銀灰の神楽   作:銀鈴

146 / 224
魔剣(つるぎ)の彼方/聖剣(つるぎ)の此方【07】

 ほんの少しだけあった感傷にケリをつけ、懐かしい我が家を後にした頃には、既に陽はそれなりの高さへ昇っていた。合わせて街はまるで目が覚めたように俄かに活気付き始め、閑散とした印象はそのままに"かつてと変わらぬ"ような人通りを見せていた。

 そんな朝の中をアインと連れ立って、目的地もなくふらりふらりと歩いて行く。閉店していなかったお店で買った、朝ご飯代わりの串焼き肉片手に。変わらない街を、物見遊山的に散策する。

 

「やっぱり、新鮮な肉はいいですね。魔界じゃ魚中心でしたし」

「肯定する。こういう点やはり魔界は、大陸という広大な土地に及ばない」

 

 だけどこの場にいる私たちは、この場にいた時から変わらざるを得なくて。変わり果ててしまって、何もかもが"嘘"に塗れてしまっている。

 本当の名前を名乗れず、偽名を名乗ることもできず、本来の立ち居振る舞いも許されない私。髪色を変えて、振り切ったはずの過去に擬態するアイン。

 それがどれくらい"悲しい"ことか、慣れ過ぎてもう私には分からないけれど。あんな家を見たせいか、少しだけ、胸が痛む。アインにはこんな思い、して欲しくないと心が揺れている。

 

「ア……リス? 顔色が悪い、帰宅するかと提案する」

「いえ、大丈夫です。私もどうせならこの街を、久しぶりに見ていきたいですから」

 

 街の中心に聳える大樹ユグドラシルも、炊事の煙が灯る住宅区も、キリノ武具店が閉店してから活気付いた鍛冶屋街も、忙しなく人が動く商業区も、この街は恐ろしい程に何も変わっていない。

 今では灰の襲撃と呼ばれているらしいあの事件の傷跡すら、一通り歩いて回った街からは消えてなくなっていた。まるで役割の決められた歯車が回るように、変わらぬ日常という世界がそこにはあった。

 

「あまり、見所のない街だったと困惑する」

「そうですね。でも中央はこんなものですよ。昔はもっと、ギラギラとした野望を持った人たちが居たと聞きますが」

 

 例えば、旅の冒険者を突然娶ろうとする性欲貴族。そんな連中を成敗しようと動く冒険者。それらに目を配る衛兵達に、適切な処分を下す王様への謁見。それらを夢見て名を挙げようと、或いは知識や力を得ようと上京して来る各地の若者達。

 どれも噂に聞くだけで、実際には見も聞きもしたことのない御伽噺だ。もし現代の獣人界王都にその空気が残っているとしたら──

 

「今となっては、冒険者ギルドのトップ層か貧民街(スラム)くらいにしか、そんな空気は残ってないんじゃないですかね?」

「認識した。可能であれば実際に寄ってみたいと要望する。どちらであれば、安全に寄ることが出来る?」

「ん? あぁ、大丈夫ですよ。冒険者ギルド本部、貧民街にあるので」

 

 確か昔は街の中心にあったらしいけれど、私が知っているギルド本部長というのは街の外れにある寂れた建物だ。移転の理由は確か、七英雄の所属がどうのと言った揉め事が原因だった気がする。

 

「それに元々、顔出しに行く予定でしたから」

「ならば良かったと安堵する」

「じゃ、行きましょうか」

 

 それでも私にとっては大切な、それこそ一時期住んですらいた場所だ。過去をなぞる現在(いま)の足取りは何処か軽く、この止まった世界の中で更に止まった場所へ進んで行った。

 大通りを越え、細道を抜け、人通りなんてものがなくなった道を更に深く深く、王城から外れるように。そうして、いつしか異臭がし始めたら──そこが貧民街の入り口だ。

 

「この、臭いは……」

「人避けの香と合法麻薬に違法麻薬、後は……規制品のポーションと血と死の臭いですね。懐かしいです」

 

