魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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キャスター・アルトリア キマシタワー!!(誤)バサスロをお供にとりあえず一枚ゲットだぜ!

いやぁfgo運営は太っ腹ですねー。なにより川澄さんが豪運。はたまた実は、あの風船紙吹雪はどれをさしても(邪推)

そして今年の水着鯖及び霊衣―――バカな! ましん先生は昨年、利き腕を折られたのだぞ。
運営はそんな先生からありったけの銭を奪おうというのか――――!!(笑)

えー、ましん先生がマジ歓喜だろうラインナップ。第二弾のピックアップでは、果たして東出祐一郎の逆襲はあるのか?(胸熱)

そんなこんなで祭り! お祭りである!!  と一人だけ盛り上がって申し訳ないですが新話お送りします。


第243話『Farce/melty blood‐6』

 中継車の中、2人っきりでいる男女、その2人の表情は、特に色のあるものは無いが、それでもお互いに見ているものに輝きは灯るのだった。

 

「……四騎ものサーヴァントを維持できるならば、こっちにも一騎貸してくれてもいいのにー」

 

「魔力供給のライン―――は距離には関係が無いという話だったな……とはいえ、タタリ・パラサイトが『具象化』しなければ、サーヴァントの力は過剰すぎる」

 

 憑依する程度ならば、まだ魔法師でも対応できる。寧ろそんなのにまでサーヴァントの力を使うなど、少々大人げないとも思える。

 羽虫を殺すのに、殺虫剤で済むところを火炎放射器で『汚物は消毒だー!』とでも言えばいいのか……ともあれ、克人としてはそういう気分であった。

 

「そりゃ分かるんだけどー……」

 

 緑茶を飲みながら不満たらたらの真由美を収めようと言葉を重ねる克人だが、確かに―――少しは気持ちも分かる。

 

「具現化するタタリ・パラサイトが明確な形となるには、やはり遠坂ほどの魔的な現象に多く関わってきた人間が一番だろう。しかし、ソレ以外にも―――俺たちの不安が具現化する可能性もある」

 

「―――例えば?」

「司波辺りと接触すると仮定して、アイツが不安に思えば『アケロン川の女王』が出てくるかもな」

 

 レテ川とアケロン川とはギリシャ神話では少しばかり違うが、どちらも『冥府』『死者の国』に通じる河川である。

 そう言われれば、真由美もそれを少しだけ不安に思う。

 

 

「さてさて、どうなるのかしら今夜は―――バレンタインも近いのだから、そろそろ何かの終局の道筋が見えてもいいと思うのだけどね」

 

 終局。その言葉は時期尚早に思えたのは克人だけだった。

 

 将棋のタイトル戦などは、余程の実力差があれば4タテで決まる可能性もある。プロ野球の日本シリーズとて、セ・パで実力差があれば簡単に決まる―――。

 とはいえ、どちらも自分にとって『本拠地』での戦いでは有利を引き込めるというのもあるのだが。

 

(何であれ勝負事というのは、ホームタウンディシジョンというのもあるからな……)

 

 だが、いま自分たちが戦っている『敵』は、あらゆる『盤外戦術』も駆使してこちらを翻弄している。

 

(あるいは、奴らの好きなようにさせておくように、何らかの邪魔をしている連中がいるのか?)

 

 言葉を交わさずに死徒と同盟を組んでいる連中がいる。それが動きの鈍さに繋がっているのではないか? 

 

 そんな妄想をしてしまうぐらいには、流石の克人も疲労が溜まってきた。だが、見えぬ足を引っ張っている相手がいる―――それは………。

 

 不意に銀髪の少女が脳裏に過ぎった。彼女は自分たちよりも知りすぎている。

 その目的は全容が知れないが、それでもあの時に出会ったことに意味はあるような気がするのだ。

 

 と、結論づけた時に、血相を変えて中継車に飛び込んできた御仁が1人。七草家の執事の1人、名倉である。

 どうしたのだろう? と疑問を口にする前に、執事は衝撃的なことを口にした。

 

「お嬢様! 大変です!! 泉美様と香澄様が―――屋敷から出たようです!!」

 

「発信機の方は?」

 

「ダメです。連れ戻されることを嫌ってか切っておられます」

 

 なんてことを。双子の狙いが真由美には分かった。連日連夜、夜中に『何か』をやっている姉のことを助けんと、同時に数日前の強烈な魔力の波動を感知して、この夜中に彼女らは魔が満ちる東京都内に繰り出したのだ。

 

 当人たちからすれば新世紀のダーティペアぐらいの気分なのかもしれないが、事態は甘いものではないのだ。

 

