異世界に来たので逃げます。   作:おどろおどろしい朧

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第一章 人生が終わり、人生が始まる
プロローグ『逃げるって、結構面白いぜ?』


さて、突然だが皆さんに聞きたいことがある。

皆さんにとって『逃げる』とは、どういったことだろう。

臆病な行為?恥だけど役に立つ?恥だし役立たず?

まぁ、別に皆さんがどんな印象を持ってようが、俺には関係ないのだが。

え?じゃあなんで聞いてきたのか?

答えは至極簡単。こっからの話で、逃げるのが嫌いだって人はさっさと戻った方がいいからだ。

ここからは無双はおろか、タイマンすらも逃げるような話しかない。

それがストレスだという人もいるだろう。

サクサク話が進むのがいいという人もいるだろう。

だけど、そんなことは知ったことではない。俺は逃げるしかできないからだ。

相手は異世界でありがちな中途半端な強者じゃない。ガチで俺なんかより強い。

正直、なんでこうなったと今更言いたいぐらいだ。

顔面を殴りたくなるような胸糞悪い奴もたくさん出てくるが、俺だと腹を殴るだけで一苦労だ。

業火で人を焼き尽くすだとか、嵐で人を粉々にするだとか、そんな魔法も使えん。

ほとんど身一つしかなく、それでも俺は一般人レベルの力しかない。

チート能力だって貰わなかった。もともとチートってわけでもない。そんなもの要らないし興味もない。だけどさぁ?

周りとの格差が酷すぎて泣きたくなる。異世界なんてただただ疲れるし、辛いだけだと思うのは俺だけか?

これがゲームだったらバランスおかしいんじゃねぇの?とか言われて低評価押されまくるやつだよ?

廃人が3か月ぐらいやって、ようやく表ラスボスを倒せるとか、そんなレベルだよ?

まだ予約しておいた新作のゲームだって買ってないし、続きが気になってた漫画だってあるのに。

なんだっていきなりぶっ殺されて、相手の都合で勝手に意味わからん世界で生き返させられにゃいかんのだ。

俺の人権は完全無視ですか。普通に考えて殺してきたのなら元の世界で生き返させるのが筋ってもんだろう。

大体俺が勇者とか、今更考えても頭おかしいんじゃねぇのとしか思えん。たった一つの判断ミスと言ったところか。

まぁ俺は力なんて無くたって逃げりゃいいだけなんだが。

おっと、すまない。勝手に盛り上がって勝手に話し込んでしまって。

今聞いたのは全部本音だから気にしなくていいぞ。

とにかく今までの話を聞いて幻滅しなかった人は、どうぞ続きを読んでってくれ。

逃げるだけなら期待してくれていい。

俺は責任とらねぇけどな。俺は好き勝手やるだけだから。

ただ、一言だけ言わせてもらおう。

 

 

「逃げるって、結構面白いぜ?」

 

 

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