魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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とりあえず今回の水着鯖は、周年記念の水着モルガンを除けば全員ゲット。

小野ミサオ先生もおっしゃっていたが、何というか10連の引きが微妙に悪い。単発での引きの方が新規鯖が来てくれる感じがする(かつてのイベントでもヨハンナ様、ビーストネロも単発ゲット)まぁ気のせいかも知れないがそんな感じがしてしまうガチャ事情。

そしてスーパードクターA……A2では彼の疑似サーヴァントが自分の出生に思い悩みながらも様々な出会いと別れを通じて医者を目指す――――――妄想広がりますね。(え)

ついに凄腕医師(腕っ節バツグン)といえば手塚先生のブラックジャックではなく真船先生の時代になったわけである(神様に失礼すぎる)

そんなこんなで新話お送りします


第364話『魔法の宴 氷柱死闘編 男子決勝Ⅰ』

 

 

「うなれ我が砂子たちよ!! 黒白の砂満たされし我が大地に埋もれるがサダメ (運命)!!」

 

「そのような砂攻めなど!! 我が大海の前に沈むがいい!! オアシス・ニブルヘイム!!!」

 

 砂使いと水使い(氷使い)の戦いは一進一退。相手のつらら陣地を全て己の魔力で満たそうとして、陣地を侵食していく戦い。

 砂が波のように蠢き、その砂の下から地下水のようにオアシスが出来上がり、それが様々なものに変わり、つららを破壊していく見ごたえがありすぎる戦い……。

 

 だが、そうしながらも趨勢は定まりつつある。

 

「ッ!!!」

 

「遅いですよシオン!! アナタ風に言えば『亀ですかアナタは?』です!!」

 

「言ってくれる!」

 

 煽った言い方に少し頭が沸騰しそうになりながらも、高速思考と分割思考は絶えず脳内を駆け巡るが…

 

 ―――分割思考の全てが正直言えば勝ち筋を出してくれない。

 

 ハイ・サーヴァントに対して、やはりただの魔術師では不可能のようだった。

 

(せめて竜鎧の機構があればよかったんですけどね)

 

 六源の一つ、クルドリスの骨に関する魔術との協力で作ったアレは、シオンにとっては資産の半分以上を費やしたものだった。もっともそれを使ってもサーヴァントや『魔宝使い』1人はおろか、進化型魔法師(アドバンス)すらまともに倒せなかったのだ……。

 

(泣き言はここまでですね)

 

 これ以上は刹那の方で何とかしてもらうことだ。というか刹那に泣きつくべきことである。

 

 よって今ある手持ちの札で侵食してくる水の脅威を何とかする……。

 

「‖‖‖‖‖‖‖‖‖‖」

 

 短い呪文。既に砂の中に仕込んであるコードを発現させる虚空に作り出すのは―――。

 

「ピラミッド!?」

 

「わが故郷の真髄、太古の昔よりありし王墓の御業をお見せしよう―――」

 

 砂を水で固めることで出来た正四角錐が虚空に漂う。それは確かに深雪の言う通りピラミッドであった。

 

 エジプトの術者はピラミッド・パワーでも使えるのかと、頭の硬い魔法科高校生徒たち(主に一年生)が驚愕するも、一年以上も『とんでも』に慣れた連中は、もはや驚くことで表情筋を引き攣らせることの無駄を察して、『はいはいピラミッド、ピラミッド』などと受け入れちゃっているのであった。

 

「我が大地にありしファラオの偉業と世界四大文明の一つの重みを知るがいい!!

