魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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お虎「2022年は寅年……虎縞ビキニのヒロインのアニメがリメイクされ、TIGER & BUNNYの2期が発表された今! FGOに求められるのは虎に対する大プッシュ!!
夏のイベントでは虎ビキニ衣装の私の実装! M樹さんが思わず『まいっちんぐー!』と叫ぶような過激なものを社長絵で書き、そして―――ぐだぐだイベントでは、遂に私の宿敵、みなさん待望の『甲斐の虎』武田晴信の実装を―――」


などと夢がふくらむ寅年の一年が始まりました。

今年もよろしくお願いします。


春休み編『超銀河級グレートマザー』

 

英国、ブリテン島で戦いが行われている中、極東においても一つの戦いが始まりつつあった。

 

刹那のやることを詳しく理解していなかったものの、神代秘術連盟から戦力が出たことを理解すると、十師族を中心とするナンバーズは西への進軍を即座に決定。

 

九島家と粘り強い交渉を続けた、三矢及び一条の尽力が報われた形である。

 

結果的にではあるが、こういった事態を含みをもたせて伝えられていただけに、行動は早かった。

 

そして何より、攻略目標を2つに絞ったことが動きを円滑にしていた。していたのだが……。

 

「当然、リーダーたるは俺に決まっているだろう! 俺の指示でビシッ!と協会を奪還してやるよ!!」

 

「寝言は寝て言ってくれよー♪ 紙を飛ばすだけでなくて、そのチリチリパーマも飛ばすのかい? 笑かしてくれる」

 

「んだとぉ?」

 

「なんなんだい?」

 

ゴゴゴゴゴゴ! という擬音が響きそうな2人の男子の睨み合いに『仲悪っ!』と周囲の人間たちは想うのだった。

 

「まぁまぁ落ち着いてくださいよ。2人とも」

 

そんな2人の男子を仲裁するべく、同じ年頃の男子が動き出した。

 

「ここは一つ、黒羽君をリーダーにしましょう。今回の攻略戦において、戦力を一番に連れてくれたのは彼ですから」

 

「九島くん……それでいいのかい?」

 

「構いませんよ。今、我々がやるべきことは、協会員たちを支配下に置いているサーヴァントとマスターたちを打倒することです。そのためならば、主導権などくれてあげます。僕を―――兵隊として上手く使ってくださいよ」

 

「……甲斐・諏訪の男子として期待に応えよう」

 

いがみ合う2人の男子を、上手く仲裁したものだと想う。

 

要するに、この戦いがただの主導権を握り合うだけではないということを、理解させたというところ。

 

七宝には、今回の主戦力が四葉の家人たちであることと、四葉とて成功するとは限らないということを認識させて、その上で四葉―――黒羽のふんどしを締め直させたというところだろう。

 

柔らかな笑みを浮かべる割には、随分とキツイことを言ってくるものだ。

 

そんな男同士の会話を尻目に女性陣は、もはや目と鼻の先にある関西魔法協会を見ながら会話する。

 

セイバー(・・・・)、どうなのかしら? サーヴァントはいる?」

 

「おりますね。亜夜子姫、まごうこと無く気配を出しています。誘ってますね」

 

「そう……女なのか男なのか知りようがないけれども……自信があるのね……」

 

セイバーのサーヴァントから亜夜子姫と呼ばれた黒羽亜夜子としては、あのクリスマスの夜に『手痛い失敗』をしただけに、慎重にならざるをえない。

 

本来ならば仕事着として着ていたゴスロリ服―――パンクゴスな衣装ではない。

 

父・貢が、大枚はたいてまでも『魔宝使い』に用立ててもらった魔術的『重装備』……赤黒のコートに、動きやすさを意識しつつも胸部などを保護するために特化したボディアーマー。

上半身はそれでありながらも、下半身は何かの紋様――金色で描かれているタイツパンツとでもいうものを履いていた。

 

髪飾りもまた少々凝ったものであり、角のような突起が幾つも着いたリボンで髪を纏めている。

痛くはないのだが、何となく周囲に気を使ってしまうものだ。

 

「亜夜子様、先陣は私とヒカルちゃんで務めますので、あまり気を揉まなくてもよろしいかと」

 

「全面的に頼りにしたいけど、私も行くからね」

 

水波に返しつつ考えるに、この『作戦』はいうなれば、四葉の名誉回復の為の戦いともいえる。真っ裸の当主が行った国際的ピーピングゆえのあれやこれや。

 

つまりは最前線に出て、戦いを演じなければいけないのだ。弟である文弥は次期当主候補なのだから、姉である自分が前に出なければならない。

 

