IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
本音「かんちゃんってばアクティブになったよね~。バイクの免許取得に向けて勉強してるし~」
簪「…バイク、かっこいいなって…。あ、ISにも専用ビークルとか付けたら凄いことになりそう…」
本音「え~?そもそもISが乗り物みたいなものなのに~?」
簪「…独立起動型バックパックは普通過ぎる…。かと言って奇をてらいすぎたデザインだと知名度はアップするだろうけど愛着が浸透するのに時間がかかる…特撮ヒーローの新シーズンで『え、何コレ』ってなるあの感じ…。うーん、丁度良いデザインって難しい…」
本音「お~い、かんちゃ~ん?…だめだ~何も聞いてないよ~?」
戦兎「お、面白いことしてるね!オレも一口のって良い?」
簪「ん、こんな事考えてて…」
戦兎「おぉう、中々!あ、簪ちゃんだったよね、このプロトコルのここはね…」
本音「うわーなんかすごいことになりそう…」
織斑一夏は夕日の中を歩いていた。片手に箒から預かった青い龍のボトルを握りながら。先頃の因幡野戦兎の説明を受け、思う所がった。
(それじゃあ、俺は何で人体にその物質が入れられたのに、変化が起きなかったんだろうか……)
一夏にとっての無力の象徴となった出来事、第二回モンド・グロッソ。その時のことは大体思い出していた。その時に
「っと……」
「む?」
考え事をしていたためか、目の前にいた人物にぶつかってしまった。
「あ、すいません。考え事してて…――――っ!?」
「…驚きましたか?この顔に」
目の前にいた銀髪の人物は丁寧に、しかし不快感をあらわにしながら答えた。左側の首元でまとめ、体の前に垂らした上品な銀髪。造られた白磁の様な肌。それと対照的な黒いパンツスーツ。理知的だがどこか荒々しい赤い瞳……。
だが何よりも一夏を驚かせたのは彼女の顔の左側だった。黒光りする金属製のパーツに青く光るライン。目と同じ位置にカメラが付いたサイボーグの仮面を被っていた。
「…すみませんでした、不快にさせてしまったのなら謝ります」
「いいえ、結構。今謝罪など不必要ですよ。そんなことより、今は日本代表候補生のISの整備をしに来たのですが」
「……あぁ、更識簪の。あ、倉持技研の方ですか?」
「はい、私は最上カイザといいます。彼女がどちらにいるかご存知ですか?」
「あ、ハイ、えぇと……さっき食堂に行く、と」
「感謝します」
一瞬、敵意の混じった視線が気になるも、一夏はその場で『最上カイザ』と言った人物と別れた。それが後に敵として立ちはだかる人物とは知らないまま……。
(それにしても、不気味だな。こうも
思考を先程の説明に切り替える。
(いや、もしかしてこれは……――――。俺達が偶然被害に遭っているというわけでは無く、被害に遭った我々を使って何かをしようとしているんじゃないか…?)
