「先頭は意外にもアクティブバイオとザッツザプレンティがいった。1バ身後ろにタップダンスシチー、その後ろ4バ身差離れてリンカーン、ゼンノロブロイ、シンボリクリスエス、内を突いてウインブレイズ アグネスデジタルが先行グループ、その4~5バ身差後ろにチャクラ、ダービーレグノ、ファストタテヤマ、ヒシミラクル、ネオユニヴァース。そして3バ身後ろの最後尾にはいつも通りツルマルボーイです」
出走ウマ娘達はホームストレッチを通過し。先行グループに居るアグネスデジタルは下りを降りて登りに差し掛かる。
中山レース場はゴール付近の急坂が有名で高低差約2メートル以上ある。それは体力の限界を迎えたウマ娘達に壁のように聳え立つ。
そしてゴールを過ぎても登りは続き、底辺から頂点の高低差は5.3メートルに及ぶ。デジタルは坂路トレーニングの記憶を思い出しながら坂を駆け上がり、今の状況を分析する。
雪降る中不良の芝を走るのは初体験だがほぼ慣れたと言っていい。これなら問題なく力を発揮できる。そして雪が思った以上に厄介だ。
雨と比べて当っても肉体的ダメージは少ない。だが雪は雨と違い色がある。強制的に白色が混じることで視界を遮り、集中力を削がれ他者への意識がおざなりになってしまう可能性がある。
そしてレースでは無意識に視界に入る風景を情報として処理する。それによって芝が抉れたギャップに脚がハマることを防げる。
有マ記念では同じ箇所を2度通過する部分もある。1度通過した際に芝が捲れてギャップが作られ、2度目の通過の際に雪によって視界が遮られギャップにハマってしまうかもしれない。
次に体力面だがポジション取りは上手くいった。しかし当初の予想以上に消費していた。その要因として芝の状態にある。
冬の中山は秋の中山とは求められる適性が違うと言われているがそれは芝の違いだ。秋は野芝でスピードが出やすいが、冬は野芝に洋芝を被せたオーバーシード状態だ。洋芝は野芝を走るよりパワーを要し、それが適性の違いになる。それに加えて不良状態ではさらにパワーを要する。
何よりあの声出しが響いた。道中は全力で走らないがそれなりの力で走っている。一般的な感覚で言えば1500メートル走の最中に大声を出すようなものだ。空気を多く吸い込み吐きだすことで、体の酸素を失いそれは体力の消費に繋がる。
それに強い思念や情念を込めた。シンボリクリスエスの理想の走りがいつも以上に体力を消費するように、強い感情を込めて相手にぶつけると体力消費が大きくなってしまう。
自分がやった行動に後悔は何一つない。だが結果的に厳しいレースと予想していたが、さらに厳しいレースになってしまった。
第1コーナーに入り、逃げるウマ娘達はオーロラビジョンに映る映像と音で、それ以外のウマ娘達はタップダンスシチーを直接見ながら意識を向ける。
今まではレースの中心はシンボリクリスエスだった。他者の勝ちのイメージを勝ち消し自信を挫く。悪い意味で注目を浴びていた。だがデジタルによって自信を取り戻し、思考はレース発走前のニュートラルな状態に戻った。
このレースの1番人気、現役随一の先行力にキレが加わったウマ娘、まさに虎に翼だ。そして今の状況は芳しくない。
誰もが未体験の雪降る中の不良状態、さらにシンボリクリスエスの走りによって、様子見かつ自信なさげに走った結果700メートル通過時点で44秒前半、これは不良を考慮したとしてもスローペースで、他のウマ娘達も詳細は分からないが、スローペースであると判断していた。
