IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
一夏「はいはい、自称天才(笑)科学者の因幡野戦兎は仮面ライダービルドとなり仮面ライダーグリス配下の三馬鹿ラスと対決した」
宇佐美「ハッハハハァ!クローズチャージ、初登場と言うのに無様だなァ!?所詮財団Xが提供したグリスには遠く及ばないィ‼ヴェハハハハァ‼」
一夏「あ゛?問題ねーよ、こっから巻き返しがすごいんだよ。万丈構文のきっかけにもなるしよ、それよりもお前ナイトローグのリストラの心配しろよ」
戦兎「ちょ、ちょっと待って!それオレの豆腐メンタルがオーバーフローすることになる!へいき、へっちゃら……じゃないから!話し合おう!」
惣万「戦場で何を莫迦なことを!」
箒「戦場、なのか?ここ……ん?イメージCV:悠〇碧に水樹〇々……?う、狼狽えるな……自分……ッ!」
クロエside
はっと目が覚める。訳の分からないスタジオに意識が持っていかれ、いつものようにネットアイドルくーたんとしてハイテンションで受け答えもしていた……。だが、そこである記憶がフラッシュバックした。
「思い……出した……」
ベッドの上で目覚めた私は、悪夢を見たように冷や汗を垂らしながら今まで忘れていた自分の記憶を言葉に出す。
「私は、C系列の遺伝子強化試験体……。ラウラ・ボーデヴィッヒと同じように生まれた、
ふと寝台にある鏡に顔を向け、自分の顔を見る。
「……、そう言えば、実験で変色した眼が、元に戻っている?」
「……、どうぞ」
やって来たのはカフェのマスター、石動惣万さん。無表情だった下宿のマスターは、その声音を聞いたことで確証を得たように眉を潜めた。
「……思い出したか」
「……はい、マスター。……エターナ義母さんと、知り合いだったのですね」
「あぁ……そうだな」
エターナ・クロニクル……それが私の育ての親であり、先生であり、ドイツ軍に収容されていた年若い女性。その名を聞いて、マスターは悲し気に今は亡き親友に思いを馳せているようだった。思わず寝台の花瓶に生けてある白いカーネーションの花弁をそっと触れ、口を開く。
「ま、取り敢えず、だ。飯だぞ」
「……え?」
「……ま、そんな気分じゃ、無さそうだな……ココアでも持ってくる」
理解が追い付かなかった。私は、言葉が出てこない…。
「何で……」
「?」
「何でそんなに優しくするんですか!?」
分からない、何故私をいつも通りに扱うんです?
「私は……、人ではないのですよ!?何で!?私は……私は……」
「何だ?この人でなし……とでも言って欲しかったのか。そもそも、エターナから預かった時点で、お前のことなんてお見通しなんだってば。それ全てを分かって、俺はお前を人間として育ててきた…………。生まれがちょっと違うだけで、“人間じゃない”なんて言うな」
帽子を脱ぎながら優しく笑ってくれるマスター。
「むしろ……お前は俺よりも人間だよ。そんなこと言ったら、俺はなんだと思う?」
……?普通な、ごく一般的な……優しい人間では?
「生き残るために年端もいかない同じ境遇の屍を越えてきた、とんでもない大量殺人者だ」
一拍溜め、感情も込めずに事実のみを私に伝える。……――――え?
「………――――殺人、者…?」
「……俺やエターナの出自は少年兵でな。この名前もその頃付けた偽名だ。相手を殺さねば自分が殺される……そんな世界で生きてきた。前に言っただろ、薄ら暗いことやったって……」
そう零したマスターの背中越しに血煙が漂う砂漠が幻視される……。
「……でも、生きなきゃいけないんですし……、しょうがないんじゃ……」
「…生き残るためだとか言っても、結局殺しあう人間は皆悪魔だよ。しょうがないとか言い訳しても、結局俺が罪を背負っているのには変わりがない」
皮肉気に顔を歪め、両手を胸の高さまで持ち上げ私に言った。
「俺の手の平な……、時たま真っ赤に染まって見えるんだよ。ずっとずっと、あの頃の鉄臭い匂いが鼻の奥にこびりついていて……俺が真っ当な生き方が出来ないことを伝えているみたいにさ」
濡れた手を払うように腕を振ると、私が座っていたベッドに寄りかかる。
「それにもう……人の死に、涙が流れなくなった。悲しむということができなくなった俺は、人でありながらも、怪物だ……。いいや、そもそも俺は……化け物だったか」
どうにも、マスターの心の中は……私とどこか似ている風景が広がっているように思う。いいや、それどころか、自分の事を私以上に苦しんでいる……?
