英雄伝説 花の軌跡   作:阿賀美 アクト

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第16話 変わりゆく物語

 午後5時、日中は青いキャンバスに白い雲がところどころにあった空も、今はすっかり陽も落ちて綺麗な茜色に染まっていた。気温も徐々に下がり上着を着ていないと少し肌寒く感じる。

 

 俺たちはルナリア自然公園での一件の後、一度ケルディックに戻り駆けつけた鉄道憲兵隊に今回の事件について色々と話を聞かれていた。といっても犯人は既に捕まっていたので、俺たちが聞かれたのはあの自然公園の奥で何があったのかと今回の事件について他に知っていることがないかということについて調べられただけだった。

 

 俺たちの身柄を保護してくれたクレア大尉によると、あの野盗たちにはやはり数人の協力者がいたようでその人物について調査しているとのことだが、野盗たちは口を封じられているのかその協力者たちの情報について一向に教える気がないらしい。

 この後はさらに調査するために野盗たちは鉄道憲兵隊によって帝都に連行されるそうだ。

 

 そうして俺たちへの調査も終了し、俺たちは実習を終えて駅に向かおうとしていた。

 

「いや、お前さんたちには本当に世話になってしまったな。盗品も戻ってきたし、ワシらも領邦軍から解放された。本当に何と礼を言ったらいいものやら」

 

「いえ……俺たちも実習でお世話になりましたし、お力になれて良かったです」

 

 深々と頭を下げて俺たちにお礼を言うオットー元締めにリィンは言葉を返す。

 

 真犯人が捕まったことで、オットー元締めや2人の商人も無事領邦軍から解放されていた。商人の2人は今は大市で商売を再開しており、俺たちは先程彼らから今回のお礼として商品のいくつかを無料でもらっていた。彼らもオットー元締め同様俺たちにかなり感謝してくれていた。

 

 謙遜するリィンに続けてアリサも自分たちの力だけでなく、鉄道憲兵隊の人たちがいてくれたおかげだと付け足すがクレア大尉がそれに言及する。

 

「私たちはあくまで最後のお手伝いをしただけです。皆さんが犯人を足止めしていなければ私たちも彼らを取り逃がしていたかもしれないでしょう。その意味で、今回の事件の解決は皆さんの功績によるものがかなり大きいと思います」

 

「う、うーん……ちょっと面映いですけど」

 

「……まあ、素直に受け取っておくとしよう」

 

「ま、できることならあの野盗たちも俺たちで捕まえたかったところだけどな」

 

 帝国軍の精鋭部隊の将校であるクレア大尉から称賛され、俺たちは少し照れ臭かったものの悪い気分ではなかった。

 

「うんうん、胸を張るといいじゃろう。――それで、大尉殿。後はお任せしてもよろしいのかね?」

 

「はい、今後しばらくの間、憲兵隊の人間を常駐させます。何かあれば即座に対応できるのでどうかご安心ください」

 

 また、犯人たちの協力者が捕まっていないこともあり、クレア大尉の計らいでケルディックにしばらくの間鉄道憲兵隊が配置されることになっていた。エリックさんのような犠牲者をこれ以上出さないためにもケルディック周辺の警戒を強める方針のようだ。

 オットー元締めをはじめケルディックの住民は、鉄道憲兵隊と領邦軍のいがみ合いが起こるのではないかと不安を抱いているが、クレア大尉もそれに関しては配慮してくれるだろう。

 

 話も一通り終わったところで、クレア大尉は改めて俺たちに挨拶する。

 

「――調書への協力、ありがとうございました。お時間を取らせてしまって申し訳ありません」

 

「いえ……気にしないでください」

 

「その、私たちの方こそ鉄道憲兵隊の方々が来てくれなかったら危ないところでしたし」

 

 アリサの言う通りあそこで鉄道憲兵隊が駆けつけていなかったら、俺たちは今ごろ領邦軍に捕まっていたところだろう。領邦軍とあの野盗たちが繋がっていることが分かっていた以上、俺たちの行動にも多少無理があったかもしれない。

