異世界の人々は北極南極を知らない   作:峻天

3 / 12
003 六つに分けられた世界

 大きい建物改めミコトハウス。その二階の構造について。北東は玄関。北西は物置とトイレと洗面所。その南は西端から東端までの廊下で、真ん中がT字路になって南端まで続く。南へ続く廊下の西は、北から順でリビング、ミコトの部屋、ドラえもんの部屋、学習室。その反対側の東で、北から順にキッチン+食堂、アキラの部屋、ドラミちゃんの部屋、どこでもドアがある部屋。部屋の広さは、全て八畳である。浴室と洗濯場は無いので、一階の村人共有を利用する。

 

 ミコトハウス二階のリビング。北方のソファーに大江山ミコトと大河内アキラが座って、南方のソファーにドラえもんとドラミちゃんが座っている。真ん中の四角いテーブルの上に、甘くて美味しい紅茶がある。東は廊下へのドアで、西は外が見える窓ガラスがある。この世界にテレビ放送が無い為、テレビは置いていない。床は水色の絨毯だ。

 

「……君はドラえもんでいいのかな? 22世紀から来たとか」

 

「うん。ぼくはドラえもんだよ。でもマンガやアニメのドラえもんと違うんだ」

 

 今でもまだ混乱しているミコトの質問に対して、ドラえもんは苦笑いしながら答える。彼とドラミちゃんは、未来のミコトによって造られたとの事。つまり原作の再現である。と言っても本物と異なる部分は、いくつかあるが。

 

「成程。なんの為に造られたの?」

 

「わたしとお兄ちゃんは、異世界に来たばかりで困っている貴方達をサポートする為に造られたの」

 

 ドラミちゃんは微笑んでアキラの質問に答える。サポート内容は、この世界についての説明と、戦闘に備える修行の手伝いと、家事からミコトハウスの運営等である。なんでドラえもんにしたのかというと、理由は簡単。ミコトがドラえもんアニメが大好きだからである。

 

 ミコトハウスの運営の内容は、消耗品の補充や清掃や村人に対しての使用説明等である。長老とマァムは実は、ドラえもんとドラミちゃんと会っているが、ミコトとアキラに話していない。まぁ、サプライズというやつだろう。

 

「えっと……戦闘に備える修行って、どういう事?」

 

「この世界の事情だよ。戦うのが怖い気持ちは分かるけど」

 

 穏やかじゃないと困惑するミコトの質問に対して、ドラえもんはシリアスな表情で答える。当然だが、争いを好まないアキラは引き攣った顔である。今まで平和に暮らしていた一般人が、行き成り命懸けの戦いに出るのだから、怖がっても仕方ない。

 

「村の東から南に 魔の森 が広がっていて……三日前、ライオンヘッドという大きいライオンモンスターが、東から村に入って来たの。それでマァムさんが退治したわ」

 

「えっ!? マァムが?」

 

「驚いたな……」

 

 ドラミちゃんの話を聞いたアキラとミコトは、今日友達になった人が強かった事にびっくりする。平和な時でも年に何回か、魔の森のモンスターが村に流れてくる事があるようだ。

 

「だからミコトとアキラは死なないように、強くならないとね。未来の自分が生きているからって、油断しちゃダメだよ。未来は変わる事があるんだ」

 

「うぅ……分かった。私……どこまで出来るか分からないけど、頑張ってみる」

 

「ぼ、僕も本気で頑張る。早く死んでしまってアキラを一人にしたくないからね」

 

 ドラえもんの警告を聞いたアキラは、渋々戦う事を決めた。まだ怖いと思いながらも、ミコトは覚悟を決める。二人にとって戦いが怖いのは、痛い事よりも相手の命を奪う事なのかもしれない。三日前のライオンヘッド騒動において、倒さないと村人の誰かが食い殺される。そう「殺らねば、殺られる」だ。

 