「……だが、こんな俺でも生きてくれていいと言ってくれた母さんがいた。だから、俺は母さんの教えを守る」
花瓶の花を見て、眩しいものを見るように私に目を細める父親代わりな大切な人……。
「俺は生きたいと思う“人間”を見捨てない。……お前も、人間だ」
頭にあったかい、華奢な手が置かれる……そしてクシャクシャと私の銀髪を梳くように撫でる惣万さん。
「こんな私が……生きていけると、前に進めると思っているのですか……?」
「とある最後の希望が言ってた…――――。前に進むには、今を受け入れるしかないだろうってな。俺たちが何者だろうと、今を生きようぜ?それだけしか、俺達にはできないんだからさ」
な?と言うように首をコテッとかしげるマスター。男性らしからぬその挙動は、母親代わりのエターナ義母さんを思い出した……。
―人は、泣きながら生まれてくる。これはどうしようもないことよ。だけど、死ぬときに泣くか笑うかは本人次第……―
―これね、ソーマって子に教わった言葉なの……素敵でしょ?―
―私にそれを言うんですか?人造人間の私に?―
―大丈夫……貴女は確かに鉄の子宮から生まれた……けど、貴女には心がある。心に従って笑ったり、泣くことだってできる。それは素敵なことで……人間にしか出来ない事よ―
…………あぁ、義母さん。私…、生きても良いんですね。……人間として、生きて。
「……はい、そうですね。生きたいです」
「それじゃ、飯食おうぜ。今日は休みだからな、腕が鳴る……!」
「あ、人参抜きでお願いします」
「好き嫌いはダメだぞ!」
「やです、嫌いなんです」
コラ、と優しくチョップしてくるマスター。それをキャー、と棒読みで避ける私。……私はいつも通りの日常を、これほど愛おしく思ったのは初めてだった。
一方……もう一人の月の落とし子……。
戦兎side
仮面ライダー部の部室……。そこにけちょんけちょんになった銀髪の軍人が力なく俯いていた。
「……私を、どうするつもりだ…」
「あー……っと、オレとしてはスマッシュボトルを奪われたのは自分の過失だから責められないんだけど……一夏たちがちょっとな」
そう言ってオレは各々の定位置に座っている教え子たちを見る。始めに口を開いたのは一夏だった。ゆっくりとラウラ・ボーデヴィッヒに近づくと、顔が見える位置に陣取った。
「……お前には、俺を殴る権利がある」
「……ッ!」
―ゴ……ッ!―
ぅっわ……。今のは痛い、マジで痛いよアレ……。唇が裂けて血が出てるし……。絶対頬の中も歯に当たって切れてるって……。
「…………」
「俺を殴ってどんな気持ちになった?今のお前は、本当に憂さが晴らせたか?…………それとも、嫌な感じがしたんじゃねぇか?」
「……ッ!」
その言葉でラウラ・ボーデヴィッヒは……迷い子のような不安に押しつぶされそうな顔を歪める。一方の一夏は口元を乱暴に拭い、血を吐き出す。……掃除してね?