「如何にこちらからの探知を『切った』としても、何かしらの記録や『短波』は出ている。それを探ろう」

「分かったわ」

 

 現代の携帯通信端末というのは、昔と違ってGPS機能や電話会社からの『おっかけ機能』をオフにしておいても、何かしらの移動記録が『ビッグデータ』に残るように設定されているのだ。

 

 当然、これはある種のプライバシー保護の観点から問題にはなったが、それでも警察が裁判所からの許可をもらい、犯罪被害者や犯罪容疑者の通信記録の開示をもとめられるように、そういった声は徐々に消えていった。

 

 それ以上に、犯罪抑止―――ようするに、何処に誰それがいるということが『周知』されてしまえば、そういったことは中々に起きないということになる。

 2020年時点ですら東京都内のあちこちには監視カメラ……現代で言うソーシャルカメラが敷設されていたのだ。

 

 要は―――、どこかしらに双子の痕跡はあるはずなのだ。

 

 そんなわけで、七草真由美が端末を操作して十文字克人が出かける準備をした段階で、双子と鉢合わせしているのがいたのだった。

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 

「やはり食の好みが変わった……昔はマスターが食べるようなハンバーガーを好んでいたのだが、もぐもっきゅ。―――この蒔寺屋の鯛焼きの方が実に美味しく感じられる」

「どっちもジャンクフードな気もするけどな。まぁ好んでくれてるようで何よりだ」

 

 散策しながらの買い食い。アルトリア・オルタと並びながら、あちこちを見て回り、同時に―――何かを探る。

 

 グールの反応があれば、それを潰し徐々に包囲網を狭める。

 

 そんな作業である。だがジャンクフードを好んでいたアルトリア・オルタの嗜好の変遷は気になる。

 

 

 きっとどっかの聖杯戦争では―――。

 

 

『バカ野郎! オルタ!! お前はまだ俺の特製ハンバーガー食べていないじゃないか! お前は俺の―――!!』

『いいえ、もういただきました。アナタの愛情の籠もった料理(スペシャリテ)で……ハラァ……いっぱいだ』

 

 などというやり取りの末に、消滅を果たしたのかも知れない。

 

 ちょっとだけ涙が出てしまう。

 

「むっ、マスター。何か気になることでも?」

 

「いや、ハンバーガーをいっぱい食べさせていた、君の『いつか・どこかのマスター』との絆にちょっと嫉妬」

 

「そんなマスターが想像されている『獣の槍』を巡るような闘争じゃないと思いますけどね」

 

 見抜いてらっしゃる。

 

 とはいえ、こんなやり取りですら、刹那はちょっとした『変化』を覚える。

 

 アルトリア・オルタ―――。正調の騎士『アルトリア・ペンドラゴン』が反転した姿というには、随分と礼儀がただしいというか、暴君的側面が若干和らいでいるように思えるのは、どうしてなのだろうか? 

 

 まぁいいやと思いながら散策していると―――。オルタから警告される。

 

「マスター、微弱だが魔術師の気配がする。こちらの気配を伺っている様子だ」

 

「気配探知ほどではなくとも、そういうのは分かるか」

 

「ああ、ちょっとした直感の応用だ。どうする?」

 

「……知り合いだが、関わらせるのもあれだから脅かして帰そうと思うよ」

 

 こんな夜中に出歩くJC3人。というか1人は体調不良を訴えていたというのに……。

 

(友達と夜遊びしたいってんならば、パジャマパーティーでもしてろよ……)

 

 と、少しだけ文句を付けつつ、素知らぬ顔で歩き続ける。

 

 ―――こうした方がいいか? ―――と小声で言いながら、腕を絡めてくるオルタ。いつも感じる感触とは違うが、それでも、血流の速度が上がるのを感じるのは―――

 

 取られたのが右腕(エミヤ)だからに違いない。そう自分を納得させておきながら、魔術回路を使って現象を組み立てるのだった。

 

 ・

 ・

 ・

 

 往来にて知り合いの男性にしなだれかかる情婦のような格好をした……外国女性。その姿を見た瞬間、完全に浮気だと感じた泉美と香澄は、色々な感情が渦巻く。

 一応は自分たちも入学予定の学校の先輩。赤いコートに身を包んだ姿は九校戦で目に焼き付いた―――ヒーローの姿であったのに……。

 

 その後には、今も付き合っているだろう金髪美少女アンジェリーナ・クドウ・シールズと抱きしめ合うシーンは、昨年度の話だが九校戦におけるベストショットに認定されている。

 当然、一条将輝との戦いは早打ちにおけるベストバウトとも称されていたというのに……。

 

