魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~ 作:無淵玄白
刹那・泉美『煉獄オルタマンかぁ……』
達也「オイ待て」
刹那・泉美『ごじゃっぺ沖田TSマンかぁ……』
達也「ま○ぐが付けたあだ名なんてレトロなものを出すな」
そんなわけで、色々と衝撃のゆーきゃんさん久々の鯖。プロトガメッシュとダビデ王以外に何かは来るか――――――と想いつつ新話お送りします。
明けない夜が来ることはない。
多くの魔法科高校生徒を大混乱に陥れた超会議。その翌日の朝日を浴びながら刹那は思う。
「セツナ〜〜大好き〜〜♪♪ アイ・ラブ・ユ〜〜〜♡♡」
「セツナんってば、ケダモノ〜〜クラス:ビースト〜〜〜♡♡」
寝言にしちゃ随分と明朗なことを言う金髪の美女2人。
その豊かなバストが、薄い掛けシーツの下で呼吸とともに動くのを見る。4つのたわわ……その魅力プライスレス。
ベッドに横になりながらのそれを耳目に入れながら夜明けの一杯(牛乳)を飲んでから、刹那は問うべきことを問う。
「お虎」
「はい。なんでしょうかマスター?」
霊体化を解いて実体化をしたサーヴァントは、傍目にはわかりにくいが、刹那の見立てでは少しつらそうであった。
「……お前、霊核に大ダメージ食らっているんだな」
「はて? なんのことやら」
「とぼけるな。アスラウグ、そして恐らくあの大男、神殺しのヴァイキングだろう相手と打ち合って、行動に影響が出ないなんてあり得ないんだ」
その言葉に銀髪の武将はついに沈黙をした。そうして少しだけ経ってから重い告白をしてくる。
「―――おっしゃる通りです。座に退去するほどのダメージではないのですが、死徒騒ぎ時にも少々―――無茶をしすぎましたからね。ただ……しばらくは持つかと思っていたんですけどね」
ここまで無茶をさせすぎていたということが分かるほどに、痛ましいお虎の発言。流石の軍神と言えども、少々疲れているようなのであった。
「……まぁ別に今生の別れというわけでもないのですし、暫くはダ・ヴィンチやロマンの設置した『霊基回復所』で安静にしていますよ。ただし―――常駐サーヴァントとしての契約は解除しておいてください……あの斧持ちの大男とあすらうぐの攻撃……呪詛ともなりえるものも見受けましたから」
北欧といえば呪詛の筆頭たる『ルーン文字』の本場である。攻撃一つにすら、そういったものが自動的に付与されていた。紛うことなくトップサーヴァントの類だろう。
(そういやレミナが言っていたか。人物としての属性・クラスによる相性だけでなく、その英霊の出自次第ではコンビネーション抜群の攻撃力を発揮できると……)
『アンタのお国風に言えば仮面ライ○ーW! もしくはウルト○マン
たいそうご立派な双胸を揺らしながら語るその表現はどうかと思えたが、まぁ分からぬ話ではなかったりする。聖杯戦争というものの発端たる遠坂の後継者としてご先祖たちも、その手のことは考えてはいたようだから。
もっとも第三次に参加したエーデルフェルトが同一サーヴァントの2側面を個別に運用していたことと、似て非なる結果にしかなりえないのではないかと刹那自身は思う。
「申し訳ありませんね。刹那」
「ここまで戦い好きな君を満足させる戦場だったかい?」
「ええ、そこは違えなく。ただ……帝都にて共闘した『さつき』の似姿との共闘で、私の戦いは一時休止ですね」
それだけは間違いなかったようで何よりだ。
「まぁ私ってば一度は国を捨てて出家するべく、高野山を目指したりしたんですけどねー」
「それ途中で止められたじゃないか」
おどけたようなお虎の発言には若干物申しておく。
おまけに定説では家臣たちの不仲を諌めるために『仲違いばかりするならば出ていく』。いわゆる狂言であったという説が多数を占める。
人心を掌握するには、時に『いなくなった場合』の混乱を―――。
(俺も同じか……)
もしかしたらば、お虎はマスターである俺の『不忠』の態度にも怒っているのかもしれない。だが、今の俺は……はぐれものを束ねなければならないのだ。
「次に出る時には、刹那の戦いに晴信がいることを願っていますよ」
「敵としてかい? それとも共闘相手として?」
「前者ですね」
その『スマイル』を見て思うに、まだまだ枯れきっていない行者武将なのであった。
・
・
・
・
「それではお願いします」
「了解したが……キミの戦力ダウンは避けられないか」
サーヴァントは通常1騎が原則運用だ。というよりも魔力食いたるゴーストライナーたる存在を2騎も同時に運用出来ていたのが変なのだ。
霊基回復の為の『リビングルーム』へと移されたお虎は、深刻なダメージ一歩手前だったらしい。
(戦士であり武将であれば、イクサバこそが死に場所と位置づけるが)
お虎は、まだ『ここ』こそが最後とは思っていないようだ。
『武士であれば、後世に語り継がれるようなデカイ
二度も厠で終わるのは嫌だという願いを聞いていたので、まぁそれぐらいのことを聞かないほど刹那は無情ではない。
