【旧世界の情報にアクセスしますか?】
【Y/N】
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【Y/█】
【聖剣情報の閲覧を開始します】
システム正常作動を確認
天地失墜を確認
フェイルオーバーシステムの作動を確認
個体名:天上院 匠の消滅を確認
保有魔力・魂・記録のクリフォトへの帰還を確認
全墜星の撃破が確認されました
神命奉還・還元完了
メインシステムスタンバイ・・・
稼働開始まで3、2、1……システム起動
███・███の魂復元率・・・94%
███・███の魂復元率・・・98%
完全復元に失敗しました
メインシステムによる補填を開始・・・
蒐集した墜星の残滓を使用
・・・完了しました
意識の覚醒を開始します
擬似世界展開・固定回復式セフィロトは崩壊しています
擬似世界展開・回復固定式クリフォトの稼働率は5%まで低下しています
展開を解除しますか?【Y/N】
【Y/█】
疑似世界展開・回復固定式クリフォトの展開を終了中
・・・システムのシャットダウンが完了しました
世界停滞法則『幻想世界・戦乱の剣』が停止しました
世界分別法則『幻想世界・黒白二剣』が停止しました
人類の生存率が10%を切っています
早急な対策が必要です
文明保存術式『プロメテウスの灯火』の稼働率は50%まで低下しています
時空間隔離法則『果ての蒼穹』の稼働率は47%まで低下しています
『獣』封印式『新世界秩序』の稼働率は10%まで低下しています
聖剣:永劫聖衰ヤマトテンジョウよりアクセス開始──失敗
疑似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
聖剣:戴雨神剣アマノムラクモのアクセス権が削除されました
聖剣:神境偏在モチヅキのアクセス権が削除されました
聖剣:神威抜刀フツノミタマのアクセス権が削除されました
聖剣:永劫聖衰ヤマトテンジョウのアクセス権が削除されました
以降の情報閲覧は不可能です
擬似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
擬似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
擬似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
擬似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
擬似世界展開・回復固定式クリフォトは応答していません
『獣』封印式『新世界秩序』より通達
創造を! 創造を! 絶えることなき無限の世界を!
滅亡を! 滅亡を! 続くことなき永劫の終末を!
カウントダウンを開始します
「五月蝿い、分かってるってば……ねえロイド?」
「分かってるさ、イオリ。俺たちが目覚めた以上、もうすぐそこまで来てるんだろ?」
──『獣』封印式『新世界秩序』の接続を拒絶しました
「けどまあ、まずはひとつ」
接続を終了します。
「「ただいま、世界」」
◇
誰とも知れない大切な相手に言葉を残して、勇者の身体は砕け散った。
その場に残ったのは蒼く輝く光の球体のみ。それは吸い込まれるように私の義手へ、義手の内部にあるエターナルに吸い込まれて。
世界が、激震した。
空を飛んでいる筈の私やセプテントリオさん、リィンを撃ち落とすような大衝撃。金烏が行った《異世界転移》の禁呪と同じ、次元という単位で世界を揺らす大振動。
あまりにもタイミングが良すぎる現象に天を見上げて、何が起きたのかを理解した。
「クリフォトが……壊れて……」
勇者の聖剣が機能停止したことで消えた嵐の壁の向こう、見慣れていた筈の空に異常が起きていた。
リュートさんが命名した、この世界の空を覆い尽くす結晶樹クリフォト。その枝による天蓋が、見渡す限り全域の空で崩壊を始めていた。ひび割れ、砕け、ただでさえ乱反射する日光が拡散している。
そして当然、眩い日光に照らされて。
夥しい数の【悪魔】も、姿を現し始めていた。
