魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~ 作:無淵玄白
そもそもアッドをマルミアドワーズの精(?)にするとか、意味不明だし。それに比べれば『狼』の伯父に、変形する武器(鋼金暗器)とか、いくらでもあるわい。
ともあれアスラウグは何というか視点たるレミナ側がマズいよなぁ。
本人もそれを自覚しつつあるし、読者視点からすれば『相互理解』が出来ていないと思える。ゴーレムの材料にされちゃったロシェほど鈍感ではないが。
とはいえ無駄話はともかく新話お送りします
後書きに続く…
「いやはや、これだけのデータを収集できて万々歳と言いたいところですが……」
「複製は可能かね?」
「刀剣に関わるエンジニアを集めたとしても……難しいのではないかと小官は推測します」
その言葉に薄暗い部屋に集まった人間たちの責任者は頭を痛める。
予想通りであったとはいえ、あまりにも、諦めが早すぎる言葉だった。
技術畑の軍人たちを怒鳴ることは出来ない。
いくら魔法技術などに精通した人間であっても、遠坂が作り上げた宝剣、宝槍は複製できない。
そんなことは理解していた。だがせめて何か端緒だけでも見えないかと希望を持っていた国防軍において大佐の階級にある男……酒井は少しだけ頭を痛めつつ観測を続けてくれと言ってから室外に出るのだった。
その際に、ふとモニターに一度だけ眼をやった酒井は、戦いの様子に羨望を覚える。
英雄的に戦いを行える……まるであの東京魔導災害での戦いの様子……現実に身体を持った英雄の御霊とともに戦ってきた若者たち……それを覚えているからこそ、どうしても……酒井という男は、羨ましいと感じてから今度こそ室外……モニタールームから出るのだった。
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「ひゃー! 西城さんもスゴイけど、あっちの剣士さんもスゴイねー!!」
「うん。アレは恐らく武器に付与されていた術式を開放しているんだろうけど、展開された武器を使うだけでもかなりの負担のはずだよ」
インスタントな術式ではあるが、発動のためのエネルギーは自分持ちである以上、負荷はかなりかかるはず。そうだというのに……。
(楽しそう……)
端末に表示された情報だけを参照するならば、魔法剣士のようだが、日本の刀剣こそが本道なのだろうが、西洋の刀剣……宙に浮かぶ得物。長さに大小違いあるものを闊達に操りながら、一高側の攻撃を防ぐ様子。
何でだろうか……少しだけ身体が疼くような気がしつつも、戦いは最後まで見届ける。
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「まさか、服部会頭の予言が当たるとは……」
「一振りするごとに様々な『魔力剣』が生み出され、それらが様々な形の群列を成して防御する」
綺羅びやかな色と先鋭的なデザインを施された魔剣があちこちで咲き誇る。身体狂歌で己を躍動させた相津郁夫がフィールドで動き回る度に、一高の攻撃手が全て無為に帰る。
双剣を振る度に魚群のような剣の動きがあちこちで見られて、魚群は集まり巨大魚のごとく形を成して魔法を防ぐ。
カレンの攻撃も、レオの反射攻撃も……全てシャットアウトする腹積もりのようだ。
(やはり持たせていたか刹那……こういうのが来ると分かっていたが、いざくると何も出来んな)
お互いに決め手を欠きながらも、不動の剛盾で守るレオ、躍動の疾風剣で切り捨てる郁夫。
この戦いが、続くというのならば……どこまでも見ていたくなるような見事な魔法戦だ。
しかし……。
「どちらかが崩れるかといえば、予想では相津だ」
この均衡が崩れるとするならば、崩れていくのは相津郁夫だろう。
体格と魔法力……サイオンの持続力という今では廃れた評価項目が、この戦いでは必要とされる。
おまけに如何に改造を施そうと、相津が使うような概念武装において必須となるエネルギーは、サイオンではなくエーテルである。
その差異は未だに測りきれていないが、消耗が激しいのは、どう見ても相津だ。そして最初に倒れるのも……。
(分かっていたはずだ刹那。勝利だけを目指さないとしても、このような無茶なことをすれば……)
どうなるかなど分かっていたはずだ。
「お兄様、時間のほうが……」
「時間?」
そんな思索の合間に深雪の言葉が耳に入る。
ここまであまり気にしていなかったが、実を言うとこの競技には規定タイムが定められている。
大概の試合では、この規定タイムをかなり余す形で競技終了となるので、意味をなくしている制度なのだ。
少しだけ気にするが、もはや意味はない。そうして剣の防御陣であらゆる攻撃をシャットアウト。
言峰のラブアローも、反射されるレッドの朱雷の攻撃も……。
(おかしい……確かに、レオの防御を破るためには、レッドは攻撃を倍増させなければならない)
だが、今の状態では無駄撃ちにしかならない。
レオを消耗させるためならば、確かに意味はあるが。
「うん?」
疑問を解消するべく何となく『精霊の眼』で全体的にフィールドを見た瞬間に違和感を覚えた。
(チカラがレッドに集まる……!)
