残念だが、続きなど初めからない。


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八木に電流が走ったので。


BON FIRE LIT / EMBER RESTORED

淵を残して闇に食われた異形の太陽が見下ろす中、灰の大地の中心で火が消えようとしていた。

ある時突如現れ、世界に生と死、熱と寒さ、光と闇、あらゆる差異を作り出し、数多の火継ぎの王と火守女(生贄)によって維持されてきた火、”最初の火”だ。

 

最後の火継ぎの王が見守る中、最後の火守女の手の中で少しづつ、火は小さくなってゆく。

それに続くように、異形の太陽も光を失ってゆく。

 

最期の最後、何かに抵抗するかのように極小の火種が弾け、王が持っていた輝石(強化素材)に火の粉を当てた。

 

次の瞬間、火/日は絶え、闇の時代がやってきた。

 

 

 

 

それから幾万、幾億もの時が過ぎ去った頃。

突如”七つの炎”が一部の輝石より生じ、世界を照らした。

 

火の熱でほとんどの輝石は溶け交わり、一つの巨大な輝石となった。

 

溶けあってからまた時が経ち、輝石から生じた炎には特性が生まれた。

 

紫が増殖を、緋が破壊を、蒼が沈静を、翠が硬化を、黄が活性を、藍が構築を。

そして、琥珀が個性豊かな炎をまとめ上げる調和を。

 

唯々、周囲の空間を照らしていただけだった炎が得た力により、時は流れ、星が生まれ、大気が巡り、命が芽吹いた。

 

第二の火の時代の始まりだ。

 

 

 

しかし、火は薪がなければ陰るものである。

第二の創世と、生命がある程度成熟するまでの過程で、薪たる輝石の力はほぼ使い切っていた。

 

この先、薪が必要だ。それを本能で理解したのか、産み落とされた人型は、己が生命力を輝石に捧げた。

 

捧げられた生命力は、火を維持するほどではなかったが、世界を維持するには十分だった。

 

時が経つにつれ、生命力を注ぐ人型は数を減らし、世界の維持に限界が来た。

 

そこで人型はこう考えた。

 

「自分達より下位の人型を生贄にしよう」と。

 

皮肉にもそれは、古き太陽の王が考えたことと同じであった。

 

そこからは早かった。人型は自分たちが力を持つうちに、巨大な輝石を7つに分割し、それをさらに3つに分割した。

 

分割する際、大量の小片が世界に散らばったが、些細なことだ。

 

そのうち比較的大きく分割された7つをを人柱に。そして残りを安定装置とした。

 

 

そして、上位の人型は、たった一人を残して死滅した。

 

 

 

そこから長い時が過ぎ、二十一世紀初頭。人柱が虹、2つの安定装置がそれぞれ「海」と「アサリ」に分かれ、団体に管理されるようになったころ。

 

「アサリ」の安定装置の一部、封じられし大空の輝石の指輪はある少年の手へと渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に、世界のどこか、地下深くに存在する忘れ去られた灰の大地。炎の生まれた場所。

 

その地の片隅で忘れられた輝石。「楔石の原盤」に火が灯る

 

失われたはずの、”最初の火”。その残滓だ。





もはや搾りかすほども残ってない文才を総動員して書きました。
誰かこれの続き書いて(他力本願)


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