太陽文明の神藏建築(ラムセウム・テンティリス)!!!』」

 

 言葉と同時に両手を使って胸の前で正三角形と逆三角形を交互に作ったシオンの手の動きに対応して、ピラミッドが動き出す。

 

「ぐぅおおおお!!! 上空から押しつぶすようにピラミッドの圧とピラミッドの底面から放たれる対地レーザーの乱射が私の氷柱を襲う!!!」

 

 そんな機構がピラミッドにあっただろうか? と思うも、そういった常識(セオリー)を崩すのが、魔法の常識だ。

 

 ゆえに――――――――。

 

「ならばニホンが培ってきた大海の恵みと脅威をお教えましょう!!!」

 

「……!まさか!!!」

 

「リヴァイアサンの力が流れ込む―――海こそは原初のいのち……必殺―――」

 

 ・

 ・

 ・

 

「といった風な流れで深雪が三位になったんだよな」

 

「イヤ、最後の『必殺』はナンだったのヨ!?」

 

 回想シーンに対してツッコミを入れるリーナ。

 別に教えてもいいのだが……。

 

「ネタバレ禁止条項につき削除だ―――とりあえず四位でもポイントは付くのだしな。落ち込むなよシオン」

 

「落ち込んでいません。ですが……なんというか悔しさが2倍どころか10倍です!!」

 

 しょんぼりと椅子の上に体育座りしていじけるようだったシオンだが、そうではなかったようだ。

 

 そして―――。

 

「女子シールダーファイト!!優勝しましたよーーー♪ セツナ―――!! ご褒美のジュテ〜〜〜ムを!!!」

「ワタクシも勝ちましたよ!! 3位入賞ご褒美のジュテムを!!!」

 

 エルメロイのテントに勢いよく入ってきたおフランスの血気盛んな女騎士2人が、ボロボロの姿ながらそれは花の都に咲く勇姿ともいえる。

 

 そんな夢と希望と明日と正義を讃えそうな彼女たちが、刹那(華撃団隊長)に抱きつこうとした時に。

 

『『STOP THE TOUCH!!!』』

 

「「ギャーーー!!! セツナへのハードスキンシップが露出強のサーヴァント2騎に阻まれた―――!!!」」

 

 武蔵ちゃんとジェーンに阻まれたことでしょんぼりするレティとアンジェラの様子に少しばかり無情だったかと思い直しつつ、言葉を重ねる。

 

「なるべく穏便にね……まぁあとで何かはするよ」

「トーゼン、ハニーであるワタシを怒らせないものにしてネ?」

 

 あっちを立てればこっちが立たず。智に働けば角が立ち、情に棹差せば流される状況だったが……。

 

「3位獲ってきたよ!! 褒めろ皆の衆!!!」

「すまん!! 吉祥寺君に勝ちきれなかった!!」

 

 対称的な男子の登場。だが、先程の2人と同じく万雷の喝采で以てテント内にいるチーム・エルメロイの面子が祝福する。

 

 そして男子ピラーズ三位決定戦(サンケツ)をこなしてきた二三草の帰還で以て分かることがある。

 

 

 男女のつらら―――優勝決定戦が始まるのだということが……。

 

「さぁて、行かせてもらうさ―――」

 

「キャプテンの出陣だ! 全員!! 栄光のロードを作ろう!!!」

 

「気を利かせすぎだぜ相津」

 

 相津が前もって言っていたのかも知れないがテントから出るまでに左右に並んだ全員からハンドタッチをしていく形が作られた。

 

 悪い気分ではない。全員から激励をもらい、勝利を信じる言葉をもらい―――。

 

「ナニも心配していないわ。勝つならば完膚なきまでにヤるのが、アナタの流儀だと分かっているカラ」

 

「トーゼンさ。陸上哺乳類最強種(グリズリー)にすら肉弾戦を挑んだお袋の魂が俺を躍動させる」

 

 どんな状況だよ!? と一同がツッコミを入れたくなる、最後のハンドタッチをしたリーナ相手のセリフ。

 

 しかし気合いは入ったようで何よりだ。

 

 そうして――――。

 

 

『もはや言葉はいりません!! このチカラとチカラがぶつかり合う男子本戦ソロ・アイスピラーズ・ブレイク決勝戦!! ここに試合開始です!!』

 

 水卜の実況、既に選手紹介は事務的なAI音声(TPピクシー)で終わっており、そのあとにはシグナルランプの点灯からの試合開始となる―――。

 

 向こう側の櫓に立つ将輝は、二三草との戦いで使ったものを使う様子だ。ソレ以前に、刹那は将輝の速攻たる『爆裂』を躱さなければならないのだ。

 