このまま動きが無くスローペースのまま終盤を迎えたらどうなるか?ジャパンカップでは芝が重で上がり3F最速タイを叩きだし、さらに瞬発力が増し先頭から1バ身後ろという絶好のポジションにいるタップダンスシチーが勝つだろう。
レース前のトレーニングではツルマルボーイやスイープトウショウ並みの末脚を見せていた。そんなウマ娘がスローペースである程度前に居られたら勝てる道理はない。
するとタップダンスシチーが徐々にポジションを上げ始める。スローペースで勝つには逃げるウマ娘はキレ負けするのでリードを広げる。後ろに居るウマ娘は差を縮め、相手のアドバンテージを少なくして差し切る。他のウマ娘は連動するようにペースを上げ始めた。
「各ウマ娘第1コーナーを通過し、第2コーナーに向かいます。1000メートル通過は63秒6、これは不良バ場を考慮してもスローペースか?」
場内実況が流れ客達はレースの状況を知る。このまま瞬発力勝負のよーいドンとなるか、それとも誰かが動き出入りが激しいレースとなるのか、この先の展開を予想しながら動向を見守る。
『先頭のウマ娘が第2コーナーを通過し向こう正面へ向かいます。これは?ヒシミラクルだ、まさかこの距離からスパートを掛けるのか?』
最初に動いたのはヒシミラクルだった。そのズブさからスピードが遅く最初は判別できなかったが、その歯を食いしばる表情でスパートを掛けているのは分かった。
その仕掛けに会場はどよめき、ヒシミラクルファンも不安が過る。だが本人は全く不安を抱いていなかった。
この仕掛けは状況を見てのものではなかった。レース前からどんな状況であろうと坂を登り切った瞬間から仕掛けると決めていた。
残り約1400メートルからのスパート、常識では考えられない早仕掛けだった。しかも今は不良バ場で体力は良バ場より消費する。
そして第2コーナーは下りだ、この雪が残る芝では滑り外に大きく膨らむ。それどこか転倒し、最悪怪我して競走中止になってしまう。
普通に考えればあり得ない作戦だった。だがヒシミラクルは己のスタミナと運を信じきっていた。
奇跡はロングスパートから、
優秀な成績を挙げたウマ娘を表彰する意味で、ヒロイン列伝ポスターが作られる。ヒシミラクルも未来でポスターを作られ、そのキャッチコピーがこれである。
波乱を起こした菊花賞と天皇賞春、史上最高のメンバーが集まったGIとして名高い宝塚記念、どのレースでも勝利を呼び込んだのはロングスパートだった。
自分のロングスパートは普通のロングスパートではない。運という時には心技体を上回る強大な力が付与される。それは絶対無敵の武器であり、迷いなく駆け出す。
デジタルによって取り戻した自信はより強大となっていた。
観客はヒシミラクルの常識破りの仕掛けという異変を感じどよめいたが、レース場のウマ娘はそれとは別の異変を感じ取っていた。
シンボリクリスエスによって失った自信はデジタルによって取り戻した。これで気分よく走れるとは思っていたが、そうはいかなかった。
その思念に代わるように別のウマ娘の強い思念が各ウマ娘達を侵食しようとしていた。発生源はネオユニヴァースだった。
他のウマ娘を飲み込み吸収することで己の存在を大きくする。そして伝える力が強くなり、自分の宇宙が客達に伝わる。それが当初の目標であり願望だった。
だがシンボリクリスエスによりそれどころではなくなり、他者を飲み込み吸収できるイメージが全く浮かび上がらず挫けていた。しかし自信を取り戻し、当初の目標を達成する為に行動する。
自分は黒色、黒色はどんな色でも混ざれば黒に染め上げる。自分はブラックホール、どんな存在も飲み込める。しかしノイズが混じる。
これでいいのか?この方法で宇宙が伝わるのか?