 しかし、クレア大尉はそんな俺たちを責めることはなかった。

 

「いえ、正直余計な事をしてしまったのかもしれません。ああいった状況をどう解決するのかも含めての《特別実習》かもしれませんから」

 

「え――」

 

 クレア大尉の口からなぜか《特別実習》という言葉が出たことに俺たちは驚く。なぜそれを知っているのか聞こうとした瞬間、俺たちの後ろから聞き覚えのある声がした。

 

「――さすがにそこまでは考えてないけどね」

 

「あ……!」

 

「サ、サラ教官」

 

 駅から出てきたのはサラ教官だった。B班のフォローに向かっていたはずだが、そちらの方は大丈夫だったのだろうか。

 1日ぶりに俺たちの前に現れたサラ教官にクレア大尉は挨拶する。

 

「……サラさん。どうもお久しぶりです」

 

「ええ、半年ぶりくらいかしら」

 

 会話から察するにどうも2人は知り合いのようだ。しかし、両者とも再会を喜んでいるというわけではない様子で、サラ教官もいつもより声のトーンが低い。

 

 そのまま2人は何やら俺たちにはわからない話をし始める。話の内容も気になったが、俺はそれよりも先ほどからクレア大尉が少し気になっていた。

 

 ルナリア自然公園で彼女を見た時にも感じたのだが、彼女の身のこなしは優雅さを感じさせるとともにいつでも戦闘に入れるような隙のない動きだった。それ以外の鉄道憲兵隊隊員たちもかなり練度が高い動きだったが、その中でも彼女は別格であった。

 それにあの時俺たちを取り囲んでいた領邦軍の兵士の1人が、クレア大尉を見た時に彼女のことを《氷の乙女》と呼んでいるのも聞いていた。領邦軍の兵士がその存在を知っているということは彼女はやはり只者ではないようだ。

 

 そのクレア大尉を観察していた俺に気づいたのかラウラが小声で話しかけてくる。

 

「……どうやらそなたも、あの女性が只者ではないことに気づいているようだな」

 

「ああ、やっぱりラウラも気づいてたか」

 

 ラウラも俺と同様、武人として彼女から何かを感じ取っていた。チラリと見えたリィンの表情から察するに彼もおそらく感じ取っているはずだ。

 俺たちの視線に気づいたのかクレア大尉はサラ教官との話を切り上げて、俺たちに一礼する。

 

「――それでは皆さん、私たちはこれで失礼します。特科クラス《Ⅶ組》……私も応援させていただきますね」

 

 そう言った後クレア大尉は控えていた隊員を連れてその場を立ち去っていった。

 クレア大尉が立ち去った後、エリオットやアリサがサラ教官とクレア大尉の関係について聞いてみたが教えるつもりはないようだった。

 

「さてと――特別実習も一通り片付いたんでしょう?あたしたちもそろそろお暇しましょうか」

 

「――了解しました」

 

 次の列車の到着時間も近づいていたので、俺たちはサラ教官とともにケルディックを出発することにした。

 俺たちが駅に向かう前に、オットー元締めが最後の挨拶をする。

 

「それではな、ヴァンダイク殿によろしく。お前さんたちも近いんじゃからまた大市に遊びにくるといい。歓迎させてもらうぞ」

 

「はい、必ず――!」

 

「お世話になりました!」

 

 駅に入るまで、オットー元締めはずっと笑顔で俺たちを見送ってくれていた。俺たちは少し名残惜しさを感じながらも、ケルディックをあとにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、また寝てる……」

 

「狸寝入りってわけじゃないでしょうね……?」

 

 トリスタに向かう列車に乗り席に着くやいなや、サラ教官は通路を挟んだ隣の席ですでに熟睡していた。呼吸のリズムは一定なのでおそらく本当に寝てしまったのだろう。

 

 駅のホームでサラ教官から聞いた話ではB班の実習は俺たちに比べると散々な内容だったようで、サラ教官がフォローに向かっていなければもっと酷いことになっていたかもしれないとのことだ。

