魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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108星集めて、多くの条件をクリアしないとナナミが……。

「おれは!!! おれが想うまま、おれが望むまま!!!! 邪悪であったぞ!」
「ブタは死ね!!」

もうルカ様は……ね。バックストーリー知っちゃうと、アレなんですよ。ただ、そういうルカ様の心を癒やす誰かがいれば、また違ったのかもしれないね。

そしてかつての幻想水滸伝スタッフが集まっての最新作とリマスターは買う。

ただ直の続編出ないとハルモニアとの決着が全然着かない。

などと、若人置いてけぼりのこと(プレイ動画で今は知れるけど)を言いつつ、新話お送りします。


第333話『踊る大魔法線』Ⅱ

その日、一高教諭である紀藤は横浜の魔法協会支部に赴いていた。

 

(此処に来るのもいつ以来だろうな……)

 

別に想い出といえるほどの深い何かがあるわけではない。

 

だが、それでも思うところはある。そして、現状に対しての分析を進めていた。

 

(御前は九島老師の思惑を良しとしていた。チーム・エルメロイが、結成されて多くの魔法師……既存の権力構造で家名を上げる機会を与えられていない魔法師達を見つける上では、最良の結果だ)

 

場合によっては、有力家で飼い殺しにされている『庶子』の魔法師をスカウトするためならば、その相手を『ヨイショ』する奸策も行うつもりだったようだが……。

 

その上で御前は、自分の『手中』に収まらない『はねっ返り』を嫌っていた。

 

藤林響子が対面した文科省の役人などは、実は御前の息がかかったものである。

これ以上、並行世界からの来訪者に自分たちが築いた魔法師社会を崩されたくない、乗っ取られたくないという思いから、あのような追放劇になったのだ。

 

(もっとも、色々な思惑を持った人間は多かったから、御前が手を下さなくともそうなった気配はあったが……)

 

そして、チーム・エルメロイはとてつもないハンディキャップを持っていた。コレに関しては御前の奸策である。

 

如何にエルメロイⅡ世―――ウェイバー講師が、最優秀のコーチング技術を持っていたとしても。

 

如何にダ・ヴィンチちゃん講師が、最優秀の魔導器製造技術を持っていたとしても。

 

如何にエルメロイⅢ世―――ライネス講師が、悪魔的ないのりんボイスで紀藤を惑わしたとしても。(爆)

 

各自でそれぞれの高校で授業が行われたのち、日本の津々浦々から集められた人間たちに集中した教導など不可能なのだ。特に九校戦の競技種目に即した訓練など、出来ようはずもない。

 

―――時間という制約を掛けた。

 

運営委員会から『全ての魔法科高校の競技訓練施設の使用禁止―――及び使えるのは魔法協会及びその他の訓練施設のみ』という通達を出すように仕向けた。

 

―――場所という制約を掛けた。

 

 

これでまた『人数』『人員』という制約を掛ければチーム・エルメロイなど波にさらわれる砂城のごとく瓦解したはずだが……。

 

そもそも、数多のアビリティ持つ魔法師を見たいという発端だったので、そこまでやると本末転倒であった。

 

遠坂刹那には土を着けたいが、多くの魔法師のスキルはみたい。ある種の二律背反の状況に陥っていたのだ。

 

そうして思索を終えると目的地に到着していた。

 

「で、言われた場所まで来たはいいが……」

 

チーム・エルメロイは、この大会議室を根城にして何かをやっている。実技演習場などを使っていないというのは知り合いの協会員から聞かされた。

 

理論教習だけでどうにかなると思っているのだろうか? そんな思いでいたのだが―――。

 

『何か御用でしょうか? ティーチャー・キトウ』

 

電子施錠を解こうとした時に、ドアの隙間から紀藤も知らないわけではない水銀ゴーレム―――メイド姿のそれが出てきたのだった。

 

殺人アンドロイド映画の第二作目を感じさせる登場に面食らったのだが、気を取り直して『トリムマウちゃん』に用件を伝える。

 

「ある種の視察なんだ。エルメロイ先生たちがどんなことをしているのか、少々気になっている魔法科高校及び協会員が多くてね」

 