そうは言うが……。
「ジェーン1人じゃ、アスラウグとあのヴァイキングには勝てないからな」
「ごめんねー☆マスター、火力不足でマッスル不足の柔いおんにゃのこで☆」
言いながらヒトの首に巻き付くジェーンに苦笑しながらも、適材適所というものだろうと思う。となると……自分の中にあるリソースを用いて、1騎召喚することだろうか。
それぐらいは、やっておかなければ難しいだろう。
何より……。
「紅閻魔だけに負担を掛けさせるわけにはいかないからな」
タマモキャットも給仕係としてはいい人材ではあるが―――。
(やはり料理人が必要だ)
九校戦において、実を言えば刹那は他の事も担当せざるを得ない。それは全魔法科高校共通にして必須の事項。
即ち『食事メニュー』である。
去年の九校戦においてある種の『麦わらの一味のコック』よろしく様々な料理で舌鼓を打たせ、尚且つそれが一高の躍進に繋がったと見られたのが運の尽きであった。
ただ単に、運動生理学に基づいて調味を施しただけであり、それでいながら現在の世界では再現不可能な『キュケオーン』ばかりだったからこそなのだが―――。
長ったらしい言い訳を無しにすれば、確かにホテルの飯だけでは、どうにも調子は上がらないだろうと見たからこその
「だからこそ―――俺は呼ぶ! 伝説のクッキングマスターにして抑止の英雄―――英霊エミヤを!!」
「マスターは、あちきの調理力をなめすぎでち!!!」
「いてぇっ!! 紅っ、どっから聞いていたのさ!?」
本当にどっから現れたのか、エルメロイの教務棟であるここに給仕担当である紅閻魔が現れた。
しかも頭の
「伝説のクッキングマスターというあたりからでちよ。お虎様が、長い休養に入られるというので肝臓を悪くしないように、それでいながら戦線に復帰できるようにと、癒やしのお食事を―――『青空レストラン』な料理をもってきたのでち」
なんといい子なのやら。ナレーター(?)であるお虎も感無量だろう。しかし、そんないい子を10日間以上も富士の方に連れて行くなど少しアレなのだが。
更に言えば場合によっては二食・三食となるかもしれないのだ……。
「児童労働法に違反しちゃう……」
今更な懸念をするのであった。
「だから俺はオヤジをメシ使いとして召喚してやるんだ―――!!! 紅への最大の支援はここからなんだ!!」
「ますたー!! その御心は嬉しいでちが、それは最大級によけいなおせわでちよ!!」
「おもしろそー! セツナんのお父さんって、どんなヒトなのか見てみたーい!!」
ドドドド!! と走り去っていき、施設内に敷設しておいた召喚サークルを使うことを意図するマスターとそのサーヴァント達を見送ったダ・ヴィンチだがーーー。
「どわあああ!!! こんな大実験をポケ○ンボックスでの交換をするように行うなー!!!!」
最近ではポケセンに行かなくても入れ替えが出来るようになっているのだが、そんなことはともかくとして、ダ・ヴィンチは急いで刹那を追いかけるのであった。
・
・
・
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。 降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「告げる。 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「星宝の誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者──」
「──汝、星見の言霊を纏う七天、遠き彼方の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!」
祭壇には干将莫耶とお袋の形見たる宝石。
完璧だ。
ここまでの布陣でオヤジを、オヤジの未来の姿を呼び出せなければ―――その時は……。
(よっぽどの親不孝者ってことなんだろうなー……)
もはや召喚による痛み。魔術回路の締め付けなど刹那にとっては忘却の彼方だ。
そうして『繋がり』が出来る。お虎には悪いが、彼女よりも上位の霊格を感じる。
―――まて、そうだとしたならば、これから召喚される英霊は―――。
召喚陣より浮かび上がる輪郭。
日に焼けた褐色の肌。
白色の髪。
それだけを見れば、そうだと思えたかもしれないが……詳細なものが見えてくる度に違うと思えた。
白色に見えた髪は……桃色がかった銀髪。その眼は、何かが渦巻く魔眼。
チャイナシニヨン一つで髪を少しだけ束ねた『美女』は、その髪飾りと同じく全体的に白色の意匠と細工が凝ったチャイナドレスで身を包んでいた。
スリットが完全に足を晒すとかいう目的以上に上げられており、その足のタイツにも様々な意匠が凝られていた。
説明するのも疲れるぐらいにとんでもない美女が立っていた。もう言葉で表現するのは難しいかもしれない。
「―――なんだかんだと喚ばれたからには、あえて問うのが浮世の情け!!
