魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~   作:無淵玄白

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というわけで第一話は、劇場版特典のあれです!


あそこからオリ主の物語があると思ってください。ではどうぞ。


宝石と星の出会い~~prologue~~
プロローグ0『美少女魔法戦士プラズマリーナとの出会い』


 

 

少年は倦んでいた。正しい選択など何処にもなく、見つけ出すべきものもなく―――身に着けた『術』は、多くの人間が求めてやまぬ『神秘』だった。

 

 

 育ての親は死に、彼女の稼業を受け継ぐぐらいには―――、義理もあったが、そも彼女とて乗り気でなかったものだ。

 

 

 何よりその稼業に自分を就けることを嫌がっていた人間である。

 

 だから―――。

 

 

『どこでもいいや。とりあえずどこかへいこう』

 

 そんな人によっては軽い考えで―――世界を『跳ぶ』秘術が行われ―――途中で『大師父』に会い―――。

 

『いつか気がつく。お主の人生は、ただ『笑う』だけで全てが変わるのだと』

 

 笑みを浮かべない人間ではない。魔法使いに意味の無い虚勢を張ってから――――遠くを目指すことにした。

 

 世界の最果てを目指すが如く……。少年は生まれ落ちた世界から『消失』するのだった。

 

 

 

 † † † †

 

 

 

 覚醒を果たす。己の眼を見開く。全ては―――望むがままに行われた―――しかし……。

 

 

『第二魔法の乱用はどうかと思うね。だが貴重な経験おめでとう。若干縮んでいるかな? キミの年齢は、あの世界では18歳だったはずだ』

 

「マジか。まさか幼稚園児ほどに―――なわけないか」

 

 

 羽根が着いた黒色の装飾品に見えて、その正体は『魔法の杖』という恐るべき礼装は、自分のちょっとしたパートナーである。

 

 

 そんなパートナーの言と共に、先祖代々の『魔鏡』で己の姿を確認―――。

 

 

『ロウティーン、もしくはそれに至る前といったところかな? なかなかにボーイッシュだね。あの頃(?)のキミを思い出すよ』

 

 なんでこんなことになったのやら。第二魔法の影響だとしても、その原因を解決したい。

 

『恐らくだが、やはり件の翁と違ってキミは、まだまだ『至っていない』。世界の法則―――すなわち『抑止力』『世界の修正』を受けた形だろう。この『世界』にて、年齢が変化をしたのは―――キミが『落ち着ける』だろう年齢にしたといったところか』

 

「成程、流石はカレイドスタッフの中でも『万能』を有する存在だ」

 

『厳密には『万能の推測』―――『全知全能』の力とはまた違うさ……』

 

 どこか寂しさを含んだ『カレイドオニキス』の言葉。そこをあえて聞かずに現状を把握。

 

 恐らく跳んだのは『平行世界』であると同時に完全に異なった歴史を辿った異世界。

 

 果たしてここは何処なのか―――。

 

「マナスポットではないな。何となく……マナが薄いような気がする。というか、この『土地』が、そういった霊的なものを排している」

 

『鋭いね。今どうにかこうにか検索を始めているが―――建物の様式、張られているポスターの言語、星の位置―――全てを計算してみると……』

 

 周りはどこかの雑居の合間。言うなればスラムの入り口といったところ。見上げるとそこには黒く塗りつぶされた空―――それでも見える『金月』。

 

 星々の位置を読み解くとそこは――――。

 

合衆国(ステイツ)か」

 

『クリストファー・コロンブスが『見つけた』という大陸に興った新興国。一先ず、どの年代なのかを知りたいね』

 

 少年の慧眼と今までの知識が動員された結果、それを知ると―――身に纏っていたコートを、引き締めて年齢に相応しいサイズにしておく。

 

 同時に、『魔鏡』を通して姿の確認。己の髪を見ると―――あいも変わらぬ『黒髪』。誰かさんに言われた『強い意志を秘めた眼』は、変わらぬものだ。

 

 

『ナンパの準備かい?』

「茶化すなオニキス、不審者だと思われたら不味いだろうが」

 

 例え世の中に『ボディスーツ』や『学生服』…はたまた『水着』の礼装で、西部開拓の荒野を歩くもの、冥界の深淵に赴くものがいて人類史に刻まれる英雄・神霊たちに何とも思われないとしても、自分は節度を守って生きていく。

 

 それだけである。いや、本当である!