 そこで気になる事がある。もしもミコトが早く死んでしまったらドラえもん達はどうなるか、についてだ。その答えは「何も変化は無い」である。例え歴史が変わっても、その時代から別の未来が生まれる為、元の時代に影響は全く無い。先述と似た例えで今のミコトが将来、過去の自分を助けようとしないで放置しても問題ないが、彼は無責任嫌いの性格なので、絶対に助けるだろう。共に居るアキラも同じく。

 

――戦いの修行に関しては、後日という事で。

 

「あっ、そうだ。この世界の何処の国に居るのか、知りたい」

 

「うん。分かった」

 

 詳しい居場所を知りたいミコトに対して、ドラえもんは四次元ポケットから地図を取り出してテーブルの上に広げた。そして説明を始める。北にマルノーラと言う大陸。南西にラインリバーと言う大陸。南東にホルキアと言う大陸。そして中央にある一番大きい大陸はギルドメインと言う。その他に、南西にデルムリン島と、北西に死の大地と言う大きな島もある。そこでミコト達の居場所は、ラインリバー大陸西部でロモスと呼ばれる国の領内の一番東にあるネイル村だ。東部は魔の森で占められている。

 

「成程……あれ? 北極と南極が無いよ」

 

「あっ、本当だ……。これ、日本地図のように世界地図の一部だよね?」

 

「ええ、その通りよ」

 

 地図を見ながら、おかしい所に気付くミコト。それでアキラも気付いて、ドラえもん達に訊ねた。ドラミちゃんが微笑んで答えた後、四次元ポケットから地球儀(地球ではないが)を取り出して置いて説明する。全体で竜に関する伝説が多い事から、惑星の名前は「竜星」と呼ばれる。地形で陸地は、大陸の集まり(大陸群)を六カ所と北極と南極であり、海は約75パーセント。六カ所の大陸群は、北半球にギルドメイン州とロトゼタシア州とレティシア州で、南半球にセントベレス州とロンダルキア州とエスタード州である。ミコト達の居る大陸群は、ギルドメイン州だ。その南西(赤道越え)はセントベレス州。地球で日本とブラジルのように、反対側はロンダルキア州。

 

 ギルドメイン州にある国はロモス、パプニカ、ベンガーナ、カールなど。

 

 ロトゼタシア州にある国はデルカダール、サマディー、ユグノアなど。

 

 レティシア州にある国はトロデーン、アスカンタ、サザンビークなど。

 

 セントベレス州にある国はラインハット、テルパドール、グランバニアなど。

 

 ロンダルキア州にある国はローレシア、サマルトリア、ムーンブルクなど。

 

 エスタード州にある国はグランエスタード、マーディラス、コスタールなど。

 

「成程……で、六カ所ある大陸の集まりを四角で囲んだ赤い線は何?」

 

「あれは、世界を分ける 分割結界 だよ」

 

 地球儀(竜星)に指差ししながら首を傾げるミコトに対して、ドラえもんは面白くもない表情で説明する。六カ所の大陸群は「分割結界」で閉じ込められている。例え船で南へ進んで外に出ようとしても、ループして反対側の北から入り戻されてしまう。その為、この世界の人々は流通している地図の外を知らない。勿論、長老もマァムも知らない。彼らの一般常識では、地図の端を「世界の壁」と呼んでいる。大気圏を抜けて宇宙に上がれば、簡単に結界の外に出られるが、人々にその技術はまだ無い。例外として、雲と海水は結界に影響しないようだ。

 

「でも、誰が何の為にこんな事をするんだろう?」

 

「それは、わたしにも良く分からないわ」

 

 アキラの疑問に対して、ドラミちゃんもドラえもんも顔を横に振る。恐らく未来のミコトでも、まだ判明していないと思われる。きっと何か重要な理由があるに違いないと判断して、結界に手を出さない事にした。それは触らぬ神に祟りなしである。

 

――世界地図についての話は以上だ。

 

「他に聞きたい事はあるかい」

 

「んー……この家の電気と水道は、何処から入ってるの?」

 

 ドラえもんはミコトの質問に答える。電気は、宇宙にある太陽光発電の大型人工衛星から光通信で送電されている。水道は中央広場給水場を含めて、地下水脈からポンプで水を汲み上げている。さらに浄水装置(上水・下水)と電気熱ボイラーも備えている。だから環境汚染の心配も無いし、生水で村の馬の体調を崩しにくい。

