銀灰の神楽   作:銀鈴

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月は全てを照覧す、汝は██足り得るか【07】

 アインの手を借りて、禁呪《人身御供(サクリファイス・クロッシング)》という文字通りの禁じ手を切り、不利一方だった戦局を仕切り直すことは出来た。けれど、私の頭が禁呪に耐え得るのは大凡30分間程度。その間に私とアインがやるべきことは3つある。

 

 1つは、八岐と同様に玉兎も特徴として持っていることを確認した、厄介な『不死身』を排除すること。

 次に、推定玉兎の聖剣の能力である禁呪《現実改変(ヒューム・リライト)》の能力を破壊、又は機能停止させること。

 最後に、遺失魔法《幻想世界(ファンタズマ)》による未だ正体不明な異界を破壊、又は機能停止させること。

 

 そのどれもが、まず大前提として無理難題だ。

 

 まず第一の対不死身について。

 これは八岐との交戦経験が活きてくれて、阻害すること自体は難しくない。不死殺しの魔弾は専用に調整(チューニング)済みであるし、撃ち込めばすぐにでも阻害可能だ。尤も、当てることが出来ればという話だ。残り2つの問題が邪魔をして、八岐よりも当てやすいのに当たらない矛盾が発生している。

 

 第二の問題である聖剣の禁呪について。

 これが全ての難易度を1段階上げている。確かに私は数秒間だけ出力を上げて、現実改変の完全中和は出来る。リィンがやった様に思考する頭を吹き飛ばせば、改変を一旦停止もさせられる。だがそのどちらも長続きしないことが問題だ。頭部を吹き飛ばし不死を殺し魔法を封印しても、時間が来た瞬間なにごとも無かったかのように元通りになってしまっている。

 

 最後に、使われていることだけ"は"分かる遺失魔法《幻想世界(ファンタズマ)》。

 展開されていることは確かで、類例の通りであれば何か1つ異界法則(玉兎のルール)が世界を塗り潰して適応されている……筈、なのだ。なのだが、今のところ理解できたのは自己強化のみ。異界法則が理解できない。全力のリィンを押し切り、私たちを妨害しながら逆に妨害すらしてみせる手腕に、考察をしている余裕がない。

 

 つまり

 ・第1の問題を解決するには第2、第3の問題の解決が必要であり

 ・第2の問題を解決するには第1、第3の問題の解決が必要であり

 ・第3の問題を解決するには、答えを出すことが物理的に出来ない

 

 数学の問題かと、思わず心中で悪態を吐く。

 単純な強さと言う点では、間違いなく玉兎は八岐よりも弱い。拳を合わせた時に八岐ほどの絶望感はなかったこと、こうして実際に戦ってそれは確信している。

 だが厄介さという点では、明らかに玉兎が八岐よりも格上だ。こうして術比べをしていて改めて実感させられた。魔法使いとして、玉兎はこの場の誰よりも格上に在る。魔法のハッキングという一点だけを見れば私が上、魔法知識という点も拮抗していると信じたい。だがそれ以外の全てが、数も、精度も、速度も、4人合わせて届かない。

 

 更に、おまけと言わんばかりに玉兎からも魔法のハッキングが仕掛けられている。タイミングとしてはさっき啖呵を切った辺りから。禁呪で繋がる私たち4人全員に対して同時に、私と同程度の出力で逆侵攻を始めている。

 

「厄介な……!」

「問題ないと否定する。その為に、当方がいる!」

 

 心中で悪態をつき、言葉を吐き捨てながら25の改変を相殺した。アインはこう言ってくれるが、状況はジリ貧もいいところだ。私もアインも脳を焼き切れそうな程フル稼働させているせいで満足に動く余裕すらなく、リィンも拮抗しているように見えて軽くあしらわれている。

 

「剣技は立派だ、八岐のやつに感謝しな。だがまだまだ脇が(あめ)ぇ!」

「生憎と余に、研鑽に割くほどの時間はなかったのでな!」

「青い。んな程度じゃ、魔王を名乗るには力不足だ、なァッ!」

 

