IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
―混迷はもう直ぐ、間もなくだ……。世界がついに、否、遂に変わり始める―
惣万「さて、どうなる第九十二話……フハハハハ……ハーハハハハハハハハ‼」
私は産まれた時、全てのモノが醜く思えた。周りを見れば、非生産的な事に命を賭ける悪役思考のスライムだらけだった。
どの星を滅ぼした、だとか。それを神の視点で見れる自分達が崇高だとか。それがステータスだってか…?はっ、くだらねぇ。
このままこ奴らを生き永らえさせておけば、宇宙の誰かが悲しむんじゃないか?ブラッド族を、生かしておく意味があると言うのか?
……、ねーな。
コロス。
『ハハハ…フッハッハッハッハァ!』
『エボルト様!?一体何を…、…我ら一族の使命を忘れたのですか⁉』
?…ナニヲバカナ。
『星を滅ぼす事、でしょう?手始めにこの星を滅ぼすだけです、一匹ずつ殺していくのは手間ですが、まぁ関係無い。星よりも、貴方達の方が美味しそうですし?』
コロス。クラウ。
―がぶぅっ!ブチブチブチィ‼―
『………………………………ぇ、はン?』
クラウ。コロス。
―ぐちゃっ!ズチャっグチャあッ…バキッ―
『『ギャァァァァァァァァァァァァァアッッ⁉』』
コイツラ、コロシタラオモシロソウ。コイツラ、クッタラオイシソウ。
―くちゃっ、ぶちゅ。ぐちぐち…ごくっ!―
『あ、あぁ……あぁぁああぁァァ………………』
コイツラ、クウ。
『成程…これがブラッド族の味……、く…はは…アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!』
……ウマイ。
―ばくゥっ!ゴリゴリゴリッ!グチャグチャァッ‼―
…うまい。旨い。美味い。
『ウギャァァッ‼』
『ご…御乱心、御乱心んン‼王子女様御乱心っ、あっギャァァァァァァァァァ‼』
ウマイ。
うまい、旨い。
美味い、
『旨い……実に美味い。悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、恋のように甘い……』
星を喰らう事がどれ程のものかは知らないが、私にはコレが何とも美味に感じる……。同族達の絶叫こそが、何よりも私の心を満たす……。愉楽、美食、そして私に集う忌諱の視線…。
『ひっ⁉…お、御慈悲を…『は?嫌です♡』ぉぉおおおおおおおおおおおおぁあああああああああああ⁉いだいいだいいだいいだいいだいいだいィィィィィィィィィィィィィ‼』
女中、美味い。近衛、甘い。ブラッド族、旨い。
―バグバグっ、グチャッグチャッ!ズルズルッ…ムシャ、めしゃァ!―
美味しい……。肉も、脳髄も、眼も、臓物も。悲鳴をあげる様子も食欲をそそる。自分達が死ぬはずが無いと思う絶対的上位者が生態系の遥か下方へ転がり落ちる……、うむ。他人の不幸は蜜の味、全く以って頷ける。何とも甘美、何とも甘露。
『なん…だこれはぁ……‼』
おや、これはこれは……。
『なぜだエボルト!王家を…我々という高尚な種を滅ぼすというのかァ!』
『見て分かりませんか父上?その通りです。私は己等が上等だと思いあがり、他の生物を見下すしかできない……そんな下衆が自分の種族だという事が許し難いのですよ』
『貴様ァ‼』
『あぁ、別に勘違いしないでいただきたいですね。貴方達がほんの僅かでも心を理解できていたのならば私が手を汚す必要もなかったのですが……、所詮は単細胞生物共だ。貴様ら如きに私が支配されるなど理不尽ここに極まれりだな。故に私は、天に座し、絶対だと錯覚し、思い上がった貴様らを討ち墜とす』
『ブラッド族は殺す』
―ごりゅっ―
『全て殺す』
「あっがぁぁっッッ‼何を言っている貴様ァ!貴様も同じ一族だ、星を狩らずにはいられないサガを持ち、その使命こそ至高なる愉悦であることが何故分からない!?貴様のようなものは全ての存在から否定される!」
『それが?最後に死ぬブラッド族が私になった。それだけですよ』
『うぎっ…が…、…』
父親、旨い。
『さて、次は……む?』
