「大丈夫?おばあさん?もうすぐ着くと思うから頑張って」
「ごめんね、これから学校だろ、私は大丈夫だから早く行きなさい。時間間に合わなくなっちゃうんじゃないかい?」
「大丈夫だって!それにおばあさんその怪我じゃ歩けないだろ。一応治療はしたけど、俺の個性じゃすぐ治すことはできないからな」
「あたしが散歩中に転んだりしたりしなければよかったんだが、もう年かね〜」
そんなことを呟いてるおばあさんにフォローを入れながらも俺は歩き続けている。ちなみに今は登校の途中である。
焦凍との待ち合わせ場所に向かう途中で怪我をしたおばあさんを見つけたので家まで送り届けている最中である。
「ほら!見えてきた!あれだろおばあさんの家は」
俺は聞いていた特徴の家を見つけおばあさんに話しかける。
「おー、あれだよ。わざわざありがとね、治療から何まで助かったよ。痛みも大分ひいてきたみたいだからここでいいよ」
「そうか、じゃあ降ろすよ」
そう言いながらおばあさんを降ろす。力を使ったおかげで、おばあさんは立てるようになるまで回復していた。
「ほんとにありがとね。学校の時間は本当に大丈夫なのかい?」
その言葉を聞き携帯で時間を確認すると、登校時間の10分前である。ここから急いで行って間に合うかギリギリのとこである。
「大丈夫だって、それよりおばあさんが元気になってくれてよかったよ。それじゃあ俺は学校があるから!」
そう言いながら走っておばあさんと別れる俺は内心焦りに焦っていた。
(2日目から遅刻はやばい!あの相澤先生のことだ、下手すりゃ除籍処分だぞ!!)
力を使い、出せる範囲の全力を出して走る
おばあさんからはもう俺の姿は見えなくなっていた。
「あの制服は雄英の制服だね、ここからじゃどう考えても間に合わないじゃろ」
おばあさんはそう呟きながら走り去り見えなくなっていく少年を見つめていた。
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「おはよう!みんな!予鈴がなったら席につきたまえ!!」
「分かったから少し落ち着けよ。飯田」
場所は変わり雄英ヒーロー科1年A組の教室である。朝から個性を使ってなくてもエンジン全開な飯田については触れないでおく。
「なあ轟、黒精のやつやけに遅くないか?もう朝のチャイムが鳴っちまうぜ?」
そう轟に聞くのは彼の前の席に座ってる切島である。
現在の時刻はチャイムの鳴る3分前。未だ2日目ということもあり、彼以外の生徒は大分早くから教室に着いていた。
「む?本当だ!黒精君がまだ来てないじゃないか!?2日目から遅刻とは感心しないな」
「隣の席なのに気づいてなかったのか飯田。てかまだ2分あるから遅刻と決まったわけじゃないだろ。」
「いや!雄英生徒たるもの常に5分前行動は当たり前だ!予鈴がなるときにいなかったらそれは遅刻も同然!!」
「うひゃー真面目だな飯田は。で?どうなんだよ轟、昨日は一緒に登校してなかったっけか?」
飯田の言葉に呆れながらも再度轟に質問する切島。
「ああ、今日は待ち合わせの時間になっても来なかったから先に来ただけだ。」
「んじゃあ、やっぱ寝坊か?」
「いや、あいつの場合は……」
彼が何か説明しようとした時と同時に朝のチャイムが鳴った。瞬間狙っていたかのようにドアが開き相澤先生が入ってくる。
「おはよう。席につけ、これから出席を……
うおおーーーーーーーーーーーー
相澤先生がそう続けようとした時、何かが叫びながら勢いよく教室に飛び込んで来た。
「ギ・リ・ギ・リ セーーーーフ!!!!」
………………
飛び込んで来た彼はそう叫びながら教壇の前に勢いよく滑り込む。しかし、教室はみな唖然とした雰囲気に包まれていた。
その原因は急に現れた彼に責任があるのだが問題は他にもある。彼が飛び込んできたのは教室の扉からではなく窓なのだ。
「アウトだ、バカ」
突然の奇行にも関わらず冷静に突っ込みを入れる相澤先生。流石はプロヒーロー。
「……ですよね。」
入学2日目からのとんでもない失態に戸惑うA組の生徒達。しかし、1人を除き彼らはまだ知らなかった。これから先、この奇行に頭を抱え続けることになるということを。
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「いやー、除籍処分になるんじゃないかと焦ったぜ!」
「よくあれだけのことをして笑っていられるな君は。」
「叫びながら窓から入ってきた時は流石にビビったぜ。」
朝のホームルームも無事?終わり、今は次の授業までの休憩時間だ。