「アヤメ!」
飛行の制御も忘れて落ちゆく私を、アインが抱き止める。地上から迎えに来てくれたらしい。それはありがたいし嬉しいのだけど、今はそんなことに心を動かしている暇がない。
今すぐにでも対策を取らなければ、早晩世界は滅ぶし、私たちもここで全滅することになる。
超高出力によるブラックアウトが解除された探知の魔法に、続々と入ってくる侵入警告。
空から落ちてくるレイ級による怪光線は滝のように、実体弾として墜落してくる本体も併せ、その数は既に万を越えてなお増加中。まるで大陸ごと耕すと言わんばかりの勢いで、空から破滅が迫ってきていた。
「セプテントリオさん、依頼です!」
着弾まで目算で100秒未満。それまでに少なくとも、ユビキタス・ネットワークの通信圏内に戻らなければならない。この場にいる全員が、絶対に。その為には、使える手は何でも使う。
「依頼内容はそっちの団員含め、この場にいる全員を大陸艦隊まで戻すこと。報酬は試作型魔剣1振り!」
「イイぜ、乗った!」
受けてくれたことを確認してから、1m程の長さの穂先が音叉のように分たれた短槍型の魔剣を投げ渡す。
「銘は《有象無双レギオンβ》、能力はαの召喚対象が戦車から戦闘機に変わった物、一番最初の起動者が担い手になります!」
「了解だ依頼主殿。その腕どうにかしながら適当に待っとけ。値段は
そう言い残して地上に降りてゆくセプテントリオさんを見送りながら、アインの肩を借り私も地上へ降りていく。だが支えてもらう義手の反対、右腕は前腕部の途中から切断されたままだ。
「その腕は、」
「勇者との戦闘でちょっと。まあ、死ななかっただけ儲けものですよ」
咄嗟に切り口は凍結させたが、繋ぎ合わせられるかは半々といった所だろう。それに繋ぎ合わせることが出来たとしても、恐らくすぐには使えない。1週間か2週間か、恐らく私の寿命が先にくる。
ミーニャ女王と私とでは根本的に能力が違うのだ。たかだか1時間程度で万全に動かせるまで、切断された腕は回復はしてくれない。だから──
「闇医者! まだ居ますね?」
「ええ、何用かしら。腕を切られたお馬鹿さん」
「動かす神経と骨格は私が義手で作ります。周りの肉と皮、触覚の再生を」
地上に降り立ってすぐ、闇医者の元に駆け込んだ。折角治療費をツケで良いと言われたのだ、利用しない手はなかった。完全に機械化した左腕と違い、まだ右腕は生身のまま。機械と生体の融合、そんなアインの義体のような真似が出来る。
「出来るけれど、高いわよ?」
「試作型魔剣プレゼントしたので、そっちにツケにしてくれていいそうです」
「全くうちの首領は……いいわ、でも急ぎなさい」
「言われなくても」
幸い、左の義手を作った時に右のデータも取ってある。加えて今は聖剣の起動中、設計も出力も5秒あれば十分だ。
「アイン、氷を退かすので止血と固定をお願いします」
「認識した」
起動したままだったハボクックの能力で傷口の凍結を解除。流れ出そうとする血をアインが止めて、腕を肩の高さまで上げた所で固定される。
私の寿命はもう体感で10日ほど。だから義手の燃費は考えない。日常生活での不便より、戦場での便利を取る。
「形成」
目を瞑り、探知の密度を局所的に上昇。
脳内に図面を引き、素材を選定、魔法で寸法通りに最初から金属を精製。機構部分接続、魔法陣刻印、神経接続完了。
「──20秒、執刀終了」
目を開ければそこには、接合部の傷跡と金属を除き生身のソレと遜色ない腕が再生されていた。
ただ動かせはするが触覚がまだ鈍く、接合部の痛みも酷い。加えて5g程だけど、金属骨格に入れ替えたせいか腕が重い。慣らし運転は必要だろう。
「1時間は極端な負荷をかけないことね、組織が馴染む前にちぎれるわよ」
「ご忠告感謝します。でも、そんな余裕があるかは分かりませんね」
聖剣の起動は解除しないままに、右腕をぶら下げながら外へ出る。天を覆う悪魔の群れと、墜落し続けているレイ級の攻撃はもう間も無くだ。
「……ごめんなさい、さっきは1人で飛び出して」
再び起こる激戦の予感。故に、全てが始まる前にしっかりとアインに頭を下げた。
