異世界の人々は北極南極を知らない   作:峻天

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006 マァムはダーマ神殿へ

 あれから翌日。今日も良い天気だ。午前、デルムリン島の南平原にダイとブラスが立っていて、これから魔法の修行である。ゴメちゃんは修行の邪魔にならないように、離れた所の岩の上に居て、彼等の様子を見守っている。

 

「ダイよ。このサークレットを頭に装備せい」

 

 先生らしい顔をしたブラスは、昨日にドラミちゃんから頂いた制御補助サークレットをダイに渡した。それを受け取った彼はドキドキしながら、頭に装備する。彼のドキドキ感は、今度こそ呪文が上手くいけるかどうかに対してだ。

 

「メラ!」

 

 ダイは早速、両手を前に翳して呪文のメラを唱えた。しかし、手から火は出なかった。それで彼は両手を見て「おかしいな」と思っていた所で、脳天に杖の一撃!

 

「ばかもーん! 話を最後まで聞かんか!」

 

「いてて……」

 

 頭を擦っているダイは、ブラスに怒られる。そしてゴメちゃんは呆れ顔。サークレットを装備すれば、直ぐに呪文が上手く使えると勘違いしたようだ。あと、極小の火が出る筈なのに出なかったのは、何も考えずに行き成り呪文を唱えて魔力が入っていない所為である。

 

「まったく……。気を取り直して、ダイ。目を閉じて心を静かにし、自分の体の中にある魔力を感じ取るのじゃ」

 

 ダイは文句を言わないでブラスに言われた通りに従い、立ったまま瞑想に入った。自分の体内に、ホカホカしたものとヒンヤリしたものを感じる。ホカホカしたものは血液が流れるみたいに体を回っており、ヒンヤリしたものは体全体のあちこちに静止している。

 

「えぇっと……じいちゃん。二つ感じたけど、魔力はどっちなの?」

 

「二つじゃと? ……そうか、言っていなかったな。もう一つは命の力の闘気じゃ」

 

 体内に二つのエネルギーがある事を知らなかったダイは訊ねた。ブラスは驚いて少し考え、全ての生物に闘気がある事を思い出して答える。これで制御補助サークレットは魔力だけでなく、闘気も対応していると判明した。昨日のドラミちゃんからの説明になかったのは、言い忘れたのかもしれない。

 

「闘気って、何が出来るの?」

 

「……すまん。わしは、命の力である事しか分かっていないのだ」

 

 ダイはワクワクした様子で、闘気について質問した。ブラスは色々考えたが、知っているのはこれしかないと答える。彼は魔法の専門であり、闘気の専門ではない。

 

「とにかく、ヒンヤリした感じが魔力じゃ。そこに意識を集中して、右手に集めてみよ」

 

 闘気に関してはさて置き、ブラスは話を戻して魔力を教えた後、右手を挙げて指しながら指示を出した。ダイは頷いて右手を前に翳し、意識を集中して魔力を右手に集める。

 

「魔力が集まってきたら、メラを使うと強く考えるのじゃ。今はまだ唱えてはいかんぞ」

 

 自分の魔力が右手に集まったと感じたダイは、指示通りにメラの念を込めた。すると、赤く燃え盛る火炎が右手を纏う。それで本人はびっくりしたが、集中力を切らさない。

 

「よし、今じゃ! メラを唱えてみよ」

 

「メラ!」

 

 ダイはブラスの合図で、メラを唱えた。次の瞬間、右手を纏っていた火の玉が放たれボールを投げたようなスピードで、平原と砂浜と海の上を真っ直ぐ飛んでいく。海の上に出て数メートルの所で、火の玉は段々と遅くなって止まったら消えた。

 

「出来たっ! やったぁ!」

 

 補助付きとはいえ初めて呪文が成功した事で、飛び跳ねながら大喜びするダイ。そんな彼を見たブラスとゴメちゃんは、苦笑して賞賛する。

 

 その後も、さっきのと同じ流れでヒャドやバギを試したところ、難なく成功した。そこで次はサークレット無しで、呪文に挑戦する。その結果は……。

 

「ダメだ……。全然、魔力を感じないよぉ……。闘気も」

 

