誤字などあるかもです。
UA307ありがとうです。
俺と師匠は今罠猿を討伐しに森まできているのだけど、信じられない光景を目の前に呆然としている。
『師匠これ罠猿ですよね?』
「その通り…罠猿だよ。信じたくないけどね。」
師匠は町から出て人気が無くなった所で猫の姿から人間の姿に戻っている。
ギルドで師匠から聞いた話では、罠の制作に長けた魔物だと聞いたけど、今俺達が見ている光景の前には。
その
その罠は様々で足にロープのような物が巻き付いていて、木から吊り下げられている状態のものや、大きな穴から這い出そうとしているものなど。聞いた話とかけ離れ過ぎて本物と分かっていても信じたくなくなるのが本音だ。
「なんなんだろうね、この猿達は。」
『分かりません、でも罠にかかっているので仕事が楽に終わりそうですね。』
俺は早く仕事が終わると思っている反面、初めての仕事で張り切っていた分不完全燃焼だ。
『では師匠、仕事を終わらせてきますね。部位は尻尾でよかったですよね。』
「うん、そうだけど。ちょっと待ってくれないか?」
俺が行こうとしていた時に師匠から呼び止められた。
「私の知っている罠猿と余りにも違いすぎる点から、
これ自体が罠?この罠にかかっているように見せかけ…
『なるほど、そういうことか。』
「見た時は考えて無かったんだが、さっき探知魔法で辺りを調べてみたら動く気配が多数ある。だからこの考えは当たりだと思う。」
探知魔法か、便利なものがあるな。屋敷の時には教えてもらってないから今度教えてもらおう。
『では、どちらかが囮になりその隠れている罠猿をおびき出す。という作戦はどうですか?』
「その作戦なら私が囮となろう、だけど行くのは私の本体じゃないけどね。」.
また、新しい魔法か?絶対修行渋ってたな。
『本体じゃないというと?』
「こういう事さ。」
パチンと師匠が指を鳴らすと、師匠から薄い靄みたいなものが出てきてそれが師匠になった。
『な、なんですか!?この魔法。』
凄いなこれ、是非覚えたい。
「これは実態としての力は無くて、良くて使い道は陽動ってところだね。」
屋敷の時にはだらけてて頼りなかったのに、今はとても頼れる存在だ。
「じゃ、早速行こうか。初めての実戦だよ、気を抜かないでね。」
『はいっ!』
そう力強く返事をすると罠のかかっている方とは別の方へ走り出す。それと同時に師匠の分身体は罠にかかっている方へ進んでいる。
師匠の分身体が罠猿のかかっている場所へ近づいたとき、辺りから複数の罠猿が飛び出して来た。
(師匠の言った通りだ、じゃ討伐と行きますか。)
俺は手を突き出し、頭の中で詠唱する。
『風刃【ウインドカッター】』
そうすると手の先から鋭い風の刃が現れた。
それは、不規則に罠猿の方へ進んで行くように見えたが数秒後罠猿の方へ集まり実体を捉え肉を切り裂く。
「グギャァァッ!」
『当たった!』
初めての戦闘での実践で上手くいくか不安だったけど、無事に出来て良かった。
この日は風刃の実戦運用に慣れるためこの後も仕留めるときはこの魔法を使った。
-そして戦闘が始まってから数時間後-
『やっと落ち着いた。』
流石に疲れた、思わず俺はその場に仰向けに転がった。
「お疲れ様、君はそこでしばらく休んでていいよ。僕は倒した分の罠猿の尻尾を集めてくるから。」
『あ、お願いします。』
これは、町に戻ったらすぐに寝れるな。宿が取れればだけど。
数分後師匠が集め終わったとのことなので町へと帰ることにした。
「どうだった?初めての依頼は。」
『きついですが、いい経験になりました。』
「それは良かった、おっと猫に戻っておかないとね。」
そう師匠は言うと煙を立て猫の姿になり、俺の肩へと乗った。
『早く戻って寝たいな、もうくたくただよ。』
こうして俺の初依頼は終了した。
私もぐっすり眠りたい。
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