魔法科高校の魔宝使い ~the kaleidoscope~ 作:無淵玄白
個人的に七草弘一にCVが着くならば速水奨さんか神谷浩史さんだと思いたい。
そして めておがズヴィズダー以来の新作。
……レクイエムか、きっと―――最後にはモンゴル辺りで背後から銃撃されて(以下略
―――――朝の目覚めは穏やかなものであった。
御殿場の軍事施設管轄のホテルが多い中でも、やはり高級将校もディナーと言う名の会合を嗜むゆえか、夕食を採った場所はよかった。
食事も雰囲気も、出されたワインも……。
魔法師界の名士……二人がまだ少年少女の頃はテーブルマナーに辟易しつつも、多くの大人の颯爽としたものを真似したいと思うぐらいには、互いにませていた。
そして年齢を重ねてお互いに向き合い、お互いの顔を見ながらも料理に舌鼓を打ち、様々な話をする。
話題の多くは、やはりこの御殿場付近での九校戦。その主役の一人たる遠坂刹那であった。娘のことは、あまり話さなかった。
話してしまえば―――お互いの事を『気遣ってしまいそう』だった。
十師族でも、魔法師でもなく……二人の男女として向き合いたかった。そんな七草弘一の想いを分かっていたか、気遣っていたか……。
ともあれ、そのまま話しながら飲み、喰いながら飲み、呑んで、飲んで……気付いた時に対面の美女は、完全に出来上がっていた。
ここまで相好を崩した真夜の姿は、知らずに憧れている…六塚温子などが視れば、幻滅するかもしれないが……弘一は何度か見ていたりする。
『まったく、先生に隠れて飲んでいた時と変わらないな……』
『やだわー。弘一さんってば、昔の話なんてして、子供を産めなくなった私に未練があるのかしらー?』
完全に酔っ払った様子の真夜のネコのような眼とからかうような言葉を聞いて弘一は思う。
あるに決まっている。と言えば殴られるかもしれない。殴られるだけで済めばいいだろう。というか……いつの日か、その報いを受けたかった……。
殴られるよりも辛い目にあってきた真夜の心の鍵を開けて自分が死んでしまえば……その方がいいのに―――。
ケラケラ笑いながら四本目のワインに手を着けそうになっている女を制する。
『葉山さんは来ているんだろう? 迎えに来てもらえ。それまでは付き合うから真夜』
『やーですよ。こういう時にだけ年上として弁えた態度取って、そんないい子ちゃんすぎる弘一さんじゃ、絶対にいい家族関係作れないんですよ。きっと娘からは、侮られて反発されちゃうんだから』
図星を突かれてしまう。
そんな事は分かっている。自分は常識的かつ良識的な人間だ。裏ごとの全ての『濁り』を呑み込める人間ではない。
だからといって―――四葉の宿業。日本のアンダーグラウンドを仕切ることで、真夜が、どこかの誰かの恨みを買って凶弾に倒れる。
そんな想像もあるのだ。精神改造は彼女を『魔王』にしただろうが―――だからと『無敵』の人間ではないのだ。
再び訪れるもの…凶事を回避したくて弘一は……。
『ならば、久々にワルになろうか』
『へ? きゃっ―――』
かなり昔……80年以上前に流行ったものを行う。既婚者が行うことは完全にアウトであった。
けれども立ち上がって、対面の椅子から抱き上げた女の身体は―――軽かった。
そしてどこまでも柔らかかった―――あの頃に感じたままに―――。
『召し物を濡らしてしまったよ。レディ―――部屋までお連れ致します』
『………ズルいわ。こういう時にだけアナタは、私が辛い時には………』
酔いが覚めて、顔でも引っ掛かれると思っていたのだが、それはなかった。
姿勢を保持する為に首に手を回されて、だから言葉を重ねる。
『幾らでも恨み言は聞いてやる。悩みや不安があっても、なんでも―――』
『……『キツネ』の夢が―――私の『お腹』に鼻を当てて、鳴き声を……』
