どうやら百合百合しい世界に転生したらしい。   作:今日のぱんださん

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第二十九話:肉の日

 

 

 

「はい、今日は何の日ですか」

 

「はい!」

 

「はい、美智瑠」

 

「世にいう肉の日ってやつですね!」

 

「正解! 正解した美智瑠にはこのA5ランクと言われる美味しいお肉の一番美味しいところをあげましょう」

 

「ありがたき幸せ」

 

「華月さんって量食べないけどお肉好きだよね。月一でこうやってお肉会開くぐらいだし」

 

肉が嫌いな男なんていないわけがない。僕の偏見だけども。

前世では不摂生かつやっすい食べ放題の臭い肉ばかり食べていたがそれでも肉を食べていれば幸せだったも思う。そうに違いない。

折角お金持ちの家に生まれたのだから、その特権とやらは有効活用しなければ勿体ない。

そうして始めたのが自室での一人焼肉だが最初は楽しいけど段々悲しくなってくるので美智瑠や静さんに声をかけた結果毎月開催となった。

悲しいかな少食な我が身ではたくさんの種類を食べることができないので、こうして友人が食べてくれることで色んなお肉を食べられる。彼女たちも美味しいお肉が食べれるとWinWinな関係だ。

 

「でも、こんな美味しいお肉いただいちゃうと普通のスーパーのお肉とかじゃ物足りなくなりそうで怖いわね」

 

「愛衣さん、安心して下さい。月一で最高に美味しいお肉を食べる。すると他では満足しなくなる。すると……」

 

「すると?」

 

「安いお肉を食べられなくなって脂質が減ります」

 

「なんだよそれ、最強じゃん……」

 

「はい、なのでいっぱい食べてください」

 

「お言葉に甘えるわ」

 

「でも、高校生になって集まる面子も決まってきたね。中学からの私たち三人と愛衣とで」

 

「そうですわね、姫様は結構人見知りなんですんなり愛衣さんと仲良くなれたのは意外でしたわ」

 

「ええ、華月さんって人見知りなの? 結構面倒見いい方に思うけど」

 

「はい、姫様は誰にでも優しく愛を振りまくんですがその後疲れて無口になって引きこもっちゃうタイプです」

 

「ええー、それってどんなかんじなの?」

 

「うーん、そうだねー、完全に喋ってくれなくて目線しかくれないから……動く日本人形?」

 

「それは褒めてるつもりですか、静さん」

 

「ごめんね、上手い例えがでてこないわ」

 

外面ばかりよくしてるとやっぱり疲れちゃうんだよねー。

そもそも僕の性格ってやつは内気一辺倒なのに寂しがり屋っていうめんどくさいちゃんだ。

一人でも困らないけどできれば友達と遊びたいし、触れ合いたい。

その傾向が謎の配信活動や月一のお肉会に出ていると思うけど……中学のころはうまい発散方法がなくて溜め込んだ末に無になって、数日引きこもっちゃうというめんどくさい子供だった。

「まあ……僕も大人になりましたから? そうそう引きこもったりしませんよ」

 

「……そういえばこないだ一日華月さんから全既読スルーされた日があったような……」

 

「姫様、多数の方からの応対で返信が面倒なのは分かりますが既読スルーは傷つきます」

 

「ほら、華月さんって中途半端に律儀だからちゃんと読んでますよっていう意思表示はしておこうみたいな」

 

「それならスタンプくらい……ああ、華月さんスタンプ使わないわね」

 

「……すいませんね、スタンプ使わない簡素な文面で」

 

いや、おじさんにスタンプとか難しいこと言わないで? なに、スタンプで会話とか。上級者すぎるでしょ。

それに僕には僕のキャラクターっていうのがあってね……ほら、なんか嫌じゃない?

超絶美少女の大和撫子がスタンプがんがん使うとか。

 

え? 意外性? ギャップ?

知らない言葉だなー

 

「ま、まあ、いいのよ? 全然気にしてないしちょっと心配になっただけだから。静に、華月さんはそういう生き物だから大丈夫って言われた時は意味わからなかったけど」

 

「そう姫様はそういうところも含めて全てが尊いのですからそのままでいいんです。むしろ変わらないでください」

 

「僕は僕だから変わりようがないですけどね……」

 

実際内面はおっさんで固定されちゃってるからどんどん達観に向かっていきそうだけども数十年はこのままだろう。

痴呆とか早めに来たら嫌だけど脳は若いから大丈夫なのかなー?

 

とにかく、色々と脱線したが今日は肉である。

米など不要。

間に野菜、肉肉肉、野菜だ。野菜はキャベツと巻き野菜オンリー。それ以外は不要。

 

食べて、お風呂入って、寝るのだ。

もちろん皆にはお帰り頂く。

お泊まりなど却下だ。

 

今日はあくまで僕のわがままな日なのだから。

 

「おなかいっぱいで動けませんわ」

 

「今日は華月さんといっぱいおしゃべりしたいな」

 

「わ、わたしももっと華月さんのこと知りたいわ」

 

ぼ、ぼくのわがままの日なのだから。

 

「ほら、私、華月さんがお好きな高級スイーツ店の限定5品のケーキ買ってきたんですの。皆でデザートに食べましょ」

 

「実は私と愛衣も華月の為にデザートを作ってきたんだ」

 

「静は殆ど見てただけだけど……美味しくできたと思うわよ?」

 

……しゃあねぇなぁ、お前らぁ!

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