轟焦凍の双子の妹には秘密がある   作:AYURA

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戦闘シーン難しいです!!無駄に長くなった気がします…
キャラが違うとか、読みにくい、とか思うかもしれませんが…その時はすみません!!


第9話 戦闘訓練!! ♪

勝己君と一緒に帰った次の日いよいよクラスの皆が待ちに待った、ヒーロー基礎学の授業だ。

 

今日の担当は勿論……

 

「わーたーしーがー!!普通にドアから来たーー!!!」

 

ズザザザザッッという効果音とともに、お決まりのセリフと特徴的な笑い声を出しながら登場したNO.1ヒーローオールマイトだ。

 

NO.1ヒーローの登場に生徒のテンションが異常なほど高まった。

 

「オールマイトだ…!すげえや、本当に先生やってるんだな…!!」

 

「あれシルバーエイジのコスチュームだ わ……!」

 

「画風が違いすぎて鳥肌が……」

 

皆が思い思いに興奮した感想を言っている中で、前の席の焦にぃも無言で分かり辛いが憧れのヒーローを目の前に何処となく嬉しそうな雰囲気を感じた。

 

個人的には、お父さんの方がかっこいいと思うけど…焦にぃに言っったら怖い顔をして怒られそうだなぁと思い苦笑いしているとオールマイトによる説明が始まった。

 

「私の担当はヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ!!」

 

単位数も最も多いぞ、とオールマイトは謎ポーズで言う。

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」

 

オールマイトは、バッと謎ポーズの状態から"BATTLE"と書かれたカードをこちらに掲げて見せた

 

「戦闘……!」

「訓練……!」

 

初めてのヒーロー基礎学がオールマイトによる戦闘訓練と分かってよほど嬉しかったのか、勝己君は目に見えてわかるほど目を輝かせてた。

 

「そしてそいつに伴って…こちら!!」

 

オールマイトが手の中のスイッチのようなものを押すと、何の変哲も無いと思っていた壁にスッと隙間ができ、ウィーンと音が鳴ったと思ったらロッカーのようなものが出てきた。

 

中には箱が入っていて、それぞれ1~20までの番号が書かれている。丁度クラスの人数とおんなじだ。

 

「入学前に送ってもらった"個性届"と"要望"に沿ってあつらえた……戦闘服コスチューム!!!」

「「「「「「おおお!!」」」」」」

 

皆が一斉に沸き立つ。

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」

「「「「「「はーい!!!」」」」」

 

オールマイトの良く響く声に皆一斉に元気な返事をする。

 

ーー

 

更衣室に移動して戦闘服ケースを開くと、指定した通りになっているか不安だったけど、完璧に再現されていた。

 

まぁ…わざわざ測ってサイズも書いて、あれだけデザインを変えないで下さいと書いてあれば当然かな?

 

それだけ個性を隠す身としては、少しでも誤差があっら死活問題なのだ。

 

指定した出来に満足していざ着替えるべく制服を脱いでいると、私に向けられる視線を感じ、視線の方向へ振り向けば、他の女子達が驚きやら感嘆やらの感情が籠っている顔をして私を見ていた。

 

不思議に思い首を傾けていると、話しかけてきた。

 

「あ、ごめんごめん! いやー、昨日も思ってたんだけど莉愛ちゃんってすっごいスタイル良いよね!」

 

「え?」

 

彼女の言葉に他の子も頷き、皆が周りに寄ってきた。

 

「八百万もだけどこないだまで中学生だったとは思えないぐらいスタイル良すぎ……」

 

「わかるー! やばいよね!」

 

「そうでしょうか?」

 

「莉愛ちゃんは折れそうなくらい細いのにおっぱい大きいし…ヤオモモはザッワガマボディーだし…」

 

「二人ともおっぱいおっきいからね!」

 

「莉愛ちゃんの腰のくびれすごいよ……」

 

「ひゃ!」

 

感心した様子のお茶子ちゃんに腰を触られて、ビクッとする。

 

と、そこで先に着替えを終えて、微笑ましげにこちらを見ていた八百万から声がかかる。

 

「交流も宜しいですが皆さん、早く着替えないと授業に遅れますわよ」

「「「あ」」」

 

……ちなみにここまで、半数近くは下着姿での出来事である。

 

 

ーー

 

だいたい全員が着替え終わるとお茶子ちゃんから「要望ちゃんと書かなかったからや〜。」と言う落胆した声が聞こえた。

 

どうしたのかなぁ?とと思い声を掛けようと振り返ると

 

お茶子ちゃんが着ているのはピンクと黒の可愛いコスチュームだった。どこもおかしい所はなく不思議に思ってると…

 

「うわっ!麗日、パツパツじゃん!!」

 

と言う声があり納得した。

 

「大丈夫だよ!お茶子ちゃん!私も一緒だから!」

 

「莉愛ちゃん!!!」

 

そうゆうとお茶子ちゃんは涙目になりながら抱きついてきた。

 

「うぅ〜っ!天使や!!」

 