そんな思考は長く続かなかった。
『よぉ、久しぶりだなぁ。イチカ・オリムラ』
物陰から、赤い目、銀髪に白い詰襟服の少女二人を引き連れて
「……ッ!ブラッドスターク!」
『おぉ?随分と殺気立ってるな?』
「当たり前だろ……!お前等ファウストがしたことを考えてみろ…!」
『あぁ?……あぁ。ホウキ・シノノノのことか』
一瞬考えこんだように黙ると、ハッと顔を上げる。
『あー…?ホウキ・シノノノの件は
「てめぇ……」
大袈裟に歩み寄り天を仰ぎ見る血塗れの蛇。
『オイオイ、待て待て。今回の件は俺としても心苦しい。だから取引だ』
「はぁ…?」
ホールドアップし、戦闘の意思が無いことを示す。
『ローグの奴はうちの組織の中でも急進的思考回路を持っていてな。俺と行動する理由は少し違う…』
やれやれと言ったふうに首を振るスターク。
『ローグはセント・イナバノが成長することよりも……、お前、イチカ・オリムラに目を付けた』
「…俺に?」
いやな予感がした。これ以上聞いてしまえば後戻りできなくなる――――それも自分が罪悪感で苛まれる様な、そんな予感が。
『そう、お前はセント・イナバノと同じようにライダーシステムを使う資格がある』
おめでとう!と言うように心からの拍手を送るスターク。
『そしてライダーシステムは人の感情の昂ぶりによって進化するんだ……』
そして、最悪な一言をも一夏に送る。
――――例えば……そう、大切な人を傷つけられた、怒り、とかな
『つまりここまで言えば分かるよなぁ……?』
「…、――――ッ?」
両手を広げ、答えを一夏に促す。
対面する一夏の顔色は悪い。……そして、震える口を開いた。
「……さか…、まさか――――俺の、せいなのか…?箒の片目が見えなくなったのは…――――ッ!?」
『That’s right!』
喜んだような身振りで両手で一夏を指さすスターク。
『だが、俺としてはセント・イナバノの成長の余地も捨てきれない』
動揺した一夏を放っておき、スタークは続ける。
『それに、今のお前では体に負荷がかかりすぎる。急激にお前が自分の限界を超えて成長し、キャパオーバーで死んでしまったらライダーシステムを使う人間が減ってしまう……。そうなったら俺も人を見殺しにしたみたいで悲しいんだよ』
再び天を仰ぎ、ため息交じりに同情の言葉を口にする。
「…――――の、…どの口がッ!」
静かに沸々と怒りを滾らせる一夏。だが、それをも黙らせる一言をスタークは投下する。
『そこで一つ交渉となって来るワケだ、俺達はセント・イナバノが浄化したフルボトルが必要なんだよなぁ……』
そう言って指を鳴らすと、背後に控えていた少女たちは手にナイフを持ち、それで……。
『
「え!?」
声も出さずに無心でナイフを動かす。
「……っ」
「……!」
躊躇なく顔に突き立て、縦に横に動かし、その端正な顔を切り刻む配下の少女たち。驚いている一夏を尻目にブラッドスタークは言葉を続ける。
『お前たちが持っているフルボトルを俺達に渡せ。そうすればホウキ・シノノノの目と火傷を治してやる。こういうふうにな』
その言葉と共にブラッドスタークは手をかざすと、手から煙が噴き出し…――――彼女たちの顔を元に戻した。文字通り『元通りに』、である。
「っ!?…嘘だろっ!何かのトリックじゃ…」
傷一つ無い二人の少女の顔を見て、一夏は嘘だと言いたかった。だが……実際に見てしまっては信じざるを得なかった。
『トリックだと思っても良いが……、このチャンスを棒に振るのか?今までホウキ・シノノノのことを考えていたんだろ?お前にとって死ぬほど大切な女なんだろ?彼女の為になるのならどんなことだってできるんじゃないのか?……それがお前にとっての
「……っ!」
思わず否定しようとするも、一夏の喉から声は出ない。口を開こうとして、また閉じる。その繰り返し……。スタークはそれを無機質なバイザーを通して静かに見ている。
『まぁいい……、一週間待ってやる。もしホウキ・シノノノの顔を治したいのなら、それまでにセント・イナバノからフルボトルを奪っておけ』
血染めの蛇は銀髪の二人の服の血の跡を煙で綺麗にしながら、片手に銃を取り出す。
「あ、おい!待て!」
『待たない。じゃあな……よく考えることだ、Ciao♪』
トランスチームガンから煙を周辺に振り撒くと、銀髪の少女たちと共に消えていった。
その場に独り、取り残された一夏。
「フルボトルをあいつ等に渡せば、箒の火傷と…目が治る…――――?」
一夏の心を嘲笑うように、夕暮れの中浮かぶ月は、ニヤニヤと目を細めたような……どんよりとした三日月だった……。
最終回の仮称:トライアルフォーム(ラビットドラゴン)って……映画の予告でちらっと出てたんでスーツ作ってあるかと思ってたんですが……CGでしたね……。でもかっこよかったです。出そうかな……。
※2020/12/11
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部