「むぅ、やはり浮気なのかな?」

 

「かの一休宗純のテーマソングとて、『すきすきすきすき』と連呼した挙げ句、愛してると続くわけですし、更に言えば男の人はいくつも愛を持っていて、あちこちにばら撒くそうですからね。仕方ないかと」

 

 いつの時代のアニソンから引用しているのか、とラニが言いたくなるぐらいに妙なことを口走る22世紀を生きる双子だが、ラニとしてはさっさと帰りたい。

 シオン師から、このルートはマズイとか聞いておけば良かった。ズル休みしただけに、それを問えなかったことが今回の事態に繋がったわけである。

 

 草むらに隠れながら監視するのが、今夜抜け出した最終目的であるとか、少しばかり『しまらない』。

 

 そんな2人の推測とは裏腹にラニは、女の正体をよく分かっていた。

 

(あれがアーサー王……そのオルタナティブ―――とはいえ……)

 

 霊基・霊格ともに『この時代』においてはありえぬ総量を有していると、ラニは眼鏡を上げながら観測する。

 若干の歪みに関しては衣装としている『霊衣固着』(レイヤーエクステンド)が影響しているのだろう。

 

 そう思いながら、古式ゆかしく枝を両手にして草葉にまぎれているつもりの泉美と香澄を横にしていたのだが……。

 

「そこな少女たちよ―――。こんな夜更けに外出するもんじゃないぜ」

 

「「へっ? ―――え、ええええ―――!!!!????」」

 

虚像の幻像術(ファントムミラージュ)……。恐れいりますね。全然気づきませんでした」

「まぁお前がアルトリアの方にだけ眼を向けていたからな。俺1人ぐらいを幻像(ミラー)として見せるぐらいは容易い」

 

 引っ掛けられたことを悔しく思うラニだが、双子はまだ混乱しているようだ。

 

 すると、とつぜん振り返り、刹那の幻像を崩して爆速で駆けてくるアルトリア・オルタの姿。草むらをぬっと覗き込んでくる(かんばせ)にキレイなものを感じるも、若干の恐怖も感じる。

 

 挟み撃ちの目にあったことで窮地を悟る双子―――きっとこの後は、一般板では出来ないようなR-18指定で「イヤ〜ン」な感じのことをされてしまうに違いない。

 

 間違いなくそうであるに違いない。

 

 ―――と思っていたのだが……。

 

「えーと……七草先輩のナンバーは……」

「これですよ導師(マスター)セツナ。というか本当に機械苦手なんですね」

「なんとかしたいとは思っているんだけどね。たどたどしくて(もう)し訳ない限り……」

 

 保護者に通報するという無情な態度に七草香澄は食って掛かる。

 

「ちょっとー!! 遠坂先輩ってば何を普通に保護者に引き渡そうとしているのかな!?」

「いや、至極当然(しごくとうぜん)の対応だろう。なんぞ文句でもあるのか?」

 

「ありますよ!! 私達は、今まさに電話をつなごうとしているお姉さまを助けるために、ミッドナイトトーキョーに降り立ったガーディアンエンジェルなんですから!!」

「遊○王カードかデュ○マカードみたいに横文字ばかりを使うな。日本語(ジャパニーズ)でどうぞ」

 

 泉美の腕を振り上げての言葉に、そう返しつつようやく繋がる電話。

 

『刹那くん! もしかしてそっちに!?』

 

「お察しのとおりです。御令妹(ごれいまい)2人とその同級生1人が―――あーーー!! 逃げるな―――!!」

『『奥歯の加速装置、発動!!』』

 

 完全に自己加速魔法で草むらから出て逃げの体勢に入った双子。ラニは置いてけぼりかい。無情な、と思いつつも―――。

 

 そんな双子の背後に回り込んでから猫のように持ち上げるは、オルタであった。

 

「ぐえええ! この人、魔法の発動もなしにボク達の背後に回り込んだ!!」

「この異常な身体能力―――まさか!?」

「知らなかったのか? 大騎士王(アーサー王)からは逃げられない」

 

 首だけを振り向いた先にある騎士王に向けた双子が、驚愕する。

 

「キャスター・アルトリアの実装で、遂にグランドスラムを達成した私を舐めてもらっては困るな!」

 

「「「「どういう意味!?」」」」

 

 

 自信に満ち溢れたアルトリア以外の四人が驚愕するセリフ。本当にどういう意味だよ……。

 そんなこんなで通話口を抑えていた刹那だが、七草先輩と再びの通話。

 

『どうやら捕まったみたいで助かるわ。執事達をそちらに向かわせるから、引き渡してもらえればと思うわ』

 

