IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
???「さぁ?自分から名乗ればいいんじゃないの?」
???「ところでこのボックス貰って良い?」
???「お、ちょ……アンタら待って!プロローグ最終フェーズ、どうぞ!」
さて、ここで仮面ライダーエボルについて説明しておこう。これは平成ライダーシリーズ19代目の主人公、『仮面ライダービルド』に登場する仮面ライダーだ。しかし仮面ライダーと入っているもののその実態は『エボルト』と言う地球外生命体が使用する怪人用パワードスーツの様な位置付けである。強い力によって『人間を守る』防衛システムとして設計された『ビルド』と違い、対象を攻略、撲滅する能力に重点を置いている。
そして地球にやって来る時に見せた姿がブラックホールフォーム。仮面ライダーエボルの完全体であり、テレポートや“ある能力”を利用した攻撃などで大概の世界で強キャラとタメを張れるだろう力を持っている……が、しかし。今の俺の状況は……主人公風に言うならば『さいっあくだ』。
『ヤバい……フェーズワンになったとはいえコレは弱体化しすぎている……。それにさっきからドライバーの調子が拙い……』
周囲の風景がスクリーンに投影された映像の早回しの様に過ぎ去って行くが、さっきからノイズの様な波が現れだし、徐々にスピードがおちていっているのが分かる。
仕方ないと思った俺は高速移動を一旦やめ、どこかの国の大地に降り立つ……。どうやら紛争地帯のようだな……。こんな所にいたらヤバイ……と考えた瞬間、それを狙ったかの様にドライバーから激しい火花が飛び散った。
『……っ‼ガァァッ!?』
ドライバーが真っ二つになり、変身が解除されアメーバの様な……不完全な姿になってしまった。やばいやばいやばい!ドライバーが無いから人の形もとれない!ドライバーの修復にも俺じゃ無理だ……だが天才科学者が……こんな辺鄙な紛争地域にいるわけが……。
「……うん?こりゃ何だ?アメーバ……?」
「……違う、四季。コレは……地球上の物質ではない……スペクトル解析でも分析が不能だ」
いたわ。この国には不釣り合いな服装をした二人の若い女が目の前に!だけども、どうやってコミュニケーションとればいいのかね?
(……何だ、お前等は……?)
「「!?」」
おぉ?出来たわ。某スペースオペラのヨー〇とかダー〇ベイダーっぽくコズミックなフォースを思い描いただけなんだけどね。
「こりゃ……念話ってやつか?ハハッ、いよいよSFみたいになってきたね?」
「私たちは科学者だ……お前は何だ?」
うーん?名前か……?この情けない姿で生前の本名言ってもなぁ……って気がするし……。
(俺は…………そうだな、エボルト、と言わせてもらおう。君達の言う別の地からやってきた知的生命体だ。そうだな……ちょうどいい、コレ、直してくれないか?)
そうテレパシーで伝え、彼女らの足元にあったドライバーを指す。
「……?コレ?随分と派手なコーヒーミルだな……?」
(それはエボルドライバー。俺の身体を創るものだ)
「へぇ……?でもこれだけじゃないでしょ?」
(ご明察。ここにボトルを入れないとなんだが……ん?おい、ちょっと待て、何勝手に触ってるんだ‼)
「え?」
近くに落ちていたパンドラボックスを女科学者の一人が不用意に触ってしまった……。するとその箱から光が放たれ始め……。
(……ん?俺は何ともない……まぁそれもそうか?この箱の持ち主は俺なんだし……。おい、お前たち、大丈夫か?)
「……」
「ふ、フフフフ……。もぉんだいないわぁ」
あれ?黒歴史発生中?コレ……ヤバくね?
「で?貴方に協力しろってぇ?……ん~。どうしようかしらぁ?」
まずいな……うん、マズい。二人ともヒゲホテルよりヤバイ面構えになっちゃってるし!
(おい、ちょっとストップ、お前等一旦落ち着いてくれ?いや落ち着いてくださいお願いですから……このままだと貴女達の所為で世界が滅びるかもしれないんですよ!…………っ!?)
あっぶなぁ!?注射器!?いやゴメンて!内海ィ~♡の真似したのは謝るからさぁ!?
「あぁ~、避けないでよ……。折角人間を超える遺伝子が手に入るところだったのにさぁ?」
(いやいや、俺の遺伝子欲しがってどういうつもりだ!?)
「決まってる……、私の娘、息子たちが……人間を超えるためだァァァァァァァァッ‼アーッハッハッハッハハハハァッ‼」
うっわこいつヤベー、マジヤベー。
(くッ、ちょっ、ぬおぉぉぉっ!?)
「ちっ、すばっしっこ~い…………」
待て待て!こいつほんとに人間か!?今の俺、スライムボディだけど人間以上のスペックなんだよ?小規模のテレポートをして、何で出現位置が分かるんですかねぇ!?
「てぇん↑さい↓ですからァ!」
(心を読むな……ぐぉッ!?)
やっべぇ、一部取られた!
(クソッ、ここは……逃げさせてもらうっ!あーばよぉ、とっつぁ~ん!)
そう言い残すと俺はパンドラボックスに触れ、その場から赤い残像を残して尻尾を巻いて逃げだしたのだった。それ故に、仕方なくエボルトリガー付のエボルドライバーは諦め、あの科学者連中に献上することになっちゃった。何?カッコ悪い?生憎俺に強キャラ感を求められてもなぁ……締める所は締めるけどさ。
(にしたって……はぁ、どうすっかね……こんなドンパチやってる国で体を得るのは……最悪死体に乗り移るか……?原作開始まで大分あるし、テレポートも長距離の移動は出来なくなった……手詰まり、か?)
弾丸飛び交う廃墟で溜息を吐くスライム。アレ…?何だか……急に……眠く……?
「ちぇっ、逃げられちゃった……ん?どうしたの?」
「四季、これ見て。さっきのアメーバが持っていった箱の側面…………」
「ふーん…………。何かめぼしいものでも?そういった分野は専門外だから君に任せるよ…………、
その言葉を聞いた彼女は、新しい玩具を貰った子供の様に、無邪気に微笑むのだった…………。
プロローグ 終了
プロローグでエボルドライバーとエボルトリガーぶっ壊れたうえ無くしちゃった主人公。うーん、不遇。
※2020/12/05
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部