 

「アキラも聞きたい事はあるかしら」

 

「えぇっと……一階にある自動販売機のペットボトルは、何処から仕入れてるの? しかもこの紅茶は、麻帆良の人気カフェと同じ味だし」

 

 ミコトもだが、アキラは気になっていた。下の階の自動販売機にあるペットボトルは、マッチとかエネルゲンとかアクエリアスとかコーラとか元の世界にある物が揃っている。それは、この世界で売っている筈が無い。加えて、此処で飲んでいる紅茶でも麻帆良カフェ限定の品だ。因みに、その紅茶はアキラが毎回注文しているお気に入りである。

 

 ドラえもんはギルドメイン州の地図と地球儀(竜星)を片付けた後、四次元ポケットからノートパソコンを取り出してテーブルに置いた。それを見たミコトとアキラは首を傾げる。

 

「欲しい物は、このパソコンで注文するのさ」

 

 ミコトとアキラはまだ不思議そうな顔をしながら、ドラえもん達のソファーの後ろへ移動してパソコン画面を見た。ドラえもんはキーボードを打つ。デスクトップの「ショッピング」のアイコンをクリックした後は、ネット通販と同じ流れで注文する。

 

「やっぱり、どら焼きなのね……」

 

「い、いいじゃないか!」

 

 呆れたドラミちゃんに対して、ドラえもんはムキになった。それを見たミコトとアキラは苦笑する。本当にどら焼き好きだねぇ……。

 

 暫くすると、リビング東のドアが開いた。ダンボール箱を持った、オレンジ色の宅配スタッフ服を着たロボットが入ってくる。そしてダンボール箱を置いたら、立ち去っていく。行き成り現れて、行き成り帰るという感じだ。

 

「……あのロボット。何処から来たの?」

 

「あれは どこでもドア で、ミコトランドから来たんだよ。……モグモグ」

 

「もう。お兄ちゃんったら……」

 

 キョトンしたミコトの問いに答えた後、ダンボール箱からどら焼きを出して幸せそうに食べるドラえもん。ドラミちゃんはまた呆れながら、代わりに説明する。ミコトランドは、一年前に建造した人工島で、場所はギルドメイン州の外の南の赤道近くにある。さっき注文したどら焼きは、島の地下にある超大型製造機によって海水から物質変換で作られたとの事。食料は勿論、元の世界にある品物まで何でも作れる。お金は要らない。

 

 ミコトランドにある施設は配送センター、ホテル、修行場、研究所など。因みにドラえもんとドラミちゃんは、未来から来たのではなく、そこの研究所で生まれた。未来のミコトは一年間、この時代に滞在していたという訳だ。

 

 さっきのどこでもドアについてだが、仕様が本物と異なり、トランシーバーのように二台セットとなっている。宇宙にある人工衛星経由の通信なので、分割結界に影響されない。通信が届く範囲であれば、何処でも使える。

 

「とんでもないものを造ったなぁ……どうやって、そこまでの技術力を手に入れたんだろう……」

 

「それは、このパソコンで数十年間、学習して身に着いたと聞いてるよ。頑張ってね」

 

 未来の自分が凄かった事で、自信がなくなりそうなミコト。ドラえもんは苦笑しながら応える。ノートパソコンは通信で、ミコトランド地下にあるUーUSD(アルティメットウルトラスーパーデラックス)コンピューターのデータベースにアクセス出来る。そのデータ量は超膨大で、あらゆる科学技術、あらゆる魔法技術、竜星全体の地理や歴史、竜星全体の大百科、等々がある。但し未来は変わる事がある為、歴史において未来の情報は収録されていない。

 

 このデータは実は、未来のミコトから現代のミコトに引き継いで、将来は過去のミコトに引き継ぐ。つまりループする度に、データが蓄積していくという事だ。何十が何百回ループして、酷い無責任なミコトが現れないかぎり。