 人や獣の臭いは生活魔法という偉大な発明のお陰で、本当に酷い場所以外は中央と変わらない。しかしそれだけだ。身体と心が腐り堕ちて、鋭く研がれていくような感覚。此処はあいも変わらず退廃と享楽に満ちた、最悪で最良の場所だった。

 さて、そんな閉じたコミュニティに今の私たちのような『小綺麗で』『異族の』『余所者の』『男女』が侵入すればどうなるか? それは言うまでもなく、つい数分前から私たちを()けている監視役の存在から明らかだ。

 

「こんな場所で、ア……リスは?」

「結構、住めば都ですよ」

 

 何せここの裏道にまで潜れば、アヤメ・キリノですら生きていることが許されるのだから。人の手が及ばない以上、色々な問題は付き纏うが。

 

「ここが、かつての獣人界の空気を持っているのかと困惑する」

「いや、流石にここは……せめてギルド周辺までは待ってほしいと言いますか」

 

 道端で倒れている人。明らかに酔っ払い潰れた人や、薬漬けになって痙攣している人を見ながら呟いた。昔よりよっぽど酷いこの現状は、流石にかつての獣人界とは言いがたい。ギラギラとした姿勢だけはそうかもしれないが。

 なんてことを話しながら、私たちが街の入り口から一歩踏み出した瞬間だった。()()()()()()()()()、冷たい一陣の風が吹いた。

 

「よう、そこのお2人さん。こっから先は、お遊びで入るには危ねぇぞ」

 

 音もなく現れた予想とは違った声に、思わず脚を止める。

 覚えのある声音、しかしこんなところにいる筈のない相手の出現に一瞬思考が停止した。

 

 高い場所から降りてきたのか、風に靡くファーコート。

 黒からオレンジ、先の方は青っぽい黒というグラデーションに変化している、男性にしては長めの髪。左頬には毒々しい刺青が刻まれており、背中の盛り上がりは鳥系獣人特有の翼のそれ。

 

「なッ!?」

 

 予期せぬ因縁の相手との突発的な邂逅に、アインが飛び退き聖剣に手を伸ばす。そんなアインの様子を見て、セプテントリオさんが訝しげな視線を私たちに向け、そして──

 

「なんだ、よく見ればあの時の2人じゃねぇか。久し振りに見てみたら意外や意外。子供の成長は速いもんだ」

 

 アッサリと、私たちの変装を見破った。元々ある程度の実力を超える相手には効かない変装とはいえ、まさか鑑定系のスキルすら使わずに看破されるとは思わなかった。

 

「そう警戒しなさんなって。ことを荒立てる気もねぇからよ」

 

 北風貪団(ボレアス)首領、セプテントリオ──世界を巻き戻さんとする暴風の長が私たちを眺めていた。

 纏っている雰囲気や気配は、以前遭った時と変わらない。しかしそれは戦場で出会った時のそれではなく、どちらかといえば酒場で出会った際のものに近い。ならばアインのように、臨戦態勢を取るまでの警戒は必要なさそうだ。

 

「まあ、あれから色々とありましたので」

 

 はぁ、と一つため息を吐いて、目深に被っていたフードを外す。せめてギルドまではと思っていたけれど、どうせここに公人(おおやけ)の目はないのだ。

 フードの中に押し込めていた長い紅髪を払うように外に出し、灰色の瞳もさらけ出す。獣耳と尻尾こそ生えているが、これで私がアヤ・ティアードロップであることは一目で分かる。

 

「まあ、お久しぶりです。まさかこんな所で会うとは思いもしませんでしたが」

「そりゃあこっちの台詞だ炎金の。数日前から噂になってたが、まさか生きてるとはな。絶滅剣を持ち出した大将相手に逃げ切るとは、大したもんじゃねぇか」

 

 そう笑いながら言うが、目線は私の獣耳と尻尾に向いている。何があったか、恐らく気が付いたのだろう。何せ記憶が確かならば、ほぼ全てリィンさんが取得している大罪・元徳スキルの残影のうち1つをこの人は持っている筈なのだから。

