IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N   作:サルミアッキ

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幻徳「おいお前らどうした…」
―死屍累々―
幻徳Tシャツ『戦慄ッ⁉︎』【SE:オォラァ!(キャアァァァァァァァァァ!)】
一海「ヒゲか……。この間な、平行世界だがなんだかの……エボルトであってエボルトじゃない奴が来てよ……そいつのコーヒーが美味しかった……」
万丈「それで…戦兎は何で二人のコーヒーの腕にここまでの差が生まれるか、分かるまでコーヒーの研究するとか言いだしてよ……試飲に付き合わされてんだ」
幻徳「正直、今までの話の内容だけでコレなんだが(Tシャツに指差しながら)それが分かるまで諦めろ……葛城もそうだった……。ウッ、悪夢が……」
一海&万丈「「あー、ご愁傷様……」」
戦兎「お前ら次のコーヒーができたぞッ‼︎それと、暇つぶしにエボルト人間が置き忘れた台本読んだが、『前回のあらすじ』だそうだ。織斑千冬に呼び出された石動惣万はIS学園の生徒たちに尾行されるのを尻目に『爆発しろ!by簪』……?途中で途切れてる……ま、いっか」
幻徳「戦兎ッ……第…ッ〜何話だ‼︎」
戦兎「第五十三話だ……じゃあお前ら。さぁ、実験を始めようか」大量のコーヒー
万丈&一海&幻徳「「「戦兎ォ!ヤメルォ‼」」」



第五十四話 『ドンテンカンな危険信号』

 こちらはIS学園、フラフラと当ても無く歩き回る一人の男子生徒がいた。

 

「……、一夏、一体どこに……」

「あれ?節無君?」

 

 廊下の角で女子生徒と対面する節無。穏やかな顔が少し強張っているのを見て声をかけたらしい、女子生徒には若干の心配が見て取れた。

 

「(あ……)やぁ岸原さん(ママ)。一夏を探しているんだけど……見ていないかな?」

 

 その爽やかな彫刻の様な笑みに女子生徒は頬を染める。

 

「えぇっと……あぁそうだ、箒さんと銀髪の子と一緒にレゾナンスに出かけたよ」

「そうか、ありがとう!後でお礼をするよ」

「えー、全然いいよ!あ、でもどうしてもって言うならケーキ奢ってよ」

「うん、良いよ。じゃあ僕はこれで……」

 

 そう話を切り上げ、そそくさと立ち去ると……彼はポケットからシマウマのレリーフが刻まれたボトルを取り出した。

 

「丁度良いね……あそこなら色々ごまかしも効くだろーし。事故に見せかけて『ママ』になれなかったモノごと一夏を殺してやろッと」

 

 

 

 

 

 

 一方、賑やかなレゾナンス内……。

 

「んじゃ、そろそろ飯でも……あ、荷物持とうか?」

「……フン」

 

 なんやかんやあったものの、最終的には惣万が太鼓判を押した水着を買って、どことなくご満悦な千冬。だったのだが……。

 

「……ところで、俺たちをさっきから見ていた生徒たちはどーすんだ?」

「ふん、お前も気付いてたか」

「「「!?」」」

 

 惣万は面白そうな視線で、千冬は射殺さんとする狩人の目で明後日の方向を見た。とっさに隠した望遠鏡のレンズがキラリと光った……。

 

(やっべぇ、やっぱバレてるよなァ!?)

(助けてわたくし只今ライブで大ピンチ!?)

(短い人生だった……ッ!くっ……)

(箒ィ!生きることを諦めんじゃないわよォ!?てかコレ戦兎先生が言った方がしっくりくるわねェ⁉)

(みんな落ち着いて、私ニト〇の学習机の引き出しからタイムマシンとってくるから。気張って行くよー)

((((お前が一番落ち着けェ‼))))

 

 銀髪テンパの侍の様な事を言った簪はほっとくとして。死刑執行人のようにゆっくりと歩みを進め、((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしている彼らにとても良い笑顔で近づいてくる修羅女……。

 

「決まってる、学園に帰ったらキメワザクリティカルクルセイドで記憶をリセットだ……フフフ……フフフフフ」

(((((死んだ!?)))))