 私とアインの聖剣による能力のブースト、禁呪によるミーニャ女王からの魔法処理能力の一部貸与、リィンが玉兎の集中を少しでも乱してくれていること。その3点がなければ、間違いなく競り負けている。19の改変を相殺する。

 情報防御(ファイアウォール)をアインが担当してくれているというのに、なんと不甲斐ないことか。……思えば、ここまで明確に格上の魔法使いとの術比べは初めてだ。こちらの行動全てが相手の掌の上から出られていないような、閉塞感にも似た不快な違和感。頂点が見えない壁を登り続けるような感覚に、思わず唇を噛んだ。

 

「分かってる、分かってますよ……っっ」

 

 48の改変を相殺する。

 実際はリソースを削られているだけ。遊ばれている。手加減されている。何かを促されている。言葉にはしないし、禁呪の思念にも載せないが、それは火を見るよりも明らかな結果だった。……あんな啖呵を切ってから5分、私が得たのは無力感と時間の浪費だけ。

 

「ならば受けてみよ、我が一刀! 未だ研鑽は及ばずとも、余が受け継ぎし八岐の一撃を!」

「おいおい、他国だからってやんちゃは許されねぇぞ!」

「壱の秘剣──次元断!」

 

 リィンの濃密な秘呪を纏った一刀が、()()()()玉兎を斬り裂いた。世界がズレる。風景に段差が生まれ、2つに裂いた写真のように世界が真っ二つに斬り裂かれるり裂くかと思いきや、不発。

 しかしそれでも、玉兎の手刀には及ばず、魔力を奪われて弾かれる。返す手刀でリィンの首が飛ばされた。を斬り裂き、地震のような衝撃で全身を破砕するのみに留まった。

 

「よもや、ここまでッ──なんてな。鋭さも、破壊力も、技術も、私を殺すにゃ程遠いぜ!!」

「ぐ、ィッ──!」

 

 これにて決着。不死殺しの弾丸に玉兎は斃れ、私たちは勝利した。まるで、直前の光景が嘘だったかのように。無傷の玉兎が空間から滲み出るように現れた。

 そして一時的に剣戟とハッキングから逃れた隙を突いて、反撃として精霊術による大凍結が放たれる。咄嗟に展開したプラズマ化した炎の防壁がその大部分を焼却、相殺する。が、王都そのものを氷獄に変えんとする規模のそれを、リィンが大爆炎と激震の秘呪で砕き溶かして相殺した。相殺を試みたものの失敗。私達は氷河に呑まれ、玉兎に敗北した。一部、秘呪をすり抜けた凍結がリィンの半身を凍りつかせた。

 

「炎と光の精霊よ!」

「アイン!」

「狙い撃つ!」

 

 直後、玉兎に向けて5発の不死殺しの魔弾が直撃した魔弾により不死身が停止し、殺到した精霊の波濤が玉兎を無に帰した。放たれるも、命中は1発のみ。それすらも改変により効果を失ってしまった。

 遅れてミーニャ女王が指揮する精霊の波濤が到達、津波のように玉兎を呑み込み貪り喰らった。玉兎を襲うが、かつての精霊の格を感じた瞬間海を割るような脚撃に一蹴される。

 

「だから(あめ)ぇと!」

「出力最大、術式、中和──!!」

 

 そうして消費させた一手の間に、ミーニャ女王がリィンを解凍。回復を試みるもその生命活動は停止していた。回復し、ギリギリで即死していなかったリィンが戦線に復帰する。

 

「クソが、手前よくも……!」

「ゲホ、ごほッ──」

 

 5秒と経たずに最大出力のハッキングが、ハッキングし返された。アインの情報防壁(ファイアウォール)を紙屑のようにぶち抜いて、私本来の情報防壁に玉兎は到達。

 ただしそれは、私がこの戦闘中に捏ねくり回した結果、数世代は先の魔法に分類されるだろう進化を果たした攻性防壁だ。侵入経路をそのまま利用して、魔法回路と脳を焼き切らせて貰った。

