IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N   作:サルミアッキ

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一夏「そういえば、戦兎さんの本職って科学者だよな?なんでそんな運動神経いいわけ?」
戦兎「む、失礼な!科学者は体が資本なところあるんだよ!徹夜でレポート読み込んだりとか、新機材を開発しなきゃとか、体力ないとやってられないって。運動神経が良くなったのは…あれだ、早朝のランニング?」
箒「あれ、意外に普通だった」
惣万「ついでに戦闘のイロハは俺がちょこっと教えた。柔道と空手、それと合気道の基本から随分と動けるようになったよなぁ…」
箒「惣万さん、一夏にシステマ教え込んでませんでした?」
一夏「どんだけ格闘技が身体に染み付いてんの…?」
惣万「んーと、まずカラリパヤットに、プンチャック・シラット、コマンドサンボ、ムエタイ、中華拳法からナイフ、銃剣術とかもやったな。母親からも幾つか手解きを受けた」
戦兎「一人異種格闘技状態だね、マスター…」


第二十九話 『虚ろなアイデンティティー』

 一夏と箒、それと戦兎がレストランカフェnascitaに泊まり、翌朝。

 

「それで、だ。おい戦兎、くーたんネットの情報網から、幾らか怪しい廃棄された研究所を見つけた。……今日も行くのか?」

 

 石動惣万から、幾枚かの資料を受け取る戦兎。どうやらファウストのアジトの候補地をピックアップしたモノらしい。

 

「うん、オレの記憶を見つける手がかりなら!」

 

 軽やかな口調で答える彼女。だが、惣万の顔色は優れない。

 

「……。お前の知りたくない真実かもしれないぞ……」

「心配しないで、マスター」

 

 間髪入れずに、真面目な顔でその心配を切り捨てる。

 

「オレが恐れるのは、何も知らない自分だから」

 

 

 

 

 そんなこんなで正午。その廃棄された研究所の入り口までやって来た戦兎。そして…――――。

 

「いや、何で俺まで?」

「んー?だって暇そうにしていたし。万が一の場合があった場合、マスターと箒に連絡を入れてくれる人がいた方が良いだろ?」

 

 腕組みしながら眉間をおさえる一夏。無理矢理連れてこられて微妙に頬がひきつっている。まぁ当然である。仮面ライダービルド(ホークガトリングフォーム)の足に吊り下げられて三十分近い生身での空中散歩を敢行したのだから……。オツカーレ<パフパフ

 

「あ、そうそう!前一夏がオレが改造したIS使ったことあったでしょ?」

「あったね……で、何?」

「その時の一夏の大脳皮質のデータやらを取っておいてね……はいこれ」

 

――――ギャオォン!

 

「……っとぉ?何だコレ、ペットロボット?」

 

――――ギャーギャー!

 

「熱ぅッ、熱……っあっち!何だこいつ!」

「あれー?っかしーな。箒ちゃんには懐いてたのに…。まぁ説明すれば君のお助けメカ、クローズドラゴン!一夏の脳とシンクロして超・強力な攻撃を繰り出すことも可能だ!」

 

 一夏の頭に炎を噴き出しながら飛翔する青色の機械のドラゴン。それはかーっ、と口を開いて一夏を威嚇してくる。

 

「箒に懐いたのって……――――それ、俺の脳のコピーだからじゃ」

 

 そんなことをぼそりと一夏はこぼしたのだった……。

 

 

 

 

 そして歩を進めること数分……。

 

「……っ!ココだ……!オレが人体実験を受けていたのは!」

「ここが……」

 

 その廃棄された研究所の地下施設。周囲にはパイプラインが張り巡らされ、暖色の電球が気味悪く点滅している。そして施設の中心には空っぽになったガラスケース。その向こうには場違い感のある豪奢なソファ。混然一体となった場所だった。

 戦兎と一夏は何かめぼしい情報を得るためパソコンや冊子を閲覧するのだったが……。

 

「ん、何だこれ?……メモリ?」

 

 一夏が手に取ったメモリにはラベルが貼ってある。

 

「“PROJECT BUILD”……ビルド計画?」

 

 そのUSBメモリをパソコンに挿そうとした時だった。けたたましく警報が鳴り響く。

 