(あー、私はただ外出してただけなので。叱られるのは皆さん頑張って)

(逃がすかぁ‼)

(ちょ、やっ!離してぇぇぇっ!?)

 

 たまらず無関係を装うクロエを逃がさんとばかりに捕まえるIS学園生徒たち。人間ってのはどこまでも醜いねぇ……(エボルト感)。

 

「……おいおい、千冬?やめとけよ、ソレ只の暴力だからね?」

「私が世界のルールだ……」

 

 ふーふーっ、と瞳孔が開きっぱなしな彼女の手を掴み、優しく諭すように話す惣万。

 

「この絶版お姉さんが……。良いか?大体お前が女子力(物理)だとか髭なセンスとかが原因で恥かいたんだろが。お前が運命をジャッジすることは出来ない……」

((((地獄に神様惣万様……‼))))

 

 その時IS学園の生徒たちが歓喜にむせび泣いたのは言うまでもない……。

 

「む……ん?いや、諸悪の根源はお前だろうが……」

「おっとそうだったなぁ、ハッハ!」

「惣万ァ!」

 

 ……前言撤回だった。全部こいつの所為でした。

 

「安心しろ、お前ににらまれたらさっきまでのことを言いふらす輩なんていねぇだろ……なぁお前等?」

「……ッ、惣万にぃ……」

 

 柱の影からひょっこり顔をのぞかせる女顔の店主。

 

「いやぁ、悪かったな。折角のデートだったのに、巻き込んじまったか?あ、コレさっき待ち時間に買った最近話題のプリンだ。箒達と食っとけ」

 

 箒と一夏を招き寄せ、手の平にガラス製の高そうなお菓子を乗っける惣万。

 

「あ、どうもー。あー、でもまぁそうっすね……こっちとしては千冬姉が楽しそうで良かったんですが……」

「……シスコンどこ行った……?」

「?」

「……ちょっと一夏?そんなことより後ろ!後ろの千冬さんの顔、顔ぉ!」

 

 鈴が何か言っているが一夏は何も言わない。だって振り返ったらヤバそうだもの……。

 

「いいか小娘ども……、今すぐ見たことを忘却の彼方に流すか、この世のあらん限りの苦痛を得て死ぬか選べ……」

「「「イ、イエスッ、マムッ!わたくしたちは何も見ませんでしたッ‼」」」

 

 一夏と箒の目の前で死人みたいな顔で頷いている三人を見て、『絶対に振り返るまい』、とカップルは固く決心した……。

 

「だから落ち着けって……ん?……おい、何か聞こえねぇか……?」

 

 まぁまぁ、と言ったふうに千冬をなだめる惣万だったが……急に吹き抜けになった中央広間を見る……。すると。

 

「ぅ~……たぁァァァァァァァァんッッッ、!?」

「ふんっ‼」

 

 天の道を往く男もびっくりなノールック回し蹴りを繰り出すネットアイドル。空中から降ってきた(・・・・・・・・・)金髪のアゴにクリティカルスパーキング‼

 

「ぐへぇ!?我が人生に……一点の曇りなし……」

「見事に餌にかかったよ……ほんと何言ってんのコイツ……いや、何逝ってんのコイツ……」

 

 推しに回し蹴りされ幸せそうに伸びているシャルルンを、可愛そうな人を見る目で眺める一夏たちなのだった……。

 

「む、姉さんと戦友(ダチ)達と教官……。んん?戦友(ダチ)達は何故そうも顔面蒼白なのだ?」

「ラウラ、お前が知る必要はない……」

「は、はぁ……?」

 

 そこにさらに合流する嫁馬鹿と三馬鹿、もうカオスである。天国から意識が戻ってきたシャルルは、そこにいたIS学園の生徒たちにようやく気付いた。

 

「……おい、お前等は何してんだよ」

「見て分からねぇか?みんなで遊びに来てんだよ」

「てめぇ……くーたんとそんな羨ま……、しゃらくせえマネしてんのかおぉん?」

「今本音が出たな?いや元からダダ洩れだったけども。……大した事してねぇよ、精々服屋行ったりコーヒーショップに行ったりしただけだ……」

「つまりデートじゃねぇか!よーしその祭り買ったァ!お前との仲も今日までじゃコラァ‼」

「いや、そもそもてめぇと仲良かったかァ!?てめぇが一方的に学園に来て喧嘩売って、今度はクロエとラウラを勘違いして帰ってっただけだろうが!?」

「やんのか?この脳筋スケコマシが!」

「オー上等だ、面貸せや!」

 