 この特別実習も授業の一環であるため評価をつけられる。俺たちはそれなりの評価をもらえそうだが、話を聞く限りではB班の評価はあまり期待できないだろう。

 

 そのB班のフォローをしてから俺たちのところに来たこともあり、サラ教官もさすがに疲れているのかもしれない。そのことを察した俺たちはトリスタまでサラ教官を寝させてあげることにした。

 

 今日の実習が無事終わったことを実感し、リィンが話し始める。

 

「初めての《特別実習》……何を目的としているのか何となく分かってきた気がする」

 

「そうね。やっぱりARCUSのテストはあくまで目的の一つで、私たちに色々な経験を積ませるのが目的なんでしょうね」

 

 今回の実習を終えた俺たちは改めてこの《特別実習》に他の思惑があることを実感していた。

 

 ARCUSのテストだけなら魔獣や人を相手にした実戦でテストだけで充分だ。しかし、今回俺たちが経験したように《特別実習》の狙いは、実際にその地に行ってそこで起きている問題を身を持って体験し、そしてそれらの問題について自分たちなりに色々と行動してみるということなのかもしれない。

 

 俺たちが実習の狙いについて意見を交わしていると、いつから起きていたのかサラ教官が横から話しかけてきた。

 

「――半分くらいは当たりね」

 

「サラ教官……」

 

「さっきまで完全に寝てたと思ってたんだが……」

 

 少し驚く俺たちに、寝起きのスイッチがいいと自慢げに話したサラ教官はいつもよりも真剣な表情で特別実習の狙いを語り始めた。

 

 俺たちが先ほど話していた通り、この特別実習の狙いは俺たちに現地の情報を知ってもらい、いざ問題が起こった時に命令がなくとも動ける判断力と決断力、そして問題解決能力といった能力を養わせるのが目的だった。

 そして、サラ教官の話を聞いたリィンはあることを思いつく。

 

「そういった理念や実習内容を改めて考えると、それってなんだか《遊撃士》に似ていますね」

 

「……!」

 

 《遊撃士》というのは大陸各地に支部を持った民間の団体のことだ。彼らは民間人の手助けや保護を第一とし、時には猟兵などの危険な組織や魔獣などと闘うこともある。その仕事の性質上かなりの使い手も多いと言われ、帝国にもいくつかの支部がある。

 しかし、帝国政府から圧力がかかっていることもあり最近では帝国でその姿はあまり見かけなくなっている。

 

「てへ――バレたか」

 

 リィンの指摘を受けたサラ教官はそう言ったあと、はぐらかすように寝てしまった。だが、呼吸から察するに今度は先ほどと違い狸寝入りのようだった。

 

 相変わらず俺たちに重要なことを隠そうとするサラ教官に俺たちは呆れたが、どうせ今聞いてもまたはぐらかされるのは目に見えているため、とりあえずサラ教官については保留にすることにした。

 

 特別実習の狙いを知り次の実習に向けて色々と備えなくてはならないと考えていると、先ほどから黙って考えていたリィンが俺たちに話を始めた。

 

「――みんな、ちょっと聞いてほしい事があるんだ」

 

「えっと、まだ何か気になることでもあるの?」

 

 真剣な表情で話し始めたリィンを見て、エリオットが尋ねる。リィンが話そうとしているのはどうやら実習のこと以外のようだった。

 

「いや、そうじゃない。《Ⅶ組》に入って一月が経って、みんなにはずっと不義理なことをしていたと思ったんだ」

 

「不義理……?」

 

 リィンの言葉を聞いた俺はある程度その先の予想をしていた。おそらく入学式のときに彼がマキアスに言ったことだろう。

 

「みんなに聞いてほしいのは他でもない、俺の“身分”についてだ」

 

「え……!?」

 

「もしかして、貴方の家って……」

 

「ああ、マキアスの問いにははぐらかす形で答えたけど……俺の身分は一応《貴族》になる」

 

