魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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やはりFGOは神か。アーキタイプ・アースを2枚手に入れた。

無くなる無料石――――本当の意味でプライスレス(爆)

そして我が作品はこの展開を読み切っていた。だからあーぱーをEXTRA以来の鯖に(嘘)

やはり俺にはましん先生並みの予言力がある(んなわきゃない)

てっきり冒険は夏コミではお休みかなー?とか思っていたらば三田先生は侮れない。

きのこは――――――まぁ、C100を楽しみにしてまーす。


というわけで新話どうぞ


第322話『わかりきっていたこと』

目の前で起こったことはかなり衝撃的であった。

 

何だかやんややんやと……いつぞや見た九校戦での勝利のあとのように、多くの人が集まって刹那をあれこれしていた。主に友人がほとんどだった。

 

何かをしていた中……その内の一人……北山雫が、ナイスバディな女子に引っ付かれている刹那に、激高とも注意とも言える言葉を吐いた数秒後―――様子を異にして崩れ落ちた。

 

とっさに支える刹那。呼びかけに答えることはなくとも、少しだけ苦しげに頭を抑える雫を見て、大声はマズイと思ったのか視線だけでロマンを呼び寄せる刹那。

 

ロマンも一年を無視するのは気が引けたが、安宿先生や小野先生が来たことで即座に雫の方へと向かう。

 

意図した結果ではないが、自分たちが刹那に挑戦したことで、先輩が体調を崩したのではないかと香澄は震えてしまう。そんな香澄を気遣って霧雨が少しだけ慰めようとする前に―――最初っから観戦していたのだろう一人の女教師が、こちらにやってきた。

 

「大丈夫―――というわけじゃないけど、あなたたちのせいじゃないわ。北山さんの不調は……きっと―――ありがとうね刹晶院クン。2人を守ってくれて」

 

香澄が安心するような声で、背中をさする四葉先生に少しだけ安心する。

 

「四葉先生……北山先輩はなんで……」

 

「――――――無茶『させすぎた』ということね……とりあえず―――……今は一服しなさい」

 

「「「はい」」」

 

一服ということで、軽食を若女将から渡されて立ち食いしながらも、ここからの少しだけ波乱を予感するのであった……。

 

 

Interrude―――。

 

「―――ASGARD」

 

発動させた術は、ターゲッティングを間違えていない。

 

この霧は厄介だ。貫こうと思えば色々と面倒なことになりかねない。ならば、ヤツラのバトルステージを『消滅』させることで試合終了とする。

 

達也並みの『卑怯攻撃』ではあるが、とりあえず問題はない。

 

かつての太古。神代欧州の概ね半分が、主神オーディンを始めとする北欧の神々に支配された世界。

 

その知識は魔術世界の定説では、こう述べられている。

 

九つの領域で構成されつつも、その領域全てに枝葉を伸ばす世界樹ユグドラシルが中心に存在する―――そんな世界……。

 

オフェリアからそれを聞かされた時、何となく自分の『魔眼』との共通点などを感じていた。

 

しかし、それをあまり『深くは考えないでいた』。というよりも、こういう外連味のある術というのは刹那の肌に合わなかったのだ。

 

だが、現代魔法師との戦いにおいて、刹那も少しは考えた。別にあちらの流儀に合わせようとまでは思わないが、『脆すぎる術理』の前では、自分の『幻想原理』が、ことごとく致命傷になる可能性もあった。

 

競技種目用の術と殺傷目的用の術―――その境界をつけるべきだった。去年はあれやこれやと制限を着けられて、苛立った面もある。

 

今年は選出されるかどうかは分からないが、それでも―――

 

その際に切られる切り札を、全魔法科高校にお披露目するのであった。

 

霧では覆い隠せぬ『足元』。そこから仕掛けた意味消失―――否、『収縮』魔術が半円を改変していき、大掛かりな光も、目に見えた変化も無い。

 

ただ、それでもガラテアが作り出したフィールドを消すのは少々心苦しくて、それでも最後には虹の橋(ビフレスト)が彼らには見えない上空にかかり―――勝負は決まった。

 

 

「コングラッチュレーション!!! まさか、こんな術で勝負を決めるだなんて!!! やはり刹那は私が見込んだ通りの魔術師です! 惚れちゃいます!」

 

その言葉通りに、刹那に対する称賛を身体で表現するレティシアの発言。

 

