IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
惣万「赤と緑のキャラねぇ…俺実はこの色の組み合わせ苦手。目に優しくねぇし毒々しいしケバイし」
千冬「ん?なんでお前そんな特徴知ってるんだ?一夏しか見てないはずでは?」
惣万「そりゃあれだよ、読者が知ってる設定は作品内で周知の事実として扱いされるパターン」
一夏「メタいなぁ!つか俺もスタークの記憶は消えるんだけどね…ではどうぞ」
「………………っ、はッ!?」
……ここは、何処だ……?いや、前に惣万にぃに教えてもらったぞ……こういう時はまず……。
「知らない天井だ……」
……うん、俺にネタ発言って似合わないな……。えぇと……?俺は織斑一夏。姉、織斑千冬の第二回モンド・グロッソを不本意ながらも従弟と一緒に見に来て……些細な言い争いから別行動になったんだよな……?その後……?
赤いパワードスーツの怪人……『ハザードレベルは2.3か』スマッシュ、千冬姉の阻止・スターク/人質【デビルスチーム!】『記憶を消すだけだ』煙…………。
「……ッ、ワァァァァァッ!?」
「…………んぁ、……っ!?……っオイチッピー‼沖田‼……っじゃねぇ起きた‼一夏が起きたぞ‼」
「……っ何ぃ!?本当か惣万‼」
俺が眠っていた病室の外が騒がしくなる。だが俺の頭の中は脈絡なく情報が結合し、乱雑に言葉が入り乱れ、極彩色のコラージュを見ているかのように気分が悪くなる。ベッドの上で嘔吐してしまう。
「一夏!?大丈夫か!?」
「オイ千冬!コレ、ビニール袋!」
差し出されたエチケット袋に胃の内容物を吐き出す………………、ハァ……ハァ……、……落ち着いた……。
「ち、ふゆねぇ……?そうまにぃ……?ここ、は……?なん、で……いるの……?」
「よーしよし、落ち着いたな?……俺か?お前が昏睡状態になったって聞いて、日本からドイツにはるばるやって来たんだぞ……。一夏……、何があったか、覚えているか?」
惣万にぃが背中をさすりながら俺に優しく問いかけてくる……、あれ……?
「………………覚えて……ない……?モンド・グロッソを見に来て………………」
「そう、か………………」
惣万にぃは辛そうな表情になり、言葉を続ける。
「お前はな、一夏……誘拐されたんだよ……」
「え……?」
そう言って惣万にぃはちらりと千冬姉の方を向く。千冬姉は無表情のまま、唇を噛み、目を伏せる……そして俺の前まできて頭を下げた。
「……本当にすまない……っ、私が不甲斐ないばかりに……お前を危険に晒してしまった……っ、何が世界最強だ……私は……私は……っ、大切な弟さえ守れなかったのに……っ、一夏……ごめんなさい……っ!」
うっすらと目が潤んだ千冬姉は、やるせなさからか、自分への怒りからか肩を震わせて俺のベッドに一滴の雫を垂らした……。
「……何で千冬姉が謝るんだ……?誘拐されたのが事実なら、本当に悪いのは何も出来ずに連れ去られた力のない俺の方だろ?」
「っ、そんなことは無いっ!私がもっと最悪の事態を予想していれば……一夏たちに厳重な警護を就けたりしていれば防げたことなんだ……だから……」
「んなこと言ってもな……誘拐された時の記憶が……サッパリないワケだし……」
「何……っ!?……それが本当なら大変だ……!?は、早く検査を……!?」
―パンパンッ!―
「「ッ!」」
俺らが言いあっているところに、乾いた音が響く。
「はいはい、二人とも落ち着け?千冬も気が動転してるのも分かるが、今一夏は病人だからな?精神的主柱のお前が焦れば一夏の体に障るぞ?それに一夏、今回の事故は誰も予期できねぇよ……千冬の優勝阻止の為だけにお前を誘拐するなんざ……」
両手をはたいて俺達を落ち着かせる惣万にぃ。
「……惣万……済まない……少し冷静さを失っていた……」
「いいっていいって」
……ホント、千冬姉と惣万にぃって息ぴったりだよな……くっついちまえばいいのに……。
「って……ちょっと待って惣万にぃ……、千冬姉の優勝阻止……、って言った……?」
「ん……あ、あぁ、大会の運営委員会に通信があったらしい。四十代らしきの男性の声でお前を誘拐した、織斑千冬を決勝戦に出すな、って概要の通信が来たって……そうだよな、千冬?」
「その通りだ……、目下ドイツ軍が調査中だと言うが……次このようなことがあればこの借りは返させてもらおう……」
目に見えて義憤を募らせる千冬姉……。
「……。つまり俺のせいで千冬姉は二大会連続優勝記録を逃したってわけか……」
「……それは違う、一夏」
惣万にぃが優しい笑みで俺にやんわりと注意を促す。そして千冬姉のことを指差し、きっぱりと言い切った。
「一夏。こいつはな、馬鹿だ」
思わずずっこけた。
「何だと……?」
「まぁ聞け……、お前から見て千冬はどういう存在だ……?」
俺にとっての……千冬姉?