「じゃろうな……。体が感覚を覚えるまでいつ掛かるか、分からん。それでも諦めずに、根気良く頑張るんじゃぞ」

 

 呪文を使う為に魔力を右手に集めようとするが、全く感じ取れなかった。それで肩を落とすダイ。やはりといった顔をしたブラスは「諦めるな」と励ます。制御補助サークレットは、装備者が感覚を覚えていくにつれて、自動的に補助率が下がっていく仕組みとなっている。なので、長時間使用していれば、もう補助されていないと気付かずに自力で出来ているという事になる。

 

「分かったよ。じいちゃん。頑張って、自力で呪文が使えるようになってみせるぞー!」

 

「うむっ。良い返事じゃ」

 

 こうしてモチベーションを持ったダイは、魔法の修行にも積極的になるのだった。その日から毎日、魔力切れになるまで修行をするだろう。それから、ブラスの「闘気の制御が出来るようになって置いても損は無い」という案から、その修行も兼ねて……。

 

 

==========

 

 場所は変わって此処は、エスタード州南部にある大陸。その中央少し西に、ダーマ神殿が建っている。その神殿は転職を行う場所で、素質が無い者でも職業に合った素質を与えてくれる。例えば、魔法を使いたいのに無念に素質が無かった人が、僧侶または魔法使いに転職して修行を積む事で、漸く魔法を使えるようになるという訳だ。修行の道のりは長いが、誰でも賢者や勇者になれる!

 

 ダーマ神殿の西近くの小屋。未来のミコトが建てたもので、小屋内にはミコトランドと繋がるどこでもドアが設置されている。当然、出入口のドアはロックされていて、関係者以外は開けられない。ロックの形式は指紋認証。

 

「あら、もう昼過ぎなのね……。私の村は朝なのに」

 

「これは時差と言って、此処は四時間先に進んでいるわ」

 

 小屋から出てきたマァムは、外の様子を見て驚いた。後に出てきたドラミちゃんは、時差について説明する。エスタード州はギルドメイン州より先に四時間進んでいるのだ。南半球にある為、太陽が北を通る。

 

 世界全体の時差について。ギルドメイン州と比べてみて、ロトゼタシア州は八時間遅い、セントベレス州は四時間遅い、エスタード州は四時間早い、レティシア州は八時間早い、ロンダルキア州は十二時間早い。

 

 何故、マァムがエスタード州まで来たのかと言うと、目的はダーマ神殿で「正式」の僧侶になる事である。その経緯は、昨日マァムが家に帰る前にドラミちゃんがダーマ神殿の事を話したところから始まった。そこで正式の僧侶になれば、今までベホイミしか習得出来なかった僧侶の呪文を多く習得可能になる。それを聞いて希望の光が見えたマァムは喜んで「案内して欲しい」と頼んだのだ。そういう事で今に至る。

 

 この世界の住人ではない大江山ミコトと大河内アキラは、ダーマ神殿に対応していない(転職不可)らしい。その為、此処に来ておらず、ミコトハウスで一般常識の勉強をしている。その内容は、地理や歴史や魔法や生物(モンスター)等。

 

「あれがダーマ神殿よね?」

 

「ええ」

 

 此処から東に見える森と神殿らしき建物を指したマァムの確認に対して、ドラミちゃんは頷いた。次はそこを目指して歩き出す。二年前に魔王が倒されて今は平和なので、モンスターは大人しい。南は山賊が出るので、行かなければ問題ない。

 

 徒歩20分でダーマ神殿に辿り着いた二人は、出入口から大聖堂へ真っ直ぐの広い廊下の左側にある行列の最後尾に並ぶ。神殿内を見たところ、奥の白いカーテンの向こうは大聖堂のようだ。此処に受付手続きは無く、現在の待ち順番は7番目である。

 

 ダーマ神殿の構造は地下有りの二階建てで、黄色い模様が彩られた白い柱と壁に、マリンブルー色タイルの床。一階では、中央北に大聖堂があり、北西は職業相談所、北東は教会、中央西と中央東は二階への階段、南西と南東は地下への階段がある。二階には、宿屋や酒場や道具屋等の施設がある。地下には書庫や倉庫があるが、名前を変えてくれる命名神マリナンの神官が居る。また、そこの南に固く厳重に封鎖されている扉の向こうには、神殿に相応しくない闘技場があるらしい。

