プリキュア新伝説〜導きの少女〜   作:萊轟@前サルン

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この本によると、14歳の少女・黄醒靉。彼女には魔王にして時の王者であるオーマクロックになる未来が待っていた。今回、黄醒靉はありとあらゆる人物の思い出を持つミデンに頼み、フュージョンの思い出の中へ行こうとするのだった…


81.2021:メモリースイーパー・ミデン

 私達の前に突如、ミデンが現れた。きっと、これもフュージョンの仕業なんだろうが…私はミデンにキュアエコーの思い出にアクセスできるようにするようお願いする。

 

「ミデン、頼む!私はフュージョンが何故、時空界やこの世界を壊そうとしたのかを知りたいんだ!だから、フュージョンの思い出にアクセスできるようにしてくれ!」

 

「いいけど…フュージョンの思い出にアクセスするには代償がいる。特に今のような状況ではね」

 

「代償って?」

 

「フュージョンはプリキュアではない。だから一度、君の思い出とフュージョンの思い出をリンクさせなければいけない」

 

「それのどこら辺が代償なの?」

 

「リンクさせる所だ。思い出をリンクさせている時は誰でも君とフュージョンの思い出にアクセスできてしまうんだ…この状況でアクセスされてしまえば今、この町にいる怪物達が君の思い出にアクセスして過去に行ってしまうかもしれない。君はそれでもリンクさせるのか?」

 

「させてくれ。フュージョンの事を一つも分からずにただ戦い続けるのは嫌なんだ!」

 

「分かった…じゃあ、リンクさせるね」

 

 ミデンはそう言い、私とフュージョンの思い出をリンクさせ始めた。私は目の前が暗くなり、気がついた頃にはどこか知らない町に来ていた。

 

2012年…

 

 

「あゆみ、そんな暗い顔してどうしたの?」

 

「フーちゃん、私ねこの世界が嫌なんだ…友達は出来ないし、毎日は充実しないしで…」

 

「なら、他の世界は好きなの?」

 

「他の世界…か。どちらにせよ私はどうせ、友達なんか出来はしない。だから、どの世界も嫌いかな」

 

「あゆみ…なら、フーちゃんが時空界に行ってこの世界や他の世界を変えてくるよ!」

 

「時空界…?フフフッ、何なのそれ?フーちゃんったら面白い事言うのね!」

 

 私が近くの茂みに隠れて2人の会話を聞いていると、誰かが私の右肩をポンッと軽く叩いた。

 

「うわっ!?誰?」

 

「私だ。どうやら、今のフュージョンが生まれたのは坂上あゆみのこの一言が原因らしいな」

 

「ここはフュージョンの思い出の世界だよ!?どこから来たの?」

 

「は?ミデンが言ってただろ?思い出をリンクしている間は誰でも思い出にアクセス出来ると…」

 

「あ、そうだった」

 

 と、門矢 零はフュージョンの生まれた原因を私に言う。門矢 零はリンク中のフュージョンの思い出にアクセスして私の元に来たようだ。

 

「でも、坂上あゆみの言葉だけであそこまで凶暴になるとは思えない…」

 

「そこからは時空界で何かあったんだろう…」

 

 と、門矢 零と私が話しているとどこからかミデンの焦り声が聞こえてきた。

 

「早くフュージョンの思い出から出るんだ!僕たちが思い出リンクしている事を勘付いたフュージョンが君の思い出に歴代の怪物達をアクセスさせてる!」

 

「何だって!?早くでなきゃ!」

 

「慌てることはないぞ」

 

 私は自分の思い出にアクセスされてこのままではヤバイと思い、フュージョンの思い出から出ようとするが門矢 零が慌てるなと言うので私は立ち止まり、慌てる必要がない理由を門矢 零に聞いた。

 

「なんで?怪物達は私の思い出にアクセスして私の過去に行ってるんだよ?」

 

「お前は覚えているか?ウォッチンが来た時の町を」

 

「覚えてるさ!色んな怪物が来て町を…ってまさか!」

 

「そう、あの時現れたのは今のお前の思い出からアクセスして来た怪物達だ」

 

「そうだったのか…」

 

 私は門矢 零の言葉を聞いてウォッチンがこの町に来た時に現れた怪物が今の自分の思い出から来たと分かった。

 

 

2021年…

 

 

「まぁこれは歴史通りで特に問題はない」

 

「そうなんだ…」

 

 と、私達が話しているとフュージョンがいきなり目の前に現れた。フュージョンは何やら禍々しいウォッチを持っている。

 

「俺の仕掛けた罠にまんまとはまってくれたようだな…」

 

「フュージョン!?どう言う事だ!!」

 

「言っただろ?思い出をリンクさせている時は誰でも思い出にアクセス可能と…お前が俺の思い出にアクセスしているのなら俺もお前の思い出にアクセス可能だ」

 

「まさか、私の思い出に…!」

 

「そうだ、そして更に思い出の中のお前の未来のオーマクロックから力を奪ってきた!」

 

「何だと!?」

 

「オーマクロックの奴、最後に若き日の自分に何かを託したとか言っていたな…まぁどうせ俺の覇道に影響はないんだろうがな」

 

「フュージョン…!!!」

 

「さぁ、この世界は間もなくおわる!この世界の終わりをそこで見届けるがいい…」

 

ピロピロピロリ…

 

オーマクロック……!

 

 フュージョンはそう言いながらオーマクロックウォッチを起動し、オーマクロックの力を身に纏う。オーマクロックの力を身に纏ったフュージョンは全身が黄金色になり、額には10時10分を向いた紫色の時計の針が付いていた。

 

「我が名はオーバーロード・フュージョン。時の支配者であり、魔王だ」

 

 フュージョンがそう言い放った瞬間、町全体に禍々しいオーラが放たれ、町にいた怪物が更に強さを増す。

 

「モウオシマイダー!!!」

 

「ドン・ヨクバァァール!!!」

 

「メツボーグ!!!」

 

 怪物がパワーアップしたせいか、世界が先ほどよりも速いスピードで滅亡へと追い込まれていく。

 

「まずいな、これは想定外だ…!いくぞ、魔王!」

 

「分かった!」

 

 私は門矢 零は変身アイテムを取り出し、それぞれプリキュアに変身していく。

 

【プリキュアタイム!】

 

〈キュア・クロック!!!〉

 

 

「プリキュア・ライド!」

 

 変身した私と門矢 零はオーバーロード・フュージョンへ向かっていく。究極態になったフュージョンのオーラは物凄く、攻撃する前から今までの中で一番厳しい戦いになるかもしれないと私は思っていた。

 

「ふぁぁ!!」

 

 私はケンモードのジカンギレードでフュージョンを切り裂こうとするがフュージョンは私の時間を止め、左手に纏った禍々しいオーラの気弾を私に向けて放つ。

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

 フュージョンの攻撃を受けた私は遠く離れた場所までふっ飛ばされ、ふっ飛ばされた先の地面に体を打ちつけるのと同時に変身が解けた。

 

「くっ…やるな、フュージョン」

 

「破壊者よ、元魔王を倒した後にお前も消し去ってやるよ」

 

「なら、私は今お前を消し去ってやる!」

 

「破壊者ごときに私を倒す事ができるかな?」

 

 門矢 零はゼロツヴァイブレードを持ち、フュージョンに勢いよく向かっていくのだった…

 

 

to be continued........




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