IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N   作:サルミアッキ

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惣万「おぉ、遠路はるばるご苦労さん。歓迎したいがもうIS学園に行くんだろ。到着したら真っ暗だろうが大丈夫か?」
鈴「お心遣いありがとうございます、惣万さん。大丈夫ですよぉ、これでも口も回るし腕も立ちますんで。チンピラなら金的すれば撃退できますし!」
惣万「そうじゃねぇんだが…、って今更か。昔千冬もびっくりしてたしな、お前の身体能力のポテンシャル」
鈴「え、そうなんですか?初耳なんですが」
惣万「(生身で怪人倒せる赤心少林拳の門徒のクセに何をいまさら…自覚無しか?)折角だしコレやるよ。飲みながら行ってくれ。一夏によろしくな」
鈴「あ、コーヒーご馳走様です!それでは第二十六話、始まるわよーっと!」



第二十六話 『ファンキーマッチな黒酢豚』

「もうすぐでクラス対抗戦だね」

 

 クラス代表が節無に決まった次の日、一組にある噂が流れてきた。

 

「そう言えば、二組のクラス代表が正式な人になったらしいよ」

「正式?」

「うん、何でも入学に予定が間に合わなかったらしくてね。今までは代行の人がクラス代表としてやっていたらしいよ、何でも中国政府側の手違いで遅れが出たとか」

「へー」

 

 ……ん?中国、か。もしかしなくてもあいつかね?

 

「その通りです。初めましてー!」

 

 一組の教室に礼儀正しくお辞儀をしながら入ってきたツインテールの小柄な少女が……。

 

「今日から正式に二組のクラス代表になった、鳳鈴音といいます!どうぞ、よろしくね!」

「凰鈴音……?」

「それって確か、中国の武道大会で去年優勝したっていう…?」

 

 そう、数か月前に知ったことなんだが、鈴、中国行った後結構有名な大会で最年少チャンプになったんだよなぁ……。俺の周り、ブリュンヒルデと剣道優勝者に拳法中国一位って、キャラ濃すぎじゃね?

 

「いえいえ、アタシなんてまだまだだよ~、上には上がいるって知ってるし……それで、お久しぶり、一夏」

「おぉ……。随分と落ち着いたな、鈴」

「いろいろ言いたいことはあるけど……クラス代表戦、頑張りましょ?」

 

 ……、あぁー、勘違いしているな、鈴。

 

「……鈴。俺じゃねーんだよ」

「え?代表アンタじゃ無いの?って事は…?」

「節無だよ」

「うわぁ……白けるわ。帰る」

 

 途端に顔をこわばらせる鈴。まぁそうなるわな。中学時代、節無、若干鈴に対してストーカー紛いのこともしたことあったし。何か甘えんぼだと思ってたらメンヘラ気質っぽくて怖かったとは鈴の言。千冬姉と一緒に頭下げたのは懐かしいな……。

 

「ねぇ、どういう事?ひどいなぁ、無碍に扱われると傷付くよ」

 

 わきから話に入って来る従弟。

 

「ハイハイ、そろそろ授業だしってコトよ。またあとでね一夏……あ、織斑先生。今日から宜しくお願い致します」

「む、凰か。……早く教室に戻れ、授業が始まるだろう」

「はい、では」

 

 

 

 その後、昼食。食堂でクラスメイトであろう金髪の女生徒とラーメンをすする鈴を見つけたので声をかける。

 

「よぉ鈴。親父さんの具合はどうだ?」

「あぁ一夏。うん、大丈夫そう。もう再発の心配はないみたい。石動さんの紹介で行った聖都大学附属病院で鏡先生って人に執刀してもらって…――――」

「そうか、良かったな」

「ホントよ。全くあの頑固親父ったら…、心配かけたわね。ま、中国の代表候補生になったのも…――――コレが目当てだったし」

 

 そう言って片手でマネーなハンドサインを見せてくる。うーん、強かになったなコイツ。

 

「ホント助かったわよ~、治療費が中華料理店の収入と貯金だけじゃ足りなそうだった所に舞い込んだ賞金制度だったし!えぇと……『財団X』だったかしら?新しいIS評議会のスポンサー企業、太っ腹!」

 

 食器を片付けながら金髪同級生と別れ、思い出話に花を咲かせようとするも……。

 

「やぁ久しぶり、鈴。元気してた?」

「……、節無。お前なぁ」

「……アンタからそのあだ名で言われる理由、無いんだけど」

 

 廊下で俺達共通の苦手な奴にあった……。

 

「ヤダヤダ仲間外れなんて寂しいよ~、僕だって君の幼馴染じゃないの?」

「……小学四年生からの同級生を幼馴染って言うの?無理が無い?」

 

 親し気に近づいてくる節無。こいつ、鈴に避けられているって自覚ないのか?ある意味すげぇな……。

 

「それに、一夏に一言あって僕にはないのはどうなの?ずるいじゃん」

「……それじゃ、アンタに一言だけ」

 

 ひと呼吸おき……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……――――少しは大人になりなさいよ、お子ちゃま。アタシはアンタの『ママ』じゃないのよ」

「……――――えっ?」

 

 鈴はハイライトの入っていない目で、舐めるように節無に侮蔑の表情を向けていた。そして肩を掴み、無理矢理体を自分の方に近づけ、何かを囁く。

 

(アンタがしたことはアンタが責任を取りなさい。なに?弱い子ぶって、アンタの居場所、ここから無くなるわよ?)