 

「お若いの」

 

「えっ? 私ですか?」

 

 並んで待っている中、後ろ待ちの爺さんに声をかけられた。不意打ちのようなもので、マァムは少し驚いて彼の方に振り向く。隣のドラミちゃんも振り向く。

 

「待つのも退屈でのぅ。少し、話していかんかね?」

 

「話、ですか? 構いませんけど……」

 

「すまんのぅ。……お嬢さんは何になりたいのかね?」

 

「そうですね。……母と同じ僧侶です」

 

「僧侶とな? 人を助けたい気持ちは立派なもんじゃのぉ」

 

 断る理由もないので、少しの話に付き合うマァム。そんな中、僧侶になりたいという自分の思いを込めて、爺さんの質問に答えた。それで彼は微笑んで感心する。

 

「お爺さんは、どの職に転職されるんですか?」

 

「儂は……ぴちぴちギャルになりたいのじゃよ」

 

「えぇっと……」

 

 耳を疑うまでに信じられない答えを聞いたマァムは、どう応えたら良いのかと困ってしまう。しかも、6番目の青鎧青年男戦士と9番目の緑服中年男商人は「ボケているのか」と可哀想な視線だ。男がギャルになれるわけがないから当然の反応である。そもそも職業ではないし、ダーマ神殿は「転職」する場所であって「転生」ではない!

 

「お爺さん。モシャスを覚える為に、魔法使いになるんですね」

 

「うむ。年老いたから、一時でも若返ってみたいんじゃよ」

 

 ドラミちゃんに応えた爺さんは、魔法使いに転職するらしい。それを聞いたマァムも周りの人達も「成る程」と納得する。しかしモシャスを習得するのに、それなりの修行を積む必要がある。寿命を迎える前に間に合うか、怪しいところだ。因みにモシャスとは、変身する呪文の事である。変身対象の能力までコピー可能。

 

「ぴちぴちギャルになれたら、ぱふぱふ でもしようかのぉ」

 

 ハゲ爺さんの呟き(爆弾発言)を聞いた二人は引き攣った顔であった。更に、周りの男達は顔が真っ青である。やっぱり、ボケているのかもしれない。現に距離を開けられている。

 

――数十分待って、漸くマァムの番が来た。

 

「次の方、どうぞ」

 

「はい」

 

 前番の男戦士が白いカーテンから出て行った後、カーテンから顔を出した黒髪ストレートロングヘアー女性の秘書神官がマァムを呼んだ。そして彼女はドキドキしながら返事をして、ドラミちゃんと一緒にカーテンを潜る。念願の、母親と並ぶ僧侶になれる目前であるから、緊張しているのだ。

 

 ダーマ神殿の大聖堂。知っての通り、転職を行う場所である。北の泉と神像の前にある祭壇の上に、10歳未満の少女が立っている。彼女の名前はフェーズと呼ぶ。遥か過去のフォズ大神官以来の神童(先祖返り)なので、幼い身でありながら大神官を務めている。着任されて今年で二年目。容姿は黒髪おさげの小柄な少女で、服装は水色と白色の帽子と法衣を着ている。そして右手に賢者の杖。大人ぴたしっかり者で人望が高い。また、フォズ大神官だった前世の記憶があるらしい。

 

 一礼して大聖堂に入ったマァムは、フェーズ大神官を見て表情を抑えて心中驚く。偉い人のイメージならば威厳のある爺さんだと誰でも思うだろう。ところが、目の前は幼き少女。驚いてしまうのも無理はない。

 

「此処は転職を司るダーマの神殿。遠き地より遥々と、お越し頂きありがとうございます。先ずは、自分のお名前を名乗り上げて下さい」

 

「はい。私はマァムと言います。宜しくお願いします」

 

 フェーズ大神官は微笑んで足労を労い、氏名の掲示を求めた。それでマァムは「しっかりした子だ」と感心しながら、丁寧に対応する。転職を行う為には、名前が必要なのだ。ドラミちゃんはカーテンの近くで、儀式を見守っている。

 

「それでは、マァムさん。そなたは、どの職業をご希望ですか?」

 

「私は僧侶を希望します」

 

