正直、疲れました。
アリサはあれから泣き疲れたのか眠ってしまって、俺がおんぶで連れて帰るハメに。帰還用のヘリでも
アリサの部屋にお届けしようと思ったけど、鍵が開か無い。誤解されたくないけど、約束の事もあるし仕様が無いからアリサを自室に運ぶ。
ベットの上を綺麗にして、アリサを寝かした。そして床に大量に散らばったゴミを集めて、まとめてアナグラ内のゴミ処理場に持っていく。イニシャルGが数匹見えて不安になったからだ。
掃除は苦手なんです。ってか、めんどくさいからやる気が出ない。
記憶喪失が発覚してから初めて自室に来た時、自室は大量のゴミで溢れかえっていた(饅頭の袋とかみたらし団子のケースとか)。一応その時に周りの協力を得て掃除したけど、その後気に入った食べ物を部屋で食べてたりしたら同じような状況になった。
好物は和菓子でーす。緑茶もおk。
やる気が出ない体に鞭を打って、3時間ほど掛けてようやく掃除が終わった。日頃から整理整頓は大切だね。
ふとベットを見たら、どうやらアリサが起きたようだ。眠そうに目をこすっている。
「私の体に何かしてませんか?」
「...それは性的な意味で?それとも研究的な意味で?もし性的な意味だったら誤解だな。しかも研究的な意味で手を出せるほど俺は賢く無いしねー。」
開口一番それかよ!?いや、女子なら当然の反応だな。考えてみれば同じ部屋で男女2人きりとかいうこの状況の方がアブナイ。
アリサがベットの上で寝そべっている。こいつ、随分余裕だな。俺だって男だぜ?
ま、実際何もしないけどねー。
「んでアリサ。部屋帰る?」
「約束があるじゃないですか。思う存分話を聞いてもらいますよ」
アリサ君はどうやらここに居座るつもりらしい。
その状態のままぽつぽつと話をする。と言っても、俺は話を聞いてるだけ。記憶喪失だから過去の事とか分からない。リンドウさんに俺の過去を聞こうとしたら、「俺も知らんが根深そうだった」と言われたのを覚えている。
話を聞くと、アリサの両親はディアウス・ピターに襲われたらしい。目の前で両親が襲われてしまったのは見たらしいが、何故か分からないが両親の死体とゴットイーター二人の死体が残っていたらしく後々見つかったらしい。
喰わないって不自然だな。どうやらアリサも疑問に感じていたようで、少し腑に落ちないようだ。
人間に襲われた___は無いな。無くあって欲しい。
アリサは色々な事を話してくれた。ミッション前より大分柔らかくなったなー。
ガルブツィーやビーフストロガノフやシチーの事など。...あれ?全部ロシア料理?もしやアリサって大食漢?
聞いたら叩かれた。しかも大分強く。新手のツンデレですね。分かります。
「...アリサ」
「何ですか?」
アリサは相変わらずベットで足をぶらぶらしながら俺の饅頭を食べている。俺の饅頭を食べるのは百歩譲っていいとして
「何で21:00になって普通に男ん家に居座れるのー?俺も誤解されたく無いからそろそろ帰って欲しいんだけど?」
「眠いんです。帰る気力もありません」
「饅頭の食い過ぎだよ...。うん、俺が言える筋合いは無いけど」
甘いの食ったら眠くなる。それは分かるけど、だからって寝るなよ。...おーい?何完璧に寝る体勢入ってんの!?
「分かったアリサ。しょうがない。俺が運んでやるから鍵渡せ」
「...インキーです」
「...は?」
何か嫌な予感がする言葉が聞こえたけど、気のせいだよねー?
