IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
……………………ひどい目に遭った。ケタロスることになるなんて。いやぁ、でも流石エボルだな。ブラックホールフォームで大気圏突入しても身体に一切熱とか感じなかったんだモノ《ビシッ》……ん?何だ今の音。何かが割れる様な……あ゛。
『うっそだろお前……何で石みたいになっちゃってんだよエボルトリガー!?』
フェーズワンになった俺のエボルドライバーから強制的にはじき出される灰色になったアイテム。まさかさっきの大気圏突入で壊れたのか!?いや、それは無いだろ……こんな小型のデバイスでも一応未知の物質で出来ているんだからあれしきの衝撃で壊れる強度じゃない……。このベルトの持ち主になったからか何となくそれは分かった。
『うーむ……。この状態、テレビで見てた使用不可だった時のトリガーだよなぁ……。ってことはパンドラボックスとのシンクロに何らかの問題が……?』
俺はそこに座り込み、パンドラボックスを開ける。スカイウォールは出さない様に慎重に慎重に……。
『……あっちゃあー、何本かの正規のフルボトルの成分が抜けちゃってるな……。ええと?成分はまだパンドラボックス内……パンドラパネルに吸収されている、と……。どうにかして回収する方法を見つけないと……。さてそれよりも、ここが何処か、ということだけれど……』
何だけれども……。
『はぁ……、プラニスフィア先生よぉ……何を間違えてルクーゼンブルク公国に着陸するのかねぇ……』
生前、自分はサブカルチャー産業を享受し、金回りをよくする活動をしていた。まぁつまりはオタクというやつである。ライダーヲタでラノベヲタとか、人様にあまり胸を張れなかった思い出があるが、……いやそれは脱線か。
ともかく、ここがどんな世界か把握した。つーか、あのSAN値がおかしくなりそうな場所で真っ先に見た風景がここだったしな…。
ここはハイスピード学園ラブコメ+SFバトルスポーツ要素の入り交じったライトノベル、インフィニット・ストラトスの世界であるらしい。
ついでに言うと、ここはルクーゼンブルク公国。小説12巻でISコアの材料『時結晶(タイムクリスタル)』の産地として、さらに一夏ラヴァーズに入った王女様の出身地として名前が上がった国、それも森の中にいたのだった……。
『どーしたもんかね、この状況…』
確かアプリゲーム『インフィニット・ストラトス―アーキタイプブレイカー―』の舞台が2022年だった……、公式外伝だったから年月も同じのはずだ。(まぁアニメ版と小説版は違うって言うけどね……)それを目安にすれば主人公ズが生まれる年は2006年度ということになる。そしてさらに世界最強と天災が生まれるのは1998年くらいだったか?それで、時間や場所を調べなきゃ……。
それはともかく、流石にこのまま街の中に入るのは憚られるので一旦変身を解除しようとした俺だが……。
『いや待て、本当に身体が人の形をしていなかったらどうしよう……。傍らに憑依出来る動物か何かを置いておくか……』
仮面ライダーエボルのまま森の中にいる動物を探す為に使う俺。すっごいシュール。そんなこんなで毛並みの良い猫を捕まえてから、意を決してベルトを外すと……。
―どろぉ……―
(やっぱりかよぉォォォォォ!?こんな所までエボルトチックにしなくていいのにぃ!)
赤黒い煙(?)……液体(?)になった身体がフワフワと宙を移動する。それを見て警戒していた猫は毛を逆立てながら俺を威嚇する。そーだよな、成金チックの格好の人型からこんなん出てきたら俺だってびっくらこくわ。だが済まない、エボルトと違い擬態が出来そうもない俺は肉体が必要なのだ、トゥッ!