 

 八重歯を見せ、はた目から見れば超良い笑顔で耳打ちをしている俺の親友。てか何吹き込んでんだ?大丈夫なヤツこれ?こいつの行く末不安になってきた……。

 

 

(……――――言いがかりだよ。そんな子どもみたいなことするわけないじゃん)

(子どもはそういうのよね…、いい?隠したって無駄だから。証拠がなくとも真意を見抜く人なんてたくさんいるの。アナタ、そのままだと手酷い報いを受けるわよ)

 

 鋭い目つきで節無に感情をぶつけている鈴。俺の耳には届かねぇが、恐らくは節無にきっぱり拒絶の言葉でも叩きつけたのかな?

 

「あら、節無君に凰さん?どうしたんですか?」

「あ、山田先生。何でもありません。少し、昔の知り合いと話をしていただけですから」

 

 ね?と言うかの様に節無に笑顔を向ける鈴。だが、その目は一切笑っていなかった。

 

 

 

(……(これ)は、『ママ』じゃない。千冬姉さんみたいな『ママ』は何を言ってもなあなあで済ませてくれるんだ。僕に構ってくれるんだ、かかりっきりになってくれるんだ、無視なんてしない、しないシナイしないィィィィィ……――――!ぅぅうぅぅゥゥゥッッ!何でなんでナンデなんでェェェ!?『ママ』は僕みたいな弱い者虐めしちゃだめなのに、駄目なのに……――――!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間だけが過ぎていく。燃え尽きた後に残る灰みたいな、無駄にさらさらしている時間が心の潤いを奪っていく。

 幾つもの授業が終わって、周りの連中が和気藹々と幸せそうに過ごしているというのに、俺は気分が優れなかった。午後の授業も変わらず上の空だったらしい。金髪貴族が言うには何度も何度も千冬姉に殴られたらしい。マジかよ、そんなことにも気が付かなかった。

 …まあ、理由なんて分かり切っている。

 

 

 

 ……――――。あの言葉が本当なら、箒の苦痛の原因となったのは、俺なのか。

 

 

――――もしホウキ・シノノノの顔を治したいのなら、それまでにセント・イナバノからフルボトルを奪っておけ

 

 

 

 スタークに言われた言葉がずっと頭の中でリフレインする。

 

 因幡野先生には箒を助けてもらった恩がある。記憶喪失というハンディキャップがあることも理解した。けれど…――――。

 もしものこと、やっても仕方がないことをずっとずっと思い続けている。俺は何を考えているんだろうか。裏切りという行為を肯定して、箒の笑顔を取り戻したいと思う自分がいる。くそっ…俺はこんなにも浅ましい奴だったのか?

 

 考えがまとまらない。頭の中がごちゃごちゃして、目に映るものまで濁っていく。荒れたままの動作で、自室のドアを乱暴に引いた。

 …――――思えば、いつもはしっかりとノックしてから入室するのが暗黙の了解になっていたように思う。だからだろう。

 

「い、い、いちか…?」

「…――――」

 

 目の前にはシャワー室から出たばかりの、同室の幼馴染が立っていた。

 

「な、何見ているんだっ!?見るなっっ‼」

「すっまんッ‼いや本当に申し訳ない‼考え事してて…――――‼」

 

 …――――箒の目から、涙が零れた。

 

「…――――ッ」

「…、箒」

 

 咄嗟に火傷の跡を隠す。

 

「…――――私を、見るな…」

「あ…」

 

 

 …――――。

 

 

「ごめん、な…」

「え……――――あ、いや。そんなつもりじゃない。そんなつもりじゃないんだ!一夏?いちっ…――――!」

 

 

 気がつけば俺は、寮の廊下でドアにもたれかかって座り込んでいた。無遠慮が過ぎる自分の行いに頭を抱える。

 

「…――――」

 

 あいつの涙を見た時、頭の中にガツンと衝撃が走った。それこそ千冬姉のゲンコツが生温いくらいに。どうして、あいつがこんな目に遭わなきゃなんねぇんだよ…――――。

 

 

 

 

 

 

「…――――その、一夏?」

「あ…もういいのか箒…?」

「う、うむ…お前の方こそ、大丈夫か?…思い込み、過ぎてはいないか?」

 

 ドアからひょいと覗く箒の顔は曇っていた。毛先から未だ水が落ちているが、既に寝巻きを着用している。あぁ、すまないと思う。慌てて着替えさせてしまった。

 

「お前の悩みと、私の悩みは別だ、そうでなければいけない…違うか?」

「ッ…、でもお前は、悲しんでいるだろ」

「そう…なのかもな。こうなったのはやっぱりどこか辛く、悲しいことではある…けれどな?」

 

 けど?…、けれど、何だって言うんだ?

