妖怪のヒーローアカデミア   作:座右の銘は天衣無縫

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亀更新の可能性大とか言いながら連続で投稿した奴がいるらしい。

そう、私だ。


自由がウリなのに受験生に自由が与えられて無い件について。

 

一陣の風が吹いたと思ったら仮想敵のロボが吹っ飛んでた、何を言ってるかわかんねーと思うけ(以下略)

 

今年のとある雄英高校受験者が受験終了後にSNSにアップしたコメントである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を少し遡る。

 

雄英高校の実技試験の開始と同時に飛び出した射命丸文は自らの『個性』を存分に使い、試験会場内を飛び回り、見つけた側から仮想敵を吹っ飛ばしていた。

 

他人が戦っているロボには手を出さず、地面スレスレを飛んだ時に起こる風も『個性』で無くしているので妨害扱いにはならない。

 

本来なら推薦で入れてても可笑しくない程の実力を持つ彼女にとってこの試験はただのお遊びのようなものだった。

 

因みに推薦は応募用紙に記入漏れがあって受けられなかった。

 

「60………67………72………76………83………」

 

『残り7分と29秒!』

 

「あーーー!! 2分半で100ポイントいかなかった!!」

 

こんな風に傍迷惑ほどポイントを稼いで遊んでられるくらいには余裕だった。

 

「あやややや〜〜、取り敢えず200くらい稼いでおけば安全でしょうし、それが終わったら写真でも撮りますかね。」

 

 

 

 

それから少しして

 

 

 

 

「巨大ロボ!! こ、これは…………格好のネタ! 撮らねば後悔する奴ですね!」

 

巨大0ポイントロボが出現して周りの受験者達がすたこらさっさと逃げている間ですらフラッシュを焚きながら写真を取りまくっていた。

 

だが、そんなにフラッシュを焚いてロボが反応しない訳もなく、0ポイントロボは積極的に射命丸を狙い始めた。

だが、ただ攻撃範囲が広いだけの遅い攻撃は一切当たらず、写真を撮られまくる0ポイントロボ。

 

そんな光景を目にした受験生は

 

「あれは、まさかワザとフラッシュを焚いて注意を引き付けているのか!?」

 

盛大に良い方向に勘違いしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『終了〜〜!!』

 

試験終了の合図と共に動きの止まった0ポイントロボ。

狙ったのかと思えるほど、やけに迫力を感じられるポーズなのでまた一枚パシャリ。

 

掠ってすら居ないのにケガなんてする筈もなく、10分間それなりに動いた程度でバテるほどヤワな体力もしていない射命丸文は、取材する相手もいないので早々に引き上げることにした。

 

が、さっきからパシャパシャ撮ってた写真。

アレが色々と問題にならない訳もなく、写真は校舎を写したのも含めて全て没収となった。

是非もなし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜やややや、嫌になっちゃいますねコレは。」

 

雄英高校受験からの帰り道、ションボリとした射命丸が目撃された。

それを偶然見た同じ受験生は実技試験で実力を出し切れなかったのだろうと勝手に想像した。

 

もちろん、ハズレもハズレ、大ハズレである。

実はフリーライターとしてバイトしている彼女。

記事を書くためのネタが全部取られたのだ。

 

どこからか彼女がフリーライターだと調べた雄英側が今日の試験を記事にしないように言ったのだ。

 

無論、国立高校を相手にしてまだ中学生に過ぎないフリーライターが強気に出れる訳も無く、泣く泣く記事にするのを諦めたのだ。

 

そもそも受験会場に『個性』とは一切関係ないカメラを持ち込もうと思う辺りバカだが。

カンニングしたと言われても文句は言えないのだ。

 

「まあ、いいです。 入学したら雄英体育祭も待ってる事ですし、そこで優勝者への独占インタビューとか出来たらら………うへへへへへへ。」

 

ニタニタと未来の事を考えながら笑う射命丸。

『取らぬ狸の皮算用』ということわざを知らないのか。

 

「いよぉし! そうと決まれば『果報は寝て待て』! さっさと帰って寝ましょう!」

 

そう言って元気よく走り出す射命丸。

周囲からの目は冷たく、ちゃんと見守ってくれるのは空に浮かぶ月と沈みかけの太陽だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、数日後。

 

自宅でのんべんだらりと過ごしていた射命丸の元に雄英高校から通知が届いた。

何の気負いも無い射命丸は潜っていたこたつから出るのが億劫だという理由で母親から受け取ったその場で通知を開いた。

 

『私が投影された!!』

 

「おお、オールマイトじゃないですか。」

 

ナンバーワンヒーローがいきなり出てきたにも関わらず反応の薄い射命丸。

寝っ転がりながらミカン片手に映像を見続ける。

 

『え、何故私が映像に出てるのかって? それは私が今年の春から雄英高校の教師として務めることになったからさ!』

 

「キタコレ!」

 

特大のネタの香りがした瞬間、先程とは比べ物にならない反応を示す射命丸。

なにせあのオールマイトと一対一で取材できる可能性があるのだ。

これはフリーライターとして見過ごさないわけにはいかなかった。

 

『まあ、それは置いといて、だ。 射命丸少女、見事合格! 推薦の時は残念だったが、それはそれ。 推薦を受けようとするだけあって筆記は理系教科に幾つかミスはあったが余裕で合格。 そして実技試験!! 敵ポイントはピッタリ200! ぶっちゃけ、狙ったでしょ君。』