そう莉愛のコスチュームもパツパツなのだ。

黒色の長袖で丈が膝まであり前は腰のあたりで分かれておりオレンジ色の長方形の留め具が付いてある上着の下に、白色のミニスカが見え、黒のニーハイ、黒の短いブーツという白と黒を基調にした、莉愛のスタイルの良さが強調されるコスチュームだ。

 

ちなみに髪は、いつも付けてある赤いピンを外し黒色のリボンで一つに纏めていた。

 

(イメージがあるしにくい人は、リリカルなのはのクロノが着ている衣装が、ズボンが白のミニスカに変わっただけなので調べて下さい!ちなみイラストも書いてあるので是非見てください!by作者)

 

お茶子ちゃんといちゃついていると百ちゃんのコスチュームに対する意見が聞こえてきた。

 

「というか、八百万もあれだと思うけど。」

 

「個性を使うのに、服の面積が少ない方が良いんです。」

 

「そうなの?」

 

そして全員が着替え終わりグラウンドβに集まった。

 

「何事も恰好から入るってのは大切なことだぜ、少年少女! 自覚するのだ!! 今日から自分は……ヒーローなのだと!!」

 

 

ーー

 

オールマイトの前にずらりと並ぶのは戦闘服を着た 1-A の面々。

 

「デクくんかっこいいね!地に足ついた感じ!」

 

「麗日さっん、うおおおおお?!」

 

「要望ちゃんと書けばよかった…パツパツになってもた…。」

 

恥ずかしそうにするお茶子ちゃんに、緑谷君は狼狽えてた。

 

そんなお茶子ちゃん達を横目に私は勝己君の所に走っていった。

 

「か、勝己君!どうかな?」

と莉愛は前を向いている爆豪の背中をツンツンとし、下を向きながら聞いた。

 

目をギュッとつぶり心臓をバクバクさせながら、勝己君の反応を待つが、反応がなかなか返ってこなくて不思議に思い、上を向くと顔を真っ赤にさせた勝己君が視界にうった。

 

「勝己君?」

 

私の声にハッとしたように、首を振りぶっきらぼうに「…いいんじゃねぇの。」と視線を逸らしながら言ってくれた。

 

その言葉を聞いて嬉しくなった私は顔を緩ませてくるりと一回転した。

 

「ヒーロー科最高。」

 

突然声が聞こえ振り向くと、ぶどう君が私の方を向き親指をぐっと立てていて、似合ってるって事かなって不思議に思ってると焦にぃが話しかけて来た。

 

「…莉愛。」

「あ、焦にぃ!どうかな?」

 

「あぁ、可愛い。」

「えへへ〜。ありがとう焦にぃ。焦にぃもかっこいいよ!!」

「あぁ、ありがとな。」

 

焦にぃは、そう言いながら頭を撫でてくれた。

 

 

「始めようか有精卵共!!!戦闘訓練のお時間だ!!!良いじゃないか皆、カッコ良いぜ!!ムム⁉︎」

 

オールマイトは緑谷君のフードについた二本の耳?を見て、顔を背けた。多分自分のファンと知って照れたのかなぁ?

 

私も少しはエンデヴァー要素や、焦にぃと同じような要素を取り入れたかったが、それは出来ない。

 

だからか、堂々と自分の好きなヒーローの要素を取り入れている緑谷君を見て少し嫉妬してしまった。

 

バカだなぁ私…と思っていると、誰かは分からないけど、ロボットのようなコスチュームを着た少年?がオールマイトに質問していた。

 

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」

 

オールマイトは答えた。

 

「いいや、もう2歩先に踏み込む!屋内での対・人・戦・闘・訓練さ!!

 

ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵出現率は高いんだ。

 

監禁・軟禁・裏商売...このヒーロー飽和社会、真に賢しい敵は室内に潜む!!

君らには『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

 

「基礎訓練なしに?」

 

梅雨ちゃんは少し心配そうには質問した。

その問いにオールマイトは、ガッツポーズで答えた。

 

「その基礎を知るための訓練さ!ただし今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ。」

 

その答えに、クラスの面々は思い思いの質問をぶつけていった。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしてもいいんすか。」

「また相澤先生みたく除籍とかあるんですか...?」

「分かれるとは、どのような分かれ方をすればよろしいですか。」

「このマントヤバくない?」

 

「んんん〜聖徳太子ィィ!!!」

 

そう零したオールマイトは、ポケットからカンペを取り出し説明を始めた。

 

「(カンペ読むなんて可愛いなぁ〜)」

 

「いいかい、状況設定は『敵』がアジトに『核兵器』を隠していて、『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!」

 

設定アメリカンだな、と皆が思った事だろう。私もそう思う

 

「ヒーローは、時間内にヴィランを捕まえるかそれを回収する事。

ヴィランは、制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事。」

 

オールマイトはどこからともなく箱を取り出しこう言った。

 

「コンビおよび対戦相手は、くじだ!」

「適当なのですか!」

 