 揉み合いになったところでシャルルのモッズコートからひらりと一枚の紙が落ちた。それを拾い上げるラウラ……。

 

「ん、これは……ほうほう(・ω・#)嫁よ……」

「ぁん?嫁じゃねーよ、つか何だよ。今俺こいつと白黒つけたかったんだけど?」

「コートの裏を見せろ……」

 

 若干機械じみた声音でシャルルンを見上げる。

 

「え?何て?」

「コートの……、裏を……、見せろ……」

 

 分かりやすいように繰り返す。何故だか分からないが彼女の背後に死神が見えた……。

 

「……あ゛ぁもう、調子狂うぜ。いいけどさ、ホレ」

 

 そこには、くーたんブロマイドが何十枚も……。

 

「フンッ!」

 

 コンバットナイフを持ってブロマイドを切り裂こうとするラウラ。

 

「おわぁっぶね‼高かったんだぞコレ!切れたらどーすんだ!?」

「私ではなく姉にデレデレデレデレデレデレと‼貴様は嫁の自覚が足りん‼」

「お前が勝手に言ってるだけだろうがぁ‼俺は誰のものでもねぇよ‼てか俺の全部はくーたんのものなんだよぉ‼」

 

 だが、丁度その時……。

 

 

 

―キャァァァァァ‼―

 

 レゾナンス内に悲鳴が響く。それと共に何かが壊され、瓦礫が崩れる音がする。

 

「あん?」

「何だ?」

 

 その場にいた全員が視線をその方向に向かてみれば、三羽烏とは違うハードスマッシュが歩いてきた。

 

「アンタ……!学園に出たスマッシュ!」

『んん?……これは、丁度良い……』

 

 シマウマの怪物は、突如白と黒の光をまとい高速移動して拳を固めた……。

 

『お前ら……全員死んじゃえェェェェェェェ‼』

「何?俺っ、くっ……!」

 

 ゼブラハードスマッシュのパンチを躱しながら懐に手を突っ込む一夏。その手に触れるのは黒いドライバー。

 

 

 

 タッグマッチトーナメントが終わり、保健室で休んでいた時のことだ。因幡野戦兎が彼の手からスクラッシュドライバーを取り上げた。

 

『スクラッシュドライバーは今後使うな……』

『はぁ?何でだよ……』

『……理由なんて分かってるだろ、一夏。アレだけ無理をして身体が壊れなかったのが奇跡なんだ。これは預かるよ』

 

 そして、不安げな一夏の顔を見て、笑顔をつくる戦兎。

 

『大丈夫だよ、一夏。お前の分までオレがヒーローを張り続けてやるからさ!』

『………………ッ!』

 

 だが、その笑顔は、やはり無理に笑っているように見えた。

 

(また俺は戦兎さんの発明で失敗し、罪悪感を与えてしまったのか……?戦兎さんに苦労ばかりをかけるわけにはいかない……!ヒーローは……)

 

 

 

『考え事か?余裕だねぇ!』

「くっそ……!」

 

 箒の近くを飛び回っていたガジェットが一夏の手に収まり変形する。

 

【CROSS-Z DRAGON!】

 

「ッ、変身!」

 

【Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!】

 

 クローズになった一夏の拳がスマッシュの拳と激突する。

 

「はぁぁ‼」

『ぬぅあぁ‼』

 

―ドゴンッ‼―

 

「一夏!」

「千冬姉!惣万にぃ!俺は大丈夫だ!そんなことより避難誘導を……!クッ!?」

 

 がむしゃら、出鱈目に振るわれる怪物の拳。逆にそれが一夏にとってやり辛い。だが、そんな中惣万は真っ先に冷静に指示を飛ばす。

 