「悪かったな焦凍。起きたら学校始まる30分前だった。」
「別にいい。いつものことだ。」
彼の謝罪にそう返す焦凍は、中学の頃を思い出していた。事あるごとに朝、遅刻してくる彼は最早クラスでは当たり前の光景になっていた。いつも寝坊と言い訳する彼なのだが、ひょんなことでそれが、本当の理由ではないことを知ってしまったのだが、本人には黙っている
「まったく!雄英生たるもの常に自覚と誇りを持ってだな……」
「あー!悪かったって飯田!次からは気をつけるから今回は見逃してくれ!な!」
飯田の言葉を遮って反省の意を見せようとするが彼は納得してないようだ。これが休み時間に入ってからずっと続いてるのだから勘弁してもらいたい。
ちなみに相澤先生からはグルグル巻きにされた状態で放課後の教室掃除の罰を受けた。意外と学校ぽいと思ったのは内緒だ。
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「ったく……」
少し不機嫌そうにしながら、廊下を歩いているのは1年A組担任の相澤 消太である。
彼の頭を悩ませているのは言わずもがな朝に遅刻してきたあの生徒である。
「よう!イレイザー!今日はやけに不機嫌そうだな!なんかあったのか?」
「朝からうるさいぞマイク。」
そんな彼に話しかけてきたのは、彼と同期のプロヒーロー プレゼント・マイクである。
「相変わらずシヴィーな!で?何があったのよ?新しいクラスで早速悩み事か?」
ニヤニヤしながら話しかけてくる同期に嫌気がさしながらも答える。
「まあな、今日の朝いきなり遅刻してきた奴がいた。」
「マジかよ!まだ2日目だせ!それにお前のクラスでやるなんて勇気あるなそいつ!」
「全く困ったもんだ。しかも窓から入ってきやがった。」
「随分クレバーなやつがいるんだなお前のクラスは..これから行くのがちょっと楽しみになったぜ!」
そう言う彼の言葉を聞き、彼が自分のクラスの授業を受け持っていたことを思い出す。
「ああ、これから授業か、まあ頑張れよ」
そう言いながら立ち去ろうとする相澤先生だがマイクが思い出したかのように話しをする
「遅刻っていやー今朝、職員室に電話があったぜ。なんか雄英の生徒が朝、怪我したところを助けてくれたらしくてな、でもそのせいで時間に間に合いそうになかったからもし、その生徒が遅刻していたら怒らないでやってほしいってさ」
「……その生徒の特徴は聞いたのか?」
遅れてきた彼は寝坊したと言っていた。
万が一にもあり得ないと思いつつ念のため確認する相澤。
「確か、黒髪に青色の目してた男子生徒って言ってたな。あと治療までしてくれたって言ってたぜ。しかもそいつ家まで送り届けたんだってよ。ビックリしたぜ!」
彼の言葉を聞き、目を見開く相澤。先程遅刻してきた彼と外見的特徴、そしてなにより治療をすることができるところが一致する。
「そうか、それより早く行けマイク。もう授業が始まるぞ。」
「言われなくても行くぜ!また後でなイレイザー!」
そう言い残し教室で向かうマイクを見送り自分も職員室へと向かう。
職員室に着いた相澤は自身の机に座ると引き出しの中から封筒を取り出した。
封筒の中には今年自分が受け持っているクラス1-Aの生徒達1人1人の情報が載った紙が入っていた。彼はそこから1人の生徒の情報が載っている紙を取り出す。
「昨日の緑谷の怪我の件といい今朝の件といい分かっていたつもりだったがまさかここまでとはな……」
相澤はそこに書いてある生徒の情報に今一度目を通し溜息をつく。彼の見ている紙にはその生徒の中学での成績の他にその生徒がどのような生徒だったかのかが書かれている。
そしてその紙の最後にはこう書かれていた
とても他人思いの心優しい生徒ですが、他人を助けるために自己犠牲を躊躇わない節があるように思えます。時々怖いくらいに
「全く、個性のことだけでも充分悩まされているってのにとことん合理性に欠けるやつだ……」
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ヒーロー科と言えど学生であるため勉強は必須だ。それはここ雄英だろうと変わらない。
「んじゃあ次の英文のうち間違っているのは?黒精!」
「ゲッ!また俺かよ……うーん4番!」
「オッケー正解だ!4番だけ関係詞の位置が違うからな。」
((((((普通だ...)))))))
現在やっているのはプレゼント・マイクの英語の授業。彼の性格からは考えられないほど普通である。
「ふぅ、勘が当たって助かった……」
((((((いや、勘かよ!!))))))