ロボット君が思わず叫んだ。

それに対し緑谷君は、なだめるように言葉を紡いだ。

 

「プロは他事務所のヒーローと即席チームアップする事が多いし、そういう事じゃないかな...」

「そうか...!先を見据えた計らい、失礼しました!」

 

頭下げるロボット君は真面目だなぁ。

「いいよ早くやろー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結果、チームは

 

Aチーム︰緑谷出久、麗日お茶子

Bチーム︰障子目蔵、轟焦凍

Cチーム︰峰田実、八百万百

Dチーム︰爆豪勝己、飯田天哉

Eチーム︰芦戸三奈、上鳴電気

Fチーム︰口田甲司、砂藤力道

Gチーム︰轟莉愛、耳郎響香

Hチーム︰蛙吹梅雨、常闇踏陰

Iチーム︰葉隠透、尾白猿尾

Jチーム︰瀬呂範太、切島鋭児郎

 

となった。

 

「最初の対戦相手は、こいつらだ!」

 

オールマイトが上げたボールには、AとDの文字。

 

「Aコンビがヒーロー!Dコンビがヴィランだ!他の者は、モニタールームへ向かってくれ!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

A、Dチーム以外が、モニタールームへ歩き始めた。

 

ーーーーーー

 

 

 

「それでは、AコンビDコンビによる屋内対人戦闘訓練スタート!」

 

映画館のスクリーン級の大きなモニターに映し出されたのは、5つの視点からの建物の様子。

 

「さぁ君達も、考えて見るんだぞ。」

 

縦に長い窓から、建物に侵入したお茶子ちゃんと緑谷君。建物の中を、注意しながら慎重に進んでいく。

 

そこへ、ロボット君と離れ別行動をとっていた勝己君が目の前の壁を爆破し奇襲をかけた。

 

間一髪、緑谷君はお茶子ちゃんを庇いながら避ける事ができたみたいだけど、頭の部分の生地が破れ顔の半分が見えている。

 

爆発の煙から現れる勝己君。その姿は、昨日の個性把握テストの時ハンドボール投げの時と同じような表情をしていた。

 

ここで、映像は見れるけど音声と聞こえ無いと気付いた私は、勝己君の表情の事もあり、個性で作ったエリアサーチの誘導弾を周りには見えないようにする魔法をかけ、勝己君達がいるビルにいくつか仕掛けようと展開していく。

 

「いきなり奇襲...」

 

「爆豪すっげぇ!奇襲なんて男らしくねぇ!!」

 

「奇襲も戦略。彼らは今実戦の最中だよ。」

 

それって褒めてるの?批判してるの?どっち?…と思っていたら、それも方法の一つだと言うオールマイト。

 

赤髪君には見覚えのあるような気がするけど気のせいかなぁ〜と思っていると、緑谷君に対する感心する声も聞こえた。

 

「緑君よく避けたな!」

「爆豪行った!」

 

勝己君が大きく右腕を振りかぶり緑谷君にむける。

 

あたる!と、見ている皆が思ったそのとき、その攻撃読んでいたかのように緑谷君は爆発の範囲からそれるように勝己君の体正面に移動し、右腕をつかみ背負い投げをした。

 

驚く勝己君に、息が上がりながら勝己君に何かを言う緑谷君。

 

そこで、私の誘導弾が展開し終わり音声が聞こえた。そこから聞こえきた緑谷君の声には、しっかりとした意思が宿っていた。

 

『いつまでも、雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ。』

 

顔を上げ、涙目になりながら勝己君を見据える。

 

『かっちゃん!僕は、頑張れって感じの"デク"だ!』

 

『デク…ビビりながらよぉ。そういうとこが、むかつくなぁ! !!』

 

『おい、爆豪くん!!』

 

そこでロボット君が勝己君と連絡をとった。

 

『状況を教えたまえ!どうなってる!?』

 

『黙って守備してろ!イラついてんだよ俺は今ぁ!!』

 

『気分を聞いているんじゃない!おい!?

勝手に飛びたしといて...。何なのだ彼は!もう!』

 

あっ勝己君何も言わずに奇襲しちゃったのか…と思っていると、通信を無理矢理きられたロボットくんはプンスカ怒っていたが、少し落ち着くとお茶子ちゃん対策の為か、核兵器を置いてある部屋の物を整理しはじめた。

 

「爆豪の奴、何話してんだ?定点カメラで音声ないと分っかんねぇな。」

 

あ、みんなには聞こえないんだった…

 

「小型無線でコンビと話してたのさ。」

 

自身の耳を指さしながら説明するオールマイト。

 

オールマイトは聞こえるんだ…私もだけど…

 

「持ち物はそれプラス、建物の見取り図。そしてこの確保テープ。これを相手に巻き付けた時点で捕らえた証明となる。」

 

「制限時間は15分で、核の場所はヒーローに知らされないんですよね?」

 

「Yes!!」

 

「ヒーロー側が圧倒的に不利ですね、これ!」

 