そうして―――ウエイターにテーブルを頼み、ホテルの併設のレストランを辞して――――。話を聞きながら真夜の部屋へと連れていくと……。
そこからの記憶は、当たり前の如く弘一にあったわけで、『何もしていない』わけがなかった。
キングサイズのベッドに収まる二つのカラダ。眼を覚ますとそこには、全裸の四葉真夜がいた―――。
波打つような黒髪が、まるで夜空の黒に星々の輝きを灯したような光沢あるさらさらしたものが白いシーツに投げ出されている様子。
身体は何かの女神像のように、崩れることなくシーツの中でも自己主張をしていた。
健やかな寝息を立てている少女のような様子の真夜……。色々と思い出して、まだ経験の無かった小僧の頃の自分のように片手で額を抑えて困惑する。
いや、困惑するまでも無く記憶に残っている。
もしも一種の『操作』をされていたとしても明確に思い出せる感触……真夜の柔らかさや可愛さにとまることなく溺れて、それでも夢中になってしまう寸前で自制しつつ、ああ。ムリだった。
最終的な結論―――十師族の一人、七草家の当主 七草弘一も、ただの男でしかなかった……。
醜態であるはずなのに、喜びしか無くて、息子たちはともかくとして娘に知られたならば―――という方向を思い出して内心でのみ言っておく。
(真由美、泉美、香澄……お父さん、どうかしちゃっていたよ。だが後悔はしない。2010年代に流行ったチョイ悪オヤジってヤツだ! 別居中のお母さんには伝えても構わないぞ!!!)
娘から軽蔑されること間違いない。いや長女は、最初からそうだったのだが……。もしも知られたならば己の名前の『由来』に気付き……家出どころか非行もあり得るか……。
だが、それでもいいと思ってしまう自分は、父親としては失格なのかもしれない。今さらな話であるのだが……。
『失礼、七草殿―――少しよろしいですかな?』
豪奢なスイートルーム。寝室の部屋の扉を軽く叩いて、こちらにだけ声が聞こえる必要以上ではない声量と見事な発声で弘一は、扉の前に赴く。
隣にいた真夜を起こさず……一度だけ頬を撫でてから『ごめん』と言ってから、抱きついていた腕を抜く。柔らかな双丘の感触が名残惜しいが、ともあれ―――今は葉山の所に行かなければならないのだ。
「――――葉山さん。その申し訳ないです」
四葉の執事頭。今は亡き四葉英作氏の代から執事を務めていた人は、如何に色々と家格などでも差があるとか、魔法師云々の『下賤の価値』では測れぬぐらいに弘一にとっても頭が上がらない人だ。
横浜での一件。脱走した強化魔法師の件でも、色々とあった人は、それでも
その気になれば、己を一瞬で粉微塵の死体に出来る連中を前にしても『唯々諾々』ではないその様子が少しだけ強く思えた。
『お構いなく。ですが十師族の当主二人が、寝屋を共にすると言うのは如何にも醜聞でしょう』
「その通りです。……軽率でした……」
当時、まだ少年であった頃……少し年上であるからこその真夜へのエスコートは、まだ小学生の彼女を悪い道に誘っているように思われていただろう。
そんな頃の執事の言葉を思い出して―――意気消沈するが……。
『ですが、奥様のあのような顔も久々に見れたので、あまり強くは言わないでおきますが……『古式』に則り―――』
一拍置く葉山。何を言われるのか緊張する弘一……。
『ゆうべはおたのしみでしたね』
「――――」
絶句してしまう弘一。そして面白がるような調子の葉山を確信してしまう。
果たしてこの執事は、昨夜どこにいたのか―――少しだけアレな想いをしながらも『内密の話もあります』と言われて、身支度を済ませて扉を開けて出る。
その際に、振り返ると疲れていたのか、寝息を掻く真夜と………肩をむき出しにして胸をはだけた『桃色』の着物……この時代にはあり得ざる着付をした……獣のような耳を生やした女を見た―――気がした。
真夜の姿を穏やかな顔で見ているその女は、幻か何かのように消え去り、少しだけ弘一を困惑させたが、それよりも葉山の用事に移らなければならない。
