BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
私は尸魂界に来ていた。
「こっちは空気が美味しい」
現世は排気ガスや二酸化炭素などで空気が汚染されている。
私が今いる場所は、
「お姉ちゃん」
その声に振り返ると、そこには第11話:呪いのインコで魂葬した柴田の姿があった。
「無事に着いたんだ?」
「うん。ママにはまだ会えてないけど」
「そっか。でも、探してれば、きっといつか会えるよ」
「うん、そうだね。お姉ちゃんはどうしてこっちに?」
「ちょっと野暮用でね。そんなことより、どこか寝泊まりできるとこない?」
「じゃあ家においでよ。僕が今住んでるとこ。部屋は狭いけど、寝泊まりには困らないはずだよ」
「ありがとう」
私は柴田の家に同行した。
そこは、木造でかろうじて雨風が防げるといったボロい家だった。
「尸魂界って思ってたのと違うね」
「そうだね」
「あ、そうだ! 私、尸魂界のお金ないんだけど、どうしよう?」
「心配しなくていいよ。ここではお腹も空かないからね」
「死神は霊力使うから減るのよ」
「そうなんだ。じゃあお兄ちゃんに相談してみようか」
「お兄ちゃん?」
「もう戻ってくると思うよ」
と、その時。
「柴田、帰ったぞ」
柴田より背の高い男の子がやって来た。
「その死神は?」
「このお姉ちゃん、現世で僕を虚から命がけで守ってくれたんだ」
「ああ、その節は柴田がお世話になりました」
「お礼なんていいのよ。それより、来たばかりでお金がなくて困ってるんだけど……」
「食事くらいなら俺がなんとかするよ」
「ありがとう」
「お姉さん、名前なんていうの?」
「聡美」
「聡美さんね。名前も知らずに死神さんなんて呼んだら失礼だもんね」
「別にどう呼んでもいいよ」
「そう。それより、聡美さんはお腹は大丈夫?」
「そういえば、お腹空いて来たかな」
「じゃあ昨日作ったカレーがあるから、温めるよ」
少年が調理場でカレーを温める。
やがてグツグツと音を立て始めるカレー。
少年がご飯をよそり、その上にカレーをかける。
「さあ、どうぞ」
私はカレーを食べた。
「甘」
「甘いか。柴田は甘口じゃないと食べられないっていうから甘口にしたんだけど」
「私は辛口くらいのがいいね。大辛と激辛は挑戦したことないからわからないけど」
「じゃあ、近所のラーメン屋で辛いラーメンの度数選べるのあるから、明日のお昼にでも行く?」
「何段階?」
「十段階。二倍がカレーでいう中辛ってとこかな」
カレーを食べ終える。
「うーん……でも、明日はこっちにいるとは限らないし。瀞霊廷内に用事があるからね」
「別に用事済ませてからでもいいよ」
「じゃあその方向で」
少年が食器を片付ける。
「そういえば、君の名前は?」
「洋一って呼んで」
「洋一くんね」
それにしても、平和っていいわね。
「あ、そうだ。柴田にお土産」
私はジャンプコミックスから切り抜いた
「これは?」
「BURN THE WITCH。久保帯人の漫画だよ。面白かったからあげる。こっちには漫画とかなさそうだからね」
「ありがとう、お姉ちゃん」
柴田は大喜びで漫画を読み始めた。