 

「私だけの手柄じゃありません。今こうして私が生きてるのも、大半がアインのお陰です」

「そりゃまた随分頼れる騎士様だこと。で、そんな騎士様を置いてけぼりにしてるがいいのか? お姫様」

 

 何を、と思い振り返れば、アインは聖剣に手をかけた臨戦態勢のまま厳しい目でこちらを睨んでいた。……ああ、そういえば説明していなかったっけ。私としたことが、ここの空気に馴染みすぎていた。

 

「えっと、アイン。そんなに警戒しないでも大丈夫ですよ? スリとかは多いので、そっちに隙を見せない程度には必要ですが」

「拒否する。目的も分からない以上、そいつに対して気を許すことは出来ない」

「盗賊──いえ、傭兵団と冒険者の関係なんて割とこんなもんですが……言われてみれば、確かに」

 

 盗賊団と言おうとしたところで視線が向けられたので、あくまで傭兵団として言い直す。そして別に敵対するわけではないからスルーしていたけれど、冷静に考えてセプテントリオさんがここにいるのは異常だ。それこそ、何か計画があると見ていい。

 

「もし王城の襲撃とかを計画してるなら、私も敵対せざるを得ません。仕事の邪魔なので」

「大将のいる王城に何の準備もなく挑むなんざ、自殺と何も変わんねぇことするかよ」

 

 それは準備さえ出来れば仕掛けることはあると言っているのと同義なのだけど、この場では触れない方が良さそうだ。変に拗れてしまいそうだし。

 

「そう勘繰ってるところ悪いが、今は何も企んじゃいねぇよ。寧ろそういう予定を全部捨てて、俺たちはここに来ている」

「たち? ああ、だからですか。普段追い返しの役割をしていた『運び屋(トランスポーター)』がいないのは」

 

 それで腑に落ちた。私たちがここに来た日には元気だった辺り、多分セプテントリオさん達が王都に転移してきたのはここ2〜3日の間。そして『運び屋』は多分、昨日の私と同じように魔力切れだろう。

 

「ちなみに、理由は聞かせてもらっても?」

「嫌な予感がした。首筋がひりつく死と戦争の気配だ。それがピタリと止んだのが王都でな、『運び屋(トランスポーター)』に依頼して拠点こと邪魔してるぜ」

 

 私が往生で仕事をしていた、つまりアイリス・エターナルとアヤメ・キリノ兼アヤ・ティアードロップが同一人物である情報を伝えたからだろう。大サービスで答え合わせと、そこまでの情報を明かしてくれた。

 

「確証がないと否定する」

「信じねぇってんならそれで構わんさ。勝手に話は進めさせて貰う」

「話、ですか?」

「ああ、ここで会ったのも何かの縁なんだろうよ。子供が死に際に言った最期の願いくらい、大人として果たしてやんねぇとな」

 

 そう語られた私たちに遺言のある子供という存在に、一切の心当たりがない。獣人界に居た頃にそんな関係を築いた相手が居ただろうか? 疑問に思いアインに目配せしたが、心当たりがないらしく首を横に振っていた。

 

「付いて来な」

 

 視線を戻せば、ただ一言そう言ってセプテントリオさんは歩き出していた。進んでいる道はあくまで大通り、記憶が確かならばギルド方面。話し合うということに嘘はなさそうだ。

 

「そういうことらしいので、行きましょうかアイン」

「だが!」

「大丈夫ですよ。子供の為に動いている時のこの人は」

 

 かつてたった一晩酒を交わした仲で、同時に殺し合った間柄。それでも『子供のため』という一点に置いては信用できる。そんな確信を胸に、聖剣に手を掛けているアインの手を取った。

 そうして歩くこと数分。道端から人影が無くなり、代わりに武装した人々が増え始めた頃。その建物は見えた。蛮族の根城のようにも、整備された要塞にも見える"野蛮"を体現したような建造物。