「まぁ……急に俺を許すことなんてできねぇだろ。だったら、決着をタッグマッチトーナメントでつけようじゃねぇか。戦って、お互いを知れればさらに良い……」
……いや何言ってんだ、この筋肉馬鹿。何、一昔前の青春ドラマ?うん、ちょっと呆れた……。でもなんか、青春時代を送ってこなかった身としてはちょっとウルッとするじゃん。
おっと、次は……箒ちゃんか。
「……力とは、簡単に言えば暴力だ。そこに善も悪もない。故にそれを使うものにこそ、自分の在り方が問われる」
ラウラちゃんの前に座り、優しい諭すような口調で机を挟んで言葉を投げかける。
「小学校の頃の話だ。私は篠ノ之束のISの発表による重要人物保護プログラムによって各地を転々とし、心身ともに参っていた…………」
…………、うん、何か……、ゴメン。いや本っ当に。
……、一夏ァ!ヤメルォ‼そんな目でオレを見るなァ!確かに昔のオレの所為だけども‼反省!今のオレは反省してるから!
「憂さを晴らすように剣を振るった。憎しみを乗せて竹刀を振るった。その行いが自分の心の醜さを表すものとは分かっていたのにな……。そしてふとした時、真剣を持った時だった……不意に、唐突にだ」
―これで篠ノ之束を……斬りたい……―
「そう思ってしまった……そして――――、……いや、何でもない。その時恐ろしく感じたよ……自分も、
……やっぱり、以前の
「それからだ、私は自分を律し、力の在り方を考えるようになったのは……」
そう言って、箒ちゃんは身を乗り出し、ラウラちゃんの手を握る。彼女は胡乱気に顔を上げ、眼帯と包帯越しに視線を交わらせる。
「ラウラ……、私は一度、力に飲み込まれてしまった人間だ。だが、それは力のせいではない。私という人間が弱かったからだ。私は今でも、未熟な自分の弱さと戦っている。……、だからラウラ……、お前も負けるな」
そう言って、オレに向かって笑顔を見せてくれる。それがいじらしくもあり、穏やかでもあり…――――。お次は…オルコット嬢か。
「わたくしは旅で……多くの人間を見てきました」
口元をスカーフで隠し、伸び放題な金髪をいじる。……オルコット嬢?お前……。
「……誰かを守りたいという気持ちや、自分たちの正義を守りたいという気持ちがどんどんエスカレートすることがあります。正義のためなら、人間はどこまでも残酷になれるのですよ……」
……おおよそ十代の少女がしてはいけない表情をしている。まるで、目の前で何人もの人間が死んでいったかの様な…………。
「ボーデヴィッヒさん、貴女の正義は……、ただの“力”としか扱っていませんわよね。誰の為のものなのですか?貴女は……誰かの為に力を使えますか?」
「私が……、間違っているというのか……!私の正しいことを……否定するのか!?私の為に力を使って何が悪い‼」
「誰かの正義は誰かの悪って事もある。アンタの
鈴音ちゃんが引き継ぎ、脇から口を挟んで来た。
「私は……!でも……それだけしかないんだ‼誰かから……認めてもらうには、何かを倒すしか‼それしか教えてもらっていないんだ‼」
涙ながらに机を叩き、頭を抱える銀髪の少女……。うん、そうなんだろうなぁ。可哀相だけど、それしか知らなかったんだね。オレと一緒で何も知らなかったから、真っ直ぐだった。
「ラウラ……アンタ、力を得るためなら命は惜しくないって言ったわね。でも、自らの命を捨ててまで力を得ようとして、誰が認めてくれるの?それをよく考えてみることね」
そう……ラウラ・ボーデヴィッヒの在り方は、誰かを倒さなければ自分を証明できない様な代物だ。それだから、オレたちと価値観が重なり合わず、さっきの様な出来事になったのではないだろうか……。
「ラウラ……アンタの
最後に優しく肩を叩き、俯くラウラちゃんにいつものセリフを告げる。
「ほら……簪も。何か一言言いなさいよ」
今までだんまりだった簪殿。こういう時に何か言うタイプじゃないんだけど……大丈夫かな?
