IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
宇佐美「『IS EVOL A KAMEN RIDER?~無限の成層圏のウロボロス~』完。次回からはクールなサイボーグRUR-9610もといマボルールーと愉快な男の娘宇宙人、愛崎えぼるによる新連載『えボルっと!闇キュア』が始まります」
戦兎「お前は宇佐美!?いや始まんないよ!何しれっとタイトルまで決めてんだよ!」
惣万「どうしょうもない奴でほんとすいません!」
宇佐美「そのときィ!ぶっちゃけありえないめちょっくな事が起こったァ‼」
―紫色の土管<テテテテッテテーッ!―
セシリアホワイト「貴女達のようなひよっこを、プリ〇ュアと認めるわけにはいきませんわ!」
戦兎・惣万「「とっととIS学園に帰りなさい‼」」
宇佐美「というわけで作者の中でタイトルが二転三転した第四十四話、どうぞ~」
戦兎「あぁぁぁぁ~っ!?もう時間切れ!?主役なのに……」
惣万「オイ?主役って……?あぁカオス……。もうここに宇佐美出すな!」
研究所の様な陰気な施設の一室。ワイシャツの胸をはだけさせ、自分で湿布や包帯を巻く紫色の髪の女性。
「ぐっ……ハァ、ハァ……フゥゥ……ッ」
「宇佐美ぃ……大丈夫か~?」
突然ドアが開き、努めて明るくある人物が入って来る。リンゴやメロンの入ったバスケットを見舞いとして持ってきた、パナマハットの中性的な顔の人物。
「……ッどの口がァ!」
「おっと……ちょ、ちょっと待ってくれ!伸びる!服伸びるから!」
胸が見えるのも関わらず男の襟を掴み、壁に叩きつけるようにして押し付ける。
「私たちが何の為にフルボトルを回収していると思っている!パンドラボックスを開こうとしている貴様のためだぞ!貴様のために手助けしているのが何故分からない!」
「あぁ分かってる、分かってるよ。俺はゲームメイカー、だがお前はゲームマスター。俺はお前に使い潰されても文句は言わん。だが、欠けちゃならねぇパーツってのもあるんだよ」
「はっ、ふざけたことを。それだとお前は不必要なパーツだというふうに聞こえるなぁ」
「いいやまだまだ必要だ、もちろん俺も、お前もな」
「……ちっ」
やるせない思いを吐き出し、苦渋の表情をする宇佐美。彼女の頭を惣万は撫でてやる。そして左目にかかった前髪を撫ぜ、その目を露わにした。
「お前を……『お前たちが生きていて良い新世界』に連れて行ってやる。それだけは俺が約束する……」
「ふん…、ならばお前も約束しろ。その命も、人生も、力も全て、ファウストのために捧げてもらう。文字通り、全てだ」
「当然だ。そういう契約だったろ、
「こんな契約にルーズな
醜い縫合手術の跡が残る彼女の片側の顔を見て、苦し気な表情で告げる惣万。
「仮面ライダーは間も無く軍事兵器の道を辿る。そうなればIS学園とファウスト、そして亡国機業を巻き込んだ世界大戦の始まりだ。悪意と…そして嘘という奇蹟で、この世界を
「分かっていたはずだ。私たちが狂い、血に塗れ、この世の悲劇として集ったあの日から、運命の歯車は噛み合い回りだした。過去にはもう戻れない。私たちをなかったことには、できない…!」
ワイシャツのボタンをとめながら宇佐美は答える。ズタズタになっている左側の顔を隠し、いつもの白衣をワイシャツの上に羽織った。
「あぁそれと。IS学園にブリッツがまいた種が、間も無く芽生える。小悪党の最後の大舞台だ。私たちも演者として楽しもうじゃないか……」
「ほぉ、上手く行ったようだな…俺の記憶を辿った人相書きでも騙せたか」
次第に狂人の口から哄笑が漏れ出し、どんどん大きくなっていく。惣万が窓の空を見上げれば、夜空に浮かぶ月も裂けた笑いを浮かべていた。
夜のIS学園の生徒寮……。散らかった部屋に飲み終わった錠剤のパッケージが転がっている。そしてその部屋の主は片手に銀と赤錆色の容器を握る。
「一夏
ボトルを逆さまに持ち、左右に揺らしてキャップを閉じた男。そして白い制服をたくし上げ左腕を出した。
「『ママ』が言ったんだ、僕が必要なんだって。もう千冬姉さんなんていう嘘っぱちの『ママ』なんていらないや。箒も鈴も『ママ』になってくれなかったけど、僕は『ママ』に力を貰ったんだ。これで、皆僕を求めてくれる。僕を信じてくれる。僕を虐めないでくれる。弱い弱い僕を守ってくれる。褒めてくれるんだよ、皆『ママ』になってくれるんだ、みんな、みぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんな、『ママ』だ、ねぇ『ママ』『ママ』『ママ』『ママ』『ママ』『ママ』『ママ』ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