相津がかき消した全てのチカラがレッドに集まるのを見た。それが何かを成していく……。
達也が見た事実をカレンも理解していた。それを理解して、シールドを崩す魔法を装填していくことに……。
(まさか、コイツを初っ端から使わされるとはな……)
本当ならば、ピラーズまで隠したかった秘剣の一つ。それを開帳する。
「
レッドの正面に切っ先を前に出した上で円状に展開する光剣が出来上がる。
明らかな大魔術の発動の兆候。そして―――。
「俺はここまでだ……頼む!!!」
一高からの攻撃をシャットアウトしていたエルメロイのセイバーが崩れ落ちた瞬間。壁が消え去る。
そうしてから、打刀2振りを地面に突き立てて、両通連のみを手にする相津。例え、剣群を発生させられないとしても、防御をするという姿勢を取った相津。
「ありがとよイクオ!!! 輝きを示せ―――カリバーン・ミュトス!!!!」
そのガッツある態度に感心したのか、そう声掛けしてから呪文に応じて光剣は細い光条を吐き出して、相手セイバーのフィールドを通過しようとする。
(止めてやる!!!)
レオの幻手を『避ける』形で背後へと向かう。
「『まっすぐ』じゃない! 2シームか!?」
変化球を使われたことに少しだけ驚く。
「ここまで落ちないストレートばかりだったからな! 変化を着けさせてもらったぜ!!」
誇りながら言うレッド。その攻撃はレオの体を避けるように通過した時点で終わりだったはず。
レオという野球バットをすり抜ける形でキャッチャーミットならぬシールドを叩き壊すはずだった。
だが、レオも一角のさるもの、レッドと同じく常識外の存在。反応が遅れても尚、強靭な体躯とそれに見合った魔術が対応を果たす。
一番下……腰の方から出ていた左右の幻手を後ろに流し―――そこから卓球、テニスのフォアハンドよろしく持っていた武器のリーチも含めて光線4つほどに対応した。
光線が霧状に切り裂かれた様子。しかし放たれたのは50は下らない
一高のシールドが次から次へとブレイクしていく。その数―――4枚!!
先の攻防で割れたのが1枚だったので5枚のシールドが砕かれた。
残りの
そして―――レッドは次弾を放つ準備をしている。
どうやら光剣の群れは『弓』か『弩』のようなものらしく、剣の柄尻から伸びる糸を引っ張ることで装填されるようだ。
「させるかよおお!!!!」
絶体絶命の状態。その攻撃を簡単に通すわけには行かず。幻手が最大展開!!! 最大膨張!!!
千手観音か、阿修羅のごとき様子で立ちふさがるレオ。
そして――――。
「―――――――ティミショアラ・デュナミス!」
同じく自分の正面に『砲』を作り上げていた言峰の必殺が炸裂する。
レッドの光剣の整列とは違い、それは星座の繋がりのごとく、光点が横に広がっていた。
放たれるは光の暴力。明らかにオーバーキルな威力を見せる光の『ギロチン』。投射された範囲だけならば避ける場所など無い。
神の断罪を思わせるそれを前にしてセイバーたる相津に防御する術は―――。
『『『『『カラダを張ってでも防げ!!! 我らがサムライセイバー!!!!!』』』』』
チームエルメロイのいる辺りから鬼のような檄文ならぬ檄指示が飛んだ。
ここまで来たらば、勝利を取るべきなのだから……そこまで追い詰めている!
その心を共有してくれたことに、感謝して相津は己の芯からチカラを振り絞る。
湧き出るようにチカラが出てきて身体狂化にして、
3倍速以上で動くそれは固有時制御などというほど高度な術式ではない。しかし武道などでいうところの『爆発』の術。無理矢理に己のカラダを『戦闘用』に改造する御業。
「チェストォオオオ!!!!!!」
そのカラダが半自動的に両剣と刀を振るわせた。喉を震わせながら無我夢中どころか、もはや無意識の斬撃で光の暴力をかき消す。
どうしてそんなことが出来たのか、後に相津郁夫も疑問符に思うぐらいに洗練された動きと魔剣の効果使用が、鮮やかなものだった。
必殺の攻撃―――しかし、それでも相津の後ろに抜けていった光圧は凄まじく―――2枚のシールドが砕かれた。
残るシールド枚数は2枚!!!
―――勝った!!!
チーム・エルメロイの連中が残り時間との比較からそう誰もが想った瞬間!!
追加で砕けるエルメロイ側のシールド1枚。
―――負けた!!!