「ピンチを覆していくのがヒーローさ。それに相澤先生にも言われただろう?あれだよ。せーの!」

 

「「「「「PLUS ULTRA!」」」」」

 

オールマイトの掛け声にあわせ、みんなで腕を振り上げ言う。

 

再びモニターに目線を戻すと、勝己君が攻撃を仕掛けようとするところだった。

 

『麗日さん、行って!!』

 

『よそ見か!余裕だな!』

 

緑谷君は蹴りを入れようとしる勝己君に対し

避けながら勝己君の足に捕獲テープを巻こうとする。その動きは、相沢先生みたいだった。

 

勝己君は右を大きく振りかぶる。

 

しかし、緑谷はその行動を読み、余裕を残しながら避ける事ができた。

 

緑谷君、幼馴染だからかなぁ…勝己君の行動を読んでる。

 

「すげぇなあいつ!!」

 

「個性も使わずに入試2位とはりあってる!!」

 

緑谷君の個性か。昨日の様子を見てると、使わないじゃなくて"使えない"のかなぁ…昨日は、指折ってたし…

 

『なぁおい!俺を騙してたんだろ!?』

 

騙す…

 

勝己君は、緑谷君事を無個性と言っていた。

小さい頃からずっと一緒に居て勝己君を騙すのは、正直無理だと思う…

...

なら、アイツみたいに個性を奪う事の出来る奴がいる様に…個性を与えることが出来る人がいるかもしれない。

 

それなら緑谷君が個性を使いこなせてないのにも納得がいく。

 

そう考えていると昨日みたいに、苦しそうに叫ぶ勝己君の声が聞こえてきた。

 

『楽しかったかずっと!!あぁ!?』

 

緑谷君は建物内を走り、作戦をたてるための時間をかせぐ。

 

『使ってこいや。俺の方が上だからよぉ!!』

 

ふと、ロボット君の方のモニターに目をやると、お茶子ちゃんは核兵器の部屋について物陰から様子をうかがっていた。

 

『俺は...至極悪いぞぉ〜!!』

 

「『ブフォッ!!/ん"ん"!!(真面目や!/だ!)』」

 

私とお茶子ちゃんは耐えきれずに吹き出した。

 

隣にいた焦にぃから、「どうした?」と聞かれたが必死にごまかした。

 

だけどロボット君は、その声によりお茶子ちゃんの存在に気づいたみたいだ。

 

『ん!?来たか麗日くん!』

 

『あっ!』

 

『君が一人で来る事は、爆豪くんが飛び出した時点で分かっていた!触れたものを浮かしてしまう個性。

だから君対策に、このフロアの物をすべて片付けておいた!!これで君の小細工はできない!』

 

その言葉通り、2人がいる部屋には何もなかった。核兵器と柱を除いて。

 

『ぬかったなヒーロー!!』

 

大笑いをし始めるロボット君。

 

『麗日さんどう?』

 

緑谷君とお茶子ちゃんはお互いの場所と状況を確認しあってた。

 

残り時間はあまり無い。

 

『なんで個性を使わねぇ。使わなくっても勝てるってか?なめてんのかデク。』

 

『もう君を怖がるもんか!』

 

『俺の爆破は手のひらの汗腺からニトロみてぇなもんだして爆発させてる。』

 

勝己君は、自分の個性について説明しながら右の手を向け話しだす。私は、何気に勝己君の個性の事を聞いたのは初めてで凄い個性だなぁと思っていたら…

 

『要望通りの設計なら、この籠手はそいつを内部にためて、』

 

「爆豪少年ストップだ!殺す気か!?」

 

『当たんなきゃ死なねぇよ!!』

 

勝己君は、籠手からピンを引き抜いた。

 

そこから壁を、床を炎がつたい、爆発が広がっていく。カメラからの映像は、大量の炎と煙のせいでよく見えない。

 

私達のいる部屋にまで届く、激しい振動。

 

今の勝己君の攻撃は、カードリッジシステムを利用していないディバインバスターと殆ど変わらない威力だった。

 

「少年!!緑谷少年!!無事か!?」

 

オールマイトが必死に呼びかける。

 

『そんなのっ!ありかよ!?』

 

緑谷君は、荒い呼吸をしながら言った。

どうやら、目に見えて外傷はないらしい。

 

すごいな勝己君…今の攻撃使うの初めてだろうに緑谷君に当たらない様にコントロールしたんだ…

 

まぁ…当たったら緑谷君死んじゃうからダメなんだけど…オールマイトも焦ってたし…

 

『この籠手に溜まれば溜まるほど威力が増えてくんだぜ。なぁ、個性使えよデク。』

 

黒煙が広がる瓦礫の中を、緑谷君の元へ進んでいく。

 

『全力のてめぇを、ねじ伏せる!!』

 

そう言う勝己君は声が上ずり興奮した様子でそう言った。

 

先程の衝撃と爆発音での事をロボット君は、勝己君に説明を求めていた。

 

その隙をついたお茶子ちゃんが、核の回収に個性を使い自身を浮かせて向かうが、ロボットのスピードについていけず失敗した。

 