 

 

 

「もっと辛いのは、お前をそんな顔にさせてしまったことなんだ…」

「…――――」

 

 俺は、どんな顔をすればいいのだろう。ただ身体を鍛えて、戦いの技術だけを磨いて、学んだことも数多くあった。だが、これはどうしたんだ?昔の俺は他人の心ってやつをもっとわかっていなかったか。

 いや、そうじゃないか。皆変わって成長して行く。誰もが単純ではなくなっていく。綺麗で清いものも、見たくない濁ったものも心の中に抱えなきゃならないっていうのか。

 

「ほら、手を出せ。何を悩んでいるかは知らないが、今は笑ってくれ。私も笑うから。そっちのほうがきっと解決策も思いつくぞ?」

「…あぁ、そうだな」

 

 …――――お前を、もう一回笑わせてあげられるなら…。

 

「覚悟は決めた。俺は、その笑顔を守るよ」

「なっ…一夏!」

 

 が、それがまずかった。手を引っ込めた箒に体勢が崩されて……。

 

「ッぬあ!?」

「いちっ……かッ!?」

 

―ドタドタバターンッ!―

 

「ってて……ん?」

 

 ……。俺の上に着崩れた病衣の箒が跨いで座っている。これ、どう考えてもはた目から見たら『やっちゃった』的な流れになる…よな。

 大丈夫か?幸い、今なら目撃者なんているわけが……――――。

 

「…――――オ、オォ、オォゥ…」

「…――――えぇ?」

 

 前言撤回。この状況を見たやつがいた。誰だ。

 

「…」

 

 ツインテールがへなりと力無く垂れ下がった。……ドアの所にいたのは、鈴でした。何か膝から崩れ落ちたんだが。つか、何でこのタイミングで。

 

「あー…鈴音、さん?」

「……イイノー、トシゴロ、ダカラ……コイビトドーシ、ダカラ」

「あぁっ、待て鈴!話を……っ‼」

「アタシ、オトナダカラ、オドロカナーイ」

 

 油が切れたブリキ人形の様に回れ右した酢豚。おいどーすんだ、桜●学園の小さい方のツインテになってんぞ、ちげぇだろお前。すかさず会長…、じゃなかった箒も弁解する。

 

「ち、違うぞ!?これはそーいうことをしていたのではない!そうっ!これは事ぎょ……っ、じ、事後だッ‼……――――あっ」

 

 あ……っ。(〇事故→×事後)

 

「ここ一番で噛みやがったこのアホウキッ!?」

 

 鈴ちゃん’s頭ん中

事後→プロレスごっこ→■■■→男女のネットリした絡み合い→『しばらくお待ち下さい』

 

「……まして…」

「お、おい?落ち着けよ?お前今何考えた、なぁ?」

「お邪魔して……」

「それ以上はいけない!っておい鈴待てぇ!?」

 

 おいおいおい?(゜♢゜)こんな顔でパクパクしたと思ったらどうした素っ頓狂な声漏らして。やめて止して頼むから!

 

「……ごっめんなさァァあぁぁぁあぁいッッッッ‼」

 

―廊下を走ってはいけません―

 

 土煙を上げながらすんごいスピードで去って行った。

 

「……行っちゃった」

「……そう言えばなんだが一夏、そろそろ寮長の巡回がな…」

 

 ………………(絶望)。あらま、遠くからドドドドドドドドド、と音が聞こえてくらぁ……あはは、あっははははははぁ。

 

「一夏と■■■した泥棒猫はだあぁぁれだァァあぁぁぁあぁッッッ‼」

「うわ最悪のタイミング‼」

「ひぃっ!?」(『アレは姉じゃない、般若だった』、後に一夏語る)

 

「貴様かドロボウキィィィィ‼誰が弟に先越された行き遅れだバーカバーカァ‼」

「千冬ねぇッ!?」

「ごっ、ごめんなさいッ⁉」

 

 おい馬鹿!くっつくな!?お前の胸当たってるから!あ、やばい千冬姉の目からハイライト消えた‼

 

「■oooooooo■iiiiiiiiiiiiiiiaaaaaaaaaaaaar!」

「大変織斑先生がバーサクしてる!」

「一夏君が箒さんと■■■したって!」

「え、これ薄い本ネタにもしちゃ駄目じゃない?どうしよう、不謹慎ものだよ」

「「イーヤーッッッ‼」」

 

 その日、IS学園の寮に、俺ら二人の精神的、肉体的に死にかけた断末魔の声が響いたのだった……。




 おめでとう、ツンデレ鈴は黒酢豚に進化した!<ヨモツヘグリ……!

(闇落ちは無し……かな?)

※2021/01/05
 一部修正

今後の進め方の優先事項

  • 瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
  • 夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
  • ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
  • 全部
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