 予想通り彼が明かしたのは己の身分が貴族であるということだった。

 

 何故かは分からなかったが、俺は彼に少し親近感を持っていた。最初は同じ剣士としてのものかと思っていたが、どうやらそうではなく俺は直感的に彼が自分と同じ《貴族》であることを感じ取っていたようだ。

 自分の身分を明かしたリィンはそのまま話を続ける。

 

「帝国北部の山岳地《ユミル》――そこを治めている《シュバルツァー男爵家》が俺の実家になる」

 

 《ユミル》という地名は俺も少し知っていた。帝国でも有数の温泉地であり、シュバルツァー男爵家はその爵位ながらも皇帝家にゆかりのある名家として知られていた筈だ。

 

 リィンの身分を知ったエリオットは思わず呟いた。

 

「ま、まさかリィンまで貴族の若様だったなんて……」

 

 エリオットの呟きを聞いたリィンは少し申しわけなさそうな表情をしながらエリオットに訂正した。

 

「はは……見ての通りそんなタマじゃないさ。父も母も気さくで堅苦しさからは縁遠いし、それに俺は“養子”だから貴族の血は引いていないんだ」

 

「え……」

 

「なるほど、だから“少なくとも高貴な血は流れていない”って言ったわけか……」

 

 彼の言葉を聞いた俺はあのときの彼の言葉にようやく合点がいっていた。彼があのときマキアスに言った自分の身分をはぐらかしたような発言は、マキアスの貴族嫌いを考慮しただけでなく自分が養子であることを暗に示していたということだった。

 

 リィンの事情を知ったアリサは思うところがあったようで、少し心配そうな表情で言った。

 

「貴方も……色々事情があるみたいね?」

 

「はは、そんな大層な事情じゃないけど……。それでも、みんなには黙っていられなくなったんだ。共に今回の試練を潜り抜けた仲間として、これからも同じ時を過ごす《Ⅶ組》のメンバーとして」

 

 そう言ったリィンの表情は先ほどよりも晴れやかだった。彼も俺たちに話したことでスッキリしたのかもしれない。

 

 リィンの言葉を聞いた俺たちは改めて自分たちが《Ⅶ組》としてこれからも過ごすことになることを実感し、気持ちを新たにしていた。

 

 ケルディックからトリスタまでの乗車時間はおよそ一時間といったところだ。あと30分もすればトリスタについている頃だ。陽もすっかり落ちてしまい窓の外は暗闇で染まっていた。ところどころに見える光は街道に設置されている導力灯の光だろう。

 

「……ん?」

 

 昼とは違う夜の景色を眺めていると、一瞬、誰かの視線を感じたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ケルディックから少し離れた場所にある高台で、暗闇の中イクスたちの乗る列車を見送る者たちがいた。1人は眼鏡をかけた男、そしてもう1人は仮面をつけた男だった。

 眼鏡の男が静かにイクスたちの列車を見送っていると、仮面の男がもう一方の男に話しかける。

 

「やれやれ、あのタイミングで《氷の乙女》が現れるとは……」

 

 そう言った仮面の男は口調とは裏腹にまだ余裕がある雰囲気だった。眼鏡の男も仮面の男同様余裕の表情を浮かべる。

 

「……想定の範囲内だ。今後の計画の障害となり得る《鉄道憲兵隊》と《情報局》…、その連携パターンが見えただけでも大きな成果と言えるだろう」

 

「フフ、確かに」

 

 どうやら彼らの目的には、イクスたちを助けたクレア大尉の所属する《鉄道憲兵隊》が邪魔なようだ。彼らの目的は分からないが、少なくともイクスたちにとって味方とは言いづらいだろう。

 

 そんな彼らのもとにもう1人、フードを目深に被った男がやって来る。

 

「アハ、どうもお疲れ様で〜す。聞いてくださいよ〜、自分の可愛い教え子たちがその憲兵隊さんたちに連れていかれちゃったんですよ〜」

 