「!?……クッソ、まだ警備システムは生きてたのか!と、兎も角逃げるぞ!」

『シンニュウシャ、ハッケン!ハイジョシマス、ハイジョシマス』

 

 わらわらとガーディアンの影と足音が戦兎達の元へ向かってきた。

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……ハァ、ここって……ISの開発もしてたのか?」

 

 逃げ込んだ先の巨大な二階建ての倉庫、そこにはISのパッケージや装甲が転がっていた。ガーディアンが一階の部分で二人を探しているのを視界の端で眺めながら脱出経路を探していると……。

 

「……なぁ戦兎さん。ISってさ、中に人入ってるよな?」

「ん?当たり前じゃん?」

「んじゃアレ何?」

「?」

 

 戦兎が一夏の指さす方向に目を向けると……。

 

「あ、ISコア?それを核に、ガーディアンが集まって…?」

 

 フワフワ浮かんでいたコアに、ガーディアンたち数十体が集合、合体し二足歩行ロボットの様なISができあがる。それは正史のガーディアン(合体状態)がさらにマッシブになったモノだった。

 

「無人機?…――――つーか……」

「……でかっ」

 

 そう、一夏が言った通り、この無人機は従来のISの倍以上の体躯をしているのだ。そしてモノアイの視線を二階に向け……。

 

「「……あー、コレは……マズいな?」」

『シンニュウシャ、ハッケン。ハイジョシマス』

 

――――ズガガガガがガガッ‼

 

 薄暗い研究所に、火花が散る。

 

「「どわぁぁぁぁぁぁぁッ!?」」

 

 ガトリングガンの弾の雨あられ。一夏は頭を下げ、戦兎は一夏の背を蹴飛ばし安全圏に避難させる。

 

「これのどこが“無限の成層圏(インフィニット・ストラトス)”だよ!こんなもんただの軍事兵器じゃねぇか!?」

 

 戦兎は愚痴のように吐き捨てると紫と青のフルボトルを手早く振り、ドライバーにセットする。

 

【忍者!タンク!】

【Are you ready?】

 

「変身!」

 

 軽快な音楽と共に前後から紫と青の装甲に挟み込まれ、紫色のマフラーがたなびく。仮面ライダービルドのトライアルフォーム(忍者タンク)である。

 

「コレ、ISとの初陣ってことになるんだよねぇ?クッソ、もうちょっと平和的な初陣が良かったよ!」

 

 そう言うとビルドは右目の視覚センサー『ライトアイタンク』で仮称ISガーディアンを観察する。ISのハイパーセンサー並みの弾道演算によってガーディアンの銃撃を予測し、さらに右目の『レフトアイニンニン』の暗視、敵内部機能のスキャニングで弱点を的確に分析していく。

 

「トライアルフォームといって舐めるなよ!はっ!」

 

 そしてドリルクラッシャーを取り出し、忍者サイドのアーマーの機動力でアクロバティックな動きで翻弄する。

 

「んじゃ、これだ!」

 

 ビルドはドリルクラッシャーに茶色のフルボトルを装填すると、ドリル部分が高速回転しだす。

 

【ボルテックブレイク!】

 

「ハァッ!」

 

 その声と共に突き出した剣先に剛腕状のエネルギーが浮かび上がり、ISのエネルギーシールド、そして絶対防御を作動させシールドエネルギーをゼロにする。

 その瞬間、けたたましい音と共にバラバラと集合していたガーディアンが吹き飛び、機能が完全停止。ビルドと一夏の足元には綺麗な結晶体が落ちてきた。

 

「え……は!?あっけな!?」

「いやぁ、運が良かった!このゴリラフルボトルの能力は低確率で即死攻撃が出せるんだよね……ぃよっし!ISコアゲット!」

 

 変身を解除し、持ち歩いているジップ〇ックの中に放り込む戦兎。

 

「あれ?どったの一夏?真っ白じゃん」

「……アンタが蹴っ飛ばした先が石灰の袋が積まれた場所だったんだよ」

「あ、ごめん……」

 

 戦兎達はガラスケースの在った部屋に戻ることにした。顔をふきながら一夏はISコアを眺める。

 