多くの資産を魔宝使いに出して、ようやく召喚出来たサーヴァントは……。

 

(どういう素性なのかが分からないだなんて……)

 

セイバーは『若武者』ではあろう。最初は『武田信玄』の若き頃『武田晴信』とか、改名前のそれなのかとか考えをめぐらしたが―――。

 

『分かりませぬ!』と勢いよく言われて、どうしようもなくなるのだった。

 

ステータス数値は教えてもらったが、恐らく貧弱な方なのだろう。日本という国においては、大層な補正はかかるのだろうけれど―――――――。

 

「ご安心なされ姫! 拙者、これでも諏訪大社にゆかりのある武者ゆえ! 都での戦いも経験済みなのです!」

 

「……頼りにするわセイバー」

 

小さな体の胸を叩く、女とみまごう容貌のセイバーに対して、どうしても命を預けられるのか難儀をしてしまう。

 

(けれど、遠坂先輩はセイバーを見て、何かを気付いて『若君、黒羽殿たちをよろしくお願いいたす』などと笑顔で言っていたわね)

 

それが、どういう意味であるかは分からない。しかし、それでも運命の時間は来るのであった。

 

「―――行こう」

 

流石に協会から届く『意』を受けて、文弥が号令をかける。これ以上の滞陣は、こちらが逆に襲撃をかけられかねない。

 

端的な言葉。それを合図に若武者たちは歩きだすのであった。

 

 

「ヤールングレイプル!!!」

 

白銀の拳の一撃―――巨大化されたレオの拳の一撃が放たれたが、サーヴァントなのか、受け止めたカラクリ武者はそのままにレオと力比べをしてくる。

 

『フィアマカジィイイイタ!!!』

 

「何の呪文か分からねぇが言葉喋れるのか!?」

 

しめ縄で脇を固定して(用途不明)、日本の鎧武者の装甲を持つ青いカラクリ武者は、とんでもない膂力でレオと取っ組み合う。

 

『相棒! 英霊憑依だ!!』

「ああ、Buddy GO!!!」

 

即座にその相手を脅威と見たアンリ・マユを、レオは憑依させる。

 

「力比べでは負けないぜ!!!」

『呪いが効いていない……こいつはサーヴァントじゃない。サーヴァントの武装であり『宝具』だ!!』

 

押し返すようにカラクリ武者を退かせたレオ。正体を見抜いたアンリの声を聞いたが――――――

 

「斬ザブロー! そのまま赤い隈取り男を抑えていて!!」

 

ここに来て、自分の芸の『仕込み』が暴露されたことを悟ったサーヴァントが、動き出した。

 

『ワシャッガーナ!!!』

 

レオの側面。横っ腹を狙おうとして、オレンジ色の髪をした短躯……それでも160あるかないかだろう身長の少女が、長物を手にしてやってくる。

 

(疾い!)

 

音速というほどではないが、脚の捌きが一歩一歩素早いのだ。

 

もう一対の幻手を展開して追い払うように動かすも、軽快な捌きと、宝具ほどではないだろうが業物の刀が、こちらの『手打ち』の攻撃をいなしてくる。

 

エルメロイ先生や刹那の言う彷徨海の『エルゴ』という青年―――ある意味では、自分にとって兄弟子のような達者な腕使いは、まだまだ不可能のようだ。

 

何より……。

 

「斬ザブロー!! 押して押して押しまくれ―――♪」

 

『ラ・ムゥウウウウ!!! アターールゥウウウ!!!』

 

「ちっ!!!!」

 

指示を受けたからなのか、正面の圧力が増えてくる。先程は押し返せたが、今度はこちらが押されてしまう。

 

生半可な術を使ったとて、このカラクリ武者『ザンザブロー』とやらには効くまい。

 

「そのお命、頂戴いたーーーす!!」

 

命のやり取りをしている割にはカルイ口調だが、決して不快ではない声で刃物がレオの首に回ろうとした時。

 

「そうはさせないわよっ!!」

 

「おっと!!! ここで助太刀推参とは! なかなかにいい出入りだ!!!」

 

邪魔されたというのに、楽しそうな様子を見せて助太刀―――千葉エリカの介入を『歓迎』するサーヴァント。

 

そして、それを受けてレオはカラクリ武者を押し返した。

 

カラクリ武者だけならば、幻手全てを使えばどうにかなった。気合いの声を上げて、押し返すと。

 

「合流だぜ! 斬ザブロー!! アタシの『芸』はまだまだだ!!! 気合入れろよ!!」

 