 

「あやや、流石に露骨過ぎましたか。」

 

今更である。

そして母親からは睨まれている。

 

『さらに加えて、実技では救助活動ポイントというのがあった! 所謂、隠し要素という奴だね。 救助ポイントは32ポイント! 合計で232ポイントだ! おめでとう! 二位とはぶっちぎりの差を付けての一位通過だ! さあ、おいで射命丸少女! ここが! 君のヒーローアカデミアだ。』

 

映像が終わると、母親に無言で頬をむいむい引っ張られ、抱き締められた。

 

そして母親は「お祝いしないとね!」と出かけていった。

射命丸本人は、また無駄に多い親戚一同から色々と絡まれると思って少し落ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして季節は受験シーズンの冬から移り、色々と始まる春へ。

 

雄英高校の正門前も生徒達で溢れかえっている。

そんな中、余り人のいない廊下を歩きこれから一年間を過ごす教室へと向かう人物が一人。

 

射命丸である。

 

性懲りも無くあちこちパシャパシャ撮影しながら教室へと向かう。

 

到着したのは一年A組。

巨体の異形型に合わせて作られたと思われる大きな扉を開けて中に入り、

 

「どうも!! 始めまして! 清く正し「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないか!?」「思わねーよ、テメェ! どこ中だよ端役が!」」

 

思いっきり被った。

取り敢えず一枚パシャリ。

 

ここで言い合いをしていた二人の関心が射命丸に向いた。

 

そして取材用の手帳を取り出し、

 

「『雄英高校ヒーロー科、初日から問題勃発!? 実は問題児の集まりか!?』っと。」

 

「いや、待て待て待て待て待て。」

「待てや、テメェ!!」

 

手帳に書き込んだ時、二人からツッコミが入った。

 

「いきなりだな!? いや、確かに傍から見ればそんな感じに見えなくもないかもしれないが!」

「写真なんて撮ってんじゃねぇよ!! 見せもんじゃねぇぞ! クソが!」

 

「…………脅しですか?」

 

「「違う!!」」

 

実は仲いいだろ、と思わなくも無いが、ここは華麗にスルーするのが射命丸。

 

「まあ、それは置いておいてですね。 射命丸文と申します! どぞ、ヨロシク。」

 

「ん、む、ボ……俺は市立聡明中学出身の飯田天哉だ。」

「るっせぇ! テメェの名前なんざ聞いてねぇんだよ! さっさと写真消せ!」

 

「飯田さんですね。 そっちの方はあんまりキレてると、その内高血圧でポックリ逝っちゃいますよ。 カルシウム足りてます?」

 

良いカモ見ーつけたと言わんばかりの表情でツンツン頭の同級生を煽り始める射命丸。

割とゲスい。

 

だが、キレやすく煽り耐性の低い割にキチンと写真を消せと言ってくるツンツン頭の同級生により、写真は削除された。

 

そして、飯田とツンツン頭の同級生の口論が再度勃発するかと思われたが、飯田が教室に入ってきた緑髪の男子に気が付き、口論は終了。

 

消した写真の代わりにコッソリもう一枚撮ろうと思っていた射命丸はガッカリである。

 

もう一度言おう。 ゲスい。

 

その後、入ってきた同級生と自己紹介をしあい、互いに取り留めの無い話をしていると、

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。 ここは………ヒーロー科だぞ。」

 

「ここは」と「ヒーロー科だぞ。」の間でゼリー飲料を寝袋に入ったまま飲み干すという、よく分からない登場の仕方をしたのは一年A組の担任、相澤消太。

 

軽く挨拶をした担任は体操服に着替えてグラウンドに出ろと言う。

 

戸惑いはしたものの、流石に断る訳にもいかず、全員が言われた通りに体操服に着替えて外に出た。

 

 

 

 

「全員揃ったな。 これから個性把握テストを行う。」

 

「ええ!? 入学式は!? ガイダンスは!?」

 

担任から告げられたいきなりの発言に戸惑う生徒達。

茶髪の女子、麗日お茶子が疑問をぶつけるも、ヒーローになるのならそんな暇はないと言い切った。

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。 中学の頃からやってるだろ? 個性禁止の体力テスト……合理的じゃない。 射命丸、中学の時、50m走何秒だった?」

 

「えっと5秒後半でしたかね。 細かいのは覚えてないです。」

 

(((((普通に速い。)))))

 

半分、異形型みたいなものだから、仕方がない。

 

「んじゃ、個性アリでやってみろ。 フライングさえしなきゃ何しても良い。」

 

そう言われて50m走のスタートラインに付く射命丸。

クラウチングスタートの体制で合図を待つ。

 

「んじゃ、行くぞ。 よーい、」

 

パァンと号砲が鳴り、それと同時に翼を広げて飛び出す。

『個性』で生み出した風に乗り、一気に加速し、ゴールを通り越した。

 

担任の手元の機器に結果が出る。

結果は『1秒29』

 

その結果を見た生徒達は歓声を上げ、『面白そう』などと声を上げた。

 

「『面白そう』、か。 ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい? よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう。 生徒の如何は教師の自由。 ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ。」

 

髪を掻き上げ、ニヤリと笑う。 見方によっては悪役に見えない事もない。

生徒達が反論するも全部スルーされる。

ありとあらゆる苦難を乗り越えてこそのヒーロー。 Plus Ultraだ、と。

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