 

「出るぞ―――」

『アイアイサー♪』

 

 アンタの方が司令っぽいが、などとオニキスに想いながら、スラムを出るとそこは―――正しく一面の光の波であった。

 

 文明の光で夜闇を掻き消すそれらを見ながらも―――自分が奇異に思われているわけではないことを認識。場合によっては何かしら認識阻害の術式を行使することも考えていた。

 

『おおっ! こりゃまた『未来的』な世界だね。着ている衣服は、そこまで想像していた未来世界ではないが、うんうん! 正しく人類は発展しているよ』

 

「それが正しいかどうかなんて分からないだろう」

 

 皮肉気に言いながら―――レンガ造りの様相が多い所から『東海岸』を想像。標識の中に『ボストン』らしきものを見たことで確信。

 

 そうして推測を終えてから何気なくストリートの脇にあるショーウインドウを見る。そうしながらも観察すると―――。

 

 

『西暦―――』「2090年……」

 

 

 ざっと70-80年は、未来の『平行世界』―――、その世界にて―――。

 

 

 

「止まりなさい!!」

 

 

 一瞬、自分のことかと耳を疑ったが声の方向―――綺麗で透き通るような声を張り上げたらしき少女がいて―――スケートボードで『よろしくないこと』をしてきただろう相手の前に躍り出た。

 

 同時にその眼前に、障壁を張った―――ひどく『見えにくい』が、そういったものが見えて、そんなもの張られたならば止まれないだろうが―――。という想い。

 

『拳銃』で武装した『一般人』は、それにぶつかり―――コメディ映画のように吹き飛んでどこかのダストボックスに入り込んだ。

 

 察するに、料理屋の前だから生ごみまみれだろうなぁ。と思いつつ、未来世界の割には―――その手のクリーンシステムは無いのか、市の意向なのか―――どちらにせよ。

 騒動は拡大の一途を辿っていた。少女の姿は―――有体に言えば奇異でありながらも少女の髪型に合わせてポップな雰囲気を出していた。

 

 更に言えば、少女は、その顔を仮面―――ベネチアンマスクという『仮面舞踏会』でゲストたちが被るもので隠していたが、あんまり意味が無かった。

 

 少女も拳銃持ちを無傷で取り押さえる予定だったのだろうが、それではダメで、耳元のインカムで誰かに通信をしているが―――。

 

 名乗りを上げた少女の声を聞いてから、少年は殺意を鋭敏に感じた。ダストボックスにいる男の回収だろうか、『仲間』がワゴン車を横付けしていた。

 

 そこから―――。

 

 ちょうど、少女を狙い撃とうとしたのか、それとも『異質な能力者』だと認識したのか、『機関銃』を出してきやがった。

 

「ふざけやがって!」「いかれた小娘が!!」

 

 罵声と同時に二挺の機関銃を持ち、照準を合わせる。群衆たちすらも巻き込むこと容易いそれを前にして―――少女が起こそうとしている『奇蹟』を推測して―――。

 

(それじゃ間に合わない!)

 

 世界に声を震わせる。大丈夫だ。『基盤』は存在している。己のチャージ分もある。こんなところでヘマしてたまるか。

 

『見えぬようにやるんだ。今は正体を隠すぐらいがちょうどいい』

 

 刹那。オニキスの声が聞こえつつも作業を終えて―――。少女の『奇蹟』の制御を手助けする。

 

(だれ!?)

 

 誰でもいいだろう。思念の声に返してから―――少女が構成している『雷霆』に触れて、それの制御を万全にする。

 

 

『Anderunge―――』

 

 こちらの言葉と同時に彼女が放った雷霆は―――真っ直ぐに飛んでいく。先行放電が空間を焼き尽くし、同時に機関銃の発射機構を焼き切り、いくつものパーツに分解されて地面に重々しく金属音を響かせ―――。

 

 

『―――Werwolf』

 

 男達の背後に集まる電気の塊。疑似球『電』とでも呼ぶべきものが―――。狼の姿となりて男達を襲い―――。

 

 電気に身を晒したあとには、ワゴン車に『磔』にされて動けなくなる。めり込むかのように『引き寄せられた』ことで男達は気絶。それなりの痛痒はあるが―――致命傷ではない。

 

 少女の『情報』に触れたことで男二人がひったくり犯であると理解した結果である。殺人犯なり凶悪殺人―――ひったくりであっても、人を傷つければもう少し痛めつけたが―――。

 

 

「す、すごい! 魔法戦士リーナは、電気の使い手!! 本当にすごい魔法使いだ!!」

 

「『雷速』の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる美少女戦士!」

 

「つまり―――美少女魔法戦士プラズマリーナ!!!」

 

「プラズマリーナ!」「プラズマリーナ!!」「プラズマリーナ!!!!」

 

 

 何かに火が付いたのかヒートアップするオーディエンスを尻目に少年は移動を開始した。気付かれることはないだろうが、とにかく移動することにした。

 

 

「しかし……美少女魔法戦士プラズマリーナねぇ……」

 

 

 後ろにヒートアップするオーディエンスを気にしながらも、呟く。

 

 持ち上げられて何かの信仰物かのように奉られる少女をもう一度見ておく――――。

 

 

「なんとも陳腐な名前だよ」

 

 

『笑み』を浮かべる少年。

 

 

 ざっと70-80年は、未来の『平行世界』―――、その世界にて―――。

 

 

 

 ――――少年は『運命』と邂逅するのだった――――。

 

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