 点灯の音と同時に静かに、魔眼に魔力を通す。

 閉じられる目蓋。

 魔眼使いの術が静かに練り上げられていく。

 

 それを分かっていても一縷の望みを賭けて起動式の読み込み。これで始末出来るというのならば、それでいい。

 

 だが、それでも溜め込まれていく魔力の(はて)がイヤでも見えてしまう。ヤツが魔眼の蓋を開けた時にどんなことになるのか不安が最高潮に達しそうになるも、コンセントレーションは絶えずできている。

 

(不安を飲み込み―――)

 

 スタートランプの点灯。同時に一際高い音が響いたその時。

 

(―――刹那に勝つ!!)

 

 魔眼の蓋が開かれた。それは将輝の心の声よりも疾く変化をもたらした。視線による術式投射。

 

 マクロコスモスとミクロコスモスが刹那の氷柱を覆っていた。

 

 あまりにあまりなインチキが……刹那の氷柱を完全に将輝の魔法からシャットアウトしていた。

 

星宙(そら)の魔眼……とでも言うべきかな。相変わらずとんでもないものを使ってくるヤツだよ)

 

 見るものが見れば分かる『夜空ノムコウ』にある銀河星雲のような防御術……すさまじいものを前に。

 

(考えるより前に行動しろだ!!)

 

 爆裂が不発に終わったのは『予想通り』

 同時に刹那の防御も『予想通り』

 

 ならば次手を打つ。いちいち驚いている内に刹那は『心のスキ』を突いて攻撃してくるのだ。

 

「プレート、セット! ルーンドライブスタート!!」

 

 「Foyer:*Gewehr Eisenflügel」(Foyer:*Gewehr Eisbargereissn)

 

 鋼鉄の羽根とでも言うべきものと、氷の斬撃というべきものが宝石を介して飛んでくる。しかも後者の方は、まるで猛獣の爪牙のごとき凶悪な印象を持たせる。剣のZAN()よりも、ZAN()という音のほうが似合いそうなのだから。

 

(まずは様子見だ)

 

 穴熊など性には合わないかぎりだが、それでも将輝の放った浮遊する『板っきれ』が、どれほどのものかを探らなければならない。

 

『ほぅ。鳥とホッキョクグマの属性とも掛け合わせたか』

 

『恐らく宝石に若干の『獣』の意匠を与えたのだろう。獣性魔術の応用だ』

 

 何故か解説席にいるエルメロイの兄妹によって、刹那のトリックがバラされる―――のだが、刹那はもちろん一条将輝にもそれらは聞こえていない。

 

 現代魔法的な価値観では一見無駄ごとにも思える『魔法のカタチ造り』ではあるが、図形や模様と同じく生物の形貌(なりかたち)というのは、必要があってそうなっているのだ。

 

 進化の過程で不必要になった機能や部位も存在するが、それでもかつてのように無闇矢鱈に盲腸を切るなんてことを無くしたのは、一見すれば不必要な部位であろうと、何かしらの弊害は生じるからだ。

 

 飛んでくる攻撃は当然氷柱を襲うのだが……。

 

「それを許すかよ!!」

 

 当然、将輝もそれを許さない。悔しいことに、刹那の攻撃に対して現代魔法的な防御術では、どうやっても(まさ)れないことを理解している。

 

 幾らかは防御できたとしても最後には攻撃力マシマシの一撃が全てを貫く。

 

 ならば―――。

 

(俺は『簡易防御』をしつつ『最大攻撃』を繰り返す!!)

 

 総数十二枚の板の表面にいくつものルーン文字が浮かびあがり、防御壁を形成する。

 

 刹那の攻撃をシャットアウトするそれらが―――。

 

(防御だけだと思うなよ!!)

