美奈子ちゃんがハイカロリーな飯を作り、なんやかんや食べるお話です。

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某局のデブ飯料理を見たんですよ。そういうアレです。


奈緒「カロリー飯料理人?」美奈子「わっほーい!」

奈緒「カロリー飯料理人? なんやそれは?」

亜利沙「ご存知、ないのです!? カロリーを求めし人々に愛の手を差し伸べる伝道師、それがカロリー飯料理人なのです……!」

奈緒「いや知らんけど」

亜利沙「ですよね!」

奈緒「で、それがどないしたん? ……いや、なんとなくこの先の展開は読めるけど」

亜利沙「それは話が早いです! では早速、美奈子ちゃんが呼んでるので行きましょう!」

奈緒「やっぱそうなるんやな。しかし何やろ、なんか嫌な予感がするな……?」

 

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海美「あ、ありりんになおー! 早く早く、美奈子先生のお料理教室が始まるよ!」

亜利沙「お待たせしました! さあさあ奈緒ちゃんこちらにお座りください!」

美奈子「奈緒ちゃんようこそー」

奈緒「奈緒ちゃんお呼ばれてして来たでー。ところで何で私呼ばれたん?」

美奈子「奈緒ちゃんと言えばHARAPEKOでしょ?」

奈緒「それはTシャツのデザインなだけや! まあそろそろお腹空いてきたし何か作るんなら食べるけど」

海美「よっ、さすがなおー! 女子力!」

奈緒「海美はそれでええんか……?」

亜利沙「では美奈子ちゃん、制限時間30分、カロリーマシマシ、調理開始です!」

 

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奈緒「……で、何で貴音は来たん?」

貴音「増し増しで、という言葉が聴こえましたので、らぁめんの事ではないかと思いまして」

海美「貴音さんも来たなら百人力だね! この場の女子力がみるみる上がってくよ……!」

亜利沙「アイドルちゃんパワーもマシマシですぅ!」

貴音「本日の料理も良い出来になりそうで楽しみですね」

奈緒「そろそろ収集つかへんのやけど誰か助けて……」

貴音「これでも食べ歩きロケ番組を持つアイドル、料理の解説くらいは致しましょう」

奈緒「助かるわ貴音……」

 

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美奈子「じゃあ今日の料理の目玉、行くよー!」

貴音「佐竹美奈子、その目玉とやら、見せてもらいましょう!」

美奈子「任せて貴音ちゃん! 今日のメインはこれ、佐竹飯店特製チャーシュー!」

奈緒「……素朴な疑問なんやけど、制限時間30分の料理にチャーシュー持ち込みはルール的にアリなん?」

海美「ちゃんと事前に準備しておくのも女子力の一部ってことなんだよきっと! よくわかんないけど!」

奈緒「そろそろ海美は何でも女子力に結び付けるの止めとこ? 多分違うと思うで?」

貴音「成る程! 佐竹飯店のチャーシューは私も何度か頂きましたが、大変美味でした。しかしそれだけでは、お店に行けばいつでも食べられるのではありませんか?」

美奈子「ふっふっふ……貴音ちゃんナイスコメント! 今日はこれを、こちらの『カロリーのプール』にダイブさせちゃいますよ!」

貴音「な、なんと!?」

亜利沙「で、出ました! 美奈子ちゃんの大技、『カロリーのプール』ですぅ!」

貴音「知っているのですか、亜利沙!」

亜利沙「勿論です! あれは美奈子ちゃんが料理のカロリーを増やしたい時に使う技なんです! 別名油通しとも言います! ちなみにプロデューサーさんへ差し入れ作る時は大体使ってます!」

美奈子「カロリーは味方だからね! 多ければ多いほど元気になれるんだよ!」

海美「つまりカロリーは愛ってことだね美奈子先生!!!」

美奈子「ちょ、ちょっと海美ちゃん!? そんな、愛が大盛りだなんて、間違ってはないけど、照れちゃうよ~」

奈緒「何というか……プロデューサーさん、強く生きてや……!」

 

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貴音「さて『かろりーのぷーる』とやらが終わりましたが、ここからどう料理を組み立てていくのでしょう?」