「……行くぞ、千冬。顔が利くお前が指示を出した方が何かと都合がいい」

「ッ分かった……惣万は南口の避難を頼む……、お前たちは……」

「大丈夫です、千冬さん。私たちはこのエリアの人たちを逃がします……!」

「……そうか。無理はするなよ」

 

 そう言って大人二人は駆けていった……。

 

『ふん、世界最強がいなくなればこちらのもんだよ!』

「何言ってんだ?鈴に負けたクセによぉ……!」

『黙れェ!……ふぶっ!?』

 

 蒼炎のストレートパンチを顔面に喰らい、無様に転がっていくゼブラハードスマッシュ。

 

「……俺にドライバーがあれば、と思ったんだが、その必要もなさそうだな」

 

 シャルルは冷静に戦況を分析し、三羽烏に周囲の人間の避難指示を出していた……その時だった。

 

『ん、こいつ……』

「え、あ……。がはっ……?」

 

 シャルルが視線を一旦でも外したのがいけなかったのだろうか。彼らの目の前では、ゼブラハードスマッシュに首を腕で絞められるクロエの姿が……。

 

「っ……くーたん‼」

『止まれ、動くんじゃねぇ!』

 

 慌てて駆け寄ろうとするシャルルだったが、クロエを盾にするように見せつけるスマッシュ。

 

『言うことを聞いてよ?でなければこいつの首を折るぞー?』

「……てめぇ……っ!」

 

 その卑劣な戦法はその場にいた誰もの心に憤怒の念を抱かせた。

 

「……俺たちに何の恨みがある……」

『うるさいなぁ。織斑一夏、さっさと変身を解けよー‼』

「……」

 

 そう言われてしまっては飲むしかない。一夏はドライバーからクローズドラゴンを抜いた。それを見て、ゼブラハードスマッシュは嗤うように頭を動かすと……。

 

『それじゃ……』

 

 クロエを持つ腕に力を込め始めた。

 

「う、ぐぅぅぅ……!?」

「てめぇ!?何してんだゴラァァッ‼」

 

 慌ててシャルルが飛び出す。だが、誰もが思った、間に合わないと……。

 

『約束を守るとでも思っていたのかなぁ!?ハッハハハハ‼』

「クロエェ‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺に内緒で勝手なことするなよ』

 

【スチームショット!Cobra……!】

 

『ガァァァァッ!?』

 

 蛇のように曲がりくねる弾道を描きながら、紫色のエネルギー弾がゼブラハードスマッシュに炸裂した。そのおかげでクロエを投げ飛ばす怪物。

 

「くーたん!」

 

 宙を舞うクロエを優しく抱き留めたシャルルは、朦朧とするクロエに呼びかける。

 

「嫁!ナイスだ!」

 

 三羽烏や妹のラウラが駆け寄る中、整った顔を不安で歪ませながら謝罪する。

 

「すまねぇ……俺が目を離さなければこんなことのは……」

「ゲホゲホッ……ぅ、グリス……。今だけは感謝します……、そんなに自分を責めないでくださいよ……」

 

 一方、吹き飛ばされたスマッシュに驚く一夏たち……。

 

『……がぁぁぁッ!?誰だよお……‼』

 

 だが、一夏たちは攻撃してきた人物に目星がついていた。何より蛇行するその弾道は、前にも見たことがあったのだ……。そして、その人物が、現れた。

 

『俺だ』

 

 ワインレッドのボディに緑のバイザー、マフラーのように巻かれた排水管、頭部の煙突……。

 

「ブラッド……スターク……?何で……?」

 

 血塗れの蛇は軽快な口調でゼブラハードスマッシュに向き直る。

 

『俺がゲームメイカーだ。俺達の許可なく計画を揺るがすことは見過ごせんな、ゼブラハードスマッシュ…………ん?』

 

 すると、迷子だろうか……。どこからか大声で泣く小さな子供が瓦礫の間から出て来てしまった。

 

「ままぁ……どこぉ……」

『こうなれば……!あの餓鬼を!』

 

 また人質にしようとするハードスマッシュ。だが……。

 

『ガハァ!?』

 

【スチームブレイク!Cobra……!】

 

 ハードスマッシュをスチームブレードで攻撃し、トランスチームガンで壁に叩きつけるスターク。

 