「仕方がなかったと否定する。アヤメがあの時行かなければ、恐らくこの場の誰一人として生き残っていない」
「それと、セプテントリオさんとコンビで戦ったことも」
「そちらは正直、当方を差しおいて何をと嫉妬する」
先行したことは兎も角、どうやらそっちは許してくれないらしい。繋いだ手を握る力がとても強くなった。そう思ってくれるのは、少し嬉しい。義手の方だから殆ど触覚はないけど。
「あと相談もなしに、レギオンβもあげちゃいましたし」
「それは、必要経費だと……認識、している……ッ」
最後の問題に関しては、納得したくないけれど納得しようとしてくれているらしい。……もし次の戦闘を生き残って、まだ私の寿命が残ってたら。ちゃんと作って、一緒に空を飛ぶのもいいかもしれない。
「故に、1つ要求する」
「何です?」
「此度の戦闘では、当方がアヤメのパートナーだ」
「分かりました、今度こそですね」
どのみち今の私が出来ることなんて、精々が弾幕を張って後方支援をする程度。今度こそはアインの隣で、その役割を全うすることにしよう。
「
そう接敵の覚悟を決めた空に、鋼の翼が飛び立った。
最低限の塗装も終わっていない灰色の戦闘機。しかし私の手にあった時から、翼に『蛇の絡まった翼』のエンブレムと龍の頭を模したノーズアートを追加されて、レギオンβが空を征く。
「あいよ、姐さん達。2人乗りのお届けだ」
そして、私たちの元にも2機の戦闘機が舞い降りた。機械式ではなく魔法式の
「これで生身じゃねえ編隊飛行が出来るって訳だ。いいもんくれてありがとな!」
「……大切に扱って下さいね」
「おうよ!」
私たちの戦闘機を運んできた団員の人が、私の肩を叩いて奥の方へと向かって行った。一般的な人族基準で作ってあるから、闇医者は乗れるのだろうか?
「アヤメは操縦出来るかと疑問する」
「右手が動かないので残念ながら。お願いします」
まあ何とかなるだろうと考えを打ち切って、アインの手を借りながら複座式操縦席の後部へと飛び乗った。
機体状況確認
破損度……0%
機首機関砲……全段装填済み
翼部ミサイル群……異常なし
チャフ・フレア類……異常なし
エンジン正常
魔剣類のシステムオールグリーン
まさか念のため練習した前後逆での操縦訓練が、こんな所で役に立つとは思わなんだ。だが上手くいっているのだからよしとする。
「アヤメ、武装は何かと確認する」
「機械系の装備として機関砲、ミサイル、チャフ、フレアが。魔剣由来の装備として、機首と翼に光刃が、ミサイルタイプの光槍が複数、それと機体全体を守る光陣結界があります。クラッシャーの機構を使えば、体当たりだって問題ありません」
ただそれでも、あの密度の空を飛べるかは微妙なところだ。何らかの補助がなければ恐らく半数は撃墜されるだろう。私がこの機体を設計し、完成させてから気がついた問題が目の前に迫ってきていた。
《ボレアス、及び依頼主殿とお荷物共に通達だ》
そうして、いざ離陸を開始した直後。セプテントリオさんの声で、広域通信が届いた。
《これより我等は、悪魔の雨を突っ切って大陸艦隊へ帰還する》
《だが機体速度より、悪魔共の攻撃が速い。よって無制限飛行は禁止だ。編隊を組み、バリアフィールドを集中させながら飛行する》
《編隊飛行だ。やれねえヤツは死ぬ、以上だ》
通信内容は簡潔、攻撃の類は禁止しないが守りは固めろ。それだけの話だった。そして同時に、降りたキャノピーの一部に編隊の形が表示される。どうやら早速、機能は使いこなしてくれているらしい。
《総員、出撃!》
命令と同時、光を纏った鋼の翼が闇色の空へと飛び上がった。ゆっくりと高空まで上がっていく中、ダイヤ型の陣形が完成していく。それは違いの
「行くぞ、アヤメ」
「了解です、火器管制は任せて下さい」
《発進だ!》
エネルギーチャージ完了。殺人的な加速を以って、鋼の編隊が飛翔を開始した。
鳴り響くアラートは機体上部へレイ級の攻撃が迫っている証。だが問題となるのは既に発射済みの怪光線だけだ。墜落してくる本体は魔剣の弱体能力を持つレギオンβの、数百機からなる効果範囲内では生きていけない。故に問題となるのは──