「それにしても……まさかファウストがISコアを持っているなんて」

「しかも使い捨てみたいな運用の仕方だったな……、っ!」

 

 

 

『だから言っただろ……篠ノ之束に気を付けろってな?』

 

 

 

 物陰から血のような色のゲームメーカーが現れた。

 

「スターク…っ!」

『覚えてくれて何よりだ……あ、出来ればナイトローグのこともちゃんと呼んであげてくんない?あいつの愚痴聞くの辛いんだが?』

 

 やれやれ、と両手を広げるスターク。だが戦兎はそんなことも気にせず、怒り交じりに質問をする。

 

「そんなことはどうでも良い……ここは、オレが人体実験を受けた場所だ……!ブラッドスターク!お前も何か知っているのか……!」

『あぁ……そうだな。教えといてやるか』

 

 ポン、と手を叩くと人を小馬鹿にした調子で説明を始める。

 

『お前だって分かっていたんじゃないか、セント・イナバノ……何故ライダーシステムが使えるのか。IS適性が高い人間さえ使えないライダーシステムを……IS適性がC未満のお前がいとも容易く使えたのを……』

 

 片手で階段の手すりを叩きながら戦兎達の所まで降りてくる。

 

『きっかけはお前が受けた人体実験だ。その時……お前には、パンドラボックス内の地球上には無い成分の気体……“ネビュラガス”を注入した』

 

 一夏と戦兎に人差し指を突きつける。

 

『お前たちはネビュラガスを注入してもスマッシュにならなかった珍しいサンプルケースだ。セント・イナバノがライダーシステムを使えるのも、イチカ・オリムラがフルボトルの能力で急激にパワーアップしたのも、全てはネビュラガスの影響……つまりお前たちは体内にネビュラガスが入ったスマッシュと同じ存在なんだよ』

 

 お前等は怪物と同じだよ、そうきっぱり言いきられた。

 

「オレが……スマッシュと同じだと……!?」

 

 今まで戦ってきた怪物『スマッシュ』たちが頭の中を駆け巡る。いいや、彼らは成分を抜き取ることで人間に戻った……では自分は?

 怪物に変化しなかった、つまり自分の中には今なお成分が入っている……。

 

 奇妙なガスマスクの人間たちに、拘束されたまま目の前のガラスケースに入れられた……。

 それを見るナイトローグのこびりつくが如き笑い声が何もない今の自分を苛む……。

 

 

「……そんなわけないだろぉぉぉ!」

「っ戦兎さん!?」

 

【ラビットタンク!】

 

 すぐさまブラッドスタークに攻撃を仕掛けるも、ひらりと身を翻し避けられる。

 

 

「ふざけんな!オレの記憶を返せ‼」

『おっと、記憶の核心に触れると見境を無くすのが欠点か……』

 

 乱暴にドリルクラッシャーを振り回すビルド。その様子が一夏には、いつもの理知的な様子と打って変わって恐怖と焦りに押し潰されてしまいそうに、頼りなく小さく見えた。

 

『どうした、お前は正義のヒーローなんだろう?……お前の正義と言うのは、そんなにも脆いものなのか!』

 

 首元のマフラーの様に配置されたパイプを掴まれ、顔や胸に出鱈目に攻撃をするビルドにスタークはしっ責する。

 

「うるっさい!オレを返せ!自分を返せ!記憶を元に戻せぇっ!」

「戦兎さん!?……落ち着いてくれ!」

 

 仲間内でもみ合いになる二人を静観し、ブラッドスタークは跳躍によってガラスケースを超え、かつてナイトローグが座っていた椅子に座り込む。

 

『ハザードレベル3.2だったのが3.7まで上昇した……ふん、正義の味方のパワーアップとしては……ハァ。なんとも情けない理由だな?』

 

 片手をプラプラと振って激昂したビルドを冷めた目で見る。

 

「離せっ、離せよっ!オレがスマッシュだとっ!違う!違うんだ!オレは!オレはなぁっ!」

 

 血を吐くような声で叫ぶ。自分が化け物呼ばわりされたことを否定するように叫ぶ。だが、自分を追ってくる孤独感、不安感からは逃れられない……。

 

 

 

「……………………誰なんだ…っ!」

 

 

 

 その場で力なくだらりと腕下げ、一夏の腕の中に縋り付く。

 