一高の陣営がそう落胆するように想った瞬間に反撃を放ったのは、そんな相津の神業じみた動きに目を奪われる中、自分の仕事を遂行した副会頭だった。
(光線全てを散らしたと見えて、一本だけ打ち返してやがった!!!!)
幻手は迎撃・防御するためだけにあらず。反撃の為にもあるのだ。
「カレン!!! 魔弾連射だ!!!!!」
「は、はい!!!!」
言峰ですら『終わり』かと想った瞬間に、同点になったのだ。言われたことで持ち直して子弾をばらまくタイプの魔弾斉射を放つ。
「―――!!!」
対するレッドも光剣による光条ではなく朱雷弾をばらまくように放つ。
その打ち合いが十秒あるかないかで続き……。
―――今大会では初のタイムアップのブザーが鳴り響き、試合終了となるのだった。
動きと魔法の使用を双方終える。幸いながらブザーが鳴り響いたあとに放たれた魔法は無かった。
双方、無事なシールドは1枚。されど……同点優勝はあり得ない。
「無事なシールドとは言うが、ひび割れや欠けはあちこちに存在している……」
「被ダメージ量が多い方の負け……」
双方に残されているシールドのダメージ計算は軍の計測係と最新式のダメージカウンターで採点される。
素人目には、両者同じような塩梅にしか見えない。
それが恐ろしいのだ。
半ば、運動会で玉入れ競技のカウントを待つかのような気持ちでいたところ―――
5分も経たずに計測が終わったようだ。
『只今の競技の採点結果が出ました。
一高 言峰・西城ペア―――ラストシールド 63%破損』
その言葉に、どういった意味であるかは分からないが、会場中からざわつきが出る。
電子モニターに表示された63%の破損状態の内訳は、まぁ納得できるものだった。
(エルメロイ側がこれを下回っていれば、こちらの負けだ)
達也が何気なくチーム・エルメロイ側の客席を見ると、B組の斎藤が手を組んで祈るような仕草をしているのを見た。
(あちらも必死だな)
もっとも、今更ではあろうが……。などと皮肉を覚えながらも……。
『チーム・エルメロイ 相津・ブラックモアペア―――ラストシールド ろくじゅう―――』
誰もがその言葉につばを飲み込み、緊張をする。
ろくじゅう――――次の言葉がスローモーションで聞こえてくる心地。
錯覚だと理解していても、そう感じつつ、されど―――
『―――ラストシールド 68% 破損』
――勝敗の境は刻まれるのだった。
その言葉を聞いた時、一高陣営が湧き上がる。我知らず達也も拳を握り小さくガッツポーズをしてしまった。
それぐらい初日から厳しく激しい試合の連続だった。
『セイバー&ウィザーズ 本戦 優勝は一高 西城・言峰ペア!!!!!』
堂々と宣言をされたあとには、スタンディングオベーションで喜びの歓声をあげる一高陣営。
昨年の例のように試合会場になだれ込む一高勢。
浅く息を吐きながらも、頭のバンダナを外して汗を拭くレオの姿。高台から降りてきた(跳んできた)言峰は、レオに『お疲れさまです』と言いながら、バチ当たりかもしれないぐらいに、聖骸布で彼の身体を拭いていく。
方や、エルメロイ陣営は仰向けに倒れた相津を心配していた。すぐさまチームドクターたるドクターロマンが駆けつけたが、大事はないようだ。
実際、相津は何とか立ち上がり斎藤に少しだけ肩を貸されながらも前へと歩みを進めていき―――。
「次は負けたくない―――だが、いまはおめでとうレオくん、言峰さん」
―――握手を求めるのだった。
「ありがとう」
返す言葉、返された表情を見た相津は、晴れやかな笑顔を向けて、そのゴツい五指に手を合わせた。
その一連の光景を見た周りから惜しみない拍手が降り注ぎ、万雷の喝采を浴びながら96年度九校戦初日のプログラムは終わった―――。
(……波乱ばかりの初日だったな)
下馬評が崩されていく、それが落ち着くことはあり得ない。
そう予感させる初日。
その初日だけで少し疲れた、いや疲労困憊とも言える状態となった達也は、疲労のもととなった男に、今夜もスペシャルディナーを振る舞ってもらいたい気分を覚えたのだ……。
前書きの続き…
しかし、昨今……次世代ものがちょっとポコポコ出てきつつある。ボルトは、まぁ有名どころ。
オーフェンも、新シリーズは次世代ものだったしなぁ
サトシの後のアニポケ主人公のリコちゃんも、もしかしたらばとも言える噂で持ちきり。
まぁテレ東的には『BORUTO』がこうなんだから、サトシの後も『これ』でいけるでしょうということなのか?
それはともかくとして初期メンバー時代から見てきた私は現在のアニポケに大感激。
カスミとタケシが出てくると、なんかね感動。
そんなこんな雑談多くて申し訳ないですが、次話もよろしくお願いします。