『……ハァ、全く子供って泣き出すとうるせぇよな……』

「スターク……、ッ!?」

 

 彼ら一夏やIS学園の生徒たちにとって、ブラッドスタークは残酷で他人を実験対決にしか見ていない人間だと思っていた……。しかし、彼は予想だにしていない行動をとった。

 

『よしよし、大丈夫か、坊主』

 

 涙を乱暴に拭い、ぐしゃぐしゃと髪の毛を掻きまわすスターク。呆気に取られて声も出ない生徒たち……。そして、助け出した子供から零れた言葉は、皮肉にも……。

 

「………………かめんらいだー……?」

 

 奇しくも、ヒロイックなパワードスーツに見えたのだろうか。今世間に浸透している正義のヒーローの名を血塗れの罪人に尋ねる少年……。

 

『………………俺を仮面ライダーと呼ぶな』

 

 その言葉を彼は拳を握り無感情に否定した。そして、彼は言葉を続ける。

 

『仮面ライダーはな……、正義のヒーローなんだよ』

「……わるいひとなの……?でもたすけてくれたよ……?」

『……忘れんなよ坊主、誰かの正義は、誰かの悪ってことがある……。坊主が思った俺のことなんて、嘘偽りに塗り固められたワルモノそのものだ』

 

 あごでしゃくり、近くにやってきていた年若い女性を指し示す。

 

『ほらよ、あの女がお前のママだろ?帰るべき場所に帰れ』

 

 母親は慌ててスタークから息子を庇うように抱くも、ひらひらと手を振るスタークに一応の会釈をした。

 

「うん……でも、ありがとー、ワルモノのおじちゃーん!」

『……いや、俺おじちゃんって年じゃねぇんだけど……』

 

 天真爛漫な笑顔で手を振る少年に手を振り返す赤い罪人。それを見て、一夏は疑問を口に出さずにいられない。

 

「なんで…………?」

『……さぁな。ん?』

 

 スタークはそんな疑問に答えずに、ごそりと動いたシマウマの怪物に目を向ける。

 

『もぉぉ……‼もぉぉぉぉぉぉぉぉ!一人でも殺しておかなきゃらなないのにぃぃぃ‼』

『させるわけないだろ?ハァ‼』

『グゥッ!?』

 

 懲りずに生身の人間に襲い掛かろうとするゼブラハードスマッシュ。が、そのパンチを受け止め背後にいるIS学園の生徒たちに怒鳴る。

 

『何をしている!早く行け!』

「お前……本当に、何で……?」

 

 未だに混乱している一夏に、箒は努めて冷静に声をかける。

 

「……一夏、行くぞ……避難誘導は千冬さんがやっている。私たちも人を逃がさなければ!」

「……分かったよ。あんな奴に助けられるのは癪だけど、仲間割れなら丁度良いしな……。皆、行くぞ!」

 

 怪我で動けなくなっている人を助け、避難指示を出しながら走る一夏。その頭の中は疑問で埋め尽くされていた……。

 

(何故スタークは俺達を庇った……?俺達の誰かを始末しようと襲い掛かって来るのならまだ分かる。だけど……)

 

 親に出会えてうれしそうな顔をする子供。それを父親の様な眼差しで見るスターク……。変身した赤い姿。自分の姉や篠ノ之束、戦兎さん、惣万にぃ……姿を変幻自在に変え本性を隠した姿。一体どれが彼の正しい姿なのか……?

 

 

 

 

 

 

【エレキスチーム!】

 

 紫電がスマッシュに襲い掛かる。

 

『ぐぅ……!お前はァァァァァ‼』

『落ち着けよ?俺はお前の敵じゃない。ただあの場から連れ出すためには必要なことだったのさ……………………織斑節無?』

『な、何で…?』

 

 そう言うとスタークはトランスチームガンから霧を発生させ、レゾナンスから遠く離れた雑木林に転移する。

 

『俺達はファウスト……まぁ知ってるか。そして、お前がお前の“ママさん”から俺達の技術のコピー品を受け取ったのも知っている。つか、俺はお前のママの知り合いだ』

 

 どっこらしょ、と丸太に腰掛け、ひらひらと手を振る赤い蛇。

 