「なあ教えてくれよ、オレは誰だ……――――なぁ、一体誰だ!オレはどこの誰なんだよ!?」

 

 よろよろと情けなく一夏の袖を掴む。その様子は道しるべを見失った様な……、または迷子の子供の様で、天才科学者の孤独が剥き出しになった。

 

「……戦兎さん……、がぁっ!?」

 

 思わず手を伸ばそうとした一夏だったが、彼の首に細いチューブが突き刺さり、徐々に体を蝕む感覚が広がっていく。

 

「……っ!……い、一夏っ!?」

 

 目の前でスタークに毒牙を突き立てられたことで、ようやく正気に戻るビルド。

 

『あーぁ、可哀そうになぁ……、お前が怒りのままに動いたから、イチカ・オリムラは毒に侵された。コレのどこが正義のヒーローなんだろうなぁ?』

 

【ライフルモード!】

 

 スタークは片手でロケットのレリーフのフルボトルをスロットに装填して引き金を引く。

 

【フルボトル!スチームアタック!】

 

 弾道は猛烈な勢いで煙を噴き出しながら一直線にビルドに激突する。

 

「……うわぁぁぁぁっ!」

 

 一撃で変身が解除される戦兎。一夏の隣に倒れ込む。

 

「ぐぅ……!」

 

 それを見てスタークは……。

 

『そうだな……お前の正体を知るチャンスをやろう。まぁそうなった場合、お前は自分の生徒を見捨てることになるんだが』

 

 旧約聖書のイヴをそそのかす蛇の様に、その言葉は戦兎にとって毒の様に甘美な響きを持っていた。

 

「そんな……っ!だって……でも……」

 

 記憶喪失の女は、自分の『こうありたいと思う』正義と知りたかった過去との間で揺れ動く。だが、その足に、弱々しく……だが信念の強さを感じる手がかかる。

 

「……っ!?」

「……って、待ってくれ……戦兎さん……!」

 

 一夏だった。毒が身体中に回り、頬や手が黒ずんでいてもその目はしっかり戦兎を見据える。

 

―ギャオン!―

 

 そこにやって来た青い身体の小さなドラゴン。彼(?)は一夏の首筋に噛み付くと……。

 

「!……クローズドラゴンが解毒している?AIが成長したのか……?」

 

 顔色が良くなった一夏は荒い息遣いながらも言葉を投げかける。

 

「アンタ、前俺にさ……見返りを期待したらそれは何だ、っつったっけ……?」

 

 ハッとした。彼に告げた自分の言葉が今度は自分に戻って来る。

 

 

――――……見返りを期待したら、それは正義とは言わねぇぞ

 

 

「今のアンタはどうなんだよ……っ!アンタは自分の記憶と人助けのビルド……どっちが大切なんだよ……っ!」

 

 

 考えるまでのなかった。その選択が、因幡野戦兎としてのアイデンティティーであったから。

 

「………………最悪だ。オレが生徒から教えられることになるなんてな」

 

 

 

 

「……決まってんだろ。ビルドだよ」

 

 

 パチパチパチパチ!と祝福の拍手が鳴り響く。

 

『お見事!それでこそ仮面ライダーだ!その成長に免じて、そのメモリはくれてやる!』

「コレのことか……?」

 

 心底喜ばしいと言ったふうに手を叩くブラッドスタークは、トランスチームガンから煙を噴き出し、一体のプレス機の様な外見のスマッシュを呼び出した。

 

「……またスマッシュか……」

『あぁそうだ……あ、ついでにこのスマッシュになった人間、教えてやろうか?ヒントは……』

 

 片手を口元に持って来て、一夏にとって聞きなれた昔馴染みの声を発する。

 

『「一夏ぁ!酢豚食べなさいよ、酢豚ぁ!」……分かったか?』

「なっ……!」

 

 その言葉に一夏の顔色が悪くなる。

 

 

 

 数時間前……IS学園にて。ラクロスの道具を持って寮に向かおうとしていたツインテールの少女の前に奇妙なパワードスーツの人物が立ちふさがっていた。

 

『……っ?アンタ何者……?』

『いずれ分かるさ……ファン・リンイン』

 