『スパイですか』

 

「人聞きが悪い―――と言いたいが、その通り。そして実技演習場も使っていないから」

 

『そう仕向けたアナタ方が、いまさら気にしますか。と、少々イヤミを込めて言わせてもらいます』

 

その言葉に鼓動が速くなる。アナタ方というのが、どこまでの人間を差すのか不明瞭だが……それでもエルメロイの至上礼装という彼女が何かに気づいたのかと想う。

 

『ですが、メイドとしてゲストを主人の居館に招けないというのも少しばかり心苦しいですね。というわけでメイド通信を開始―――』

 

メイド通信とやらが何なのかは分からないが、何かの波動……エーテルウェーブとでも言えばいいものを放つ水銀ゴーレム。数分後には―――。

 

『どうぞ、主人の許可が下りましたので部屋の中へ』

 

そして、入った部屋には誰もいなかった。魔法協会の備え付けの机と椅子のみ―――その中で煌々と輝く魔法陣とその上に存在しているミニチュアアートを閉じ込めたらしき水晶球が、いくつか存在していた。

 

六芒星の魔法陣の点にそれぞれ配置されているそれは、強大な魔力を発しており……。

 

「一体どこにチームエルメロイのみんなが……」

 

その時、理屈屋として知られている紀藤の中に閃きが生まれる。

 

まさか!?

 

考えた時には、紀藤は―――。

 

チームエルメロイの人間たちと同じく、協会室内から消え去るのだった。

 

 

 

そんな紀藤の帰りを待っていた一高陣営。

 

スパイという訳ではないが、近傍にある一高の練習場を使わずに、何故……チーム・エルメロイが九校戦の練習を出来るか? その端的な疑問を解消しようと彼を派遣したのだ。

 

紀藤とて『腐っても』(失礼)一高の教師。自分が受け持つ生徒も招集されたわけで、この疑問に回答を得るべく、国防軍及び魔法協会からエルメロイ教室に用意された施設へと向かうことになるのだった。

 

「紀藤先生によれば、各種魔法練習施設にも顔を出していないらしいから、最後には横浜の魔法協会会議室に赴いたようだね」

 

細かな報告を紀藤から受けていた会計の五十里の言葉で、よほどの『秘密訓練』でもしているのだろうか……そんな想像もしていたのだ。

 

だが、状況から考えてそれぐらいはしなければ、はっきり言って、チーム・エルメロイの成績は惨憺たるものになるかもしれないのだ。

 

「まったく! 一言「貸してください」って言えば貸さなくもないのに!!」

 

「ですが時間の問題もありますし、そもそもそんなかつての定時制高校の夜間部活のようなことも、今は出来ないでしょう」

 

千代田の怒りに論理的なことをとりあえず申しておく。

 

第一……全国からキャビネット及びコミューターなどを使っても、北海道の八高などは空港を使わなければ来ることは、まず無理だろうし……。

 

よく考えてみればメチャクチャな話である。そしてその中で連携せねばならない競技もあるというのに……。

 

ハンデがありすぎる―――のだが……。

 

 

(こういった懸念があったとしても、アイツはそれを容易く越えていくからな)

 

謀略・謀計・奸策・奸計……言葉は何でもいいが、とにかく魔宝使い遠坂刹那に、その手のことは通用しないのである。この一年以上もの付き合いの中で、達也もようやく理解できた。

 

そんなものを向けた瞬間にそれと正対することで王道・正道―――といずれは言われる『邪道』な方法を倍返しでぶつけてくるのだ。

 

全くもってとんでもない男である。

 

だからこそ……。

 

「ただいま戻ったよ……」

 

意気消沈・疲労困憊とでも言うべき紀藤教諭が戻ってきても、『ああ、刹那のウルトラC が決まったな』としか思えなかったのである。

 

職員室ではなく生徒会役員室に直でやってきた紀藤は差し出されたコーヒーを飲みながら全員に告げる。

 

「はっきり言うが彼らにハンデはない。もはや彼らチーム・エルメロイは、同じステージに立つ強敵だ」

 

ざわつきが生まれる。大半の人間は、彼らの練習進捗を気にして、そういう視察派遣を行ったというのに、それが意味をなしていないというのだから、疑問ばかりになる。

 

 

どういうことなのだと?