 

 魔術攻撃を退けたあとに攻撃に転ずる。紅く輝くルーンプレートの六枚が。攻撃、特に炎を意味するソウェルを発して、それを触媒にして爆裂を放った。

 

 刹那の氷柱、右列最前部の氷柱が砕ける。

 

 先制攻撃点は一条である。

 

『エルメロイ先生、先程はシャットアウトしていた一条選手の魔法が通じたのはどうしてなのでしょうか?』

 

『まぁ単純に魔眼の弱点だな。そこを突かれた形だろう』

 

『弱点ですか?』

 

『本来、魔眼というのはある種の事象干渉をするものならばともかく、基本的には視界に収まるものにしか干渉出来ないからな。人間の視界の限界を突かれたんだ』

 

『最初の攻防に関しては、セツナは一条君が爆裂をしてくるとして、自分のフィールド全てを視界に収めて防御を完了出来た。だが、これが攻撃に移るとなると若干の視界の揺らぎは出てくる。人間というのは視界にあるもの全てに注意を払えるわけではないからな』

 

 2人のエルメロイから言われて気付く。

 

 如何に魔眼を持つとはいえ、刹那(人間)自身の視界の範囲が、人間のスペック以上になるわけではない。魔眼使いとの戦いにおいては、相手の視界に入らないことというのがセオリーとしてある。

 

 フォーマルな魅了の視線などの意識制圧系(マインドジャック)に対してはそれが有効だが……。

 石化の視線(キュベレイ)などは、ソレ以上である。

 

 規格外の霊基を持っていたり、概念的な守護でなければ一発アウトである。そんな神代の魔術にそうそう遭うこともないのだが。

 

『さらに言えば一条君のルーンプレートに眼を奪われたのだろうな。中心視野と周辺視野の関係上、動体に対してやはり人間は注意を払う』

 

 単純な話。刹那の失投というかまぐれ当たりも同然だったようだ。

 

 とはいえ、そうなれば―――。

 

((やられたら倍返しするのがトオサカだからな))

 

 兄妹揃って同じ考えの通り、刹那は七色宝石を取り出し魔力を解放する。

 

「Schuss Schießt Beschuss Erschliesung―――打ち据えろ! カッティング・セブンカラーズ!!!」

 

 去年は恐ろしいほどに対抗策が見いだせなかった七色宝石による多段レーザー。

 

 魔術刻印を外部展開することで、圧と『歴史』を底上げするそれを―――。

 

「最適解、最適防御―――簡単にカウンターを喰らうかよ!!」

 

 刹那のルーングローブよりも『ゴツい』……ガントレットのようなものが、どうやらルーンプレートを操作しているようだ。

 

 指を動かすたびにプレートが奇怪な動きを刻み、刹那の魔術を防御する。完全にシャットアウトされたことで、光の一筋も届かない。

 

 そしてお返しのごとく赤い槍……恐らくゲイ・ジャルグのコピー(複製)のような魔力の槍が幾本も飛んでくる。

 

 ルーンプレートを攻防両面で上手く使う一条将輝を前に刹那の氷柱が砕けていく。

 

(奥へと捩じ込んでやる!!!)

 

 自分の魔力を刹那の陣の深くまで届かせる。あの4高の鳴瀬ですら出来なかった刹那への単騎駆け。

 

 それを行う―――。

 

(銀河規模の神殿とはいえ、破れぬものではない!!!!)

 

 イチ・ジョ! イチ・ジョ! イッチジョ―――!!などという小気味良いコールを聞きながらも高揚するだけではない。

 

 こちらが慢心すれば、揚がれば、ソレに対する冷水のように刹那はとんでもを披露するのだから。

 

(このまま甲子園の魔物ならぬ九校戦の魔法を目覚めさせずに終わらせてやる!!)

 

「ところがぎっちょん!! そうは問屋がおろさないんだよ!!!」

 

 こちらの心の声を読んだかのように刹那が叫ぶ。

 赤槍は刹那の氷柱の最右三段目までを砕いたが、その時には既に刹那は攻撃を放っていた。

 攻守を入れ替えるなどというわけではなく、こちらの攻撃と同時の攻撃。隙を突くような弓射。

 

 放たれる魔力の矢は鋭く、速いものだが―――。

 

(防げないものじゃない!!)