そのノイズは決意を鈍らせる。しかし無視するように他者の浸食と吸収を続ける。今までのやり方では伝わらない。レース以外の方法でも伝わらない。だがアグネスデジタルにはレースで伝わった。これは自分の問題だ、存在感と出力が増せば宇宙は伝わる。それ以外に方法はない。
その時ふと過去の記憶が蘇る。レース以外で宇宙を伝えようと伝達方法を模索した日々、その日々で色々な方法を試した。
短歌、俳句、詩、絵、歌、ダンス、宇宙を伝える作品を作る際に参考として多くの作品を見た。その中に好きな作品とそうでない作品があった。その瞬間閃きが起こる。
他者を侵食し吸収して伝える。それは14種類のウマ娘という絵や詩を消して、自分という1つの作品を周りに見せるようなものだ。
自分が好きでなくとも他者が好きな客も居るかもしれない。宇宙を感じてもらうには興味を持ってもらうのが重要だ、その為には可能性が多い方が良い。
やるべき事は浸食と吸収ではなく共栄共存だった。他のウマ娘をより輝かせ繋げる。自分1人だけでは化学反応は起きないが、繋がるウマ娘が多ければ多いほど化学反応が起きる。
そして輝かせようと助力する事でそのウマ娘と溶け込む。客の中には好みのウマ娘の走りに感動するかもしれない。そして感動を通して、そのウマ娘に溶け込んだ自分にある宇宙を感じてくれるかもしれない。
ネオユニヴァースは浸食と吸収ではなく、他のウマ娘が輝くことを願う。その瞬間に皆が感じていた不快感は消えていた。
本来であればネオユニヴァースは考えを変えず、他者を侵食し吸収しようとしていた。だがデジタルの想いにより自信を取り戻し、力を増すウマ娘達をこの目で見て実際に体験した。
そして他のウマ娘の様子と与えられた力を通してデジタルにある宇宙を感じ、これがより良く宇宙を伝えられる方法だと認識を改めていた。
今まで宇宙を伝えるという行為は己が全力を出しレースに勝つことだと思っていた。だが今は違う。自分が勝って宇宙が伝わってもいい、溶け込んだ他者が勝って、それを通して宇宙が伝わってもいい。その精神性は奇しくも他者の煌めきを感じたいというデジタルの精神と似た部分が有った。
『ヒシミラクルの動きに連動するように後続勢がペースを上げる。レースは一気に動き始める』
実況の言葉通り向こう正面に入り、後続のウマ娘達がペースを上げる。これはヒシミラクルの動きに釣られたわけではなかった。
多少なりペースが上がっているようだが、前半100メートルのタイムからして、今のペースでも前のウマ娘脚はある程度溜まっているだろう。このまま差が開くとマズい。
中山の直線は約310メートル。東京のように500メートルあるわけではなく、後方不利であり、ある程度距離を詰めなければ勝てないと判断したからだ。
向こう正面になって先頭から最後尾のツルマルボーイまで10バ身差まで詰まる。そして隊列は第1コーナー通過時と変わっていなかった。
ヒシミラクルがスパートを掛けて先行集団を抜いて、先頭に並びかけると客達は期待していたが、ズブさもあるせいか先行集団との差を2バ身差に縮める程度だった。一見特に動きが無いと見られる向こう正面の道中だが、その実は目まぐるしく動いていた。
最初に異変に気付いたのはシンボリクリスエスだった。レースで最も速く走るために適切なペースが存在する。
ある者はハイペースの方が適し、ある者はスローペースが適している。レースの展開によっては勝つ為に最適なペースを無視し動かなければならない状況もあるが、基本的には最も適したペースを刻んだ方が速く走れる。そして気が付けば適切なペースより明らかに速い。
であればペースを落とせばいいと考えるが事はそう簡単ではない。加速すればそれだけエネルギーを使い、その分だけ減速すれば加速分のエネルギーを回復できるわけではない。これではベストパフォーマンスを出せない。意図せずに脚を使わされてしまった。