「僧侶に転職されるのですね。承りました。その気持ちを込めて、お祈りして下さい」

 

 マァムは緊張しながらも、目を閉じて「僧侶になって人を助けたい」と気持ちを込めて、お祈りを始めた。それを確認したフェーズ大神官は、踵を返して北の神像に振り向く。

 

「おお、この世全ての命を司る神よ! マァムに新たな人生を歩ませたまえ!」

 

 フェーズ大神官は両腕を広げ、マァムの転職を神様に告げた。そして賢者の杖を真ん中へ移動させるように両手で持ち構えて、祈りを捧げて深く一礼する。

 

――こうして無事に祈りが通じ、マァムは「正式」の僧侶として生きて行く事になった。

 

「マァムさん。生まれ変わったつもりで、修行にはげんで下さいね」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 祈りを終えて再びマァムに振り向いたフェーズ大神官は、微笑んで「頑張って下さい」と話した。それでマァムは「幼いのに、凄いわね」と思いながら、微笑みを返してお礼を言う。これで儀式は完了だ。

 

「お気をつけて。そなたの歩む道に、神のご加護があらんことを」

 

 この先長い修行を応援するフェーズ大神官に見送られ、マァムとドラミちゃんは一礼してカーテンを潜り、大聖堂を後にする。儀式において「礼から始まって礼で終わる」は大切な事である。

 

(ロモス王国ネイル村、ですか……。聞いた事がありませんね……)

 

 大聖堂を出るカーテンを見つめながら、マァムの事が気になるフェーズ大神官。転職の祈り中に、神様のお告げでマァムの出身地も含まれており、自分の知らない国名が出た事で気になったのである。それで彼女に再会したら訊いてみようと思い、忘れないように頭の中に深く刻んだのだった。いつかそれを訊いた日、世界の真実を知る事になるのかもしれない。

 

 

==========

 

 ミコトハウス二階学習室。室内の北側に北向きの勉強机が三つ繋ぐように並んでおり、南東は南向きで取る本棚で、南西はホワイトボードが置かれている。床は青い絨毯。

 

 今は、西側の机に居るミコトと右隣の机に居るアキラが、各自ノートパソコンで一般常識の勉強をしている。あと、アキラの右隣の机に居るドラえもんは暇なので、居眠りしている。いびきが聞こえるが、二人は気にしていないようだ。

 

 もうすぐ昼になる頃、東のドアが開いてドラミちゃんとマァムが入室してきた。その音でドラえもんは目が覚め、ミコトとアキラは二人の方に顔を向ける。

 

「おかえりなさい。ダーマ神殿はどうだった?」

 

「ただいま。無事に本当の僧侶に転職出来たわよ。びっくりした事があったけどね」

 

 アキラ達は笑顔で、マァム達のダーマ神殿参拝を労った。マァムも笑顔で報告し、土産話をする。ダーマ神殿の雰囲気、そしてフェーズ大神官の事を話したら、驚くミコト達であった。そんな中、自分のクラスの担任のネギ先生の姿が、アキラの頭の中をよぎる。ネギ先生とは、10歳の子供でありながら先生を務めている凄い子だ。もしも彼が校長先生であったなら、フェーズ大神官に負けていないと思う。

 

「私ね……僧侶の修行を積んだら、武闘家に転職しようと思うの。パラディンになる為に」

 

 マァムは自分の目標を告げる。目的の転職を果たした後、神殿内を散策している時に神官達と話してパラディンと言う職業を知ったのだ。パラディンは、僧侶の力と武闘家の力を重ね持った職業。つまり賢者と同等ランクなのだ。人助け及び人を守る職業であるから、マァムのスタイルにとって理想的だと言える。

 

「そうなんだ……。修行、頑張ってね」

 

「ええ。……ところで、それは何かしら? 勉強するって聞いたけど、本が見当たらないし」

 

「これ? ノートパソコンだよ」

 

 マァムは微笑んでアキラの応援に応えた後、初めて見るノートパソコンを指して質問した。それでミコトが説明する。データベースにアクセスすると言っても理解が難しいだろうから、簡潔に「これ一つで、お城丸ごとの本が入っているような物」と聞いて驚くマァムであった。

 

「マァムも知りたい事があったら遠慮なく、わたしのパソコンを使ってね」

 