午前はこういった必須科目等が行われる。
ちなみに俺は授業のはじめにプレゼント・マイクが聞いてきた遅刻した人間として名前が知られてしまったので必要以上に指されている。
「はぁ、今思う。遅刻しなきゃよかった。」
「今思ったのかよ。てか黒精さ 答えた後に勘とか言ってたけどまさかと思うけど全部?」
午前の授業も終わり今は昼休み。
彼にそう話しかけてきたのは耳がイヤホンになっている少女、耳郎 響香である。
え?いつ知り合ったかって?
昨日少し話したんだよ。なんだよ悪いか。
「な、なぜ分かった!?」
「マジか……」
「まあ授業もまだ最初だし大丈夫だろ!」
「中学の授業聞いてれば今日のとこは問題ないだろ?」
「なん…だと…」
焦凍の何気ない一言が霊也にダメージを与えているが本人は何気ない顔をしてる。
「それより飯行こうぜ霊也…….どうかしたのか?」
「な、なんでもない……」
天然恐るべし。
教室から出て行く2人を見ながら耳郎はそう思いながら苦笑いを浮かべていた。
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昼休みが終わると午後の授業。
ここでは待ちに待ったヒーローになる為の授業が始まる。
ヒーロー基礎学!
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」
お決まりのセリフを叫びながら教室に入って来たのは、誰もが知ってるNo. 1ヒーロー
オールマイトだ。やばい、色々とやばいが主に画風が...
「オールマイトだ…!すげぇや本当に雄英で教師やってるんだ!」
「銀時代のコスチュームだ…!画風が違くて鳥肌が…ッ!」
興奮する生徒たち、それも仕方がない。目の前にいるのは平和の象徴、生きる伝説なのだ
興奮するなというのが無理な話だろう。
しかし彼の姿を見た瞬間に霊也は違う意味での驚愕を示していた。
(あれがオールマイト、生で見るのは初めてだけどやっぱすげーな俺にも知覚できるほどのオーラをッ!!)
そう彼が驚いたのはオールマイトの纏っているオーラである。霊也にも見えるほど強力なオーラを持っている人間はそう多くない。そこは流石No. 1ヒーローではあるのだが問題はそこではない。オーラの量がとても少ないのだ、彼の纏ってるオーラは強力なものではあるが今にでも消えそうなくらいにしかない。そして彼が驚いたことはもう1つある。オールマイトが纏っているオーラ、それと全くと言っていいほど同じものを彼は見ているのだ。それもつい最近に……
(あのオーラまるで緑谷と同じ、いやこの場合緑谷のオーラがオールマイトと同じと考えるべきなのか?)
霊也は先程からオールマイトの登場によりめちゃくちゃ興奮しているクラスメートに視線を向ける。
(確かにオールマイトと緑谷の個性は似てるけどオーラまで似てるとなると考えられるのはまさか!オールマイトの息子!?もしくは親戚か何かか!)
彼は閃いたようにその思考に辿りつぐがすぐにその答えを否定する。
(いや違うな...流石にあの2人血縁関係にあることはないだろ...)
教壇に立っているオールマイトと未だに興奮している緑谷を見比べる霊也。あまりにも似てなさすぎる主に画風が
(ま、考えても仕方ないし授業に集中しますか)
彼がそう思うと同時にオールマイトの授業の説明が始まった。
「ヒーロー基礎学!それはヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ!」
「早速だが、今日はこれ!」
そう言うオールマイトが手に持ってるプレートにはBATTLEの文字が書かれている。
「戦闘訓練!」
「そしてそいつに伴って…こちら!」
そう説明するオールマイトの言葉と共に横の壁が飛び出し中からトランクが出てくる。
あんな機能があるとは知らなかった。
流石は雄英だ、金の使い方が違う。
「入学前に送って貰った個性届けと要望に沿ってあつらえた…
コスチューム!!」
「「うおおおおおおっ!」」
まさかこんなに早くコスチュームを着れるとは思わなかった。入学前には悩みに悩み自分のコスチュームを考えた。それが今目の前にあると思うとテンションが上がってしまう。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」
「「はーい!」」
オールマイトの指示の元各々自分のコスチュームが入っているトランクを取りに行く。
よし、俺もいこう。はやくいこう!
しかし、俺に待っていたのはまさかの展開だった。
「あ、あれ?」
「では始めようか!有精卵ども!!」
そう宣言するオールマイトは気づかない
皆がコスチュームを着ている中でただ1人、いたたまれない格好をしている生徒がいることを...
なんか話の進むペースがむちゃくちゃ遅い気がする...
申し訳ない!!