「
「インキーです。鍵が中にあります。しかもオートロックで、合鍵はありません」
俺様オワタ\(^o^)/
「___おいおい!?それは不味いだろ!?だったらサクヤさんの部屋で寝泊まりさせてもらえよ!?」
「サクヤさんとリンドウさんは時々同じ部屋で過ごしてたりしますから、邪魔になりそうですね」
「...止めてくれ。頼むから」
本当にありそうだ。他の人は男性なのでパス。アリサは
コウタとかの自室に行かせりゃいいのかもしれないけど、なんかアリサが他の男の部屋に居るっていうのが何故かむかむかするから嫌なんだよなぁ...。なんでだろう。
「...あぁもう。分かった。もう10000歩譲ってやろう。お前はここで泊まれ。代わりに俺がコウタん家で泊まる」
「コウタの自室は汚くて二人もいられませんよ?しかもバガラリー談義に付き合わされると思います」
困ったァァァァ!!サクヤさんの所はリンドウさんと共通営業を邪魔しちゃうし、ソーマは相手にしてくれないだろう。だってソーマだし。
「...そんなに私と同じ部屋で寝泊まりするのが嫌ですか?」
「うっ」
アリサが上目遣いで俺を見つめてくる。気のせいか目が潤んでる気がするな。ヤバい。こいつはヤヴァイ。逃げ場
「___くーーーー...」
気が付いたらアリサは寝ていた。ったく、さっきのは寝ぼけてたのか。
あんな事言われたら少しは俺も意識してしまうよ。...ただ寝ぼけてただけだよね?
枕の感触が違う気がして、ふと目を開けたら知らない天井。
アリサは慌てて飛び起きた。眼前に広がるは昨日居たケイトの部屋。
視線を下ろしたら凄まじい体勢で床上でケイトが眠っている。どうやら、私はケイトの部屋で寝てしまったようだ。
というか夜の8時30分辺りからの記憶が無い。
(____まさか、今度こそ何かされたのだろうか?)
服装を確認するが、何も無い。昨日ケイトの部屋で話しながら両者寝落ちしてしまったのか。
暫くしたらケイトがターミナルの角に頭をぶつけて起きた。起き方が突拍的過ぎる。
ケイトは寝ぼけ眼で起きて、ちらっと目を私が居る所に向け、思い出したように顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。どうしたのだろう。欲情したのか。それはドン引きだ。
「___アリサ」
「何ですか?」
ケイトがコホン、と席をして落ち着いてから声を掛けてくる。
「昨日いつから記憶が無い?」
「...え、確かビーフストロガノフの美味しさを再力説した所です。」
「だよな...。良かった...。あれは寝ぼけてたんだよな」
ケイトが安心したように呟く。私は寝言でも言ってたのかな?
「何か言ってたんですか?」
「あぁ、爆弾発言を一つな。...満更でも無かったけど」
そして昨日私が寝ぼけていた時の話を聞く。アリサは自分の頬が段々熱くなって来るのを感じた。
____だが、その時「嫌だ」って言われたら、少し寂しいかもしれない。
「んまぁ、戯け話はここまでとして。本日はボルグ・カムランの討伐だ。お前の神機は火属性だから厄介だろうけどな」
「(自分で受注して来てくれるなんて珍しい...)そういう貴方の神機も肉斬りクレイモアでしょう」
「いいんだよ属性とか。要するにちゃっちゃと終わればいいの」
言ってる事が盛大に違う。なんとも適当な人だ。
「煉獄の地下街ですか?」
「あんな暑い場所ヤダよ。昨日ヒバリさんに頼み込んで鎮魂の廃寺のヤツもらって来た」
「駄々コネたんですね...」
「仕様が無い。お前だって暑いの苦手でしょ」
「そうですけど...」
ケイトはそれだけ言うと再び寝転がる。どうやら任務までまだ時間があるらしい。
「あ、アリサ」
「何ですか?」