そうして夢か現か分からぬ現象を記憶から消しておくのだった……。
† † † †
「おらぁ!!!」
「vier drei zwei eins!」
短剣の形をした特化型CAD。モラルタ・ベガルタ―――赤色と黄色の双剣を操る刹那は、それを元に起動式を読み込んでいく―――正直、『面倒』な作業だ。
しかし登録された術式は紛れもなく魔法式として放たれており、火神の放つ火炎弾及び氷柱に放たれようとする直接燃焼のことごとくを『斬り捨てる』。
放たれる魔力刃。赤と黄の軌跡を持ちながら、炎を纏った『飛ぶ斬撃』は、自陣の氷柱に影響を及ぼさずに火神の火炎弾と魔法式を砕く。
現在までに繰り返された戦い。一手で三高の火神の二重術式を打ち破る刹那。それに対して一高の刹那に対して手数で攻める火神大河。
魔弾を使われていれば、もう少し違った結果が出ていたはずだが、現在の所、互いのピラーは10本ずつ残っている。
それだけ拮抗した勝負。決して刹那も、この状況で本当に雁字搦めなわけではない――――。
そろそろ―――変化を着けに行こう。
「はははっ!!! 楽しいなぁ!! 刹那!!!」
「ああ、全くだな―――だが勝利はいただく!」
「抜かせ!!!」
今までにない炎嵐を作り上げる火神。直接干渉の放出系統―――その技と同時にこちらへのピラーへのエイドス干渉。
実に見事。しかし―――。
(終わらせる―――魔眼解放)
魔術回路の回転をトップに入れて、外付けの回路とも言える『魔眼』にも火を灯す。
準備は整った。いける―――。
――――『青色の魔眼』が発動を果たす。
「炎嵐灼熱!!! ブチ焼けろ!!!」
「吹き飛ばせ!! モラルタ!!!」
斬撃と炎のぶつかり合い。圧と熱が弾けたことで出来上がる狭間……その間に火神は、熱線レーザーとでも言うべき『フォノンメーザー』。その改良版を刹那のピラーに当てようとした。
先手はもらった。そう確信するタイミング。五指を扇のように限界まで伸長して伸ばした状態―――その指先に熱が灯ろうとした時に―――――。
ばしゅぅううううう!! という盛大な音と共に火神からすれば奥の方のピラーの一つが、唐突な気化を果たす。
馬鹿な―――そう感じるほどに何も見えなかった。
魔法式が視えない……それ以前に、当たり前の如く『情報強化』を果たしていたというのに、効力が切れたか。
幾つもの疑問が渦巻きながらも再び―――奥のピラーが気化を果たす。個体から液体に、そして気体に―――。
一挙に氷柱としての体積を失っていく様は何か分からぬ現象であるがゆえだ。だが、どちらにせよ火神は、窮地を悟る。
これで10-8。リードを取られたことで冷静になって、火神は魔法を打ち合うことにする。何もしていなければ、刹那に付け入られる。奴は見逃すことはない。
魔法の打ち合い。とにかくヤツの『手品』を使わせないためには―――間隙を作ってはいけないのだ……。
再びの魔法によるラフファイトが始まる――――。
† † †
「何をやったんだ刹那は? 魔法式も何も視えなかったが―――」
「やれやれ、いつでも彼は規格外だな。解説役がいないので余計に分からない」
観客席のヒマ組―――大会6日目にて今日の種目がない組は全て一塊で観戦していた。そこに一科二科は関係なく、同級生たちを応援したいという思いが強かった。
そんな中でも分からない術式を放つことが多い刹那を興味津々及び応援するためにやってきた人間達は、解説役を求めていたのだが……あいにくリーナも達也も、同じくピラーズの決勝リーグの用意がある。
とはいえ、眼のいい美月と幹比古は何となく分かったが、どう言えばいいのか分からなかった。
ただ言えるのは……刹那は氷の『熱』を『奪い取った』ということである。
―――そして女子ピラーズの控室。