快活な笑顔で問いかけるサーヴァントに対して。
「
刹那の狙い通りならばオヤジをメシ使いにして、バンバンジー(爆)であったというのに……。
「おや? 私が喚ばれて不服? ふふふ、今回のマスターは可愛いところもあるけど少しだけ大人な所もあって、新境地を開拓しそうなんだけど―――」
刹那の鼻をツンツンと人差し指で突いてくる褐色の美女サーヴァント。距離を取ってから改めて問いかける。
「いや、そんなことはない。ただ……まぁいいや。とりあえず戦闘系のサーヴァントを欲していたのは間違いない。アナタのクラスと真名を教えてくれるか?」
この肌の色。しかし、干将莫耶に関するとなれば中華系の英雄だろうか? 南方系の英雄となれば―――。
「クラスは、
ぎょっ、とするような事を言われた。
だが、既に刹那はその手の驚きを飲み込むことが出来る。
聖杯探索の世界線において、とんでもないスーパーヒーロー大戦じみた事象を見ていたのだから。
だが、それは詳細なものではない。どちらかといえば『曖昧な観測』。その中に……『このような英雄』を見たことはない。
「分かった。では真名は?」
「―――真名は、……真名かぁ……うん? ううん? あれ?」
次の質問を発した後の彼女……チャイナドレスの美女は、途端に不安定になる。今まで自分のことを自信満々に語っていた美女が不安定になる。
「ご、ごめんなさいマスター! ど、どうしても……ソコに突っ込まれると……私は私が分からない―――何処の英霊なの……? 私は一体、誰なの?」
自問自答をして、己の手を見つめて焦る美女に……駆け寄り、その手を握る。
「―――武人の手だ。無駄のない一振りを一念一心の限りで振り抜いてきた剣士の手―――」
「マスター……」
「今、あなたに鏡を見せても意味はないだろう。何処ぞの
「一応、私も出演者(?)なんだけど……」
妙な電波を受け取ったらしきサーヴァントの言葉を無視してから、刹那はその身を確かなモノにするためにも。
「俺は数多の武器を創造できる―――言わば鍛冶師だ。その中に、あなたの全てを満足させるものがあるかもしれない。その刀身に映る姿に、真名を知る手がかりがあるかもしれない」
「マスター……」
言いながらも刹那は、サーヴァントの手から察するものを得た。
(中華刀のタコの付き方じゃない……どちらかといえ日本の刀剣だな……)
ますます分からない。そして後ろにいる面子の反応を見ようとした時に―――。
「アガートラーム!!!!」
「えくすどらいぶっ!!!」
いきなりな攻撃が刹那を襲う。
やったのは、まぁ昨夜に色々と『戦った相手』である。
「まさか、
「言わんとするところはスゴイ分かるが、ライネス先生に超ダメージすぎるその言動はやめいっ!!」
この場にいないが、何かとお虎と『カラオケ』に行きたいとせがむライネス先生である。
ちょっとアレすぎるかもしれない。というわけで―――事情説明に移る。
「リーナ、落ち着いて聞いてくれ。かくかくしかじか」
「まるまるうまうま―――ナルホド、お義父さんを呼んでベニのお手伝いをさせたかった。と、しかし現れたのは―――チャイナドレスで褐色の美女サーヴァントであったと……」
そのことにウンウンと頷いていたリーナだが……。
「ソレだけで納得できるワケないでしょ―――!!!」
「ですよねー……だが、お虎を欠いた状態で、あのアスラウグと『バーサーカー』と相対するわけにはいかないからな」
固有結界から出せるサーヴァントでも対処出来そうだが、どうしてもこちらは『大魔術』ゆえに、ワンテンポ遅れる。
大戦闘や、困難が待ち受けるという状態ならば……出来るのだが。