『ッホント?』

『そうそう!お前のママに頼まれてねぇ、それと折角だ、だったらお前に最高のショーを見せてもらいたいと思ってな』

 

 枯葉指を立て、仮面の奥でニヤリと笑う。

 

『ショー……?』

『そう、お題目は仮面ライダー殺戮ショー、その物語の主人公は…………お前だ。きっとお前の“ママ”も喜ぶぞ』

 

 その言葉に気を良くする節無。だが、一旦持ち上げてから落とすスターク。

 

『さて……、観察していて分かった。お前は織斑一夏に恨みを抱いている……だが、今のままでは奴には勝てない……』

『?何を馬鹿な、僕が弱いなんてあたりまえじゃないか、こんなに優しく穏やかに生きてきた僕が荒事をするなんて、普通だったら有り得ないんだからね…!』

『怒るな怒るな……そこでだ』

 

 どこからか赤いデバイスを取り出す……、それが厄災の道具であるのも関わらず、節無は力に魅入られたようにそれに手を伸ばす。

 

『な、何それ……?』

『………………ハザードトリガー。これを使えば、今の織斑一夏よりも強くなる』

『何だと……?』

 

 その言葉に節無は歓喜する。

 

(力を手に入れれば、まだ見ぬ『ママ』も僕のことを振り向いてくれる。誰も彼も『ママ』として一緒になって遊んでくれる。僕に構ってくれるんだ。この力を与えてくれた『ママ』はやっぱりすごいや。大好き、大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き…――――!)

 

『あぁ、IS学園の連中については気にするな、俺が何とかしてやる』

 

 そして、人間に知恵の実を授ける蛇が如く、親し気に節無の肩をたたく。

 

『我々は被験体を探していた……そしてお前は力を求めた。な?互いにwin-winの関係だろう……?さぁ、成すが良い、お前が主人公の物語を!俺達はお前のママと一緒に、観客として見物させてもらうぜ』

 

 

 

 

 

『う……ぐうぅ……ぐぁああ……うぅぅ……!』

 

 水槽の様な機材の中で苦悶の声を上げる織斑節無。それを覗き込む人影があった。彼女の右側頭部にあるサイドテールが揺れる。

 

「へぇ……それで自ら強化手術を受けることにしたのね、この馬鹿は」

 

 黒い中華風の制服を着たスタイルの良い少女は豊かな胸を抱えるように腕を組む。

 

「そんなことより当機は空腹である、宇佐美、これは摂取しても良いものか?」

「ちょっ、アンタそれロストタイムクリスタル!絶対駄目だからね!?」

 

 チャイナドレスの少女が銀髪の黒いダブルコートの少女に注意したとき、実験施設にそぐわない豪華なソファに座ったナイトローグが口を開いた。

 

『さて、IS学園の生徒たちは間も無く臨海学校に出発する……その時がお前等の初陣だ。頑張ってくれたまえ………………』

 

 

 

 

 

 

『ブラッド・ストラトスNo.03、No.05……。いいや、緋龍(フェイロン)赤い雨(ロータア・レーゲン)

 

「……嘻嘻(キキ)咯咯(クク)哈哈哈(ハハハ)!」

「ふむ、この空腹感は些か活動に邪魔ではあるが……、求められた任務を遂行することは約束しよう」




万丈「……もう、飲める気がしねぇ……」
一海「俺の心火が燃え尽きたぜ……」
幻徳「親父……俺はなれなかったよ……」
戦兎「何が、何が違うんだ……?」
惣万「スイマセーン、台本忘れましたー……って、何があった!?」
戦兎「エボルト人間ッ‼︎ちょうどよかった、お前とエボルトのコーヒーの違いって何ッ⁉︎」
惣万「え……、んーっと……隠し味に愛情が入っているか否か?」
一同「「「「成る程、納得」」」」
惣万「あ、エボルテックなニュアンスは含まねぇよ?俺は人間を愛してるし、うん。(元人間だし)ずっとずっとずーっと!」

あらすじ提供元:ウルト兎様ありがとうございます!


※2021/02/13
 一部修正

今後の進め方の優先事項

  • 瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
  • 夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
  • ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
  • 全部
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