「ツバキきょーかんに鍵の事話して自室の扉開けてもらえ。開けてもらえるまではサクヤさんの自室を居候先にすればいいよ」
「分かりました」
アリサは起き上がって身仕度を整える。そして扉を開けて出て行った。
「ヒバリさんめ...」
「駄々コネてどうにかなる話じゃなかったんですよ」
アリサに呆れたように言われる。
あれからケイト達はヘリで場所に向かったのだが、着いた場所は何故かマグマ噴き出る地下街。
昨日ヒバリにしっかりと交渉して鎮魂の廃寺を奪い取ったと思っていたら、真っ赤な嘘だったらしい。どうしよう。俺ちょっと厚着だ。
「ヤバい...ぢぬ....」
「天下のゴットイーターが情けないですよ」
「アリサは水着だからいいだろうけど...」
「水着じゃないです!」
あら?水着じゃなかったんだ。
てかホント暑い。体が焼けてしまいそうだ。マグマに近付いたら更に酷い事になるだろう。
「...ケイト」
「何?」
「向こうにボルグ・カムランが居ます」
「おk。俺暑くて死にそうだから一人で頑張って」
「寝顔」ボソッ
「よーし頑張って行こうぜ今日もいい天気だいやあ全く誰が働かないんだろうなー」
「...」
こいつまだ俺の寝顔写真持ってやがったのか。俺のトップシークレットなのに。俺の
因みに今日もいつも通り肉斬りクレイモアだ。ボルグカムランは硬いけど尻尾の付け根辺り狙ってチャージクラッシュを叩き込めばどうにかなるだろ。通常出来ない片手チャージクラッシュ維持というもうどこの神様転生的なチートだよと突っ込みたくなる程無駄に
アリサはいつもとは真逆の青色の神機だ。俺めんどくさくてパーツ変えたりしないんだけど。
「まぁそれはほっといて、今ボルグ・カムランは単体だからまず銃撃でこっちに誘き寄せるぞー。尻尾の回転に気ィ付けろよ。後尻尾を重点的に狙ってね」
「アラガミバレットの受け渡しは」
「あんまし無くていい。バーストが切れた時の疲れがキツイからな。...そんじゃぁ、3,2,1で銃撃開始だ。...3...2...1!」
合図と共にマグマを挟んで向こうに居るボルグ・カムランに向かって、2人の神機が火を噴いた。
「なぁアリサ」
「何ですか?」
ボルグ・カムランの討伐を完了しヘリの到着を待っていると、ケイトが結合崩壊した尾を見ながら呟いた。
「ボルグ・カムランのこの兜みたいな所って壊れないのかな?」
「はぁ?」
アリサが素っ頓狂な声を出す。それもその筈。アラガミが結合崩壊を起こす場所は3つと決まっているのだ。
ケイトは一生懸命チャージクラッシュを兜に叩き込んで居る。
...はっきり言って無駄なのだが。
「その気力を別の方向に使ってください...」
「知的好奇心だよ」
「はぁ...」
それからケイトが一生懸命攻撃していると、ボルグ・カムランが霧散していった。
「おぉ!兜が消えた!」
「コアを抜き取られたオラクル細胞が霧散しただけです。講義で聞いて無かったんですか?」
「記憶失ってるからね...」
「...あ...失言でした...」
「ま、どうせ寝てただろうけどね♪」
「...ドン引きです」
ケイトの言う通り、今までケイトは講義が始まってから30秒経たずに寝ている。
記憶を失っていようがいまいが、アーコロジーの事も、エイジス計画の事も知らない。
そして呆れて溜息を吐くアリサとケイト達の元に、ヘリが到着した。
「『しんがたどうしのかんのーげんしょう』?」
「『新型同士の感応現象』です。漢字変換も出来ないんですか?」
「フフフ、君達は仲がいいね」
アナグラに無事帰投し、ツバキに報告書(アリサが書いた)を提出したケイト達を待っていたのは、幾つもの眼鏡をぶら下げているマッドサイエンティスト___通称「ペイラー榊」であった。
「...何か失礼な事を考えられてないかい?『ペイラー榊』は僕の本名だよ」