『カブキファンクション』

 

エリカとの切り合いを終えて、あっさりカラクリ武者と合流をする。侍というには少しばかり硬さが無く、かといって陰陽師というには、衣装が色彩豊かにすぎる。

 

様々な柄の布を合わせた外連味溢れるものに、少女に不釣り合いな丈の大野太刀……。

 

正体はまだ不明だが、それでも―――

 

「エリカ、あのサーヴァントの実力の程はどうなんだ!?」

 

「弱くはないけど強くもない。けれど倒しきれるイメージが出来ない―――多分、目標としている敵が私とは違うんだと想う」

 

そのやり取りでレオも察する。彼女の主敵というのは、戦国時代の武将や武者の類ではない。生きていた時代はまだ割り切れないが―――少なくとも幕末明治頃の存在ではないのだろう。

 

「ふふん! 神速を謳う鳥居強右衛門(すねえもん)どのを倒してまで私に相対するとは、恋人どうしかね?」

 

「いいえ、ただコイツを慕う女の子が多すぎて、手助けしないとあとが怖いんです」

 

からかいの言葉を掛けられても、平素で対応してくれるエリカに苦笑しながらも、サーヴァントの一騎を倒した事実に少しだけ嫉妬心を持つ。

 

「だが、この軍団戦で強右衛門どのを倒すことは、失態だったかもね?」

 

「そうね。死ぬことで自軍全体にバフ(強化)が掛けられるなんて、流石は落城寸前の長篠城に『援軍は来る!』 と叫んで士気を上げさせた豪傑だわ……」

 

消滅することで真価を発揮するサーヴァント。そういうのもいるのかと思いながらも、幻手に力を込めて―――相対する。

 

「さぁて―――、異国での初公演は英吉利。しかし、やることは変わらない!! 私の神楽で黄泉路を安らかに進ませよう!! 真名を明かせずとも、この戦いを人々の目に焼き付ける!!! 目に物見せる英霊英傑歌舞伎(さーゔぁんとかぶき)の始まりだァ!!!」

 

「あいにく敵役(かたきやく)隈取り(けしょう)はしていないのよね!!!けれど倒させてもらうわよ『真打ち』!!」

 

歌舞伎用語で言うところの『見栄きり』をしてくる女剣士に、同じく女剣士が返す。言葉の叩きつけ合いが、すぐさま剣の叩きつけに変わるまで時間はかからなかった。

 

 

「「剣弾、全装填、全力射出!!!」」(マキシマスロード・フルストライク)

 

お互いの魔術回路を全力で回転させての戦い。奇しくもその光景は、九校戦におけるスピード・シューティングでの、一条将輝と遠坂刹那の戦いに似ていた。

 

お互いが撃ち合う剣弾

―――投影武器の魔力は五分五分。

―――お互いに乗り込む『大怪獣』の格も互角。

 

この均衡を崩すためにも―――。

 

「切り札を切る時だな」

「つ、ツイにセツナのジョーカーが切られる時……けれど―――」

「ああ、どういう『結果』になるかは分からない。フォローを頼むぜ」

「代わりにお互いの身体(ボディ)が蕩けそうなS○Xを要求するワ♥」

「そんなことは、いつでもやってやるよ」

 

その言葉を受けて真っ赤な顔をしつつも―――。

 

「我が世の春が来たァア!!!!」

 

月の御大将のようなセリフを言いながら、リーナは朱色の短剣を打ち出す。狙ったのはシトナイというアイヌの神霊。

 

氷の矢を先程から撃ってきた彼女の攻撃はかなり厄介であり、下手に接近戦を挑んできていないのは、機動力を『シロウ』なるシロクマ(?)に依存しているから―――

 

(などと断じるとろくなことが起きない)

 

油断大敵。

 

両目の魔眼を最大回転。

マクロコスモスとミクロコスモスを展開。

 

左腕魔術刻印圧縮(ルートセット)右腕魔術刻印解放(ルートダイレクト)

 

その呪文をシロクマの頭上にいたリズリーリエが聞いていないわけがなく、それを邪魔せんと攻撃に苛烈さが出てくる。

 

しかし――――――。

 

「グガランナ!! 揺らせ!!!」

 

「―――!!!」

 

天空より降りそそぐ剣の雨という脅威を前にしても、シロクマと押し相撲をする巨牛は構わず『神獣』としての権能を10分の1程度ではあるが披露をして、投影武器を蹴散らす。

 

それはあちらの魔術回路も揺らし、停滞を齎す。

 

とっておきの宝石を虚空に浮かべた上で―――。

 