「じゃ、一言。……完璧な人間なんていない……、互いに支えあって生きているのが“人生”っていうゲーム。最初から完璧である必要なんてない。最高である必要なんてない。他人に頼って、縋って、それで一番になればいい」
そう言ってからパソコンに目を戻す……、中々いいこと言ったじゃないか。開いてるサイトが『名言集』ってのは見なかったことにしてやろう……。
「………、…何故私を助けようとする…?」
やがて、重々しく口を開くラウラちゃん。
「手が届くのに、手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔します。それが嫌だから手を伸ばすのです。それだけですわ」
まず、献身的な心を持つ英国淑女が、ラウラちゃんの心に手を伸ばす。
「前にアンタとアタシは心の底から本音を言い合った……。ならアタシたちはもうダチよ。それに、辛い目に遭っても、ダチと一緒にいられたほうが安心するでしょ」
次に、懐が広い中華娘が笑顔と共に言葉を送る。
「誰だって誰かに必要とされて生きていきたい、貴女だってそう思っているはず。だって……、分かるから」
最後に、孤独を知り共感を得た少女が無表情ながらもラウラちゃんを労わる。それぞれの言葉を聞いたラウラちゃん……。
いたたまれなくなったのか、よろよろと立ち上がり、教室から逃げるようにドアへ向かう。そして振り返り、一夏や箒ちゃんに視線を向ける……。
「…何故だ?何故……、お前たちはそんなに強い……」
「俺が力を使って戦ってるのは……誰も戦わなくていいようにするためだ。戦兎さんと、この学園でできた新しい友だち、そして俺のことを信じた人たちを守りたい。誰かの笑顔を守りたい、その思いを抱いて力を使っているんだよ」
「……一夏が誰かの笑顔を守るなら、私は一夏の笑顔を守るだけだ。それが私の強さ……、と言えるのかもな」
「「「先生、コーヒー下さい(まし)」」」
オレも思った。
「……、そんなちっぽけな……」
「ちっぽけだから、守らなきゃなんねーんだよ」
その返答を聞いて、ラウラちゃんは顔を歪ませて教室を後にした…。オレ?生徒たち&オレ用の泥みたいな苦いコーヒーを淹れるのに忙しかったんだよ。
三人称side
(それでは……私は……私は……、何の……、為に……?)
ゆらゆらと、銀髪を揺らしながら今まで過ごしてきた人生を振り返るラウラ。だが、唐突にある男の言葉が脳裏に浮かぶ……。
―……お前、ドイツ軍の隊長なんだろ……!?お前の下にはお前についてくる人間がいるんだろ。お前がそこにいるのは他でもねぇ……お前は認められてんだよ!それを一番知らなきゃなんねぇ……“カシラ”のお前がそんなんでどうすんだァ‼―
自分とは対極に位置する金色の仮面ライダー……。その男の言葉が頭の中から離れない。同じ、兵器として織斑一夏と戦う存在なのに……どうしてそうも……。
「………――――、クラリッサ。私だ……」
グリスの言った仲間……部下の事が知りたくなった。なぜか、今まで忌避感を感じていた部下への連絡もすんなりできていた。
『た、隊長……?』
「聞きたいことがある……。私は…―――――――」
その後、夕暮れを受けて、科学の落とし子の頬は輝き、細々と嗚咽が漏れていたのだった……。そこで語られた内容は、誰のあずかり知るところではない。だが、その声はどこか、答えを得た様な、安堵の響きを持っていた。それだけは、確かなことだった…――――。
雨が降る。彼女の頬に雨が垂れる。黒い汚れた雨ではない。ただ、それは月の光を受けて煌いて…――――。
Mデェス!「因みに今回のあらすじ紹介は不味い飴がウルト兎と言うユーザーにアイデアを貰って書いたらしい……デェス!(ヤケ)」
箒・カデンツァヴナ・イヴ「サルミアッキもウルト兎様もアイデア募集中。またウルト兎様は他の小説ユーザーの方々からの相談も受け付けるそうだ……。私の名前、長っ……」
風鳴惣万「この小説は、楽しい時を創る気ゼロの財団X(財団B感)と、ご覧のスポンサー(ウルト兎様)の提供でお送りしました。さて……エミュテウス・アメノハバキリ・トローン(羽撃きは鋭く、風切る如く)」<ジャキーン……☆ミ!
箒&M「「ちょっと!?私たち『フィーネ』じゃないから‼ってか仲間になっただろう(デェェス)!?」」
一夏・宇佐美「「……ゴメン、シンフォ〇アネタに走らせて……」」
※2020/12/28
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部