 その言葉に、その間に包囲網の狭めは中断するということだなと、耳元の宝石を震わせて短波の念話を放つ。

 

 こちらは緊急事態・包囲作戦は一時中断―――という程度の明朗とは言い難い単語のぶつ切りみたいなものを放っておきながら七草先輩と通話をしていたのだが、途端に通話が不安定になる。

 

 ノイズが、断続的に発生してあちらとこちらで通話が不可能になっていく。

 

「先輩! ―――ッ!!」

 

 瞬間、自動発動する魔眼。途絶する電話連絡。

 

 死徒か? と緊張するも、魔眼の反応が強烈ではないことから結界探知(アラート)の類であると気付き、アルトリアとラニを加えてフォーメーションを組む。

 

「な、何が起こったんですか遠坂先輩!?」

 

 異常事態が起こっていることを察した泉美が喚くも、答えている暇はない。

 

「死徒じゃない。セツナ、囲んでいるのはメイガスたちだ」

「狙いは、サーヴァントに関して―――」

 

「そう考えるのが妥当だな。ラニ=Ⅷ、結界の向こう側に(ここから)こいつら連れ出せるか?」

「破ってくれればと豪語したいですが、その前に交戦状態になります。敵は戦闘に長けた魔法師(猟犬)です」

 

 自分一人ではどうしてもガードに不安が残ると、冬場にも関わらず汗を掻きながら言うラニ。

 アトラスの錬金術師は、卓越した思考速度で敵の行動を予測。変動する確率密度(乱数生成)を解析し、最適と統計を競わせる。

 

 つまり―――彼女の読みは正しいのだ。

 

 足音を消して展開していく人間たち。だが連中(見えぬ敵)は、少々甘く見過ぎである。

 そうして公園のあちこちに展開した連中を魔眼で睨みつける刹那。

 

 刹那には見えなくとも、こちらの眼を覗き込むと、明確な照準を着けられないことで『呻き声』があちこちで聞こえる。

 見かねたのか、たまらず『仮面』を着けて『ぞろり』とした衣装を纏った人間が3人出てきた。

 

 容姿は判然としない。背丈と姿勢だけで判断すれば、成人男性1人に未成年2人―――未成年は男女の別は分からない。

 

 

「………どちら様かな?」

 

 重心を心持ち前かがみにさせながら、踏ん張りを利かすことを念じてから問いかける。

 

『答える必要はない。遠坂刹那―――我らが『英霊召喚』の御業を得るために、その身体、蘊蓄(ちしき)―――全て貰い受ける』

 

「具体的には?」

 

『殺す』

 

「随分と昔の『斧 定九郎』もいたものだ。『50両』とだけ言うならば、毛皮の股引を着て、腰に山刀を下げた山賊衣装で言うべきだぜ」

『歌舞伎を交えた戯言には興味がないな。あいにく中村仲蔵(なかむらなかぞう)ほど悩んでもいないのでな―――』

 

 そんな言葉を相手が『弛緩』したその瞬間を狙い―――。

 

「セイバー!!!」

「蹴散らす。貴様らは魔術を使う野盗だ。首を全て刈り飛ばしてくれる」

 

 先程まで着ていた霊衣を吹き飛ばして、胸元と背中が開いた黒色のドレスを纏う様子に誰もが息を呑む。

 

 その手には黒色の聖剣がある。

 規格外の魔力を備えた魔人の圧に全員が、気圧されていた。

 

(とはいえ、マスター。殺すのはマズイか?)

(適当に痛い目に遭わせてくれればいい。当たり前だが『宵闇の星』レベルの魔力放出は禁止、宝具の開放も禁止だ)

(心得た。刃は寝かせて、飛び来る飛び道具は『打ち返して』みせよう。そして―――『片手持ち』(ワンハンド)か?)

 

 窮屈な戦いですまないと言うと、オルタはオーダー通りに魔力と剣圧の複合斬撃を薙ぎ払う形で放って『野盗共』を壊乱させる。

 そんな片手間の一撃ですら、公園の木々を丸太に変えて大地(アスファルト)を抉り削った上で紫炎をあちこちに吹き上がらせるのだが……。

 

 ともあれ、その際に―――。

 

『どわー!! と、遠坂先輩! 容赦ない!! そりゃ術者そのものが『最強』である必要はないなんてのが、エルメロイレッスンでの口癖とはいえ!!』

 

『騎士王アーサーを使い魔にした上でぶつけて来るなんて大人げないですね!!!』

 

 半泣きで、逃げ躱しているいつぞや知り合った双子の声が聞こえたりするのだった。

 

 

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