 

 ノートパソコンは四人分あり、ミコトとアキラの分は南西の学習室に置いてある。時間がある時に、二人で仲良く勉強しろって事だろう。通販も自由だ。

 

「この世界の一般常識を覚える事を優先してね。特に先ず覚えておきたい事があるわ」

 

 ミコトとアキラは向かいのソファーに戻った後、ドラミちゃんは大事な事を言う。始めに覚えておきたいのは、勇者アバンについて。このギルドメイン州は15年以上も前、ハドラーと言う魔族が魔王として、侵略戦争を始めた。そこで14年前、勇者アバンと戦士ロカと僧侶レイラと魔法使いマトリフという四人の英雄が、魔王ハドラーを倒して平和をもたらした。だから彼等に対する感謝や敬意を忘れてはいけない。異世界人とはいえ、知らないと非難されるので、始めに覚えておきたいという訳だ。

 

「怖いなぁ……魔王って、とても強いよね」

 

「アキラ。今は平和だけど、いつかまた魔王が現れるかもしれないよ。安心していないで、強くならないとね」

 

 ドラえもんはアキラに対して注意する。また魔王が出る可能性はゼロじゃない。もしも現れた場合、邪気でモンスター達が狂暴化して無差別に人を襲ってくる。例えばライオンヘッドは、通常ならライオンより強いだけだが、狂暴化すると戦闘力が上がって魔法も使ってくるようになる。魔王は勇者に任せるとしても、危険である事に変わりはないのだ。

 

――想像以上に危険な世界に来てしまったと思うミコトとアキラであった。

 

 時間も夕方になり、ミコト達は話し合いを終えて夕食の準備をするのだった。食材はカレーライスを作れる分を、ドラミちゃんが用意してある。因みにミコトハウスにガスは無い。代わりにIH機器がある。

 

 

==========

 

「あっ、マァム。こんばんは」

 

「あら、アキラ。奇遇ね、こんばんは」

 

 ミコトハウス一階南西の女湯脱衣所。此処でアキラはマァムと鉢合わせし、お互い夜の挨拶をする。二人は、これから入浴するところだ。他にお客さんも数人居る。ミコトは現在、言うまでもなく南東の男湯に居る。マァムに母親が一人いるが、用事があるので後で入浴されるそうだ。

 

 アキラとマァムは服を脱いでロッカーに入れた後、タオルを持って南の大浴場に入る。洗面器と石鹸等はそこにあるので、タオル一枚持参で良い。

 

 大浴場の構造について。部屋前半の東西両端に水道蛇口とシャワーが並んでおり、各所にボディソープとシャンプーとリンスが備えてある。真ん中に洗面器とパス椅子の棚がある。奥の部屋後半は全て広い湯船になっていて、南の壁にデカイ富士山の壁写真がある。全体のタイルの色は、男湯が薄いブルーで、女湯は薄いピンクである。

 

「マァム。此処に慣れた?」

 

「ええ。最初は使い方が分からなかったわ」

 

 体や髪を洗い終えた二人は、湯船に入った。そこで、ゆっくりしながら会話を始める。村人達を含め、初めて使うマァムはドラミちゃんから使い方を教えて貰っている。初対面の時はモンスターかと思っていたが、それは仕方ない。話が通じ合えば、人畜無害と理解できる。

 

「前から思っていたけど、あの大きい山は何なのかしら?」

 

「あれは、富士山だよ」

 

「フジサン?」

 

「うん。日本で一番高い山なんだ」

 

 富士山を見た事がないマァムに対して、アキラは微笑んで説明する。その際に高さ三千メートル以上と聞いた時は、驚いたと言うまでもない。ギルドメイン州に、あれほど高い山は無いのだから。

 

「えぇっと……ニホンって国なのかしら? 聞いた事もないし……もしかして、アキラの生まれ故郷だったりする?」

 

「うん。信じられないと思うけど、日本は異世界にある国なんだ。だからギルドメイン州の何処にも無いよ」

 