そしては脚を使わされたのはシンボリクリスエスだけではない。最初から残り1400メートルで仕掛けると決めていたヒシミラクル以外は全員脚を使わされていた。
誰もが適切なペースを保とうする。ましてはこのレースはグランプリ有マ記念、出走するウマ娘は歴戦の猛者達だ、しかし脚を使わされてしまった。
その原因はタップダンスシチーに瞬発力が備わったと誤認した事、そしてペース判断を間違った事だった。
まずタップダンスシチーに瞬発力が備わったと誤認した理由の第1の要因はジャパンカップのレース内容にある。
レースにおいて上がり3F最速タイを出した。だが別に出さなくても勝てるレースであり、むしろ本来のレーススタイルではなく、意図的に上がり3F最速を出すように走っていた。
その為にいったんペースを落とし後続をひきつけたが、そのままペースを落とさなければタイムはさらに縮まっていた。
ジャパンカップは直線前で勝負は決まり、思考に余裕が出来ていた。であればこの勝利を次の勝利のためにどう生かすべきか、それを考えた際に思いつき実行していた。
結果上がり3F最速タイを出し、末脚を持っていると印象付けた。
そして誤認した第2の要因はトレーニングの内容にある。
有マ記念前のトレーニングでは終い重点で走り、連日上がりそのコースにおける3Fにおけるトップクラスの数字を叩きだした。
その様子を見て瞬発力が備わりさらに強くなったと思われ、ファンによって1番人気に押し上げられた。だが結論から言えばそこまでの末脚を持ってはいない。
では何故上がり3Fで好記録を出せたのか?それこそがこの仕掛けの最大の肝であり、数字さえ出せれば成功すると確信していた。
そしてそれを可能にしたのは道具とシューズによるものだった。
かつてトゥインクルレースにおいてあるシューズとある素材の服が猛威を振るった。そのシューズと素材の服を着れば、従来の物と比べて明らかにタイムが縮まり、それを装備したウマ娘が次々と大きいレースに勝利し波乱を引き起こした。だがそのシューズと素材の服は使用禁止になった。
理由としては道具を作っている会社が特定のチームやトレーナーと契約を結び、他の者に使用させないことで公平さが失われる。実力以上のスピードが出れば故障のリスクが高くなる等である。そしてタップダンスシチーはこの道具をトレーニングで使用した。
レースで使えば無論反則で有り、トレーナー資格はく奪の可能性すらある。
しかしトレーニングで使用してはならないという規則はない。野球で飛ぶバットを試合では使ってはいけないが、練習では使っていいのと同じ理屈だ。
タップダンスシチーのトレーナーはジャパンカップの走りを見た瞬間に、これからやろうとしている仕掛けを察知し、即座に道具を取り寄せた。幸いにもコネがあったので直ぐに取り寄せられた。
人は数字に騙されやすい。末脚があると誤認させるのに手っ取り早いのは、トレーニングの際にタイムを計る機械を弄りタイムを操作することだが、それは不可能だった。であれば走る者のスピードを意図的に上げて、タイムを計らせればいい。
最初は薬剤などで一時的に身体能力を上げる方法を考えたが、本番で効果が抜けきらず、露見した場合の世間の心証が最悪なので却下し、道具でスピードを上げることにした。
結果的にマスコミやファン達は勿論、相手陣営も誤認してしまった。
そしてレースにおいても仕掛けを施した。前半700メートル時点はスローペースの流れで走り、そこから少しずつペースを上げていく。
そこで重要なのは前半1000の通過タイムを速すぎない事だ。勝つ為に体内時計でペースを判断するのは重要であるが、全力でなくともそれなりに力を出した状態でペースを正確に判断するのは至難の業だ。それが出来るのはごく一部で大概は精度が低い。
そこで役に立つのが場内実況だ。実況は見ている者にも状況がわかるように中長距離のレースでは前半1000の通過タイムを言い、それを聞いて判断基準にするウマ娘も居る。