「ふーんそうなんだ。んで、『しんがたどうしのかんのーげんしょう』ってなんだ?」
「よく聞いてくれたね。それは新型神機使い同士が接触することで稀に起こる現象でね。お互いの記憶が見えるらしいんだ」
「アリサ、説明は聞いといてくれ。俺は分からないから寝る」
「貴方も聞いて下さい!」
「いいんだよアリサ君。ケイト君は毎回講義を聞いていない。大丈夫さ。しっぺ返しを喰らうのはケイト君なんだから」
「そうですけど...」
アリサが引き下がる。榊はそれを見てニヤリと笑ってから話を続けた。
「この現象はドイツ支部で初めて確認されたものなんだ。再現性はその二人でのみ稀にある。...と言っても今まで3回しか成功してないけどね」
「それがどうしたんですか?」
「君達はどちらも新型神機使いだ。もしかしたら再現出来るかもしれない。___さらに、」
榊がもったいぶるように一泊置く。
「『お互いの記憶を見る』___。これを活用したらケイト君の記憶___の一部でも戻るかもしれない」
「...え?」
「だからって確実じゃねーんだろ?なんか面倒な条件とかあんだろ?」
「ケイト君も聞いてたのか...。___コホン、話を戻すよ。基本感応現象には特に条件は無いとされている。よって君達に頼みがある」
榊がずいっとケイトに近付く。ケイトは慌てて上半身を逸らした。下手したら男同士のキス___洒落にならない。
「アナグラ内ではずっと手を繋いでいて欲しい。君達は昨日一緒に寝たのだろう?___あ、これに深い意味は無いよ。飽くまでも寝泊まりをしたという意味さ。アリサ君の部屋の鍵の事もあるし、丁度いいから暫く二人で一緒に生活してくれないかな?...なに、接触時間を増やす為さ。実験に成功したらいち早く報告してくれたまえよ」
「なんであんたが昨日勝手に人ん家で寝たこいつの事を知っているかはあえて聞かねーが、その提案は飲めねーな(寝心地が辛い)。」
「皆君の記憶が戻ってくれたら嬉しい筈だよ。しかも君は今後自分の家族の事すら知らないまま生きていくのかい?(僕も知らないから気になるしね)」
「____っ!?」
「...ケイト。私は構いません。私だって私が転属して来た時の貴方の不自然な態度の理由も教えて欲しいんです」
「アリサ君もOKなみたいだよ。さてケイト君。君はどうする?」
「___わぁった。もーいいや。てか俺は不自然な態度したんだなー。...案は飲むよ。」
ケイトが渋々と言った態で言う。榊はそれを聞いて嬉しそうな顔をした。
「よし!それなら頼むよ!現象が起こったらいち早く報告してね!1分1秒も早くね!後二人とも同じベットで寝るんだよ!」
「んな!?俺そんな事聞いてねぇぞ!?」
「そんな!」
「手を繋いだまま寝るのは大変だろうが頼むよ!」
「「話を聞けこのマットサイエンティスト!」」
「じゃぁね!」
榊は言いたいだけ言うとラボラトリに戻って行った。
「///え、え〜と手を繋ぐんだったっけな?///」
「////そ、そうです。へ、変な事しないで下さいよ!//」
お互い顔を真っ赤にしながら手を繋ぐ。
「...これで行動するんだよな?」
「...えぇ、そうです」
「コウタが厄介な気がする」
「「......あ」」
「博士〜。...ん?何だケイトとアリサ!もしやカップルになったのか!?うわー!リンドウさん達に報告しなきゃ!」
エレベーターから降りてきて二人を見たコウタが走り去ろうとする。早速だ。噂をすれば影。
「余計な事___」
「___言わないでくださいよ?」
「ぎゃあああああああああああ!!」
追いかけてきたケイト達にぶちのめされる哀れなコウタ。
___コウタをぶちのめしながらも、二人は手をしっかりと繋いでいたという。
ケイトがボルグ・カムランを狙う際に銃形態を使えたのは、超高性能なホーミングバレットを使ったからです。