『あててねぇんだからまだ動けるだろ?来いよ!』

 

『麗日さん状況は?』

 

『また無視かよすっげぇな!?』

 

「先生止めた方が良いって!!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ!?殺しちまう!!」

 

「いや...」

 

渋るオールマイト。

 

「爆豪少年。次それ打ったら、強制終了で君らの負けとする。」

 

『はぁ!?』

 

「屋内戦において、大規模な攻撃は守るべき牙城の崩壊をまねく。ヒーローとしてはもちろん、ヴィランとしても愚策だ。大幅減点だからな。」

 

オールマイトが出したのは警告のみだった。

 

『じゃあ殴り合いだ!!』

 

すぐに攻撃にうつった爆豪。

 

「おいおい大丈夫かよ。」

 

「大丈夫だよ、ツンツン君。」

 

「ツンツン…?」

 

「勝己君は、さっきの大規模な攻撃だってコントロールしてたし…」

 

心配の声を上げるツンツン君に

 

「考えるタイプには見えねぇが、意外と繊細だな。」

 

それに続き、話し出したのは焦にぃだった。

 

ーーーー 

 

「どういう事だ?」

 

「目くらましを兼ねた爆破で軌道変更。そして、即座にもう一回。」

 

補足を付け足したのはだ。

 

「慣性を殺しつつ有効打を加えるには、左右の爆破力を微調節しなければなりませんしね。」

 

最後に説明したのは、これまた推薦枠の百ちゃんだ。

 

その褒め言葉になんだか自分のことみたいに嬉しくなった。

 

「才能マンだ、才能マン…ヤダヤダ」

 

モニターに映るのは、一方的に攻撃を加える勝己君の様子。

 

「リンチだよこれ!!テープ巻き付ければ捕らえた事になるのに!!」

 

「ヒーローの所業にあらず。」

 

批難する二人。だが莉愛には、先程の言葉を聞いてるからかそうとは思えなかった。

 

それほど、緑谷君に個性を使って欲しいんだと思う。

 

「緑谷もスゲーって思ったけどよー、戦闘能力において、爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ。」

 

そう言ったのは上鳴電気だ。

 

『なんで個性を使わねぇんだ!?俺をなめてんのか!?ガキの頃から、ずっとそうやって俺をなめてたのかてめぇは!!』

 

『違う…違うよ。』

 

緑谷が俯きがちに立ち上がる。

 

『君が凄い人だから、勝ちたいんじゃないか。

 

勝って、越えたいんじゃないか!!バカヤロー!!』

 

『その面止めろやクソナード!!』

 

二人が、お互いに向け全力で飛びかかる。

 

『デトロイト!』

 

『うぉぉお!!』

 

「やばそうだってこれ!!先生!」

「...双方中止『いくぞ麗日さん!』

 

オールマイトが中止の声をかけようとしたが、今戦っている4人には聞こえていない。

 

『はい!!』

 

お茶子ちゃんは、近くの柱に掴まった。

 

まさか…!!

 

緑谷君、勝己君の攻撃を素手で受け止める気じゃ…

 

『スマーーーッシュ!!』

 

緑谷君は、真上、天井に向けて技を放った。

 

腕から放たれる強力な力により、風圧が生まれ窓が大きな音を立てて割れていく。

 

天井には大きな穴が空き、建物の屋上までも突き破った。

 

『なんだ!?』

 

『飯田くん!ごめんね!』

 

お茶子ちゃんが掴まっていた柱が、衝撃により外れる。

 

個性を使い、その柱を野球のバットの様に構え緑谷君の攻撃で出来た瓦礫を打った。

 

えっ!打った!?!?!?

 

『即行必殺、彗星ホームラン!!』

 

『ホームランではなくないか〜!?』

 

向かってくる大量の瓦礫に、驚いたロボット君は思わずガードしていた。

 

うん、これには私も驚いた。

 

そのうちにお茶子ちゃんは、個性を使って自分を浮かべ、核に向かって飛んでいた。

 

『回収!』

 

『あっ!』

 

慌てて後ろを向いたが時すでに遅し。お茶子ちゃんは、核に触っていた。

 

『ゔぁぁぁぁ!!核ぅぅう!!』

 

ロボット君の声がこだまする建物。

 

煙が多くお互いの姿が見えない中、勝己君と緑谷君がいた。

 

『そういう。はなっからてめぇ、やっぱりなめてんじゃねぇか。』

 

上に空いた大きな穴を見上げ、勝己君が言った。

 

『使わないつもりだったんだ。

使えないから...体が衝撃に耐えられないから。

 

相澤先生にも言われてたんだけど、これしか思いつかなかった。』

 

そこには、満身創痍の、右手は真っ赤に腫れ上がり、左手は火傷で腕が黒っぽく変色した緑谷君がいた。

 

その傷を見て息を呑み治さないと!と思い私はその場所に向かおうとした。

..