 それこそ冒険者ギルド本部。自由と己の心情のみを拠り所とした野蛮人どもの巣窟であり、元締めであり、懐かしい私の故郷だった。

 

「ギルマス! ちと訳ありの客だ、一部屋借りるぞ!」

「構わねぇが、汚すんじゃねぇぞボレア、ス……」

 

 イラつきながらも顔を上げ、こちらを見た瞬間カウンターバーに立つギルドマスターが沈黙した。その目には私が映っていることが、掛けられている鑑定の気配からも明らかで。

 一気に、騒がしかったギルド内が静まり返った。一気に集まる視線には一様に、私の姿が映っている。そう、死んだ筈のアヤ・ティアードロップが。

 

「どうもです。ただ、これでも死んだ身なのでオフレコでお願いしますね?」

 

 俗にいうナイショのポーズでお願いした後、セプテントリオさんを追いアインと一緒に個室に逃げ込む。そして部屋に結界を展開した直後、地響きのような揺れが伝わって来た。

 

「すげぇ人気だな、炎金の。むさい男連中の中、紅一点と考えりゃ納得だが……」

「序でに武器防具の整備もやってましたからね。手前味噌ですが、当時から腕は確かでしたし」

「ハッ、そりゃアイドルにもならぁな」

 

 アインの隣に、セプテントリオさんと対面するように机を挟み座りながら。私は心の底から結界を張って良かったと安堵していた。落ち着いて話をする為にここに来たのに、こんなに煩くされたら適わない。

 

「それで、話とは何だと疑問する」

「ハッ、せっかちは嫌われるぞナーハフート。だが今回ばかりは、そうさせて貰おう」

 

 テーブルの上に差し出されたのは、血が染み込んだ大きなずた袋。ガチャンという鈍い音とテーブルに乗せられた際の音から、相応重い何かが複数詰まっていることだけは予想できる。だがそれでも、どうしても不吉な予感がした。

 

「……これは?」

「アヤ・ティアードロップへの遺品だ。クリム・ティークって名前に聞き覚えがあるんじゃねぇか?」

「クリム、さん!? すみませんが、中身を確認しても?」

「ああ」

 

 数少ない獣人界での知り合いの名前に、慌てて受け取ったずた袋の口を開く。瞬間、目に入ったのは無数の魔剣だった。

 ざっと見て10以上はある見知らぬ魔剣の中。しかし最も目を引いたのは、血に濡れたように赤い鎖型の紋様が刻まれたリボルバーと、狼の頭部が象られた黒い自動拳銃からなるⅡ型魔剣。()()()()()()()()()が、遺品の中で異様な存在感を放っていた。

 

「遺品って……」

「そうだ、俺が殺した。昨今じゃ珍しい、魔剣を奪いに暴風貪団に殴り込みを掛けて来た骨のある奴だった。時期的には大将とやりあって数日後、つまりはお前らが魔界に渡った後か? 断られちまったが、是非ともウチに欲しい奴だったよ」

 

 呵呵大笑しながら、しかし嘲りではなく称賛を込めながらセプテントリオさんが言う。だけどそんなことよりも、私の思考は両手の中にあるレッドキャップに吸い寄せられていた。

 

「だがまあ、なんだ、殺すつもりはなかったが当たりどころが悪くてな。うっかり心臓を打ち抜いた時に、奴さんからそれを託されたって訳だ」

「……クリムさんは、最後になにか?」

「胸を打ち抜いたんだ、遺言はねぇ。ただ『己の荷物をアヤ・ティアードロップへ渡せ』と念話は来た」

「分かりました。有り難く、拝領します」

 

 冒険者ならば、誰もが一度は経験するありふれた光景。戦場から持ち帰った遺品を、遺族かその人が望んだ人物へ受け渡す何度も繰り返されて来た悲劇。受けると側としてそれを初めて経験して、かつて私の前で泣き崩れていた人の気持ちが、ほんの少しだけ分かった気がした。

 

「同郷のよしみだ、ナーハフート。お前にはこいつを返しておく。そんな可愛い嫁さん貰ったんだ、悲しませる前にとっとと自分を取り戻しやがれ」

 