 

「盗んで、やりましたよ……!」

 

 この術式のベースは、玉兎が展開している魔法防御だ。私が魔法のみしか破壊出来ない理由がこれで、腹いせに戦闘中だが解析・アレンジして自分に適応した。此方を睨みつける玉兎に対して、してやったりと首を切るジェスチャーを返した。

 致死の打撃を受けた玉兎は全身を結晶化。その一瞬の隙を突いて、リィンが玉兎を微塵に破砕。復活までの時間を更に稼ぐが──

 

「なら狙いは、手前だ!」

「甘く、見ないで下さい!」

 

 当然、無力化出来ていないのだから意味はなし。

 いつの間にかミーニャ女王のすぐ隣に出現した玉兎が、弾き飛ばしたはずの聖剣(メス)を振り下ろしていた。対するミーニャ女王だが、戦争帰りは伊達ではない。2人の治療を完全に精霊へと投げ渡し、ライオンハートの一閃で迎撃する。

 人の術理が導き出す最適解と、剣を導く妖精の気紛れか混ざった妖精剣術。重力や慣性といったもののを無視して振るわれる全く先の読めない剣閃は、さしもの玉兎すら対応出来ないようだった。数合打ち合った末に、いかなる原理か内側から爆散した。玉兎もやり辛さを感じたようで、数合打ち合った末に大きく飛び退いた。

 

「オイオイ……仮にも王族が、なんて剣使ってんだよ」

「あら、随分と良識のある化け物ですこと。ですが『獅子であろうと兎を狩るにも全力を尽くせ』と家訓にもありますから、ね!」

 

 言いながら、ミーニャ女王の手で小さな光が瞬かせた。瞬間、玉兎が上体を大きく仰反らせながら何かを回避する。片手間に目で追った先にあった飛翔体は、3本の薄紫色をした針。よく見ればそれは、致死性の毒を持つ金属(ヒュドラタイト)であることが察せられる。常温下だと液体になる筈なのだけど、いやそもそも何で女王がそんな暗器を持って……?

 

(最低限危機は脱しました。後は2人とも、自然に回復します)

 

 疑問に包まれた脳内に、禁酒を通じて流れ込む思念。ミーニャ女王から発せられたこの戦況を一気に変化させる情報。それはこの戦況を変化させ得る唯一の要因。リュートさん達の治療に掛かりきりになり、実質的に戦線離脱していたミーニャ女王が参戦することを示していた。

 

「獣人界第9代国王サトウ・N(ニライカナイ)・ミーニャ……参ります」

 

 刹那──獅子が、吼えた。

 

 打ち鳴らす牙の音は、踏み込んだ地面が砕けた爆発音。

 唸る声は、物理法則をブチ破って直撃する巨剣の風鳴。

 咆哮は、世界が矛盾に耐え切れずに砕ける末期の叫び。

 

「ハッ、ハハッ、クハハハハ──ッッ!! (わり)ぃなミーニャ王、手前は本物だ。本物以外の何者でもありゃしねぇ!」

「随分と、よく回る口ですね!」

 

 人の王は、技術を突き詰めた果てに世界を切り裂いた。

 魔の王は、魔法の銀河を圧縮した果てに世界を歪めた。

 だが、これは違う。眼前で暴れる獣の王は、そんな次元に留まっては……否、そんな賢しらな真似はしていない。

 

「確かに私は小さな頃は虚弱で、それこそ日の光に当たっただけで肌が焼け爛れる程でした」

 

 踏み締めた空間が割れて王の走る足場になる。

 切り裂いた空間が歪みに耐え切れず爆散する。

 動いただけで発生する衝撃波が、玉兎が近づくことすら許さない。

 

「だからこそ、強くなりたいと願って──気が付いたんです」

 

 玉兎が放つ精霊術は、ライオンハートに屈して不発する。

 玉兎が使う現実改変は、効果を発揮する前に粉砕される。

 頼みの不死身は、近付くことすら物理的に耐えられない。

 

「技術の(すい)を集めた科学技術? 