【デビルスチーム!】

 

『う、わぁぁっ!?』

 

 

 

 

「……鈴、だと……!?」

「っ、お前等はまた……!それで人が死んでもいいって言うのか!?ふざけんなよ‼」

 

 その非道な行いに絶句し、激怒する二人。その感情を受け、スタークも申し訳なさそうに肩をすくめる。

 

『ふざけちゃいない……それにイチカ・オリムラ、俺さ、前も言っただろ……俺は人の命を弄びたくないんだ、分かったら助けてやりな……んじゃ、Ciao!』

 

 赤い蛇は、頭のセントラルスタークから出した白煙で身を隠すと、その場から忽然と消えたのだった。

 

「あいつ……っ、また逃げやがった……!」

「そんなこと良いから……まずは目の前のスマッシュを助けないとな。人助けの正義のヒーロー、ビルドとして!」

 

 両手に新たにベストマッチとなったボトルを持ち、数式を実体化させドライバーに装填する。

 

【忍者!コミック!ベストマッチ!】

 

 ベルトの前方にN/Cのマークが浮かび上がる。戦兎はそれを満足げに見るとボルテックレバーを回転させ、成分を活性化させてスナップライドビルダーを展開。その中を紫と黄色の物質が充填される。

 

【Are you ready?】

 

「変身!」

 

 紫のマフラーがたなびき、そして変身が完了する。

 

【忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イェーイ!】

 

「勝利の法則は、決まった!」

「■■■■■■■■‼」

 

 プレススマッシュが飛びかかって来ると、ビルドは軽やかなジャンプで避け、ベルトから変身時とは違う形のライドビルダーを展開し、それを手に取る。

 

「さてさて、試してみたかったんだよね!オレの新発明品、その名も4コマ忍法刀!」

 

【分身の術!】

 

 その音声と共に、四人の分身が出現した。

 

「ホラ行くぞ、オレ!」

「りょーかい、あ、本体のオレ、タイミングは任せるよ」

「いいから早く拘束してくれよ!?」

「「「「はーい!」」」」

 

 そう言うと四体の分身は跳び蹴りや忍法刀でダメージを与えて行く。『ステルスラッシュレッグ』と『エンターテイナーレッグ』の奇妙で隠密性の高い素早い挙動でスマッシュを翻弄している所に、本体のビルドはハンドルレバーを回転させ始める。

 

「そろそろ……今!」

 

【火遁の術!】

 

 その音声と共に、分身たちは炎を纏いだし、4コマ忍法刀を素早く振り抜く。

 

【ボルテックフィニッシュ!イェーイ!】

 

 炎に包まれた分身が交互に連続攻撃を加えている所に紫色のエネルギー状の巨大手裏剣を撃ち込む本体。

 

 そして、爆散。周囲は光に包まれる。

 

「実験成功!さて……」

 

 プレススマッシュは倒れ、緑色の爆炎を上げていた。すかさず成分を採取するビルド。

 

「鈴!」

 

 気を失い、地面に転がる鈴に駆け寄る一夏。それを見てビルドは変身を解除する。

 

「……。スタークが言っていたネビュラガス……、パンドラボックス。それに……」

 

 手元にあるメモリに目を落とす。

 

「プロジェクト・ビルド……」

 

 呟くと、戦兎はUSBを握りしめる。このメモリの情報が、新たなカギとなることを感じて……。

 

 

「取り敢えず鈴をnascitaまで運ぶぞ……って軽いな……ちゃんと飯食ってんのか?」

「い~ち~か~くぅん?レディに体重のこと言うのはご法度だよぉ……?」

「……こいつが?レディ?……ちんちくりんじゃ……へびゅ!?」

「うっそ寝てるのに反応した?」

 

――――ギャオン……

 

 やれやれ、とでも言うかの様にクローズドラゴンは細く青白い炎を噴き出すのだった……。

 




 前回よりさらに長いですね……。そして登場のニンニンコミックフォーム。カッコイイのですがその機能は……何ですか肩アーマーの製本機能とか左手の思い通りに絵が描ける機能とか。左利きじゃないと使えませんよ……。

※2020/12/12
 一部修正

今後の進め方の優先事項

  • 瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
  • 夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
  • ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
  • 全部
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