 

 魔力の質とでもいうべきものを視ることは、この二年間やってきた。

 

 こんなチャチな矢で俺の防御を突破するつもりか―――とはいえ、油断はできない。

 

 そう。油断などしていなかったというのに。

 防御陣は敷かれていたというのに。

 

 その重厚な防御を『すり抜ける』形で多量の矢は氷柱へと飛んでいき、またたく間に四本を砕いたのだ。

 

「―――!!!」

 

 こちらが必死になって三本砕いた(ヒットの積み重ねで3得点)というのに、一回の攻撃でそれをチャラにされ逆転(場外満塁ホームラン)など心が折れそうになる。

 

 何をやったかは理解がまだだが、ともあれ防御をしなければ、あの無色の魔力矢によってやられてしまう。

 

最大防御(マックスガード)最大駆動(フルアクセル)干渉開始(ドライブスタート)!」

 

 防御陣でやられるというのならば、攻撃術で相殺するのみ。

 単純明快ながらも、相打ち作戦である。

 

 それは効いたわけだが、それでもこれでは攻撃行動には移れない。

 

(トリックを解き明かさねば―――いや、そうか!)

 

「刹那、お前―――『空属性』の魔力矢で俺の防御をすり抜けたな!!!」

「ありゃ、存外はやくに解答を得ちゃったな」

 

 おどけて言う刹那ではあるが、将輝としても終ぞなき閃きが何故か走った形である。

 

 だが、そうと分かればやりようはある。

 

 ……もっとも、それこそが刹那の『狙い』なのだろうが。『誘導』されていることを理解していながらも、将輝はそうしなければならないのだ。

 

『エルメロイ先生、将輝君が言う空属性の魔力矢というのは?』

 

『君もエルメロイレッスンは受けてきたのだろう?』

 

『まぁ確かに……けど空属性ってイマイチピンとこないんですよね。やれてるやつはそのまんま優秀だし……』

 

 水卜の少しだけ嘆くような言葉を受けて、講師として口を開くことにした。

 

『ふむ。あれは確かにある意味では万能の属性だからな……掻い摘んで言えば、全てに対応することが出来る属性……チカラの本質を操ることが出来るものだからな。現代魔法ではサイオン、魔術においてはエーテルといった具合に、『本質』を掴むとでも言えるだろう』

 

 この世界・時代・歴史(ここ)では、全くの余談になるのだが、時計塔の魔術鑑定において、おおよそ魔術師の基本的な属性は五つに分かれるが、この五つで最もレアなのが『空』だった。

 

 すなわち、天体を構築する元素であり、魔術においては要となる第五架空要素(エーテル)自体を操作しうる。 高位の魔術師の手にかかれば、他人の魔術そのものを解体しうるのであった。

 

 それは術式解体などのように理屈頼みのものではない。あるいは、空属性の連中も理解していない『理屈』こそが、現代魔法における術式解体などのディスペル・マジックなのかもしれないが……。

 

『私がよく知っている『空属性』の魔術師は2人。そのどちらも他人の術に干渉することに長けた手練れだった。まぁどちらも一般的な『魔術師らしい』ものとは毛色が違ったがね―――それはともかく、刹那のやったことはこの2人を参考にすれば分かる』

 

『一条クンのルーンガードという術式の『システム』あるいは『コード』に『誤認』させることで、矢を素通りさせたんだろうな。矢そのものか、弓かはまだ分からぬが、自分の放った術式に管理者権限を付与させたのだろう』

 

 少しだけ苦しげな顔をしたエルメロイ二世のあとのライネスの放った言葉に誰もがイメージする。

 

 さながら刹那の放った『魔術の矢』は―――。

 

『自分は一条将輝クンの防御術式です。今後ともヨロシク!』

 

 とばかりに、元の術式を騙しながら、ルーンプレートによる防御陣をすり抜けて一条の氷柱に襲いかかったのだ。

 一条からすれば、『消える魔球』でも使われたような気分だろう。とんだインチキである。

 

 そんなわけで失点はほぼ同じで戦いの趨勢はまだまだ定まりそうになかったのだ……。

 

 

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