そして前半1000メートルだけでレースの流れが決まったと思う者も多く。前半1000メートルが速ければハイペース、逆だったらスローペースと断定してしまう。
タップダンスシチーはその認識を利用した。前半1000メートルをスローペースと判断する速度に調整し、それ以降も少しずつ巧妙にペースを上げていく。
その証拠に1000メートルからの500メートルの通過タイムは31.3秒と速まり、全体を見ればスローペースでは無く淀みのないペースになっていた。
結果、スローペースと誤認し、瞬発力があり脚が溜まっているタップダンスシチーに勝つのであれば前の者は離れ、後ろの者は差を詰めようと脚を使ってしまった。
他にも幸運に恵まれた要素も有った。まずはバ場状態が不良で、ジャパンカップは重だったので、そのレース内容を思い出し瞬発力があると意識してしまった。
そしてシンボリクリスエスの走りにより心が挫かれ、デジタルによって自信を取り戻したなど、良くも悪くも心が乱されペースを判断する思考が失われていた。
勝つ為に道具を使って瞬発力があると誤認させる。これこそがタップダンスシチーが提唱する勝負に全力を尽くす勝負力の最たるものである。
勝負力で有利な状況を作り、鍛え上げた心技体で作戦を実行し、運の要素で成功を後押しする。これが合わさったのが実力で有り、この状況は紛れもなく実力で作り上げたものであった。
『そしてタップダンスシチーが一気に動いて逃げる2人に迫る。有マ記念でも強気に自分達のリズムを刻むぞ』
作戦は功を奏してある程度脚を使わせた。あとは自分達の走りで押し切る。タップダンスシチーはもう1段階ギアを上げて先頭に迫り、内ラチ側を走るアクティブバイオとザッツザプレンティを抜く。
認識して脚を使うのと、認識せずに脚を使わせるのでは体力の消費度は大きく異なる。2人もここが勝負所と必死に食い下がるが、タップダンスシチーに付いていく脚は残っていなく、少しずつ離されていく。
そして先行集団も後続集団もタップダンスシチーに付いていこうとギアを上げる。想定より追走するスピードが遅い。スローならここまで鈍くはなく、改めて足を使わされたのを実感する。
そしてタップダンスシチーが抜いてから数秒後、先行集団の先頭に居たリンカーンとゼンノロブロイがアクティブバイオとザッツザプレンティを外から抜きさり、すぐさまシンボリクリスエスとウインブレイズが抜いていく。
そして先行集団の中でデジタルだけが外から抜かず内ラチ側に居た。
デジタルには2つの選択肢があった。先行集団と同じように逃げウマ娘2人の外を回って走るか、逃げウマ娘の後ろに潜んで内ラチ沿いを走るか。外は走れば距離が増えるが綺麗な芝を走れる。内側は多少芝が荒れても最短コースを走れるメリットがあった。
其々のデメリットとメリットを考慮した結果、内側を走る事にした。だがこれはある意味消去法で、コーナーの最中に外に回ればウマ娘を感じられなくなる漠然とした予感があり、直線に入って外に出しても同じという予感があった。故に内側を選んだ。
そして目下の問題は迫ってくる逃げウマ娘2人だった。このまま垂れてくれば壁になり減速しなければならず、そうなっても目的を達成できない。
外も内も分が悪いが内には僅かな可能性がある。それは2人が息を吹き返し盛り返してくれるか、コーナーリングが下手で外に膨らみ、空いたスペースを通るという選択肢だ。
完全に他力本願だがタップダンスシチーの作戦により外を回る体力と脚を削られ、それしか方法が無かった。
ヒシミラクルは運が良いと褒めた。ならば日本のウマ娘の中で運が強いウマ娘が褒めてくれた運に賭ける。
デジタルは2人の背中が迫るのを見ながらもスピードを落とさず、外にも出さず突き進む。その時2人の身体が左に移動した。
コーナーリングの熟練度、身体の疲労、荒れた芝と上に載っていた雪、様々な要因が重なり合った結果、2人は左に寄れて1人分のスペースが生じ迷いなく飛び込んだ。