…治す

 

足を一歩踏み出そうとした時、私の足は止まってしまった。

 

私は自分勝手な理由で個性を隠している私には治療の魔法が使えないからだ。

......

いや、使いたくないからだ。

 

私がその場に行って何ができる

 

何もできやしない

 

私の実力だったら偽っている個性だけでも、ヒーローにはなれる。

 

これは、驕りではない。

 

だけど…目の前に助けなきゃいけない人がいて、助けられる人がいて!それなのに!自分勝手な理由のせいで個性を出し惜しみする奴がヒーローに…ましては勝己君の隣に立つ資格はない!!

 

全力でヒーローになろうとしている勝己君の隣に立つ資格なんてあるわけないじゃない!!

 

私はその自分勝手な思いを表に出さないように拳を握った。

 

「!!!」

 

遠くの方からオールマイトが緑谷君達の勝利叫んだ気がした。

 

○●○

 

八百万 side

 

緑谷さんが保健室に運ばれ、麗日さん、爆豪さん、飯田さんの3人がモニタールームに来たので講評の時間になりました。

 

「まぁつっても、今戦のベストは飯田少年だけどな!」

 

「なな!!?」

 

驚いた飯田さんをよそに、蛙吹さんは素直に疑問を投げかけた。

 

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

オールマイト先生は勢いよく手をあげながら皆に問いを投げかけた。

 

「ん〜なぜだろうな〜?分かる人!」

 

ビシィッと手を上げるオールマイト先生。

 

それにここはアピール出来るチャンスですわ!と思い私は手を上げた。

 

「はい、オールマイト先生。それは飯田さんが、一番状況設定に順応していたからです。

 

爆豪さんの行動は、戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして、先程先生がおっしゃっていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。

 

緑谷さんも同様。受けたダメージから見ても、あの作戦は無謀としか言えませんわ。

 

麗日さんは、中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴過ぎた事。ハリボテを核として扱っていたらあのような危険な行為は出来ませんわ。

 

相手への対策をこなし、核の争奪を想定していたからこそ飯田さんは最終対応に遅れた。

ヒーローチームの勝ちは、訓練だという甘えから生じた反則の様なものですわ。」

 

オールマイト先生は若干震えながら

 

「ま...まぁ飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが...まあ...正解だよ、くぅ...!」

 

と、サムズアップとともに答えてくれた。

 

何故か悔しながらも、グットサインを送るオールマイト先生。

 

その言葉を聞いて嬉しくなった私は胸を張った。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになど、なれませんので!」

 

「よーし!場所を変えて、第2回戦を始めよう!!BコンビとIコンビは、準備をしてくれ!!」

 

その言葉でどんどん試合は進んで行くのですが、緑谷さんたちの試合が終わってからずっと莉愛さんは拳を握りしめて下を向いています。途中までは、あんなにキラキラした目をしながら爆豪さんを見てましたのに…

 

何かあったのでしょうか?

 

先程、葉隠さんと尾白さんを完膚なきまでに圧勝してきた莉愛さんのお兄さんも凄く心配そうに、そして悔しそうに見ていました。

 

それに、莉愛さんが血が出るほど手を握りしめていたのに気づき、辞めさせようと声をかけたのですが反応が何もなく…なので無理矢理個莉愛さんのお兄さんに手伝って貰いながら個性で作ったガーゼを手のひらに入れたのですが、なんの反応もありません。

 

保健室に連れていこうとしましたが、莉愛さんのお兄さんに止められてしまいました。

 

何がこの2人をこんなに苦しめているのでしょうか…

 

莉愛さんは私の大事なお友達です!

初めは、真っ直ぐで闇のない可愛くて爆豪さんとお兄さんが大好きな女の子だと思っていたのですが、何か莉愛さんには闇がありそうです。

 

私が助けてあげたいのですが、何故だか莉愛さんの心を救うのは、私や莉愛さんのお兄さんではなく爆豪さんの様な気がします。

 

とっても悔しいですが!!

 

あの、戦闘訓練の様子では無理そうですけど!!

 

えぇ!!

 

せめて、私が少しでもいいので莉愛さんを支えてあげたいですわ!!

 

と思いながら、次の試合は莉愛さんのため莉愛を揺すりながら声をかけるのでした。

 

 

ーー

 

 

「…さん」

 

「…さん」

 

ふと…私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。

 

「莉愛さん!!」

 

「あれ?ももちゃん…どうしたの?」

 

「どうしたの?じゃぁありませんわ!何回読んだと思ってますの?

 

莉愛さんの試合は次ですし…

 

それに…手を握り締めすぎて血が出てたのでガーゼを詰めておきましたわ!!

 

いったい何があったんですの!

 

もう!!莉愛さん?聴いてますの?」

 

なんか…私が考えごとをしているうちに、どんどん試合は行われていった様だ…

 

「あっ!焦にぃの試合!!」

 

「俺の試合なら終わったぞ。」

 

「え…」

 

私は焦にぃの試合までも見逃してしまったらしい…

 

「もう!!莉愛さん?!轟さん?!