「レーダーに大規模反応! デストロイ級が、クリフォトの枝を投げてきます!」
それ以上に巨大なやつによる、物理的な攻撃に他ならない。
雨霰と投げつけられる、恐らく数百トンでも足りない結晶樹の枝葉。天蓋として空を覆い、こういった悪魔の侵入を阻んでくれていた壁。それが今、私たちへと牙を剥いていた。
《編隊を崩すな、死んじまうぞ!》
セプテントリオさんの声が飛ぶが、僅かに遅かったらしい。視界の端、ダイヤを描いていた一隊が回避のために陣形を解いた瞬間、瞬く間に撃墜されていた。
そして似たような事態は他の場所でも起きているらしい。1つ、また1つとダイヤが崩れて鋼の翼が落ちていく。原因は未だ降りしきるレイ級の怪光線。制空権は悪魔にあるのだ、本来戦闘機なんて飛べているだけで奇跡と言える。
しかもこれで地上にいるよりはマシなのだ。逃げ場がある、守りながら移動ができる、多少の被弾ならまだ飛べる。それだけ恵まれていて尚、全員の帰還には届かない。
「ミサイルなら……!」
「駄目ですアイン、魔剣側の武装じゃなきゃ」
加えて厄介な点が、実質的に機械類の武装を封じられたことだ。魔剣側のエネルギー武装でない限り、怪光線の雨を抜けられない。敵への着弾より早く、巡航ミサイルすら撃ち落とされる。
「こんなの、大陸艦隊でどうしたら……」
そんな状況に、嫌な予想が脳裏をよぎった。
小回りの効く戦闘機でこれなのだ。結界出力が桁外れである以上、レイ級やメイジ級の攻撃で大陸艦隊が落ちることはない。だが、空から降り落ちるクリフォトの結晶枝。これはダメだ。避けられないし、守りきれない。
「幸運を祈るしかないと否定する……!」
いや、ユ=グ=エッダは落ちないだろうか。
試作型魔剣、護霓剣ビフレスト。私の知る限り、守りという一点において比類なき強さの魔剣。その担い手であるリィンの義母も、間違いなく超一流だ。だが……獣人界は?
《目標視認!》
通信越しに誰かが叫ぶ。だが……
《獣人界は駄目だ! 殆ど残ってない!》
大陸に突き立つ、一際大きな結晶枝。旧都サーマスを押し潰したそれは、その巨大さ故に多く残った枝葉で
艦隊を構成していた船の大凡半分を撃墜され、ユ=グ=エッダへと合流した新たな艦隊を。
《地上もダメだ……なんだよ、あの悪魔の数は!》
そして当然、地上にも緑の色はもう存在していなかった。
何せ旧都サーマスは大陸間連絡橋による貿易を目的とした港湾都市。海に……悪魔が埋め尽くして黒色の大地へと変わり果てた海に接しているのだ。当然、上陸されないはずが無い。
まだ誰も、勇者との戦いで受けた傷が癒えていないのに。
絶望の戦場がそこには広がっていた。
アヤメ 残り12日
アイン 残り20日
残存正規兵 約1,600人
残存人口 約200万人
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《永劫聖衰 ヤマトテンジョウ》
墜星・勇者の肉体そのものが聖剣としての本体。朽ちず、腐らず、願いを叶えるその時まであり続ける為に在る聖剣。
忠実なる神の徒は、かつての
所有者:墜星・勇者
真名:天上院 匠
【能力】
基準値:A 限界値:EX
照準:EX 範囲:E 操作:E
維持:E 強度:EX
【詠唱】
刃金を穢せ、我が絶望──無明の
晶樹接続・還元解除
生も死も既にここにはない
異界を渡り、享受尽くした甘美な平和
だが今一度、この身は貴女の盾となり、禍津を切り裂く刃とならん
いつの日か、光の彼方に消えゆくまで
此くして勇なる星は地に堕ちる
劔の
耐え忍んだ終わりの果てに、傲慢に、されど命に忠実に。回れ廻れよ円卓の星辰、逆巻く刻の内海より未来の王は蘇らん
善悪二元、彼岸此岸、七曜の光よ我に宿り、この手にもたらせ──世界を別つ力を
魔を断つ剣、勇なる心、最後の灯火は我にあり
来たれ、白く輝く勝利の化身。新たな世界を拓くため ー
【効果】
①通常駆動
・自身のステータス上昇800%
・生物特効500%
・悪魔特効1000%
・外敵を阻む嵐の結界の展開
②天地失墜
・無限の出力上昇(傲慢)
・肉体のエネルギー化に伴う擬似精霊化(忍耐)
・祭神再誕へのエネルギー奉納(忠実)