 どうやらフードの男も彼らと知り合いのようだ。わざとらしく悲しむフードの男が登場し、その様子を見た眼鏡の男は鬱陶しげに言う。

 

「何が“可愛い教え子”だ。どうせあの連中に貴様はカケラも愛着など持っていないだろう」

 

「アハハ、バレちゃいました?」

 

 眼鏡の男の指摘を受けたフードの男は、おどけた様子で言葉を返す。その様子を見た眼鏡の男は機嫌を悪くしたのか、先ほどよりも強い口調でフードの男を注意する。

 

「それと勝手な行動は慎め。確かに我々はあの連中のことと大市の事件について貴様に任せたが、人を殺した上に騒ぎを大きくしろとは言っていないはずだ……!」

 

「え〜、あの場合は事故みたいなものだったから仕方ないっていうか〜」

 

「貴様……!」

 

 眼鏡の男の批判にフードの男はまるで反省の色を見せていない様子だった。それを見た眼鏡の男は怒りを抑えきれなくなりそうになったが、その前に仮面の男が2人の会話に入る。

 

「やめておけ、《同士G》」

 

「くっ……」

 

 同士Gと呼ばれた男は仮面の男の言葉で踏みとどまる。同士Gを止めた仮面の男はそのままフードの男に話しかける。

 

「そちらも行き過ぎた行動は慎んでもらおうか。そちらとは協力関係ではあるが、あくまで計画を実行するのは我々だ。我々はこの計画を失敗させるつもりはないのでね」

 

「やだなぁ、わかってますよ〜。こっちも“オシゴト”ですし」

 

 仮面の男の言葉を聞いて反省したわけではなさそうだったが、フードの男も彼らとは敵対する気は無いようで、素直に引き下がった。

 フードの男は用が済んだのか彼らと一通り話したあと、笑いながらその場を立ち去っていく。

 

「ま、“後始末”はやっておきますよ〜。それじゃ、今後ともヨロシクお願いしますね〜」

 

 そう言って闇に消えていくフードの男を見ながら、同士Gは機嫌が悪そうに呟く。

 

「フン、奴といい得体の知れない連中だな」

 

「フッ、そうだな。だが、今の我々は猫の手も借りたい状況だ。彼らの協力もこの計画を進めるためには必要だろう」

 

 そう話す仮面の男に同士Gはその瞳に強いものを宿しながら仮面の男に同意し、自分に言い聞かせるように決意を語る。

 

「ああ、そうだな。――全ては“あの男”に無慈悲なる鉄槌を下すために……!」

 

「全ては“あの男”の野望を完膚なきまで打ち砕かんために……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハ、いや〜楽しみだな〜」

 

 フードの男は2人の男と別れたあと、闇に包まれる森の中を1人歩いていた。

 

 森の中を1人で歩いているはずなのだが、その周りには魔獣の姿はない。彼の放つ不気味な空気を感じ取っていた魔獣たちは、彼に怯えて姿を隠しているからだ。

 

 男の胸中はかなり興奮していた。帝国軍でも精鋭揃いとされる《鉄道憲兵隊》の登場やそれと連携する《情報局》の存在を確認し、いつそれらとぶつかるのか彼は期待していたのだ。

 

 そしてもう一つ、自分が指導した野盗たちや森のヌシを退けた学生たちにも彼は興味を示していた。見たところまだ未熟ではあったものの、このまま成長すれば十分に楽しませてくれる可能性がある。その意味でも彼の期待は膨らんでいた。

 

「さてさて、次は何人ヤレるかな〜?」

 

 闇の中男は笑っていた、否、嗤っていた。

 

 物語は動き出す。

 

 闖入者が加わったことで、すでにシナリオは変わり始めていた。

 




というわけで第1章がようやく終了です。
オリキャラが出てきたことによって物語は少しずつ変化しています。これから出てくるオリキャラたちも、多かれ少なかれ物語を変化させるでしょう。
変化するシナリオにイクスたち《Ⅶ組》がどう立ち向かっていくのかご期待ください。
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