【シマウマ!】
紫色の煙と共に、その人物の姿が変わる。脆弱な人間から、力持つ怪物に。だが暴力しか振るえない心に変化はなかった。むしろ、その残虐な歪んだ思いは短絡的なモノに変化した。
『ハッハッハ……ハーッハッハッハッハッハ‼』
縦長な顔に白黒の縞模様の身体、ハードスマッシュと同じく青い下半身。『ゼブラハードスマッシュ』は、IS学園で何を成すのだろうか……。
一夏side
「ハッハッハ……ハーッハッハッハッハッハ‼」
ハイテンションで仮面ライダー部の部室に入ってきた戦兎さん。オルコットたちはげんなり気味でてぇん↑さい↓科学者を見る。
「完成したぞ一夏ァ‼」
「えっなに、何が出来たの?」
「グリスが使っていたスクラッシュドライバー……そのクローズバージョンだ!」
ジャジャジャジャーン!と(簪氏が)セルフで効果音を入れ、レンチの付いた水色のドライバーを俺に見せてくる。
「お、おぉ……俺用なのか?」
「そうだね~、と言うより『スクラッシュゼリー』が……、ドラゴンのボトル以外はゼリーと反応しなかったんだ」
「スクラッシュゼリー?」
そう言って内ポケットから青いドラゴンの横顔がデザインされたゼリー飲料(?)を取り出し俺に渡してくる戦兎さん。
「あぁ、ネビュラガスをゲル状にしたゼリーにドラゴンフルボトルの成分を混ぜて変化した“トランジェルソリッド”を封入したアイテムだ、これのすごいところはね『あぁもういい、喋んな』えーそんなー」
長くなりそうだったので素早くシャットアウト。戦兎さんが持っていたパウチ容器型のアイテムをしげしげと眺める箒達。
「でも、創っておいてなんだけど。スクラッシュドライバーは極力使わない方が良い……ナイトローグが言っていただろ。コレを使い続けていればやがてキリングマシーンになり下がるって」
……そういや宇佐美のやつ言ってたな。シャルル・デュノアがどうとか。
「詳しく分析したら……、フルボトルの成分を従来以上に引き出す代わりにネビュラガスの悪影響をより強く受けてしまうんだ……。好戦的になったり、アドレナリンの過剰分泌を促す作用が特にひどくてね。使い続ければ身体がボロボロになるかもしれない」
それを聞いてIS学園にやってきたグリスの事を思い出す。……確かにハイテンションで戦ってたな。でも、他人を巻き込むのを是としていなかった様な……?
「……あのシャルル・デュノアは好戦的ではあったけど、精神が汚染?されてたりしてた様には見えなかったぞ?」
「そーなんだよねぇ……?もしかしたら制御する法則とか、あるのかなぁ……?」
同時刻、ヘアカット『バーバーイナバー』にて。
金細工の様な金髪が櫛によって梳かれ、白く磨かれた床にハラハラと落ちていく。
「くーた~ん……」
スマホをいじりながら髪を整えるシャルル・デュノア。気になったのだろうか、わきから店主が覗き込み、一言告げた。
「…可愛いですね」
「だろ?……――――けど、何でIS学園なんかに……、ビルドとクローズとつるんでんだよォ……」
思わずうつむくドルヲタシャルルン。頭を抱え込んだ為店主は戸惑いながらも髪を切るのを中断する。
「見たところ……クローズの彼女だったり?」
「ピンチになったら助けてたしね」
「んなワケねぇだろ‼」
「どぅわ!?」
散髪用ケープをつけたまま立ち上がり、ルージュとジョーヌに怒鳴るドルヲタ(ガチ勢)。
「良いか?くーたんはな………――――みんなのアイドルなんだよ‼」
どんだけくーたんに夢見てんだ。
「……あーもう、声に出したら色々考えついてイライラしてきやがった。こうしちゃいられねぇ、IS学園に聞きに行くぞ!」
「「へーい」」
「今からですか!?あ、ヘアカット代置いときますね」
「ありがとね、ブルちゃん……君だけがあの三人の良心だよ……」
その数軒先の喫茶料理店の二階。自堕落アイドルの自室にて。
「へっきし!」
「どうしたクロエ、風邪か?」
「あ゛ー……マズダー……ちょっとニヨニヨ動画見て夜更かししたから湯冷めしたのかも……今日は寝ます」
「……自業自得じゃねーか」