次の相手たる十七夜栞との戦いの前に中条あずさ及び市原鈴音……サポーターである生徒会の先輩二人の前でモニターにて視えた刹那のトリックをリーナは説明した。
「…『略奪の魔眼』を使うとは、セツナも本気ね」
「略奪の魔眼―――ですか? 炎焼の魔眼とかではなく」
「ええ、現象としては確かに『プラスの熱』を与えられたがゆえに視えますけれども、実際はツララから『マイナスの熱』を『奪うこと』で融かしているんですよ」
どちらかといえば、『冷却系統』の魔眼であると説明したリーナだが、敏い質問が届く。
「奪い取った『熱』は、どうなっているんですか?」
その言葉は、リーナにとっても予想外というほどではないが、意外な所に気付いたあずさに舌を巻く思い。
「さて、それ以上はセツナの魔眼の真髄になっちゃいますから
プラズマリーナの格好の上にジャージを羽織っているリーナの茶目っ気ある仕草。
人差し指を口に当ててウインク。こういう風なのを自然と出来て似合っているのは、ズルいなぁとあずさは想い、背丈が高くて可愛い系統が似合いづらい鈴音もまた羨望の思いがある。
全体的に薄蒼と白系統の衣服。フリルで飾られたミニスカート。しかも丈は膝上10センチ。
膝上まであるボーダー柄のソックス。俗に2010年代に流行った『ニーソックス』と言うやつが足の長さをスカートと共に強調する。
肩が出るカットソーは、これまた丈が短くヘソが見えているタイプ。オフショルダーというこれまた露出が過多なものである。
如何にかつての寒冷化の影響があって女性の衣服がみだりに露出をすることを好ましく思わせない風潮があっても、男性からすればかなり『嬉しい』ことは間違いない。
しかしセクシャルさだけがあるものではなくどちらかといえばリボンやストラップなどでそれらの下劣さを消すキュート……可愛さを感じさせる衣装。
それを何の外連味も無く着て似合っているリーナを更に見て中条あずさはため息を突くのだった。
「私も、そういうのが似合う女の子になりたかった」
ため息とともに出した結論を聞き逃さなかった二人がフォローを入れる。
「むしろ中条さんの方が似合うかと、プラズマリーナはジュニアスクールかジュニアハイスクール相当の子でしたから」
「ちっちゃいことは良い事ですよ! アズサ先輩!!」
「二人して褒められてる気がしません!!!」
アメリカにおける2大魔法怪人『プラズマリーナ』『プリズマキッド』。
その衣装で快進撃を続けてきたリーナと刹那。このまま決勝まで行くことあれば―――。
一高同士での戦いとなるだろう。
現在の女子の会場では北山雫と司波深雪。どちらもリーナとは違い和装で挑む二人の戦い。この後、リーナが十七夜栞との戦いで『こけなければ』、そうなるだろう。
(前例としては、試合をせずにポイントのみを同校に与える……あえて優劣を着けさせないこともありえますか)
アイスピラーズブレイクが2日に渡って行われるのは一回の対戦ごとの会場整備と連日の氷柱作りに時間がかかるからだ。
如何に技術の進歩が、2000年代ごろからの多くの煩雑なものを全自動の機械化で行えたとしても、最後に必要になるのも人間の手だ。
そして1.83トンもの氷柱を用立てるのも、色々と予算などの生臭い話もある。
だが―――最後には選手個人の意思が尊重されるのもまた競技種目としては当然の話。
鈴音は恐らく―――決勝は一高一年の『男女の最強』を決める戦いになると予想するのだった。
† † †
「
言葉と同時に、モラルタ・ベガルタを文字盤の『針』のごとく―――刹那は己の身体を中心にして廻した。
瞬間、起動式の読み込みの際の『呪環』とは違うものが拡張展開。
「ルーン文字!?」
「我が眼前に勝機あり!! シュヴァイス!!」
驚く火神を前にして言葉を受けて魔力のレーザーが、刹那の眼前に展開された文字から幾重にも降り注ぐ。魔弾ではなく魔力のレーザー。