 

その疑念と疑問に答えるべく、紀藤教諭は生徒会備え付けのキャビネット端末に、自分の端末を有線接続―――ファイル操作を行い、読み込まれる動画。

 

最初に出てきたのは―――。

 

『潮風薫る渚が私を待ってるわ〜〜〜♪♪』

 

女物のワンピース型水着を着た長身の―――筋肉質の――――。

 

男子であった。

 

モッフ〜〜〜ン!という擬音が似合いそうな程に男臭すぎる乙女の登場に。生徒会室にいた全員が大なり小なり衝撃を覚えるのであった。

 

中には絶叫を上げるような生徒もいるほどだ。

 

「だ、誰ですか!? このドライな三日月さんにして、ナイーブな天才少年棋士みたいな声の人は!?」

 

正反対なイメージの人物像を語る中条会長だが、言わんとすることはわかる。

 

確かに衝撃的過ぎる。そして検索でヒットしたのは、彼が第二高校の生徒であるということだ。

 

だが、そんな彼の映像の後には場面が切り替わる。

 

『レェエエエッッッツゥウウ!! ケンゴウバッットオオオ!! イッツアセクシー!! マイネームイズ ムサシミヤモトォオ!!!!』

 

ジェットスキーに乗って猛烈な勢いで海を駆けめぐるアメリカンな水着を着た武蔵ちゃん(仮)の姿が映る。

 

波しぶきをあげながら駆け回った末に出来上がった水の壁をガンブレードで斬り裂いて、その上で海上にあったターゲットは、全て砕けていたのだ。

 

そして次には

 

『プリティリトルなケンゴウ推参!! マイネームイズ ヤヨイサイトウゥウウ!! レッツブレィイイド!!!!』

 

同じ様に結構際どい格好をした斎藤弥生が、ジェットスキーで同じく出てきたターゲットを叩き切っていく。

 

『OH!! イェェス!!!! 最高のライドとブレイドだわ弥生ちゃん!!! この調子でバッチリやっていきましょう!!!』

 

『ありがとうございます! 武蔵ちゃん!!!』

 

GJ!のジェスチャーを取って斎藤を持ち上げる様子。どうやらこれはロアー&ガンナーの練習風景のようだ。

 

だが、ロアガンは無動力のボードを動かす競技。ソロとペアがいるから、斎藤がどちらで出場するかは分からない。ジェットスキーが、どういうものかにもよるが―――。

 

(ヤバい! 思考の渦に巻き込まれそうだ!!)

 

全容がわからないからこそ、この映像に対して色々と深読みをしてしまいそうになり―――。

 

武蔵ちゃんと同じく気勢を上げて斎藤(クラスメイト)を称賛しているエイミィを無下にするように、場面が切り替わる。

 

『ほんじゃ、いいんだな?』

 

『ああ、ばっちりやってくれ!』

 

『レッドも思いっきり打ってくださいね? 防御しがいがありませんから』

 

『ドーバー海峡を越えてフランス国土に打ち込むつもりで撃つさ!』

 

先程までは渚のシンドバッド(爆)な場面ばかりだったのだが、今度は近代的な……というよりSAWのステージを再現したフィールドが映し出されていた。

 

「う、うちと殆ど同じっていうか……寸分違わぬSAWの戦闘フィールド……」

 

「どうやって用意したんだ?」

 

実を言えば、今回の最大のキモたるソード&ウィザーズの訓練施設というのは、『九校』にしか存在していないのだ。

 

国防軍だか文科省だかから肝いりで入れられたそれは、少しだけ『氷柱』にも似たものだったが……。

 

これこそが、自分たちが気にかけていたことだったのだ。

 

そして、映像を見るだけならば代表選手は、『相津・レッド』と『刹那・レティ』の2組にも思えるが……。

 

『くくくく、紀藤センセー。ちゃんと撮っといてくださいよ。大方、達也辺りは俺が破魔の武装を用立てると思っているんでしょうが――――――――』

 

