寝オチしたらギレンになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク
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第28話 触らぬ神に祟り無し

「諸君この映像の通りだ。

 連邦のMS開発能力がジオンを超えた」

 ざわざわと会議室は小学生の教室の如く騒然とする。

 ジオンの指導部を集結させた会議だというのにこの醜態と言いたいが仕方ない、ジオン軍の強さの源泉が失われてしまったのがまざまざと見せ付けられたからな。

「兄貴、その三機だけで決めつけるのは早計じゃ無いのか?」

 ドズルが幾分まともな意見を述べてくる。

「そうかな。連邦はこの三機を元にして直ぐにでも量産モデルを作り出してくるぞ。当然だが最低でもザクは超えてくる」

 原作の描写を見ると、どう見てもザクと互角にしか見えないが設定上はザクの上位機種であるジム。そんなMSを大量に作られては数質共にジオンは連邦に勝てるところがなくなってしまう。

 負けたのは当然すぎる結果。

 このままだと頭パーンでなく、連邦に負けて縛り首が待っている。

 どっちも碌な死に方だな。腹上死なんて贅沢は言わない、せめて畳の上で死なせて欲しい。

「そんな直ぐに量産体制が出来るものなのか?」

「その通りだ。

 ジオンには僅かな猶予がある。その猶予こそ神がジオンに与えた最後のチャンス。

 連邦がMSの生産体制を整える前に我々が取れる軍事オプションは二つだ」

 あらゆる作戦をジオンの参謀共に三日三晩の徹夜をさせて念入りにシミュレーションをさせた結果二つしか残らなかったと言ってもいい。

 優勢だと思っていたのは夢なのか、いつの間にかジオンに選択肢はあまり残されていない。

「A案。ソロモン、アバオアクーを結ぶジオン絶対防衛圏に連邦艦隊を誘い込み、これを撃滅する。

 この軍事オプションを選択する場合、ジオンはこれより絶対防衛圏の構築に全力を注ぐことになる。

 幸い前々よりシステムを用意させている。十分連邦艦隊を迎え撃つことは可能で、この一戦で連邦艦隊を撃滅し今度こそ連邦に降伏を迫る」

「防御戦か。辛い戦いになるな。それに万が一にも抜かれたらサイドは全滅だぞ」

 ドズルが渋い顔で呟くのが聞こえるが、その通り。

 だが籠城戦は精神的には辛いかも知れないが、準備は万全に出来る利点があり。汚い罠を無数に用意し数と質の差を覆す。幸いジオンにはこの手の第一人者がいるしな。

 万が一抜かれたら? 抜かれるも何もこの一戦で負けたらジオンは終わりなので、抜かれるもクソも無い。心配するだけ無駄だ。

「B案。連邦本部ジャブローを攻略し戦争に終止符を打つ」

「いきなり本部を狙うのですか!?」

 幹部の一人が驚きの声を上げてしまう。

「むろんそうではない。

 第一段階として連邦の工業地帯北米を奪取する。これにより連邦の工業力を削ぐと同時に利用することで現地での武器の補充や生産体制を整える。またあわよくばそこで生産体制を取られているであろう連邦MSのデータも入手する。

 そこで体制を整えた後に一気にジャブローに地上と宇宙両面からの総攻撃を掛ける。

 連邦本部であるジャブローの守りは堅い。だが諸君も分かっているように、もはやこのままで連邦が交渉の場に出ることは無い。

 いつかはやらねばならない作戦を今やるだけの話だ」

「おお、確かに」

「今なら我が軍の戦意も旺盛。やれないことはないですな」

 A案と違い攻撃だからか指導部高官の反応はいい。

「一つ聞きたいんだが」

 ここでまたもドズルが質問してくる。

 脳筋のようで意外と頭が回るんだな。

「なんだ?」

「サイド2の艦隊は無視していいのか?

 寧ろサイド2に攻撃を仕掛けて連邦のMSを拿捕して連邦のビーム兵器技術を奪取すべきなのでは」

 当然無視していいはずが無い。

 ドズルの言うことは正論過ぎる。だがここで正論に従いジオンのエースをシロッコに差し向けたとして、どうなる?

 原作通りの歴史の修正力が働くのなら、返り討ちに遭うだけでジオンはエースを失うだけになる。

 大軍なら? 小説ではソロモン艦隊を率いたドズルがホワイトベース隊に全滅させられている。

 はっきり言おう、最善の一手とは手を出さないこと。無視するしか無い。

 少なくてもジオンに来ることで特異点となったアムロが覚醒するまで放置するしか無い。

「それに関してはキシリアに足止めして貰う」

「私がですか?」

 ふざけんじゃねえこの眉無しオールバックがという顔を向けてくる。

「そうだ。何も艦隊を率いて足止めしろとは言わない。今まで構築した地下組織を遣え。

 ゲリラ戦、破壊工作、反戦デモ、ありとあらゆる嫌がらせをしろ」

 そういう嫌らしい手はお前の得意技だろ、痩けた頬がチャーミングだねという顔を向けてみる。キシリアにギレンの愛が通じる日は来るのだろうか。

「了解しました」

 愛が通じたかキシリアが納得してくれた。

「では聞こう諸君。プランAとBどちらを選ぶ?」








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