美奈子「これをラーメンに載せます」

貴音「らぁめん! 良い響きです。して、その顔ほどの大きさのある塊を、どれほどの厚さで切るのです?」

美奈子「貴音ちゃん、聴こえませんでしたか? これを、ラーメンに、載せます」

亜利沙「ま、まさか……!」

美奈子「亜利沙ちゃん気づいたね! そう、今日はこれを、まるまるラーメンに載せちゃいますよ!」

貴音「な、なんと!? 佐竹美奈子、何ということを……!」

亜利沙「さすが美奈子ちゃんです……!」

奈緒「ところでラーメンはどんなラーメンなん?」

美奈子「そこは佐竹飯店のいつものラーメンだよ、味のベースは安定させたいからね」

海美「美味しく食べる、カロリーも増やす、両方大事ってことだね!!!」

美奈子「もやしもたんまり入れますよー! やよいちゃんに中華風のたれを教えてもらったから、それで和えて……山盛りにしちゃいます!」

亜利沙「やよいちゃんのもやしレシピはどれもこれも絶品ですからね! ちなみにやよいちゃん監修のもやし炒めの素が発売中です、好評につき第2弾も開発中ですよ!」

奈緒「亜利沙は誰に宣伝してるん? え、これもしかして収録してる?」

海美「してないよー?」

亜利沙「し、ししし、収録だなんて、そんな、してませんヨー?」

奈緒「……亜利沙、律子か琴葉か、好きな方を選んでええよ?」

亜利沙「そ、そんなどっちかだなんて選べません、両方で! ……あああ嘘です嘘です通報は止めてください奈緒ちゃん!」

 

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桃子「……まったく、騒がしいと思ったらまた亜利沙さん?」

亜利沙「うう、ごめんなさい桃子ちゃん……」

奈緒「あはは、亜利沙は桃子に頭が上がらんなぁ?」

貴音「まあまあ桃子、その辺りにしてあげてはどうですか、実際後で美奈子の料理を振り返る資料にもなりそうですし」

桃子「……まあ、貴音さんが言うなら」

海美「よーし! 仲直りに美奈子先生のご飯をみんなで食べよう!」

美奈子「わっほーい! カロリーは人を笑顔にするからね!」

桃子「……うわ、なにこれ、チャーシューが凄い量……!」

奈緒「改めて驚かれるとやっぱおかしいよなぁこれ」

美奈子「ちなみに、みんなで取り分けて食べやすいようにチャーシューは切ってあるよ、今回は味見用だからね!」

貴音「ということは本来はやはり……」

美奈子「もちろんこのサイズで一人前ですよ!」

貴音「佐竹美奈子、やはり貴女はらぁめんの申し子……!」

奈緒「……確認やけど、私らアイドルやんな?」

桃子「桃子も自信なくなってきたかも……」

亜利沙「と、ともかく味見しましょ? アイドルちゃんの手料理、美味しくないはずがないです! むふふ……」

 

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海美「美味しい! 美奈子先生これ美味しいよ!」

桃子「確かに、見た目重いけど意外とあっさりしてて食べやすい!」

奈緒「カロリーカロリー言うからどんだけ濃いのかと思ったけど、これならイケるな」

貴音「美奈子の作る料理は味も量も考えられていて、素晴らしいですね」

亜利沙「これを一人前と言われると、さすがにありさは困っちゃいますケド……でもホントに美味しいです!」

美奈子「みんなありがとう! 実は仕上げに背油たっぷり振りかけて、背油パーティわっほーい! とか、チーズ山盛りにしてバーナーで炙って、こんがりチーズ山盛りわっほーい!! ってやろうかと思ってたんだけど、みんなの反応みてると止めて正解だったみたいだね!」

貴音「それはそれで食してみたいですね……美奈子、もしまた作ることがあったら私を呼んでください」

美奈子「もちろんだよ! 貴音ちゃんの試食とアドバイスは本当に参考になるから助かるよ!」

海美「……こういうの、私も作れるようになった方がいいのかな……!?」

奈緒「止めといた方がええと思うでー」

桃子「確かに美奈子さんは料理上手だけど、これは違うと思うよ……?」

亜利沙「カロリー飯は、選ばれしもののみが作る、愛なのです……私達が作るには、それはもう大変な修行が必要になるのですよ……」

海美「そっかー……。美奈子先生だからこそ作れるものなんだね……」

桃子「美奈子さん以外にこんな……こういう凄いものを作る人がいたら、どうなるんだろう……」

奈緒「どこかにこういうんの需要はあるんとちゃう? 知らんけど……」

 

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亜利沙「なんやかんやで完食しちゃいましたね! 美奈子ちゃん、とっても美味しかったです! ごちそうさまでした!」