その後には色々なメンツからアレコレ言われる。そんな中でも―――。

 

「刹那! 何ていうかそういうの良くないよ!! 女の子にデレデレして!! 風紀を乱さないで!!」

 

「いや、俺も拒絶しようとはしているんだよ!? けども、無理やり『HANRERO』とか出来ないよ!」

 

「パリジェンヌは確かに恋多き人種ではあるんだろうけど、ここは日本だよ! レティシアさんは節操を学んで!」

 

「それは出来ません。私は刹那が大スキなので、その心に準じるまでです」

 

「リーナと付き合っているのに!?」

 

「シズクの言うとおりよ!!」

 

「リーナは左腕から離れる!!!」

 

「ここは、ワタシの定位置(スタートポジション)よ!」

 

おまいうすぎるリーナの言葉に噛み付く雫。どうしたらいいのか……正直、皆目検討がつかぬ。

 

「モテ男の宿命だな。というか……雫をフッたのは悪手だったのでは?」

 

そんな刹那の現状に物申すは、副会長である司波達也。そんなこと今さら言われても―――。

 

「べ、別に私は、フラれた腹いせとかそういう私怨で言っていないよ! ただ……リーナと付き合っていることは公然とした事実だってのに――――……」

 

―――少しやさぐれそうだった刹那が気付いた事実。

 

「雫……?」

 

「―――」

 

更に何かを言おうとしていた、雫の目の焦点があっていないことに気付く。いわゆる酩酊状態になっていることに気付いた後は。

 

「ッ!!!」

 

その様子を見た後に、糸が切れた人形のように倒れ込もうとするのを咄嗟に支える。

 

「だ、大丈夫……ちょっとばかり頭が重くなっただけだから」

 

「完全な体調不良だろ……」

 

顔を赤くして熱を発している雫をスキャンするような無粋は侵さない。しかし、目線だけでドクターロマンを見た刹那。

 

呼びかけに応じて、こちらに走ってくるロマン。

 

「とりあえず保健室に。これで『六人目』か―――」

 

「―――どういう意味ですか?」

 

「いまはまず北山を保健室に連れてきてくれ。刹那、キミ一人で、だ」

 

それに抗弁するわけではないが、頭を揺らさないようにするには、一人より二人、三人の方がいいのではないかという疑問を視線で呈する。

 

「長丈のスカートとはいえ、そういうのを嫌うかもしれないだろ? キミが連れてくるんだ 」

 

そう言われては仕方ない。雫を速く、されど揺らさずに、繊細な幻想種の卵を運ぶように、刹那は歩いていくのであった。

 

 

そうして目覚めたあとに見た顔は、頬に少しだけ赤く腫れたものを付けていた刹那だった。

 

何かの魔導書を読み耽っているのだろう。しかし、見下ろしていた書籍から顔をあげて、すぐさま起き上がったこちらに気付いたようだ。

 

清潔なシーツに清潔な掛ふとん。真っ白な印象を持つ世界。ここは保健室であった。

 

「気がついたようで何より―――、起きれそうか?」

 

「うん。けれど……今は―――7時……」

 

あの戦いが集結したのが、およそ3時30分前後だから、都合3時間以上も寝ていた計算になる。

 

「外線3番―――はい。今目覚められましたので、そちらまでお連れします。はい、失礼します」

 

「誰?」

 

「黒沢さん。当たり前だが雫が倒れたあとに、すぐさま北山家に連絡を入れて……」

 

「そのほっぺの紅は……お母さんが―――」

 

「俺が原因の一端だったからね」

 

少しだけさするのは、痛みがあるからか、それともその平手を打った際の紅音の表情を思い出しているからか。

 

だが、その平手のあとに病院に連れて行かずに、救急車を呼ぼうとしなかったのは、ドクターロマンの手腕を信頼していたからなのだろう。

 

それはつまり……紅音()は、この事象が痴情の縺れとかではなく、魔法的な『無茶』をしたからだと理解しているのだ。

 

「……いまはどうなっているの?」

 

「雫に必要なのは、頭と身体を休めることだ。いまはゆっくり休んでくれ」

 

「―――刹那……」

 

そういう関わらせない態度は取ってほしくない。そんな雫の抗議が通じたのか、あきらめて刹那は口を開く。

 