『実を言うとその通りなんですよねー』

 

『イクオ、アタシの前衛は任せるぜ』

 

『もちろんだ。任せてくれ』

 

四人揃ってのその言葉を真正面から受け止めきれない。なんということだ……。

 

「看破されてるなぁ」

 

「まぁ予想通りですけどね」

 

剣術部の後輩が登場したからか、桐原が言ってくる。

 

「しかし『渚』かぁ……」

 

「渚……」

 

今さらながら、二高一年 妙漣寺鴉郎くんの発した言葉に2人でちょっと想う。

 

「俺、渚って言葉、人生で使ったことありませんね」

 

「俺もだ」

 

沖縄にも言ったことがある達也の言葉に桐原も同意する。

 

「オシャレだ……」

 

「渚かぁ……」

 

妙な所に感心をしてしまい、そのあとには……。

 

「そういう小川悦司先生をアフレコ現場で真っ赤にするようなやり取りはやめなさい」

 

どういう方面に気を使った発言であるかは分からないが、まぁ中条会長に窘められたことで、とりあえず会話を終了させておく。

 

「では最大級の疑問なんですが、このどう考えても南国のビーチにしか見えない場所……チーム・エルメロイは、どこかの海辺で特訓をしているので?」

 

転移魔法などで刹那が買いきった秘密の島に赴き、バカンスと同時の特訓……そういうことなんだろうか? 現に刹那はお袋がサルベージ出来なかった鄭和の船団のお宝をガッポガッポガメたという話しではある。

 

だが、その後にはそれらで協力してくれた赤道付近の人々を束ねて天空農場を作り上げて、大地に依らない食料自給だけでなく『商品作物』の供給に、大金を投じたというのだから……。

 

『リターンは色々貰ったさ』

 

そう言って晴れやかな顔をする刹那。彼の調理で時々ではあるが、現代では不可能なものが出てくるのは、これが原点なのだと理解できた。

 

蛇足を終えてから―――本当に、どういうことなのかが理解できない。

 

映像はまだまだ続く。表示されているバーではまだ六時間近くもあるようだ。

 

チャプタースキップで、今度は浪川愛流二郎(爆)監督の談話らしいが……。

 

「―――何だと?」

 

ようやく理解した。この動画の異常さを……。

 

「お兄様?」

 

「紀藤先生が横浜の協会支部に着いたのが、2時50分……今は4時30分……これが紀藤先生が―――」

 

「司波くんの疑問に答えよう。騙しているわけではなく、紛うこと無く私が直に撮った映像だ。ウェイバー先生にインタビューする私がいるだろう?」

 

「ええ……どういうことなんですか?」

 

映像の中に確かに紀藤はいる。暑かったからなのか、スーツの上を脱いでワイシャツ姿で浪川愛流二郎という、どこの柏葉○二郎みたいな出で立ちのウェイバー先生に話を聞いている。

 

『簡単に言えば、精神と時の部屋みたいなものですよ。ミスターキトウ、かつて『擬似天球』というものを作成して世界の未来を観測しようとした一門がいましてね。それと関わりを持っていたのが義妹と弟子なのです―――――』

 

ネタバレは、都合よく映像の中から聞こえてきた。

 

『その副産物として『テラリウム』……本当の意味での『地球』(テラ)を創造させるような擬似環境シミュレーターを作ったわけです。当然、私一人でそんなもの作れるわけもなく、多くの弟子たちと『世界卵』という魔術により近きものと……まぁ私が若い頃に『色々』あった女性の『外殻投影技術』を発展させて作り上げたわけですが』

 

言葉の後半で口ごもるように言って、明後日の方向を向いて紀藤先生のインタビューを受ける辺り、その『色々』はあえてツッコまないことにしといた方が良さそうだ。

 

だから紀藤先生もそこには何も言わないようだ。

 

『色々と疑問は多いですが、私達は現在……一体どこにいるのですか?』

 

『正しい表現かどうかは諸説あるでしょうが、『時間流が遅い地球に似た環境の亜空間』と言えるでしょうね。支部に置いておいたあのミニチュアは、入り口と出口の意味と、外部からの『観測』のために置いてあるのです』