海美「ほんと美味しかったよ! 貴音さんがほとんど食べてたような気もするけど!」

貴音「真、美味でした」

桃子「ごちそうさま、美奈子さん。桃子は、もう少しチャーシューの量を減らした方がバランスがいいと思うけど……これはこれで、好きな人は好きなのかも」

奈緒「まあ、カロリー飯と銘打っとるからにはこれくらいのっけとかんとアカン気もするけどな」

桃子「……カロリー飯?」

亜利沙「そういえば桃子ちゃんセンパイには言ってなかったですね。これは美奈子ちゃんの、カロリー飯料理人への第一歩なのです……」

海美「美奈子先生がさらなる女子力を獲得する、第一歩でもあるんだよももちん……!」

貴音「なんと! そうだったのですね美奈子……! かろりー飯とやらの行き着く先がどこかはわかりませんが、その旅路、是非私も共に参りましょう……!」

美奈子「貴音ちゃん……! うん、貴音ちゃんが居ればきっとどんな困難でも乗り越えられる気がするよ! 頑張ろうね、貴音ちゃん!」

桃子「……これ、お兄ちゃんに報告しといた方がいいんじゃない?」

奈緒「あー……まあ、そのうちバレるやろうし、ほっといてもええんちゃう?」

桃子「奈緒さん……面白そうだからしばらく見てたい、とかじゃないよね?」

奈緒「チャウヨー?」

 

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亜利沙「……平和ですねぇ」

奈緒「……平和やなぁ、ここは」

桃子「……二人とも、いいの?」

奈緒「触らぬ神に祟りなし、やで桃子。今は大人しくしとき」

海美「私も、今は大人しくしとくよ……」

奈緒「海美にしては、珍しいな?」

海美「だってだって! 部屋の外があんな状態じゃあ、外に出られないよぉ……」

亜利沙「本気で怒ってる時の律子さんは怖いですからねぇ……」

奈緒「タイミングが悪かったなぁ。貴音、昨日ラーメンの食べ過ぎでプロデューサーさんから注意されたばっかりらしいやん」

桃子「た、貴音さん……」

亜利沙「美奈子ちゃんも巻き込まれちゃいましたね」

海美「美奈子先生助けたいけど、私じゃどうにもならないよ……」

奈緒「大丈夫や海美。もうすぐ琴葉が来る時間や、琴葉なら何とか収めてくれるやろ」

桃子「思うんだけど、琴葉さんに頼り過ぎなんじゃない?」

奈緒「琴葉だけやないで? 紗代子やこのみさんも何とかしてくれそう」

亜利沙「結局人に頼るのは変わらないんですね……」

奈緒「ん? なら亜利沙行ってみる?」

海美「ありりん頑張って! 大丈夫いつものハイテンションで行けば何とかなるって!」

亜利沙「ありさ律子センパイには頭が上がらないので無理です」

桃子「亜利沙さんが真顔で言うのは相当だね……」

 

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美奈子「ただいまー……。このみさんが来なかったらどうなったことやら……」

奈緒「美奈子お疲れ。貴音は?」

美奈子「この後食べ歩きのロケだって」

桃子「あんなに食べたのにロケ行けるのかな……」

奈緒「貴音なら大丈夫やろ。後でこのみさんにはお礼に一杯……付き合ってあげたいけどうちら未成年やしな、お酒に合いそうなおつまみでも差し入れしたったら?」

美奈子「そうする……」

海美「美奈子先生何も悪くないのに、律子さんも厳しすぎるよ!」

美奈子「えーと……あの、実は私も『あんまり貴音に差し入れをしないように』って昨日プロデューサーさんから言われてたのを思い出したよ?」

桃子「美奈子さん……?」

美奈子「カロリーを前にしたらつい。貴音さんすっごく美味しそうに食べてくれるし、料理の作り甲斐があるんだー」

亜利沙「わかりますわかります、ありさもアイドルちゃんのカワイイ姿を見てたらカメラのシャッターを切る指が止まらなくって!」

桃子「亜利沙さん?」

亜利沙「ごめんなさい」

海美「ありりんはほんとももちんに弱いんだね」

美奈子「……さて! 気分を切り替えて! みんなここでジッとしててお腹空いてない!? カロリー逃げてない!? 今何か作るからね! わっほーい!」

奈緒「……って、ちょっと待ちーや美奈子! ちょっとは反省せんかーい!!」



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