GOD EATER 〜暗殺者の贖罪〜   作:KETAKETA

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面倒事14:人外への食生活

「腹、減った...」

「ハラ、ヘッタ...?」

 

目の前でアラガミの少女が不思議そうな表情で首を傾げる。

この少女に助けられてから2日。少女の知能は高いようで、ほんの少しだけ意思疎通が出来るようになった。

そんな事より問題なのは...食べ物の問題。

最初の1日は持ち歩いていた饅頭3つをちびちびと食べてなんとかしていた。だが一時間前に全部食べ切ってしまったのだ。

目の前で少女は未だに理解出来ないような表情をしている。おっと、質問に答えなきゃな。

 

「腹減ったは...お腹すいただ」

「...オナカスイタ!」

 

しまった〜、と思わず舌打ちをする。この少女が最初に憶えたのは「オナカスイタ」で、良くも悪くもやはりアラガミなのか捕喰要求を表した言葉だ。

そして何故か少女は「オナカスイタ」と聞くと空腹になるようで、アラガミを食べに行きたくなるようだ。そうすると自分は着いていかなければいけない。

 

(面倒くせ〜〜〜〜〜)

 

ホント面倒だ。空腹の体を引きずってアラガミ狩り。腕輪と神機が無くなっても仕事は同じなのか。

半ばアラガミ化した右腕は、どうやら変形できるようでアラガミを狩る時はショート・バックラー・アサルトの新型可変式神機のように腕を変形させて使っている。結局銃形態は意味が無いのだが。

本来自分はナイフの様な軽い物が気に入ってるが、記憶がある時からバスター・タワーシールド・ブラストというのを使っていたようで、わざわざ神機パーツを作るのも面倒だったので変えず使っていた。

しかも左腕が使えなかったので片手で振り回していたのだ。何故か普通に片手でチャージクラッシュを出来るという謎現象があったが。

...と考え事をしながら右腕を神機の形に変形させる。イメージは短刀だ。

 

「ケイトー、どー?」

 

少女がケイトに話しかけてきたので振り向くと、少女はケイトと同じように右腕を神機の形に変形させていた。

見たところロング・アサルト・パックラーだ。アリサと同じような感じだなー。

それより・・・

 

「よっしゃーーーー!!これで戦わずに済む!!」

「ケイトー、どうしたー?」

 

少女が戦えるのなら俺は戦わずに済むぞ!←ココ重要!

...まあ、結局動き方とか教えなきゃいけないんだろうがね...。

 

 

 

「イタダキマス!」

 

少女が倒したコンゴウの前に座り込みガツガツと食べ始める。

今朝「何処が一番美味しいの?」という意味の言葉で聞いたら、近くのオウガテイルに腕をぶっ刺してコアを取り出し「ここー」と言われた。

あれは地獄絵図だった。だってまだ外見10歳程度であろう少女が化け物の心臓を血にまみれながら掴んでるんだよ?

 

ぐ〜〜〜。

 

「腹、減った...」

 

目の前でさも美味しそうに食べる少女を見ると。尚更。

まずい死にそうだ。

 

「ケイトー」

 

呼ばれて振り返ると、少女が血で真っ赤になった手でコンゴウのコアを掴んでケイトに突き出してくる。

___真っ赤になった手は見なかったことにしよう。

 

「...どぅゆぅみぃ?」

「ケイト、オナカスイタ。なら、たべて」

 

要するに「コアやるから喰え」という事なのだろう。

一瞬動揺する。ていうかかなり動揺する。

 

(アラガミを喰うっていうのは考えなかったな...)

 

軽く現実逃避しながら、ケイトの手に乗せられたコアと少女の間を視線が行ったり来たりする。

これを喰ったらケイトはもう化け物行きだろう。喰ったら最後後戻りは出来ない。

_____だが、

これから安定した食事供給が出来るとは思えない。

もう一度手に乗ったコアを見る。アラガミの血で真っ赤になった物体を。

 

___背に腹は変えられない。

 

覚悟を決めて、思いっきりコアに噛り付いた。

 

さて、これからは俺も化け物入りだ。

 

 

 

アラガミを食物とし始めてから一ヶ月。身体がどんどんとアラガミに侵食されていくのを感じる。

それでも完璧に「アラガミ」にならず人間なのは、この少女が右腕に埋め込んでくれた青白く光る物質のお陰だろう。

好き嫌いも出来た。この少女はシユウが苦手なようだが、俺はボルグ・カムランが苦手だ。

金属質で美味しくない。

___こんな話をしている俺は、もうだいぶ化け物だと思う。

ハプニングは、そんな毎日を面倒に思いながらも慣れてきた時に起きた。

 

 

 

鎮魂の廃寺。

ケイト達が生活(?)しているのはそのエリアの端っこである。

最初にケイトはここから徒歩でアナグラへ帰ろうかと思ったのだが、ここはアナグラから遠い。しかもいつも空路を使っているのだ。道を覚えている筈が無い。

 

「本日の献立はオウガテイルの蒸し焼きでーす」

「わーい」

 

シオも言葉をかなり憶えてきて、大体通常の8才ぐらいにはなった。

あの時からアラガミを食べるのは慣れたのだが、たまに調理したりする。と言っても丸焼きか蒸し焼きぐらいしかバリエーションは無いのだが。

本来面倒くさがりなので料理なんてしたことが無い。出来るのはせいぜいオウガテイルのもも肉に土をかぶせて火炎放射するぐらいだ。

それと変形した右腕を身体と分離出来るようになった。だから外出時には仮面を作って被ってる。

 

「これに土を被せてー」

「かぶせるー」

 

オウガテイルに土を大量に被せていく。よく蒸し焼きにするのは土に埋めたらアラガミが霧散しないからだ。

二人(?)で仲良く土を被せていた____その時、

 

「アラガミが逃げたぞー!」

「追えーー!!」

「______!?やべっ!」

 

何処からか神機使い達の声が聞こえ、慌てて被せていた土の裏に隠れる。

右腕がアラガミ化していてアラガミを食べている_____間違いなく客観的に自分は「堕ちた人(フォールマン)」だ。一応見つかってもこの場はやり過ごせるだろうが。

 

(頼む通り過ぎてくれよ_____!)

「ん?何だあの土山?」

「オウガテイルの尻尾が見えるぞ!」

 

ヤバいーーー!!

自分は客観的に「堕ちた人(フォールマン)」。見つかった時点で抹殺対象。だからって隠れ続けるのは難しい。

 

(仕様が無いな...)

 

神機の形にしていた右腕をもとの形に戻し、二人の死角から飛びだしお馴染みの首トスンで気絶させた。

上手く行くかは自信が無かったが、予想より軽やかに動けたな。記憶がある時に対人戦をよくしていたのかもしれない。神機使い(ゴッドイーター)で対人戦が得意って本気で怖いのだが、自分が。

 

「このままじゃぁこいつらアラガミに喰われるな」

 

気絶した二人組みを抱え近くの家屋にぽいと捨てる。ふぅ...こりゃ面倒な事になった。

 

 

 

 

 




今話時点では、
・ケイトの腕輪と神機は未発見
・ケイトは未だ記憶が戻っていない
という状況です。
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