「――――――ウェイバー先生が、百舌谷教官を問い詰めている。キミで六人目の魔力疲労(テイクオーバー)した人間が出たんだ」

 

例え受け持ちが違えども、コレ以上は見過ごせない話であったようだ。

 

どんなことになるかは、まだ定かではない。しかし、変革は起こる。

 

そうしていた時に、北山家のメイド黒沢がやってきた。航と―――何故かここにいるヒカルちゃんに驚く。

 

「ワタル君がお姉さんが倒れたって言うから、急遽大阪(オーサカ)から飛ばして、ここまで来たんだ。ミノルとミナミの許可は取っているよ♪」

 

「そ、そっか……」

 

何気に凄いことをやっていたりするドラゴン娘に驚愕しつつも、どうやら何かしらの『薬』を持ってきたらしく―――検分することに。

 

「へぇ、竜血丸薬(ドラゴンハート)か。こりゃまた随分と珍しいものを」

 

魔眼を通して成分を解析した結果を言うと、自慢気になって九島ヒカルは口を開く。

 

「種別としては精力剤だから、呑み過ぎちゃダメだけど、こういう風な疲労状態になった相手を回復させるのは、やっぱり強壮な存在のエキスだからね」

 

「昔から血の料理はありましたからね。今でもそれは伝わっていますし」

 

夏休みに北山家の別荘で披露した、鳩の生き血グミとでもいうべきものを思い出した黒沢の言葉で手形は着く。

 

「まぁ用法用量を守って呑んでくれ。シズクさん」

 

「うん。ありがとうヒカルちゃん。早速一個もらうね。出来れば私以外のA組の人にもお願い」

 

そうして呑み込んだ丸薬の効果は抜群であり、身体が漲るものを得た雫の姿がそこにはあった。

 

「あとは美味しいご飯としっかりした休養を摂ることだね。それじゃセツナ―――案内して」

 

「そりゃ構わないが……えーと……」

 

ワタルくんが少しだけ寂しそうな顔をしている。姉と同じような病人を治すためとはいえ、ヒカルと離れ離れになることは少し嫌だったようだ。

 

「……俺の方でやっておくから、ヒカルは北山家にお世話なってなよ」

 

「うん、分かった。明日には帰るようだし、学校に行ったらば、ミノルとミナミがにゃんついた証拠を晒して、『こいつら交尾したんだ!』とか2高のみんなに言ってやるんだ!」

 

(ナイ)胸張って『えへん』とばかりに言うヒカルに対して……。

 

「交尾言うな。それ以前にそういうことはやめなさい」

 

そんな窘めしか出来ないのだった。

 

2高ではヒカルは超人気者であり、騎士的なカッコよさで女の子からきゃーきゃー言われながら、お人形さんのような可愛さで、着せかえ人形よろしくで、女の子からキャーキャー言われていると聞く―――。

 

(あれ? どっちにせよ2高ガールズの人気独占してね?)

 

まぁ光宣が彼女持ちということで、若干諦めている部分があるのだろう……推測だけど。

 

ともあれ黒沢さんと光井が保健室にやってきたことで、後を任せることにした。

 

「刹那」

 

「お大事に。悪いな。何か色々と……」

 

「うん―――私こそ……もう刹那は―――とんでもないモテ王だってことを、自覚しなくちゃならないんだね」

 

「………なんて返せばいいのか分かんない」

 

「がんばってね」

 

刹那からすれば煙に巻かれた言葉を最後に去っていく雫を見送ってから、違うところへと向かうことにする刹那。

 

ヒカルから渡された丸薬は紅玉のように真っ赤なものであった。

 

そして――――刹那が赴いた場所では……。

 

「アナタは自分の生徒をなんだと思っているんだ?」

 

「ロード・エルメロイII世―――あなたが求めている言葉が私には分かるよ。―――何より手間暇をかけた、貴重な自分の出世の道具だ。この言葉が聞きたかったんじゃないかな?」

 

場は、完全に討論ではなく闘論の類に代わっており、ジャッジであり議長役である八百坂教頭は、もう顔面蒼白で、どうしようもない状態に陥っていた。

 

 

ウェイバー・ベルベット=ロード・エルメロイII世。

 

第一高校2学年主任にしてA組担任である百舌谷 鳥彦。

 

この2人が、こうなることは分かっていたのだ。

 

わかりきっていたことなのだ。

 

 

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