 研鑽の果てに体得した奥義?

 心を交わした精霊様の助力?

 一子相伝の秘めたる術の先?

 認めますが、阿呆らしい。私を救ったのはイオリ様の作った道具と、自分自身の努力だけ。そんな私を救わなかったものは、全てが塵です」

 

 握る身の丈ほどもある巨剣の隙間から、極彩色の光が溢れる。

 付き従うように辺りを踊る精霊は、まるで威風堂々たる獅子の鬣だ。

 

「そんな小賢しい特殊な力なんてどうでもいいです。あれば使いますがそれまで、行き着く先はただ力。獣の王は、その名の通り獣らしく。力だけがあればいい、至って単純な理屈でしょう?」

 

 獣国の王女に精霊はいない。かつての戦争で身代わりとなって死んだ以前に、そもそも彼女は致命的に相性が悪かったから。

 獣国の王女に魔法の才はない。魔力量だけは桁違いながら、アヤメと同様に誰でも使える便利な魔法程度が使える関の山だ。

 だからこそ磨いた戦の才、その果てに。戦時中付けられた(あざな)は『姫将軍』……ただしそれは表の名。戦場(いくさば)において呼ばれた名こそ、今の状態を示すにふさわしい。

 

「『(あか)の女王』……」

 

 呆然と私とリィンが見つめ、アインが畏怖を込めて呟いた先。そこに居たのは、何処までもこれまでの印象からかけ離れたミーニャ女王だった。

 気炎万丈、獅子族特有の牙を剥き出しにして嗤う女王は(あか)い。アルビノ特有の色素が抜けた髪も、病人のような白い肌も、その双眸と同じ血色の真紅へ染まっている。

 その原因は魔法と精霊術の才能全てを捧げて得た、異常な身体能力の発露にある。原理としては人族が使う身体強化の魔法に近く、使用理念は的外れ。全身の血流を暴走させ、破裂した毛細血管や発熱する神経の痛みに噴出した血液で全身を染め、()()()()()()()()物理法則をブチ破る物理の極限。

 

「現実も、魔法も、敵も悪魔も何もかも。

 総じて、平伏なさい」

 

 それを、能力を6倍にする魔剣を起動した状態で使えばどうなるか? それはこれまでの、物理限界なんてものを無視したような現象が嫌というほどに示している。

 

「──獣の王は、此処にいるぞ」

 

 極限まで圧縮された力の質量と、限界なんて物を超えた身体能力に、物理法則が敗北する。それは技で届かせるのではなく、術で歪めて届かせるのではなく、鷲掴んで無理矢理に頭を垂れさせるが如き横暴だ。

 

 だが成立している以上、獣の王は生きる災害として顕現する。

 

 『本来あるはずだった現実』と

 『玉兎が改変した未来』と

 『私が修正した事で変化した結果(かこ)』が

 混在しながら偏在して、ともすれば自分がいま"どこ"にいるかも見失う、何もかもがグチャグチャに乱れた異界。そんな世界に燦然と輝く灯台のように、獣の法則(ワイルドルール)を敷く者が現れた。

 

「クハッ、魔法は存在の密度に弾かれ? 不死身は寄るだけで振動に砕かれ? 挙げ句の果てに世界の法則(ルール)も破る? 正に眠れる獅子を起こしたってか。冗談じゃねぇ。懐かしい化け物と再会した気分だよ、ったく」

 

 仕方なく当て嵌められていた(かせ)から解放されたミーニャ女王に、郷愁と不愉快を同居した目で玉兎が言葉を吐き捨てる。ただ裏腹に、その言葉は何処か嬉しそうな気配にも満ちていた。

 

「その語り口、この魔力……ようやく、思い出しました」

「あん?」

 