一瞬、大会委員たちに緊張が走るも、一方的なルールの拘束を破ったわけではないとすぐさま気付かされる。
今までの刻印とは違いルーンを用いた攻撃。更に言えばそれは―――『現代魔法』の辞典にもあった『最新の魔法』であった。
「ニードルレーザー!? 古式だけかと思えば、こんな事も出来るのか?」
「レオナルド・アーキマンが開発したと言う
エネルギー源はサイオンで賄えるが、それを使った後の身体及びホウキの冷却は、どうしているのか―――。
観客たちの疑問を無視するように刹那は、打擲を続けていく。
火神の氷柱に殺到するレーザーの雨と同時の現象。聡い人間達は、すぐさま理解する。
プリズマキッドの足元から吹き出る煙。水蒸気の類ということは何かしらの『冷却』手段があるのだと判断した。
刹那は、火神の氷柱から奪った『熱』を、ニードルレーザーの冷却に使った。身体の魔術回路の冷却及び、『空間』に対する冷却。
本来の『ルーンレーザー』でも、この手の『冷却手段』は『刻印』などからまかなえるのだが、展開してしまえば魔弾と間違われてしまう。
それを避ける為に、こうして―――再び『マイナスの熱』を奪われたが故に、体積を無くしていく氷柱。
刹那がニードルレーザーであり『ルーンレーザー』……ルーン文字の『高速転写』を行ったことで既に戦いの趨勢は決まった―――8本対1本の陣地構成。
あとは青色の魔眼で決着を着けてやる―――と思ったが―――。
「まだおわっちゃいねぇえええ!!!! 振り絞れよ!!! 俺の身体!!」
熱い男だ。この状況下でも逆転の手は残っているのだと、そう信じてサイオンの猛りが―――炎の虎を思わせる。
最後に残った氷柱が滑るように動き出した移動系統の魔法なのだろうと分かっちゃいたが―――。
「―――」
絶句する1トン以上もの質量が動いたことも驚きだが―――何より―――速かった。
「砕けな!!!」
そこから氷柱そのものを質量弾としてぶつけてくるとは思わず―――防御が一瞬間に合わなかった。
しかし、あれだけの大質量のモノをここまで早くぶつけてくるとは―――。
だが、進撃を止めるアルジズのルーンが、次列の刹那の氷柱に刻まれていた。
ヘラジカの角に挟まれたかのように動かせないことに相対する火神は―――敗北を悟った。
「俺の負けだな」
「ああ、最後の一撃は予想外だったが―――これで終わらせる―――略奪せよ!! 開け青の魔眼!! 滅びの黎明を降り注がせろ!!」
魔眼の完全開放―――奪った熱を利用した青い閃光が、展開した魔法陣から放たれて火神の最後の氷柱を光の中に消し去った。
受け止めていた自分の氷柱すらも消滅させたのはご愛嬌であるが―――。ともあれすっきりした相手陣と自陣の様子。
そして火神自身もすっきりした表情を見せていた。
お互いにやりきった戦いであった。
『決まりました。魔法怪盗プリズマキッド!! 大会委員からひっどい拘束を受けてでも決勝への勝ち上がりを決めました!!! 見事!! アッパレです!! もう一つついでにアッパレです!!』
内部事情の暴露をするミトのブラックな実況を受けながらも、次の黒子乃と達也の戦い……どちらが来ても楽しくなりそうだ。
そんな風にしている一方で女子の会場の様子が大モニターに映りだされる。どうやら栞とリーナの戦いが始まる様子。
自分の彼女の活躍を願いながらも、キッドとしての刹那は風のように去るのだった。
それから1時間後―――準決のプログラムを全て終えて出たカードは次のようになる。
男子アイスピラーズ・ブレイク
決勝戦
一高 司波達也 対 一高 遠坂刹那
女子アイスピラーズ・ブレイク
決勝戦
一高 司波深雪 対 一高 アンジェリーナ・シールズ
同校対決というある意味、ポイント的には非常に意味がないが、一高だけに関わらず全ての魔法科高校の生徒達が氷柱すらも融かしかねない熱狂できる試合が期待されるのであった……。