「くちゅッ……、いかんな。体調管理が出来ていないと知られれば教官に注意されてしまう……ん?」
IS学園の屋上でベンチに膝を抱えながら携帯食料をモソモソついばむ銀髪の少女。そこに明朗な声が届く。
「アンタ、ボッチ飯?」
小柄なシルエットとは裏腹に、生命力あふれる快活な動き。彼女はスタスタとラウラの傍へ近づいてくる。
「……中国の凰鈴音か。なれあうつもりは無い」
「そう?そんな寂しそうな雰囲気出しながらじゃ説得力も無いわよ」
よっこいしょ、と隣に座り、弁当のタッパーを開ける鈴音。
「……貴様のことは既にデータで知っている。中国有数の天才武道家らしいが興味ない、去るが良い」
「アタシは興味あるわね。アンタ……、一夏の事どう思ってる訳?親の仇みたいに見てるけど」
口に酢豚を運びながら鈴音は横目でラウラのことを見る。その言葉に柳眉を逆立てる銀髪の少女。
「……当たり前だ。織斑教官は第二回モンド・グロッソの優勝、その二連覇を達成できなかった。その原因は織斑一夏だ。あの男がいなければ……教官は輝かしい力を得ていたはずだ……!」
「成程なるほど、アンタは一夏が千冬さんの負担だと思ってるワケね……――――」
「…………………――――勘違いすんじゃないわよ」
「……ッ!?」
目の前の少女から発せられたのは静かだが強い威圧、怒り。その瞬間感じた殺気により、ラウラは制服に忍ばせていたコンバットナイフに手を伸ばしていた。
「アンタがやってること、ただの八つ当たりじゃない」
だがそれすら目の前の少女には無意味だった。冷淡に言葉をつぶやいた鈴音は、胸ポケットのナイフに向かったラウラの手を瞬時に掴んでいる。
驚くラウラを尻目に、腕を体の方へ押し付け身動きが取れないようにする鈴。
「極論になるけどね、あの日一夏が誘拐されず、千冬さんが一夏に見守られ試合に勝っていたら……アンタは“織斑教官”に出会えていたワケ?」
ラウラと一夏から聞いた話を冷静に分析し、鈴音は真実を導き出す。
「一夏が誘拐されて、ドイツ軍が動いたからこそ……アンタは千冬さんと出会えたんじゃないの?」
「……ッ(スタークと同じことを……)『もしも』のことなど……!」
腕を掴まれたままのラウラは歯噛みするが、一歩たりとも動けない。
「それにね。アタシのダチはそんな千冬さんの負担になるような軟弱者じゃない……。誰かの為に必死になって戦える強さと優しさを持ってんのよ……!」
「何故そんなことが分かる……!」
「分かるわね、一夏が誘拐事件に巻き込まれてから別れるまで、ずっとアタシが傍に居て見ていたんだから」
強い信頼関係を感じさせる言葉にラウラはたじろぐ。一夏の感じていた苦しみを思い、鈴音は静かにだが、きっぱりとラウラに現実を伝えた。
「一夏は言ってたわよ……“もう二度と、自分の無力で信じてくれた人の涙を見たくない”ってね……!一夏が第二回モンド・グロッソのことを、後悔してないわけがないでしょう!」
「……ッ!」
「一夏はね、自分の無力さに苛まれ、必死こいて自分を律して今の強さを手に入れたのよ。それでもまだ、一夏のことを弱いって言える?それでも言うなら、アタシは貴女を叩きのめすわよ……!」
ギリリ、とラウラの腕を締め付ける力が強くなり、彼女は顔をしかめる。それに気が付いた鈴音は慌てて手を放す。
「……ごめん、感情的になったわ」
「……ふんッ!」
その後、しばらく無言の時間が続き、思い出したように鈴音が話を切り出す。
「………――――、そう言えば、タッグマッチトーナメントがあるでしょ?」
「……それがどうした」
ぱたんと弁当箱を閉じてラウラに手を伸ばす。
「アンタ、アタシと組まない?」
「何故……」
「いやぁ、アンタ見たところペア決まってなさそうだったし。それに……これを機にアタシがダチになってあげようか、とかね」
「『ダチ』?何だそれは。必要無い……」
心底理解できない様に顔をしかめると、ペチンと彼女の手を払う。
「……まぁ良いわ。考えがまとまったらアタシん所に来なさいよ。んじゃ、アタシはコレで。
そう言い残すと、鈴音はツインテールを揺らしながら屋上庭園を後にしたのだった。
「馬鹿な……、織斑一夏が……私と同じ……?」
虚言だ、と思いたかった。恩人の余計な足枷だと思いたかった。だが、先程の中国代表候補生の言葉が頭の内で反響する。
―――一夏が第二回モンド・グロッソのことを、後悔してないわけがないでしょう!