霊基銀河開放(ゲートオープン)――――」

 

太陽系の並びを以て、一つの結果を齎す。

 

とっておきの秘術が虚空を書き換えていき―――。

 

「―――原始宇宙に輝く宝冠(エディン・シュグラ・クエーサー)―――」

 

最後の呪文口決―――真名開放を以て、刹那の身体は光り輝いていき、『善の女神』を喚び出した。

 

 

「リンは、あの子に何を託したのよ!? あっ、違うわ! リン(自身)が『成る可能性』があるものを『時限式』で組み込んでいたんだわ!!!」

 

旧知の女の名前を叫びシトナイ―――シトナイの『憑依元』となったものは、いつぞや『城』で『剣』を振り回してくれた末のことを思い出して、頭を抱えたくなる。

 

っのアマ―――!!などと思いながら、どっかで会ったならばアインツベルン48の殺人技『グーパン』をお見舞いすることを心に秘めつつも、現れた巨大な―――ヒト型を前にして、これは不味いと想うのだった。

 

 

巨大なヒト型は―――刹那の後ろにて対空しながらもこちらにその眼を向けていた。

 

その眼は―――『6つ』

 

黒髪を巨大な大河のように解いて、■■ヤが知る『遠坂凛』よりも少しだけ年を重ねた『大人』な彼女が、白を基調としたドレスを着込んで揺蕩っている。

 

その凛よりも若いが、それでも見知った顔が『女神』のように、刹那の背中を守るようにしている。

 

銀髪と金髪―――どちらも、ドレス姿の美少女だ。

 

そのモデルは……。

 

「セツナにとってワタシは女神だったのネ!! 今日はなんてイイ日なのカシラ!!!」

 

ハッピーな気分1000%の当事者を除けば……。

 

「オ・ノーレ! セルナ!! 電撃大王(?)でコラボした私だってセルナのお母様と同じく女神になりたい!! マジカルセンセーション!! ミラクルレヴォリューション!!」

 

(銀髪の方は、オルガマリー・アニムスフィアがモデルなんだろうが……刹那はオヤジさんや弘一さんのことをアレコレ言えないな)

 

愛梨が怒りながら、召喚された原始の女神に怒りを示し、達也は内心でのみ元カノ未練マン3号に呆れを覚えながら戦う。

 

だが、そんな女神の出現は、達也が相対していたインド神話(リグ・ヴェーダ)のサーヴァントを戦かせていた。

 

「宇宙規模の攻撃というのは、我々の十八番のはずだが、しかし―――」

 

力が高まる。刹那の『女神』たちが最大攻撃をする予兆を見て―――。

 

「まさか、こんな攻撃を仕掛けてこようとは!!」

 

『超必殺!!! 究極女神ビーム!!!!』

 

光が草原に降り注ぐ。その様子は差し詰め『天からふりそそぐものが世界をほろぼす』といった様子であり、結構とんでもないものなのだが―――。

 

 

達也たちには害を及ばさないようであり、戦局は確実にこちらに傾いている。

 

(気合い入れなきゃな)

 

ここまであれこれと秘術を展開した刹那の支援があって、戦略目標を達成できなければ、男として、ダチ公の一人として情けなさすぎる。

 

弓を上にしてバリアーを張っているサーヴァント……炎矢をありったけぶつけて刺してきた相手に、魔眼を輝かせながら向かう。

 

簡単に貫ける相手ではないだろうが、それでも、腕の一本でももらわなければ割には合わない。

 

狙われたことを悟った―――アルジュナからの攻撃が苛烈さを増していく。

 

そんな中……同じくサーヴァント……鬼のように強い―――というか鬼であろう特徴を持つ短躯の子を相手取るレティシアは……。

 

 

(セツナは、面倒見の良い兄貴タイプに見えて、その実体はどちらかと言えば『弟』的だ。甘えさせるよりも甘えたい派でしょうね)

 

彼の過去映像。そしてブラックホールを生み出しているオルガマリーという元カノに対する態度を考えるに―――。

 

 

(必要なのは『姉』なるもの―――つまり私が会得すべきものは!!!)

 

「―――姉ビームか!!!」

 

「戦いのさなかに何を考えとるんじゃ!?」

 

くわっ!! という勢いで眼を見開いたレティシアに、鬼はちょっとどころかかなりビビってしまう。

 

人間怖いというよりもジャンヌ怖いという感情で、茨木童子(イバラギン)は巨腕の右手を飛ばそうかどうかちょっと考えつつも、ホーミングレーザーの類を処理していくのだった―――。

 

 

 

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