 遺品であるずた袋とは違い、乱雑に放物線を描いて投げられたのはとても小さな物体だった。見た限りでは安い金属片。綺麗に磨かれたそれは、兵士や危険地帯に赴く冒険者が身につける認識票(ドッグタグ)に見える。

 ならば何か情報が刻まれている筈だと、アインが受け取ったそれを覗き込み──

 

 .識別番号 780952677 抹消済

 .所属 獣王軍第3師団 連合国軍第1実験小隊

.出身 獣王国領第34共生区 抹消

 .血液型 A(人魔混血) 輸血不可

 .姓名 アルブレヒト・スノードロップ Nachhut1

 

 認識阻害の魔法を看破した先、横一文字に削られた情報が見えた。

 アナリューゼさんの告げた通り人族と魔族の混血で、私の予想した通り共生区出身で、今は壊滅した師団の部隊章。それはつまり──アイン・ナーハフートになる前、そして冒険者型人造人間(エクスプローラー)Nachhut1に変わる前の、アインが持っていた本当の名前。その軌跡にして証明の証だった。

 

「な、あ……?」

「アインッ!?」

 

 力の抜けたアインの手から、カランと小さな音を立て認識票が滑り落ちた。同時に一気に荒くなった呼吸と頭痛に耐えるように頭を抱え込んだ様子に、異常を感じて呼びかけるが遅かった。

 

「おかえり、アグレッサー」

 

 血の気の引いた表情に、異常な発汗、焦点のあっていない視線。私が人の首を狙って攻撃しようとする時のような、トラウマのフラッシュバックに似た症状。だからこそ即座に、私がどうにかできる物ではないと察することが出来た。出来てしまった。

 

「これで少しは、和らいでくれればいいんですが」

 

 重ねてだからこそ、自分のやれることも分かっている。

 故に我ながら人を抱き止めるには薄い膨らみだが、優しくアインの頭を抱き寄せた。誰かと抱き合うと、それだけで随分と救われる。効果は間違いなく覿面だ。これで大罪スキルの暴走から戻ってこれた私が言うのだから間違いない。

 

 なんてことを考えるが早いか、抱き止めたアインの全身からぐったりと力が抜けた。息はしているから、気絶してしまったのだろう。目が覚めたとき、私の知るアインでいてくれればいいのだけど。

 

「さて、今日は1日デートの予定だったんですが。どうしてくれるんです?」

「おっと、そいつは悪いことをした。だがまあ、1時間もすりゃ目を覚ますだろ」

「それは、実体験で?」

「まあな。とは言っても冒険者型人造人間じゃねぇ、被験体でのことだが」

 

 言葉を濁しているけれど、それがリヨンさんやバルトさんのような後天的魔剣適合研究所から助け出した人達のことなのは明らかだった。

 

「成功率は?」

「2割だ。つっても自我がハッキリしてる奴は10割元に戻ってる、あの様子なら問題ねぇだろうよ」

「……さいですか」

 

 ミーニャ女王と約束までして得た書庫への立ち入りは無駄になったが、それなら文句は言うまい。求めていた情報なのは間違いないのだから。

 

「一応言っておきますが、まだ外には出ない方がいいですよ?」

「らしいな」

 

 対面するソファーに深く腰掛けながら、呆れたようにセプテントリオさんが言う。まだ足元の地響きは収まってない以上、ここから出た瞬間何が起きるか想像は難くない話だった。

 

「どうせです、魔剣の整備でもしていきます? 以前会った時より、随分と体温が低くなってるようですが」

「やっぱお前、英雄の娘だわ……」

「代金は金貨1枚です」

 

 心の底から呆れたような視線と表情に、懐かしい商売人としての態度で返す。因みに初めて触れたⅡ型魔剣ハボクックは、まさかの半暴走中の人間界型・人体融合型魔剣だった。問題なく直したが。

 




アヤメ 残り92日
アイン 残り92日

感想評価&コメいつもありがとうございます! 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。