 故郷かなと思ったマァムは質問した。アキラは頷いて肯定した後、異世界と日本の事を話す。その話で自分だけでなく、ミコトについても伝える。友達ならば、お互い名前で呼び合い、もっと自分の事を打ち明けて仲を深めるものだ。

 

「成程。異世界の事は信じるわ。此処のような見た事もない物を沢山、見ればね」

 

 長老と同じく、そんな根拠で信じるマァム。会話は良い感じで二人は笑顔だ。まだ早いけど、親友と言っていいかもしれない。

 

「さっき、気になる事を言ったわね。ギルドメイン州って……大陸と呼ぶなら分かるけど、州と呼ぶのはどういう意味かしら?」

 

「えぇっと……此処で話すのはマズイかな。明日時間ある?」

 

「えっ……朝の集会の後は、一日空いてるわよ」

 

「じゃあ、朝の集会が終わったら、此処の二階に来て。ミコトと詳しく説明するから」

 

「ええ。分かったわ」

 

 此処で話すと騒ぎになる恐れがあると判断したアキラは、明日自分の家で説明すると言った。気になる様子のマァムは頷いて、明日の予定を決める。ミコトの知らない勝手な約束だが、アキラの判断は間違っていないと言っておく。しかし、男子を差し置いて話を進めるから女子は怖いな。

 

 その後も二人の会話は続き、体が熱くなってきたところで、湯船を上がるのだった。ドライヤーで髪を乾かす時にマァムは「早くて便利ね」と、アキラに好評を言った事も余談である。

 

 

==========

 

 此処はミコトの部屋。南東にクローゼット。南西に頭西向けベッド。北西に勉強机と椅子。北東にタンス二種。床の絨毯は薄い青色。クローゼットやタンスに着替えは揃っているが、インテリア飾りや置物はあまり無い。

 

 現在、水色のパジャマを着たストレートロングヘア―のアキラがベッドの上に座っていて、紺色のパジャマを着たミコトが勉強机の椅子に座っている。二人は向かい合って、就寝前の会話をしているようだ。

 

「明日、マァムに分割結界の事を話すのかい?」

 

「うん。勝手に決めてごめんね」

 

「いや、構わない。この世界で初めての友達だからね」

 

 勝手に話を進めた事で、謝るアキラ。許す許さないはなく、笑って気にしないミコト。あの事を知ったマァムはどんな反応をするのか、想像はつく二人であった。

 

「まぁ、二人で仲良くしている間は、大変な事があったけどね」

 

「大変な事?」

 

 アキラが大浴場に居た時の話だ。男子の入浴は女子より早く終わるので、ミコトが先に上がる訳だが、脱衣所からロビーに出た時、ハプニングがあった。それは自動販売機前で、11歳くらいの男の子が「ブーーーーッ!!」と盛大に吹いた騒ぎである。彼は色々チャレンジする勇気ある者で、炭酸飲料のコーラを知らずに一気飲みしたらしい。騒ぎの後は、ミコトが男の子に口直しのカルピスをあげた次に後片付けをした。

 

「コーラを一気飲み……」

 

 アキラは引き攣った顔である。この世界に炭酸飲料は存在しない。このような騒ぎが再発しないように、どうしようかと考えるミコトであった。

 

「とにかく、アキラ。今日は色々あったけど、お疲れ様。自分のベッドでゆっくり寝てね」

 

「うん。ミコトもお疲れ様、だよ。明日、お互い頑張ろうね。おやすみ」

 

「うん。おやすみ」

 

 二人はお互い笑顔で今日を労い、寝る挨拶をした。そしてアキラはベッドから立ち上がり、自分の部屋に戻る。ミコトは彼女を見送った後、電灯を消してベッドに寝入るのだった。

 

――こうして一日目は終了した。

 

 

つづく

 




はい。異世界の世界地図が、明らかになった第三話でした。

RPGゲームの世界は本当は、惑星の一部だったりしません? 北極と南極がないんだし……。

ダイの大冒険の世界全体が地球と同じ広さだったら、船でロモスからパプニカまで数ヶ月かかりますよ。それが、たったの数日だし。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。