くれてやる―――構わんか?」

 

 この場において誰か1人でもいれば、その会話の意図が分からなかっただろう。だが、アーチャーとマスターである元・出多興業の社員であり若頭であった杉屋(杉谷)善人ならば分かる会話である。

 

「身売りの宗旨変えはアタシの時代では当たり前だったんだぜ。今さらそんなことに阿るかよ」

 

 だが少しの寂しさがないわけではない。現世において呼んでくれた主人が、いとも簡単に自分を捨てるなど……。

 

「んで? 南蛮博徒どもはどこに?」

 

「商品の検分中だそうだ……しかし、最後にこんな泥仕事が待っていようとはな」

 

「直参しようってのに、何か成果が欲しいとは狭量な―――!! またかよ!!!」

 

 喚くアーチャーは、気づいたことで視線を上に向けた。釣られて杉屋も向けると、そこには驚愕すべきものがあった。

 

 蜷局を巻くように上空にいる巨大な生物。

 

 風雲を呼び従え、激しい雷雨を降らすと知られている幻想の生物……!

 

『―――龍!?』

 

 朱色の光。闇夜の中でも見えるその色は不吉を孕む。

 朱色の光龍という、あまりにも奇天烈すぎて、魔法を知るものからすれば仰々しすぎて無駄事すぎて―――されど、その造形は見事なまでに幻創を生み出していた。

 

 そしてアーチャーのサーヴァントは、その(ヒヒ)色の鱗を持った光龍の背に―――注目した。

 

 強化された視力は、蜷局を巻く龍に直立する男三人の姿を確認した。

 

 一人は見覚えがある。二人は見覚えがない。

 

 だが、強烈な(プレッシャー)が発生しており、只者ではないことは理解していた。

 

 咆哮に似た圧力がアーチャーと杉屋を吹き飛ばそうとしている。

 

 上空にいる巨大な魔力体が動いたことで乱流が発生しているのだ。

 

 横浜本牧埠頭とフィリピンマフィアが乗ってきた貨物船を標的に含めた巨大な龍。

 

 気づいた数少ないフィリピンマフィア雇われの乗組員たちも甲板に出てきて、その光景に恐れ慄いたり神の名を唱えている。

 

 意外なことというわけではないが、フィリピンという国の主な宗教はキリスト教。まぁ元々は現地人たちを勝手に未開と決めつけて、『改宗』させていった結果なのだが。

 

 ともあれそんな状況の下……闇夜に輝く朱龍は、蜷局を巻いていた身をほぼ一直線にして、雨滴にも似た落ち方、しかし紐状生物のように身を湾曲させながら落ちてくるのだ。

 

 

(あんなものがそのまま落ちてくれば、ここは発破されるだろうな……)

 

 こちらとしては、期せずして『人質』となっている『魔法師を作る腹』や『種袋』どもまで殺さんとする魔力の圧だが―――巨龍は―――。

 

 アーチャーが銃を向けた瞬間―――。無数に分裂を果たし、鳥のようなものに変化していく。身の全てが朱色の鳥のような有翼生物になったままに落ちてくるのだ。

 

 その威力は―――察してあまりある。

 

 

「この群雀(むれすずめ)どもがうじゃうじゃと―――!!!!!」

 

 叫びながらその身にある宝具『浄銃奉納百八挺』(バロックガン)を滞空させて、対空射撃を敢行。

 

 如何に『大魔術』の類とはいえ、アーチャー雑賀孫市の銃の一発一発はCランク宝具の攻撃に準ずる。

 

 もちろん口径によっても威力が上下する『歪み』を持ったものであり、港のコンクリート路面を足場にしてさかしまの流星を再び作り上げる。

 

「ど、どういうことだ!? ミスタースギヤ、話が違いすぎるぞ!!! ―――あばばば!!!」

 

「ドン!?」

 

 フィリピンマフィアの頭目。カルロ・カスティーヨでありドン・カスティーヨは、『コンテナ』に箱詰めさせられていた商品の移送を指揮していた。

 

 しかし、この異常事態の前に肥満体の男は飛び出してきて、彼にも見える魔術の攻撃、アーチャーが迎撃出来なかった『群雀』に、その身を貫かれて身を痙攣させた。

 

 物理的な威力よりも『精神的』なものに重きを置いていたらしく、昏倒する様子に瞠目する。

 

 その隙を狙って、今までどこに隠れていたのか、傾いた格好の少女と―――少年一人が埠頭に飛び出してきた。

 

 一方はアーチャーも知っている。もう一方は知らない。

 

 こちらが敵の爆撃を阻止している間隙を狙った見事な連携。

 

 アーチャーの手が回らないと思っての行動を前に―――バカが! という嘲りと同時に、『六道結界』で動きを止めてやろうという意図でマントを展開したが……。

 

「アーチャー!!」

 

 マスターの言葉でマントを翻し、地面に落とすことで展開される結界が発動しない。

 

 瞬間、あちこちで何かが爆ぜる音が響く。それはサーヴァントの宝具でいえばB〜Aランク相当に通じる威力の発破。

 

 どこからの攻撃かと探る必要はなかった。落ちてくる群雀に混じって―――多くの綺羅びやかな美と妖しすぎて見るものを幻創にいざなう魔力を両立させた武器が落ちてきていたのだ……。

 

 孫市に存在する三重の結界を砕くほどの武器が至近に落ちた。

 

 特大の雷電ごとの落着。思わず孫市もマスターごと飛び退くしかなかった。

 

「金剛杵!?」

 

 本牧埠頭が数10cmは全体で陥没したのではないかという圧が、結界をズタズタに引き裂き不安定にさせていた。

 

 闇夜の中で金色に輝き紫電を放つ武器だけが、闇夜を払うヴァジュラ()となりえる……。

 

 そんなことを連想していると―――四つの影がアーチャーたちと対峙する。

 

 

「群雀に混じって落ちてきたのか!?」

 

「そういうことだ―――さて、アーチャー『雑賀孫市』、そのマスター『杉屋善人』―――お前たちの引くべきトリガー(引き金)は、叩き壊させてもらう」

 

 聖夜の夜に『魔法使い』は幕引きを告げるべく『ラスト・クリスマス』を歌うのだった……。

 

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