(……、よし、憑依成功だ。このまま街まで散策に行くとしよう……と言うかイマジンとかの十八番の憑依だけど、動物に憑依した怪人っていたっけな……うっ、情けない……。はぁ……、本家エボルトに知られたら……。いや、ねーな。あっちベルさんとの戦闘で死にかけて滅茶苦茶弱体化してて俺のこと笑える立場じゃねぇし)
(この国の公用語、読めてよかった……生前言語学ちゃんと学んでおいてホントよかったわ。何々……オレンジスカッシュにバナナオーレ……メロンエナジースパーキング……?それにヨモツヘグリ……っておい、見間違いか!?止めておけそれ出すの‼)
そんなふうに昼下がりの商店街をブラブラする黒猫の俺。ま、蚤の市みたいなところだから猫がいても違和感はない。やったね。お、アレは……カレンダーだ!何々……27.09.1994と……。
……えぇ!?1994年!?原作開始前かよ‼ヒロインキャラの誰すらも生まれていないよなコレ?辛うじているのスコールとオータムぐらいじゃないか。
ならやることが全くない。はぁ、仕方がない、この国に来たのも何かの縁だ……、タイムクリスタルを幾らか頂戴していこう……。さて、それなら……洞窟は何処なのかな?
(フム……。ありがとうな猫ちゃん)
町から離れたところで俺は憑依元となった黒猫から離反する。そして赤黒い流動体の状態のまま『EVライドビルダー』の展開を省略して仮面ライダーエボルになった。……略せるんだ、変身シークエンス……。
『さてさて、天災兎が時結晶を知る前に少し、細工でもしておくかな……。ま、それよりもまず地下の鉱脈を調べるには、っと……』
俺はパンドラボックスからいくつかのボトルを取り出し吟味を始めた。
『扇風機……、確かエボルドライバーに読み込ませるとファン、だったな……いや、だが穴掘りっていうのは効率が悪い。ドッグ……どっちかって言うと嗅覚強化だからタイムクリスタルの匂いを知らない俺には無理か……。……お、これならいいか?』
さて、諸君らはカローラ・スパイダーという蜘蛛をご存じだろうか。エンマグモ科に属するそれは、自分の巣穴の周りに水晶を設置して、石に触れた得物を振動で感知して襲うという特徴を持っている。それを俺は応用し、時結晶の振動をスパイダーフルボトルで感知して鉱脈を見つけることにした。
【蜘蛛!ライダーシステム!】
【クリエーション!】
【Ready go!】
【蜘蛛!フィニッシュ!チャーオゥ!】
その音声と共に俺は地面に手の平をつけると、その手を中心に紫電が蜘蛛の巣状に広がりだし、意識のみがこの国の地下へと侵入していく。俺はこの国の地脈と繋がったのが分かる……、振動を捉える感覚が冴えわたる。そしていくらの時間が経ったのか、俺と時結晶の間にリンクが繋がった。
『……成程。コレがタイムクリスタル、か。意志を持つ石とは知ってはいたが……。全く……』
【【【■■■■■■■■■■■■ッッ!?■■■■■■ッ‼】】】
『うるせぇな……。ちょっと黙ってろ‼』
効くかどうか分からなかったがリンクが繋がっている状態で無機物生命体に効く毒諸々をテレポートで送り込む。
【【【ッ!?】】】
お、どうやら効いたみたいだ。ラッキー。
『さて、んじゃ、サンプルを幾らかいただいていきますか。ちょっと待ってろよ。用が済んだら毒抜いてやるから』
そうして俺はテレポートし、神秘的な洞窟に現れる。おぉ、これは……綺麗だ。まるで“
……まぁ良いか……。それじゃ、解毒してっと。
『それじゃあ……………………今日の所は……これと、これと……。一応もう一つ貰っとこうか。それじゃ、今度はISとなって会おうじゃないか。今日はこれまでだ、それじゃあ、Ciao♪』
地面に転がっている結晶を弄ぶように拾い上げ、お手玉をしながら俺は洞窟内を後にした……。
初っ端から壊れたエボルトリガー。まぁ仕方ないよね。テレビでも最終局面に出てきたし……。あと主人公の行動に他意はありません……主人公には。
※2021/01/07
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部