「えぇっと……?まず、家事ができないな?それに……ガサツでズボラだ。あと……俺らに厳しいよな……?」
ん……?何か千冬姉がレイプ目になってるな……、ま、いいや、これを機に女子力アップを図ってもらえれば……。
「でも……、本当は俺のこと、大好きだろ、千冬姉は?」
「……っ、何ストレートに言っているんだ……っ!」ヽ(///△///)丿
「そうだ、こいつは弟馬鹿でブラコンで、不器用であったかい心の持ち主だ……そんな奴が、モンド・グロッソの優勝のことでお前を責めると思うか?」
「いや、弟馬鹿もブラコンも同義な気が……」
軽口を叩きながら思わず千冬姉を見る……千冬姉は居たたまれない気分になったのか、頬を桜色に染めながらそっぽを向く。
「それは……」
それが答えだった……あぁ、分かってはいたが、はっきりと千冬姉の真意を読み取ったのは初めてかもしれない。千冬姉は俺のことを、今までも守ってくれていたんだ……。
「あぁ、分かった……、ありがとう、千冬姉、惣万にぃ……」
………………でもさ……、それでも……。それで俺が許されるのは違うんだろうな……。
「………………それでも、今の俺には、自分ぐらいを守れる力が必要なんじゃないか……?こんなことが、もう二度とないように……!」
もう、俺の無力で、誰かの足を引っ張るのは……真っ平だ……。
「……一夏……だが……」
ポン、と千冬姉の肩に惣万にぃの手が置かれる。
「……千冬。いいんじゃないか?……そろそろ一夏も、守られるだけの子供じゃなくなった、ってこった。もう、こいつの人生はこいつで決められる……。ここからは、一夏だけのステージになるだろう」
「……だが……」
意外に渋る……まぁ、千冬姉は……長女として家族を支えるために無理矢理に大人になるしかなかった……そんな人だから、大人の汚さを良く知っているんだろうな……。
「何も……明日明後日に、急に大人になるわけじゃない……ただ、自分にしかできないことを、自分でする……それが大人たちの言う、『大人になる条件』の……責任ってヤツなんじゃねぇかな?」
ゆっくりと顔を俺に向ける二人。
「千冬、覚えておきな。人生ってのは導けるものじゃないんだよ。俺達ができるのは、それを手助けしてやることぐらいなんだよ」
……フッ、っと千冬姉の身体から力が抜ける。
「……そうだな、……一夏、本当に……気が付かないうちに、大人になったな……」
優しく俺の頭を撫でてくる二人……、アレ?早速子ども扱いされてない……?
「あ、そう言えば……誘拐犯の名前が『スターク』とか言ってたな?外見は朧気で覚えてないけど……」
ぴたり、と千冬姉の手が止まる。
「!……、そうか……私の足止めに来た輩も、同じ名前を言っていた……これは……ドイツ軍に聞くことが増えたな……」
「……それと、千冬。お前、何か言って無いことあるだろ」
言って無いこと?……そう言えば……ドイツ軍って単語がだいぶ出てきたよな、今までの会話……もしかして……。
「……そうだな……私はこれからドイツ軍所属の教官を務めることになる……だから……非常に心苦しいのだが……惣万に折り入って頼みがある……私の弟たちを、その間だけ預かってはくれないか……?」
「分かった。一夏もそれでいいか?」
「え……あぁ、俺は良いけど……その」
「……、節無か……」
俺達は思い切り顔を歪める。最近では俺達姉弟と従弟の節無との間で修復不可能なほど亀裂が入っており、一時期では千冬姉が別居も考えていたというから救いが無い。本当に言う事聞かなくなってきたんだが、どうしちまったんだあいつ?
惣万にぃも苦虫を嚙み潰したような表情をしちゃってるし……。
「まぁ、それは千冬に任せるが、いいのか?俺が二人纏めて見てた方が安全だぞ、
「……。取り敢えず私が聞いてみるが……。恐らく一夏だけがそちらに泊まることになる。よろしく頼む……」
「任せとけ、帰ってきたら一夏の料理の幅も広がってることを受け合おう……もしかしたらプロのバリスタになってるかもな?」
「ハハハ、それは楽しみだ。私が淹れても味が致命的にワンテンポずれているからな……」
千冬姉、そこは笑わんでくれ……あれ飲んで俺も惣万にぃも腹下したんだから……。箒が【nascitaで何シタ事件】って名付けた殺人(未遂)コーヒー事件だったから……。
脳の回転が一般的になって頭が良くなった一夏。アレ?コレ最強じゃね?
※2020/12/08
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部