ラウラがブリュンヒルデの二連覇失敗の原因を作った一夏を恨むように、一夏は過去の自分自身を悔いていると知った。知ってしまった。今の今まで憎しみを抱いていた怨敵が、同じ苦しみを共有する人間にも思えてきてしまった。
「………一体、私はどうすればいいんだ…?そんな事、私は知らないのに……教わっていないのに……――――。誰か……、教えてくれ。私はこの手で、一体何を倒せばいいんだ……?」
その小さな少女の言葉に、答える者はいなかった。
暗雲が逆巻く。轟々と冷たい嵐が心を過ぎ去る。嗚呼、寒々しい荒れ野に雨が降る。しとしと黒い雨が降る。黒い兎は、身を凍えさせることしかできなかった…――――。
IS学園の本校舎に向かおうとする鈴音。すると突然立ち止まり、振り返らずに挑発する。
「……で?さっきから覗いてくる変態は誰よ?」
『……気付いてたのか』
まるでシマウマの様な白と黒の縦長な頭部を持ち、青い下半身をした無機質な怪物……。
「スマッシュ……しかも自我があるタイプ……。グリスの仲間?」
『知る必要はない、今からお前は死ぬんだァ‼』
そう言って突進してくる白黒の頭を持つスマッシュ。
「あぁ、そう……でも、それを決めるのはアンタじゃない」
懐に忍ばせていた手を動かす鈴音。そして親指を立てて自分の鼻を擦るように触れ、怪物に向き直った。
「アンタの
そう言うと、鈴音は戦兎から護身用に持たされていたパンダのボトルを手元で小刻みに振る。そして両腕を広げると、口からは怪鳥の様な声が漏れ出す。
「ほぉぉぉ……ッわたぁッッッ‼」
『ぬッ……!』
白と黒の太極のオーラを纏った鈴音の拳は、弾丸のようにスマッシュの腹部に突き刺さる。しかし、数mほど押し返したものの、縞を持つ円柱の頭部のスマッシュは未だ健在だった。
「……ッ!流石に千冬さんみたいにいかないわね……ッ!」
そう言って鈴音は左腕を横に構え、その左手の上に右腕を垂直に立てる。赤心少林拳『梅花の型』である。
『……ッガァァァァ!』
「ハッ!」
突進してきたハードスマッシュの背面を転がるように躱すと、回し蹴りによる慣性を用いスマッシュを壁に激突させる。
『……ッ!』
「ほぉぉぉぉぉ………――――」
ハードスマッシュは、空気を吐き出し残心する鈴音にイラついたように壁を叩く。そして再び鈴音に殴り掛かろうとした……だが。
『……ッ、時間切れだな』
突然スマッシュの身体から湯気が立つ。
『薬を服用する量が少なかったのか?仮面ライダーが来る前に、逃げるとするか……』
やがて激しく煙が辺り一面に噴き出すと、鈴音以外の者が動く気配が消えた。そして煙が晴れると、そこには何もいなかった。
「……、何だったのかしら、今の……。取り敢えずは因幡野先生と一夏に言っておかなきゃね」
そう呟いて、鈴音は手持ち無沙汰にボトルのキャップを開閉させるのだった。
あらすじの後……未だキュアネタでカオス。
宇佐美「さて私と一緒にキュアスタークになりましょう。若しくは雷刃の襲撃者に」
千冬「それはまた別の中の人ネタだろう!そうだ惣万、ギターを弾きたいなら私に言え。心得ならばある」
宇佐美「貴女も中の人ネタですねブリュンヒルデ」
惣万「お断りします……アッ違うコレ〇ールーのセリフだわ。えーっと……あっそうだ!『堪忍袋の緒が切れました!』だ!」
宇佐美「そう言えば私の苗字に一夏入れると……」
【ラビット!ケーキ!ガタガタゴットンズッタンタン!Are you ready?アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!】
一夏「マボロォ!ヤメルォ‼」
千冬「嫁入り……だと!?渡すモノかぁぁぁぁぁ‼」
惣万『そういや、俺と敵対していた青い奴の恋人が一夏だったような気がしますぞ……(CV:金〇哲夫氏)』
シャル「あれ?俺とお袋も出なくていいのか?」
ラウラ「そもそも女(CV:ざーさん)じゃないお前が言っても……」
……全員演者!暇になったらイメージスケッチにあげようか(やめろ)
※2020/12/28
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部