 

話し聞いてますの?

 

莉愛さんの試合は次ですし、手の怪我の事にも少しは触れて下さい!!」

 

「えっ!手の怪我?」

 

私は、手のひらを見てみるとガーゼを握っており、それを取ると自分の爪が刺さった様な後から血がダラダラと出ていた。

 

「わっ!血がでてる!」

 

「痛そうだな…」

 

「痛そうだな…ではないですわ!

 

さぁ莉愛さん手を貸してください!応急処置をしますわ!!」

 

「百ちゃん!!ありがとう!」

 

「なっ!そんな事当たり前ですわ!!」

 

私がぱあっと笑いながらお礼を言うと、顔を赤しながら手際良く応急処置をしてくれた。

 

「次の試合は、Gチーム︰轟莉愛、耳郎響香

vsJチーム︰瀬呂範太、切島鋭児郎だ!

 

それぞれ配置についてくれ!!」

 

ーーーー

 

『ではヒーロチーム轟莉愛、耳郎響香vsヴィランチーム瀬呂範太、切島鋭児郎の試合をはじめる!

 

双方用意はいいか!

 

それでは、スタートだ!!!」

 

 

 

莉愛はオールマイトの試合開始の合図と共に

デュランダルを展開し、ヴィラン達をみつける為捜索の魔法エリアサーチを周りから見えない様にする魔法をかけ一気に解き放った。

 

すると、同じヒーローチームである耳郎響香が話しかけた。

 

「轟…アイツらここの真上の部屋にいる」

 

「えっ!響香ちゃん分かるの?」

 

莉愛は驚き耳郎を見ると、イヤホンを壁に刺して上を指していた。

 

「うん。ウチの個性はイヤホンジャックたから。」

 

「凄いね!

 

じゃあ、ヴィラン側の瀬呂くんと切島くん…

ちゃっちゃと捕まえちゃうね!」

 

「えっ!ちょっとまっ「いって!!」

 

その声と共にヴィランチームを見つけるため飛ばした、エリアサーチと視覚を共有し、30cmぐらいあるツララを30個くらい作りダメージを与えすぎない様にそして2人が見切れないくらいの速度で放った。

 

『と、轟少女!!!』

オールマイトは、その光景を見て思わず莉愛の名前を呼んだ。

 

流石はNO1ヒーロー、オールマイトは莉愛の攻撃が見えていたらし。

オールマイトが焦るのは当たり前だ…なんせ周りから見たらヴィランチームである瀬呂範太、切島鋭児郎は突然現れたと思ったツララによって貫かれすぐさま氷で作ったと思われるチェーンにまとめて拘束されたのだから。

 

オールマイトだけてなくその場にいる轟焦凍以外は焦った筈だ。

だが、ちゃんと見てみると2人は無傷でぐったりと拘束されているだけだった。

 

莉愛はオールマイト達が少しパニックなっている事も知らずに呑気に耳郎に報告していた。

 

「終わったよ!」

 

「終わったって何が!!

 

まだ1.2秒くらいしか経ってないんだけど!」

 

そうなのだ。耳郎が莉愛にヴィランチームの居場所を伝えてから僅か数秒しかたっていない。

 

その数秒の間で終わったと言われても理解が出来ないのは、当たり前なことである。

 

「何がって…2人とも拘束したよ?」

 

莉愛がさも当たり前の事の様に言うと耳郎は莉愛の事を指差して口をパクパクさせていた。

 

「あっ!そう言えばオールマイト私の事を呼びましたか?」

 

莉愛はオールマイトが自分の事を呼んでいた事を思い出し、オールマイトに確認を取ったが、オールマイトは少ししどろもどろになりながら続けるように告げた。

 

『いっいいや、続けてくれ!』

 

「分かりました。じゃあキョウカちゃん核兵器をタッチしに行こうか。」

 

莉愛は、唖然としている耳郎の手を引っ張り核兵器にタッチする為に歩き出した。

 

ーーーーーーーー

 

耳郎サイド

 

うちは、ヴィランチームがいる部屋を見て驚いた。

 

そこには、グッタリとした2人が拘束されてそこにいた。本当に遠くから、直接見もせず、無傷で、あの数秒の間で気を失わせ拘束したらしい…

 

どんだけだよ…と少し現実逃しした瞬間、気絶していたはずの瀬呂がピクリと動き腕から布みたいなものが私達に一直線に飛んできた。

 

しまった!完全に油断した!!!!

 

思わずガードしようと手をクロスさせ目を瞑ると、バキーン!!と言う音が聞こえてきた。

 

目を開けると透明な壁に弾かれた様に瀬呂の攻撃は跳ね返っていた。

 

「あれ?まだ意識あったんだ?

 

ちょっと手加減し過ぎたかなぁ?