 

恐ろしいようで、とんでもないことで、そして―――なんと言えばいいのか分からなくなる。

 

画面の中にいる紀藤と心が一緒になる。

 

『その一門の最終目的は、ニホンのノベルライター『コウジスズキ』(鈴木光司)の作品のようなシミュレーテッドリアリティ(ループ世界)を用いて、人理というものを観測しようとしたのですが……そこは蛇足ですな』

 

そんな独り言をつぶやいた後には―――。

 

『アナタ方の思惑など私の生徒―――特に刹那は簡単に食い破りますよ。今回、時間が足りない。場所も足りないと知ったアイツの心が、この『テラ・トレース・カルデアス』を持ち出させたのですから」

 

『……まるで私が陰謀論者のような言い方は失礼すぎませんか?』

 

『だが、よく調べていけばアナタが全ての起点と言ってもいい。誘導したのでしょうが……私も刹那も特にあなた方の権力闘争などには興味は無いですが―――あまり、誰かの居場所を奪っていけば、そのしっぺ返しは重いものに成りましょう』

 

『あなたは違う。と?』

 

『私は元々、そういう『精神的支柱』を失って塞ぎ込んでいた連中に居場所を作っていった人間ですよ。私自身がそういう人間でもありましたからね……だから何度目かのペナルティですな。この映像を編集させることは『許さない』。全てを克明に撮ることは制限しませんが、恣意的で悪意的な編集は『許さない』―――その上で、見学・撮影は存分にどうぞ、ごゆっくり』

 

その言葉と『術』の後に、浪川愛流二郎という鬼コーチは、呼んできたライネス先生の招きで部屋から出る様子。

……こちらもヒゲとサングラスを付けて、ジャパンにおける監督像を完全に誤解している英国人にして中華人の魂を宿している2人。

 

そして、この場面を見ただけならば……。

 

『ウェイバー先生、完全に怒っちゃってるじゃないですかぁああ!!!!』

 

「すまぬぅううう!!!!」

 

紀藤に少しだけ抗議が行くのだった。もしも他の先生だったらば―――。

 

(いや、無理か。そもそも今回の視察も、紀藤先生が行くように手回しされていた感じだからな)

 

仮に叔母にして教師である真夜は―――、現在多くの一年生のピラーズ未経験者たちを相手にトレーニングを施している。

 

無理だろう。もしも寄越されたならば水着でも着て浜辺に行きかねん。

 

(今はとにかく、無茶なスパルタ特訓で経験を積ませてもらう方がいい)

 

野球で言えば『特打ち』のバッティングピッチャーよろしく、鍛えてもらわなければいけないのだ。

 

紀藤先生の所属がどこなのか、少しだけ気になるも、そこは今はどうでも良くて……。

 

「特訓及び買い出しやってきました〜。紅閻魔女将がいないと食事がどうにも味気ないようn―――」

 

『キリウくん♪ 男女ペア新人戦の絆を高めるためにも、お互いを知ろうよ♪』

 

『あ、尼利さん!? そんなに近づかなくても声は聞こえてますから!!』

 

『ワタシー名字で呼ばれるのキライなんだよ。余り物って聞こえそうで。だから『ミサオ』って呼んで』

 

 

何ともバッドタイミングで生徒会室に入ってきた女子は、その光景に肩を落として、絶望したかと思いきや……。

 

「なんだこの淫乱ピンクな女はぁああ!!?? ぼ、僕の―――私のキリ君に色目使いやがってええ!!」

 

魔法科女子は、どいつもこいつも『意気消沈』する前に相手(恋敵)に食って掛かるという性質があるようだ。

 

一色愛梨といい七草香澄といい……そんなことを考えつつも、ここまで相手の戦略というかメンバー表など推測できるものを明け透けに晒されると、作戦参謀たる達也は色んな意味で混乱してしまうのだった。

 

相手の特徴などを含めず地力だけで勝負させる道を整備されている気分になりながらも、世界は急速に動くのだった。

 

 

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