IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N   作:サルミアッキ

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惣万「さてさて、時は少し過ぎ去って、2022年の1月。さぁて、そろそろ一夏の受験シーズンに入るんだが……」
???「まってよ~かんちゃ~ん…」
???「本音、はやくっ…この周辺には仮面ライダー目撃情報がある…!もしかしたらお礼言えるかも…!」
???「う~ん、げんきだね~。…どうなることかとおもったけどよかったよ~」
惣万「あれ?何か通り過ぎってったあの子たち、今仲良くないはずなのに……」


原作開始編
第十八話 『非日常へのランナウェイ』


「無許可で戦闘行為をする二色のバイク乗り?都市伝説『仮面ライダー』に迫る……ねぇ……」

 

 あれから半年か……。本格的に世間に『仮面ライダー』のことが浸透し始めている。ある男は「怪物と戦う現代の英雄」と讃え、片やある女は「ISの出来損ない」とかほざいている。

 

「まぁ仮面ライダーより、今は一夏と節無の入学のことだよ、なっ……」

 

 一夏については何ら問題はない。あいつの人となりは子供ながらに立派なもんだ。恋愛感が頑固一徹になっちゃったのはまぁ…どうしてかはわからんが、後ろから包丁で刺されるなんてことにはならんだろうからまあ許容。

 問題は、節無の方だ。ヤツ、どうにも危険っつーか、出生がアレ(・・)だろうし、なにより近頃は幼稚性を隠さなくなってきた。初めて会った時からどうにもそんな雰囲気あったし、千冬や一夏も一緒にいるのを躊躇うとか相当だぞ?

 

 そして何より、アイツ…――――昔会ったシリアルキラーとかそういう類と似た目をしてやがるんだよなぁ。不穏な事件が前に一回起こったけど、証拠はつかめなかったし、真実は藪の中だし。

 まぁ、ずっと監視しててあっちも俺に気付いていたから互いに不干渉条約結んでるみたいなもんだし。動きがあるとすれば、この一年かな。

 

 

「はぁ……、暗躍するには、厄介な問題が山積みだなぁオイ……、ム、痒いな背中……」

 

 俺はタブレットを操作し、見ていた掲示板のサイトを閉じる。そして手に赤い光を纏わせ、雑巾の様に絞り、棒状にしたタブレットで背中を掻くのだった。

 

「あはっ♪」

 

 

一夏side

 

「……何でこんなことになったんだ?」

 

 右見ても――――女子、左見ても…女子。後ろ向いても、女子!よし一言良いか?

 

 ……ふっざけんなぁっ⁉

 

 俺はただ独り、ハァとため息を吐く。何で男の俺がIS学園に入学しなければならなくなったんだ…!?

 

 右斜め後ろの席では従弟の節無がヘッドホンして何か聞いていやがる……、こういう時あいつのマイペースさが羨ましく……いや、ならねぇな。山田先生涙目だよ。周りちゃんと見ろよ。

 

「えぇっと……それじゃあ次は、織斑一夏くん?自己紹介お願いします」

「あ、はい」

 

 目の前のあどけないが、一部が千冬姉以上な副担任の先生が俺に声をかけてくる。俺は立ち上がり、頬を掻きながら自己紹介をする。

 

「えぇと、ご存知かもしれませんが織斑一夏っす。えーっと、特技は料理と格闘技です」

 

 ほうほう、と周りの女子連中は首を振りながら俺のことを見てくる……っかしーな。俺、今肉食獣か何かから狙われてるような……そんな錯覚に襲われてんだけど?

 

「まぁ取り敢えず、この学校で三年間、充実した毎日が過ごせたらなぁ、とか思ってます。どうかよろしく」

 

 うん、自己紹介としてはまぁまぁかな?そう思ってクラスに目を向けると……。

 

「き……」

 

 き?……あ、これ駄目なヤツだ。只今俺の中の俺が絶賛危険信号を発令し警告してる。

 

「「「キャアァァァァァァァァァッ‼」」」

 

 うわあぁぁぁぁぁぁ!?うるっせぇ!?だからこう言う女子のノリって苦手なんだ!嫌いじゃないけども、もう少し慎みを持て!?

