「んはーっ、寒ぃ〜」
「そんなヘンテコな服来てるからだろ」
本日はコウタとの合同任務。鎮魂の廃寺でコンゴウの討伐だ。
雪が降り積もるこの地で、何のファッションか知らんが珍妙な格好をしているコウタは当然寒がっている。
俺?ちゃんと暖かい服着て来たよ。コンゴウ倒す前に凍死は嫌だからね。
「...モブの固定服装設定は辛いねー」
「お、俺だって服変えられるんだぞ!」
「じゃぁ何で変えてこなかったのさモブコウタ」
「ねぇ酷くない!?モブって酷くない!?」
ドシン、ドシン
地面に鳴り響く音を感じ遠方を見る。其処には此方を睨み付け明らかな戦闘体勢をとっている
「...ほらモブが騒いでるから来ちゃったよ」
「...あ」
今回の討伐対象であるコンゴウは、腕を大きく振りかぶり振り下ろす打撃や背中のパイプに溜め込んだ空気を放つ空気砲など、パワフルな攻撃が多いがその分予備動作が大きいので避けるのは簡単だ。しかし聴覚が優れてる為、奇襲を仕掛けようとしても足音や呼吸音などで気付かれたりする。
て言っても俺は詳しい攻撃方法とか調べて無いから、実際コウタを囮にして後ろから叩こうと思ってる。
偽装ホルモンの準備はバッチリ!
「行くよー」
「おっし!俺様の素晴らしい射撃で決めてやるぜ!」
神機を銃形態に変形させ、5m程まで近付いてきたコンゴウの顔面に照準を合わせる。
コンゴウの顔面には粉砕攻撃が効く為、火属性のモルターを持ってきたのだが...。
「ねぇケイト!届かないよ!なんか地面に弾丸が落ちちゃう!」
「お前モルター改良してなかったの!?」
よろず屋のモルターは重力の影響を受ける弾を飛ばすようになっている。だから一般的にはその弾丸を直線に飛ばす様に編集するのが当然だ。アナグラの第二部隊に居る有名な
それをしていないとは、さてはコウタ馬鹿だな...。
「___って分かり切ったことか!」
「なんか失礼な事言われてない!?」
〈ギャオオオオオ!?〉
顔面に弱点属性のモルターを大量に撃ち込まれたコンゴウが大きく怯む。その隙に偽装ホルモンを飲み込み、神機を剣形態に変形させ一気にコンゴウに接近した。
「コウタ囮ね!」
「ええ!?...まぁいいや了解!」
コウタがコンゴウの視界の中で挑発するように動きながら銃撃をコンゴウに撃ち込んでいく。それに痺れを切らしたコンゴウは空気砲の溜め動作に入った。
「ケイト!今だ!」
「分かってるっつーの!」
前もって溜めていたチャージクラッシュを集中的に狙っていたコンゴウの顔面に叩き込む。先程のモルターも効いていたのか、コンゴウの顔面が結合崩壊を起こした。
「コンゴウがダウンしたぞ!あと一息だ!」
「おおっし!ナイスだ囮!...俺はさっさと帰って眠りたいんだ!」
コンゴウの胴体の上に飛び上がり、
神機を
〈ガオオオオオオ!!〉
「「...あ、逃げた」」
威勢のいい雄叫びを上げコンゴウに対し「さぁどうする」と神機を構え直した2人だったが、雄叫びを上げながらコンゴウは
「「逃がすかーーー!!」」
2人の神機の銃口がドンドンと音を立て、コンゴウの背中に向かって「コウタの」銃弾が飛んでいく。ケイトの銃弾は近くの廃寺に直撃し建造物を崩壊させることに成功した。因みに、ケイトの変な方向に飛んでいく銃弾に銃撃に必死なコウタは気付かない
〈ギャオオォォォ...ォォ..〉
コウタの銃撃の雨に晒されたコンゴウが倒れた。ピクリとも動かない事から、コンゴウはもう絶命したのだろう。
「...あれ?さっきこんなに寺崩壊してたっけ?」
「(俺の誤射でとは言えない...)...いやぁ、最初からこんな感じだったけどなー?」
不思議そうに崩壊した寺を眺めるコウタを見ながらケイトは内心冷や汗をかく。
2人はその後コンゴウから無傷のコアを剥離する事に成功した。
「___はーっ終わった!いやー俺とケイトのナイスコンビネーションだね!」
「(俺建物にだいぶ誤射ったけど)...ねぇコウタお前役立った?」
「うわ酷っ!?ちゃんと囮やったじゃん!?」
「あぁ!すまんすまん上等囮兵コウタ」
「...グスン」
「はー眠ィ。...ん?コウタどうした?」
「囮囮囮囮囮囮囮囮囮囮...ノゾミに見せる顔が無い...」
(...うわそっとしておこう)
ケイトはこんこんと雪を降らせる空を見上げる。分厚そうな灰色の雲で覆われた空は、正に「悪天候」だ。
(ミッション完了っと。報告書はめんどくさいからコウタに書かせるかな......。)
「もしもーしコチラケイトー。上等囮兵...ゲフンゲフン...コウタとの合同任務終わりましたー。帰投ヘリ宜しくお願いしまーす」