 ドラミちゃんは、四次元ポケットからノートパソコンをマァムに見せて言う。なんと、ノートパソコンを貸して貰えるようだ。当然、使い方が分からないマァムは戸惑っていたが、教えてあげれば問題ない。因みにデータベースの中に、ミコト達が知っている範囲で元の世界の情報も入っているので、マァムも知る事が出来る。

 

「アキラとミコトは、昼から本格的に修行を始めるのよね。何か目標はあるの?」

 

 話題を切り替えて、マァムは二人の修行について訊く。確かに何かを始めるには、目指す目標とかテーマとか必要だ。しかしミコトは剣術の他に関して、アキラはまだ決まっていなかったりする。

 

「三人とも、これを読んでね」

 

「えっ、私も?」

 

 悩んでいる中、ドラえもんは四次元ポケットからテキスト数枚を取り出して三人に配った。自分にも関係があると思わなかったマァムは、キョトンする。テキストの内容は、各自それぞれの修行目標が書かれていた。それを決めたのは未来のミコト達で、自分が経験した事を同じにしている。ミコトの修行目標は、剣術の練度向上と瞬動術習得の二つ。アキラの修行目標は、槍術の練度向上と瞬動術習得の二つ。マァムの修行目標は、自分の修行と並行して瞬動術の習得を目指す。ミコトとアキラに魔法修行が無いのは、この世界の住人ではない理由で、転職不可と同じく呪文習得も不可だからである。こればかりは仕方ない。

 

「えっと……。瞬動術って何?」

 

「うーん……。説明する前に、見本を見せた方が早いかな」

 

 瞬動術を初めて聞くミコトは訊ねた。アキラとマァムも同様である。ドラえもんは少し考えた後、自分のノートパソコンを四次元ポケットから出して机に置いて画面を開く。それで画面を覗き見るミコト達。

 

 動画ファイルを開けた画面には、ミコトランド砂浜に立つ白ネコの着ぐるみが映っていた。そのネコ人は構えた次に、残像が残る程の超高速で20メートル先の海上へ移動する。そこに着いて軌道を変え、20メートル先の上空へ移動する。その上空から海へ自由落下するが、地上へ滑空するように超高速の左右ジグザグ移動でスタート地点に戻る。ネコの着ぐるみで訝しんでいた三人は、そんな凄まじい動画を見て絶句してしまうのであった。因みに着ぐるみの中には、未来のミコトと未来のアキラのどちらか、入っている。

 

 見本の動画が終了した後、ドラえもんは説明を始める。瞬動術を使う為には先ず、闘気の制御が出来るようにする必要がある。次にやり方は、一歩踏み出す際に闘気を足の裏に集めて爆発させる。その衝撃を利用すれば、超高速移動出来る訳だ。そして瞬動術は「地上瞬動」と「虚空瞬動」で二種類ある。初級は単発の地上瞬動だが、急停止と方向転換が出来ない欠点がある。また、瞬動が終わる時に少し浮いた状態から着地するので、隙が出てしまう。中級は初級の弱点を克服する二段発動及び虚空瞬動であるが、空中の不安定でバランスがとり辛いので、思うように行くまでの練習はかなり大変。また、強い爆発力が必要で、闘気を多く消費する。上級は三段発動以上及び瞬動終了時の隙を無くす事。そこまで辿り着ければ、瞬動術マスターである。

 

「瞬動術が出来たら色々と、戦闘が有利になるよ。頑張ってね」

 

 先制攻撃が出来たり、素早く敵の背後に回れたり、味方のピンチで直ぐに加勢出来たり、とドラえもんが言うように有利である。だから修行内容に取り組んだのだ。それで納得し、本気(マジ)でヤル気になった三人であった。

 

 話がまとまった皆は、お開きにして昼食を摂るのだった。今日の昼食メニューは、マァムも一緒に作ったサンドイッチと野菜ジュースである。初めての共同作業だが、美味しく仕上がった。

 

 

つづく

 




はい。DQ7で人気のフォズ大神官の生まれ変わりの、ハーフオリキャラが登場する第六話でした。

ぴちぴちギャルになりたい爺さんキャラは、誰が考えたんでしょうね? 魔法使いのモシャスで願いは叶うと思うけど……。
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