「だからってナンデ―――ワタシに相談もなしにしちゃうカナー」
それに関しては申し訳無さ過ぎた。不満タラタラのリーナの表情。
「セクシーなチャイナドレス着てほしいならば、ちゃんと言ってくれれば対応したワヨ!」
「そっちかよ」
だが、その不満は予想外だった。真っ赤な顔でプンスカ怒るリーナに苦笑する。だが、確かにリーナには何でも似合うが、時には刹那が選んだ服を着てもらっていたのだ。
まぁこういう押し付けがましいのは嫌なのだが、たまにはそういうこともしてほしいということなのだろう。
そんなやり取りを見ていた真名不明のセイバーサーカーは……。
「なんと、ちょっと育ちすぎだけど、チョー好みのおんにゃのこ♪♪ マスターの恋人と見たけど、安心して♪ 三刀流もオッケーだよ♡」
眼を爛々と輝かせてリーナを見てくるサーヴァントに、リーナは刹那の後ろに隠れるのであった。
リーナにそっちの趣味は無いのだ。多分……だが、何かの切っ掛けで「ナイわよ!」だそうだ。
「うーむ。何というか『じぇーん』には、あのサーヴァントどう見えていましゅか?」
「念願のソードカラミティになる前にソードな存在がーーー冗談はさておき。何だか、一度見た後には、すぐさま……どんな顔だったのかを『忘れてしまう』わね」
「やっぱりでチュか。あちきもそんな感じでち」
確かにサーヴァントの霊基を感じる。マスターやリーナには、その姿が確かに見えていて、そして確かに触れられるようだが……。
自分たち同種のサーヴァントには、どうにもあやふやなものに想えるのである。だが、戦闘行動は間違いなく取れるだろう。
問題なのは、日常生活である。
(なんだか粗相をしたらば、出禁にしたいお侍でちね)
(ユニヴァース界の剣客にこんなのいたような。確か、ギアゴッド・スレイヤーズの天魔―――)
「さ、更に後ろにはおいしそうなおんにゃのこが2人! このマスターに喚ばれて私! 心底良かったって思えてる!!!」
まさか自分たちにも食指を伸ばすとは―――リーナに対する先の言動から、ジェーンは紅閻魔以上に衝撃を受けながらも―――。
「ちょっとマッテ、ソードカラミィ。ワタシたちはセツナんのサーヴァントだから素性が知れない。宝具も不明―――そんな相手を受け入れられない」
「お虎様の後任となれば、やはり力試しはしたいのでちゅん!! ちなみに料理のスキルは?」
―――サーヴァントとしての役目は忘れない。
「食べる専門!!! 特にうどんとか大好き!!!」
「あっ、それならばあとは戦闘スキルだけでちね」
若女将の懸念の一つは、あっさり砕けた。
そしてその言葉を聞いた褐色の美女は、目を輝かせる。
「腕試し!? おけおけ!! 記憶、生まれどころか、氏も名も知れぬ我が身と言えど、この身に修めた武の心会は間違いなく発揮できる!! マスターにも私がどれだけのサーヴァントかを教えるためにも―――、一手! 試合ってもらいましょうか!」
その言葉を聞いた後には、ここではマズイということでトレーニングルームに移動してから―――という段取りになるのだが……。
「達也、どうしたんだ。その全体的に色黒になったり、赤っぽい服を着て長太刀持って、魔神人パワー全開か?」
「イメチェンにしちゃアナーキーネ」
道中にて出会った友人の姿に感想を申すと――――――。
「俺が聞きたいぐらいだよ!! コンチクショー!!」
どこぞのエステティックT○Cにでも通ったかのような変わりっぷり、これで声まで変わっていたらどうしようかと想いながら―――何をやったんだドチクショウ! と言わんばかりの達也に追求されるのであった。