 

「切れ長の目!クールで素敵!」

 

 そうかい、千冬姉譲りだよ。

 

「ちょっと不良っぽい!だがそこが良い!」

 

 お前等だって制服改造してんじゃん。あ、因みに俺は制服のズボンを黒に変更して、チェック地の服を腰に巻いて結んでいる。惣万にぃに選んでもらった。

 

「この素晴らしい出会いにHappy birthdayッッッ‼」

 

 俺の誕生日は9月27日だ。つか何で誕生日だ?

 

 

「やかましいぞ、小娘共!」

 

 その言葉と共にドアが開き、黒いスーツに黒髪を後ろで束ねた凛とした美人(笑)が教室に入って来る。周囲の女子連中は……、あ、コレ第二波が来るわ。ではではカウントダウン。さーん、にー、いch

 

「「「――――――――――――――――――――ッ!!!!!!」」」

 

 あっズレた!でもセーフ!耳の中に指ツッコんどいて良かった!マジでよかった!

 

「本物よ!本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした!」

「私お姉様に憧れてこの学園に来たんです!天ノ川学園都市から!」

 

 でも私生活を見たら幻滅するだろうな……絶対。次々と飛び交う黄色い歓声。千冬姉は鬱陶しそうな顔をしている。

 

「……、よくもまぁ毎年コレだけの馬鹿者が集まるものだ。……嫌がらせか?……あぁ、コーヒー飲みたい……」

 

 大変だな、千冬姉。あと本音出てんぞ。初め千冬姉がIS学園に勤務するって聞いた時は惣万にぃと一緒にビックリしたけど……ちゃんと先生できているのな(親目線)。

 そんなことを思いながら目頭を押さえれば、つかつか歩きながら生徒の心構えを説いていく千冬姉。まぁ今喋ってる内容、軍隊みてぇだけど。って……!?

 

―スッパーンッ!―

 

 俺の脳天に出席簿が突き刺さりそうになる。あっぶな!一体何で出来てんのコレ!?防いだ手の骨まで衝撃ががががが……、いったぁぁぁぁぁっ!?

 

「……あ、ああああ危ねぇな!?何すんだよ!?」

「今何か失礼な事考えただろう?」

「エスパーかよ!?」

「ほう、ということは何か考えたのだな?」

「誘導尋問!?うわ汚い!千冬姉汚い!」

「千冬姉言うな、ここでは織斑先生だ」

「へ、へいへ~い、Mrs織斑」

「私は結婚していない!……何を言わせるんだ愚弟ィィッ!」

「いや、惣万にぃといい感じじゃ……ギャァァァァァァァァッ!?」

 

 アイアンクローを喰らった、ぎゃー(しばらくお待ち下さい)

 

 

 

「……う~ん、終わった終わった」

 

 あーあ、さっきから視線が鬱陶しい。まぁ物珍しいのは分かるけど……俺は客寄せパンダじゃねーんだよ……。んじゃ。

 

 俺は窓際に座っているポニーテールの女子にゆっくりと近づく……、そして――――

 

「……よう、“おかえり”、箒」

「……っ……、うんっ……“ただいま”、一夏!」

 

 花が咲いたような笑顔で俺に返事を返してくる、俺の幼馴染……篠ノ之箒。

 

 あぁ……、良かった。約束、覚えていてくれたんだ。

 

 

 

 休み時間、箒を誘って屋上に来た。

 

「ひゅ~っ、いい眺めだな」

「あぁ、私もそう思う」

 

 青い空と蒼い海が麗らかな春の日差しを受けてキラキラ輝いている。……昔、箒と別れたのも、こんな青空の日だったっけ……。

 

「んじゃ……改めて。久しぶりだな、箒」

「あぁ、また会えて……嬉しい、一夏」

 

 そう言って俺に微笑む箒。頬を桜色に染め、昔は仏頂面だった整った顔を優しく緩める。

 

 ……思わず顔が熱くなった。

 

「……?どうした?」

「あー、うん。……、そ、そう言えば箒って最近剣道の大会で優勝したらしいな?」

「っ!新聞を見てくれたのか……」

 