 しかしそんな玉兎を完全に無視して、敵意と殺意に満ちた目でミーニャ女王は射殺すような視線を返す。

 

「墜星・玉兎。貴女は戦後の異変、獣の心を失った獣人の増加に、国の荒廃……その全てに関わっていますね?」

「いいや、残念ながら全部にゃ関わっちゃいねぇよ。精々私がやったことなんてのは、背を押して利用しただけだ」

 

 全身を砕かれ弾き飛ばされながら、城壁の外にある黒泥をゴミか路傍の石かのように見下して玉兎が答える。

 

「だとしてもッ!」

「応よ、全部言ってやろうか?

 英雄を大罪人と呼び始めた糞の言を広めたのは私で?

 国の民がそれを真に受けたのは私の魔法のせいで?

 戦後の荒廃を加速させたのも実質的に私で違いねぇ。

 銀灰の巫女が地獄を見たのも実質的にそうか!

 今この国が夢に堕ちて、クソみてぇな泥に包まれてるのも!

 ハッ、全部私のせいだなぁ! ハハハハ──」

 

 両手を大きく広げ、汚れた白衣をはためかせ、悪役然として語る玉兎が弾け飛んだ。遅れて聞こえた音を突き破った爆音と結晶の砕ける破砕音に、当たり前のように空を駆けたミーニャ女王が玉兎を破壊した音だと理解するが……嗚呼もう、何もかもがグチャグチャだ。

 

「破滅を促したと思えば救いの手を差し出して、救いの手を差し出したと思えば破滅を誘う……貴女の目的は何なのですか!」

「目的か」

 

 ハンッと嘲るように鼻で玉兎は笑った。

 

「世界を救う。何をしてでも世界を救う。ヒトも国も使い潰してでも、かつて愛した世界を取り戻す! 徹頭徹尾、墜星の目的はそれのみだ!」

「国もヒトも滅ぼして、世界を救うとは何たる戯れ言か!」

「もう、そうしなければ救えねぇ程、世界は詰んでんだ! この国の有り様を、魔界の有り様を、見りゃ分かんだろッ」

 

 片や物理法則を無視した跳躍で、片や現実を改変した飛翔で、獣の災害と星の災害が空で激突する。

 

「分かりません! 確かに獣人界は大半が獣畜生に成り下り、魔界は種として終わっています。ですがそれでも、国とヒトを……世界を滅ぼす理由には成り得ない!」

「そうしなきゃ足りねぇし、時間もねぇんだ! アイツらが目を覚ますにも、最悪私らが悪魔を(みなごろ)すにも……最悪、この停滞した戦乱の剣が完成するにも、ヒトの魂が少な過ぎる!」

 

 そこまで叫んで、しまったと玉兎がフリーズする。感情に任せ喋りすぎたと、そんな気配がありありと見て取れるが……もう遅い。私も、アインも、リィンも、ただ呆然としていた訳じゃない。

 問題であった不死身の除去の目処はついている。現実改変についても、ミーニャ女王という反則札(ジョーカー)が増えた以上なんとかなる。ならば解決すべきは幻想世界のみ。故に──

 

「反動を相殺できる時間は3秒と忠告する! 術式防御──」

 

 アインは私とリィンを守るように結界を形成し、

 

「禁呪《人身御供(サクリファイス・クロッシング)》──」

 

 私は禁呪が刻まれた金属に包まれた左腕を照準し、

 

「禁呪《現実改変(ヒューム・リライト)》──」

 

 リィンは私経由で習得した禁呪の解放準備を整え、

 

「最大展開!」

強制接続(コネクション)!」

「起動!」

 

 ミーニャ女王が生み出した隙に、三者三様の切札を投入した。アインの術式が私たちを包み込み、リィンが焦る玉兎の改変を改変して改変されて改変されながら改変するという"改変"ゲシュタルト崩壊を引き起こしそうな混沌を呼び起こし──私たちは、玉兎の精神と接続された。

 




アヤメ 残り84日
アイン 残り86日

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