 

でも…ごめんね

2人の周りには、拘束した時から氷で囲ってるんだ。」

 

轟はそう言うと核兵器にタッチした。

 

『ヒ!ヒーローチームW IN!!!』

 

爆豪といい…緑谷や轟兄弟といい…このクラスはチートばっかりだ…

 

うちは、このクラスでやっていけるんかどうか、とても不安になった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「とりあえず…講評を始めたいんだが、その前に皆が気になっている轟少女の個性を教えてもらえないかい。

 

みんな気になって講評に集中出来ないだろうし…何より私が気になる。」

 

なんか可愛い…

 

「えっと…わかりました。

 

私の個性を簡単に言うと、氷を操ります。」

 

「「「「「「「「………」」」」」」」」

 

「?」

 

反応がないから首を傾けていると、焦にぃが話しかけてきた。

 

「違うだろ莉愛。多分皆んなは、攻撃を受けても無傷だった理由を知りたいんだと思う。」

 

「…あっ!なるほど!!」

 

「「「「「(ナイスだ!轟!!)」」」」」

 

「私の個性は…

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

ー私は走った。

 

私は、今日自分の事ばかりで全然勝己君が暗い顔をしていただなんて気付かなかった!

 

バカだ私は!!

 

百ちゃんに言われるまで気づかないなんて!

 

きっと勝己君は反省会には参加していないだろう。ならもう教室から出ている可能性が高い。

 

教室から下駄箱までの道を急いで辿れば靴履いている勝己君の姿があった。

 

読みは当たったみたいだ。

 

 

 

 

「待って、勝己くん!」

 

「!………莉愛か…」

 

「……私っ!」

 

私は息を整えながら勝己君に呼びかけると、勝己君はズンズンと下を向いたままこちらに歩いてき、私の前で立ち止まったと思ったら、手首を掴み顔を近づけてこう言った。

 

「ッッ俺は……!」

 

さらに手に力を込める。

 

「今日俺はデクに負けた!

 

氷のやつ見てッ勝てねぇーんじゃって思っちまった!!

 

クソッ!!

 

ポニーテールの言うことに納得しちまった!

 

クソッ!!

 

お前を!守れねぇんじゃねぇかって思っちまった!!

 

ッ俺は!!俺は弱ぇ!!

 

No.1ヒーローを!オールマイトを超えられねぇ!!

 

お前を守るとかほざいときながら、デクに負けちまった俺には!「違うよ!!!」

 

私は言葉をかぶせる様に思わず叫んでしまった。

 

「私は!!私は弱い!!

 

あの場に!!あの時!!勝己君に出逢ってなかったら私は…私はここにいない!!

いないの!!

 

勝己君は救った!!

気まぐれだったのかもしれない…

 

それでもっ!

こんな私を救ってくれた!!

守ると言ってくれた!!

拒絶しないと言ってくれた!!

 

たとえ…勝己君がその事を覚えていなかったとしても!

 

勝己君が私のヒーローであることには変わりわないの!!!

 

だから!!勝己君が弱いなんてあり得ない!!

 

人の心を!命を!救える人が弱いなんてことあるわけない!!」

 

「ッ!!」

 

「それに、勝己くんはオールマイトをも越えるヒーローになるんでしょう?

 

一度挫折を味わった方が、ストーリー性があるじゃない!」

 

勝己君は目を赤くギラギラと燃え上がる太陽みたいな瞳をしていた。

 

「大丈夫だよ!勝己君は強いもん。

 

きっと…もっと!これからどんどん強くなる。だから大丈夫、絶対に、大丈夫だよ」

 

 

「……俺は!」

「うん、」

 

「俺はっ!…絶対ェ誰よりも強くなって、誰にも負けねぇくらい強くなって!!!

 

お前をっ…莉愛を…!!

 

救けられるようなヒーローに!

っんでもって!俺はっ!!オールマイトを越えるNo. 1ヒーローなってやる!!」

 

もう、十分な程私は勝己君に救われてるんだけどなぁ…

 

浮かぶのは幼い時の記憶

 

勝己君は言ってくれた

 

『おれさまがおまえんぜったいまもってやる!

それに、おれさまはなにがあってもおまえをきょぜつしたりしねぇ!

 

なんせ、おれさまはオールマイトみたいなナンバーワンのヒーローになるんだからな!』

 

そう、言ってくれた。

 

それがどんなに私を救ってくれたか勝己君は理解出来ないだろう…

 

勝己君がいなければ、精神的にも身体的にも限界を越えていた私は自分の個性に押し潰され死んでいた。

 

「……今は待っとけ。すぐになってやらぁ」

 

「うん、ありがとう勝己くん

 

でも勝己くんがヒーローになったその時は私

. . . .

も隣に立ちたい!ヒーローとして!」

 

「ふんっそうかよ…」

 

 

莉愛が爆豪の手を離すと爆豪は莉愛の頭を優しく撫でる。

 

撫で終わると爆豪は歩き出した。

 

 

私には、勝己君の隣に立つ資格も強さもない。

 

だけど私は…あの真っ直ぐな赤色の目をしている、"ヒーロー"の隣に立ちたいと思う気持ちは止められない

 

止められないんだ…

 

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