 照れくさそうに頬を掻く幼馴染み。

 

「そう言えば……一夏、お前はもう剣道をやってないのか?」

「あー……まぁ時たま千冬姉と試合をする以外は。剣道場がなくなっちまったし。それに惣万にぃと組手な毎日だったからなぁ……少し勘が鈍っているかもしれない」

「そうか……なら、私で良ければ剣道の練習相手になろうか?」

「おっ、ラッキー!頼める?」

「あぁ、私で良いのなら」

 

 気が利くようになっていたのに俺は驚く。小学生の頃は幾らかつっけんどんな態度でしか感情を表せなかった箒が……。

 

「成長したなぁ……」

「?……!……一夏、胸を見て言うな」

 

 …………ほぇ?

 

「え?……あっ!?……いや違う!?違うからな!?」

「……気にしているのに。まぁ、年頃と言うのは……分かるが」

 

 うぉおっ!?その顔で見るなっ、破壊力抜群…!思わず顔を真っ赤にして黙り込む俺と箒…。

 

 き、気まずいわ…。なんだこれ、いやまぁ、前々から会いたいと思ってたけど!こんなに言葉を口に出すのって面倒だったっけ?

 

 

―………………キーンコーンカーンコーン………………―

 

 ………………ん?

 

「………………。なぁ箒。今の、チャイムだよな……」

「……そうだな」

 

 俺達の間に一寸の沈黙。そして………………。

 

「「……、マズいッッッ!?」」

 

 その後、教室に到着した俺達の頭に出席簿が突き刺さったのは言うまでもない………………。

 

 

 授業を受けながら考える。何故俺がこんな所に来ることになったのか……。

 

 

 

 きっかけとなったその日、俺は藍越高校の受験会場に入り、単語帳や公式を振り返っていた。ふと席を立ち、トイレに寄ろうとしたとき……。

 

『よーう、第二回モンド・グロッソ以来だな?織斑一夏』

 

 柱の影から毒々しい赤色のパワードスーツの怪人が現れた……。

 

 その瞬間、第二回モンド・グロッソの出来事が途切れ途切れだが蘇りだす。

 

「お前は……っ!あの時の……!スターク……!?」

『おぉ覚えてくれているとは嬉しいねぇ。……悪いな、俺が#1(プリメーラ)だ』

「いや、どこの破面ナンバーワン⁉名前繋がりなだけじゃねぇか⁉」

『惜しい!俺の本名はブラッドスターク。以後、お見知り置きを……っと!』

 

 相手は飄々と俺のツッコミをスルーし、俺に向かって腕についたチューブの様なモノを素早く伸ばす。そしてその先端が俺の脇腹に刺さり……、俺は意識を失った。

 

 

 

 そして気が付いたら、試験会場内に設置されていた一台のISに搭乗しており、その状態のまま女性職員の人に発見されることになったのだ。

 

 

 それ故、俺は藍越学園の入試は取りやめになり、千冬姉と共にIS学園に入る準備をすることになった……。その時は慌ただしかった、家にこもりっきりでISの参考書を読んだり……女子は学校で習うであろう基礎知識を数週間で覚えようとしたり……、うん、もうこんな経験はしたくねぇ。

 

 世間では、『俺がISを動かした』、ということで全世界的に男性のIS適性一斉調査が行われ、従弟の節無にも適性があることが発覚した。しかも俺が『B』であるのに対しあいつが『S』だとか。

 委員会の役員たちは節無に専用機を、とか言ってたな。俺としては面倒事を全てあいつが背負ってくれればラッキーなんだが……、大丈夫かなぁ。

 

 どこがとは言わないが、何か節無、成長してもどっかしらが子供のまま狂ってるみたいでな…――――。

 

 

 そんなこんなで俺の女子高での生活が始まったのだった。




 ワンサマーインイチカ『オォラァ!(自己紹介)』クラスメイト「「「キャアァァァァァァァァァ‼」」」

 最早原作の面影無ぇぇぇ……。

※2020/12/25
 一部修正

今後の進め方の優先事項

  • 瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
  • 夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
  • ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
  • 全部

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