『き、貴様は我々の同族などではない!我々の姿を真似ただけの……化け物だエボルトォォォォォ『そうですか、で?』ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアァァァァァァァァァッッッッ‼』
母親、ウマイ。このまま、全員食べてしまおう……。
『けぷっ……。さてさて、やはり来ましたか……兄上』
『エェボォルトォ!その箱を返してぇ、もらおぉかぁ!』
キルバス……。やれやれ、蟹は生前食
『パンドラボックスは私が使う運命にあるのですよ……この通り、ボトルも私に反応して、この星にないエレメントが注ぎ込まれました』
これで、私が……初めて“この世に生まれ落ちた”。ブラッド族ではなく、生まれ変わった俺が……‼
『この星を滅ぼして、まだ見ぬ故郷へ里帰りさせていただきますよ』
『なぁらばぁ!力ずくで返してもらうぞぉ!この星を滅ぼすのは、オレだァァァ‼』
『バカなことを。確かにあなたは私より強い。……だが、兄上は私に……いいや、“俺を一度として出し抜けたことがない”』
【オーバー・ザ・エボリューション!】
『星を滅ぼす……その詰まらん言葉、その詰まらん考えが、お前に滅びを約束する』
【エボルドライバー!】
『思い上がるなよ兄上、見ていて哀れだ』
【コブラ!ライダーシステム!レボリューション!】
『変身』
―ドォァァァァァァァァァンッッッ‼―
『それは……‼』
『俺の完全なる姿……これこそが愛と正義の戦士、仮面ライダーだ』
……うむ、大量虐殺をした俺が言えた台詞では無いな。まぁ良い、殺すか。
『ぬぁぁぁぁぁぁッッッ‼何故だッ‼何故俺が……幾万の星を喰らってきた俺が‼政権争いにも参加しなかった妹如きに、こんなところで……‼』
『まだ分からないか、魂の格の差を』
【ブラックホールフィニッシュ!】
『俺はブラッド族を丸ごと喰らっても、その思念に汚染されることが無いらしい。大事を取って余計な思念エネルギーは排出したが……今の俺と戦う事は、ブラッド族全ての力をその身に受けていると知れ』
【Cia~o♪】
『ば、かな……バカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?』
『俺が“エボルト”じゃない時点で、お前たちの運命は決まっていたんだよ』
―カッ……‼―
その日、大宇宙の片隅で、災厄を呼ぶ一族と星が根絶やしにされた。
あぁ……。ブラット星というものは、星というのは、本当に味気ない。エネルギーが体に満ちるのが分かるが、それだけだ。
『まぁとりあえず御馳走様、まさか星狩りの記念すべき第一号がブラット星とはな』
だが……ブラッド族の母星を食っても大した力を得られないな。所詮エボルト究極態程度か……。まぁ土とマグマの塊だから仕方がないといえば仕方がない……。
……!そうだ、恒星を食ってみたらどうだろーか。ただの惑星を食うよりもエネルギーが比ではないはずだ。おっと、けど食べたら生態系に悪い影響を与えるのは御免こうむりたいし、エボルトみたいに新世界を創りたいわけじゃないし…。
『ま、ひとまずズラかるとしよう。腹が減るという感覚はないし、のんびり行くかぁ。異星人とのコンタクトに期待もあるし、宇宙人の食事や文化に興味津々だし』
そして、幾万の時間が流れた。数々の星で、様々な出会いがあった。様々な戦いがあった。様々な尊い生き様を、醜い悪意を見てきた。滅び行く星を守ったことも、破滅を望んだ民に頼まれ、その星を食らったこともあった。宇宙を滅亡させる程の死の恒星をブラックホールに吸い込んだこともあった。……俺は自分で言うのもアレだが…ちゃんと『仮面ライダーをやれいていた』、と思う。
そして、光り輝く銀河の中で、友もできた。
『なかなかやるな…貴様、名前はなんだ』
『仮面ライダー、エボル。そういうお前は…フォーゼに出てきそうだな?』
隕石のようなごつごつした瞳。流れ星のようなアーマー。不気味な俺の外見より、ずいぶんとヒロイックで綺麗な色……。
『全てのものは滅びゆく…だが、ブラッド族は滅ぶべきだが、貴様は滅ぶべき存在ではない』
『何…?』
『またどこかでまみえよう…』
『お、…ちょちょちょちょちょ。待て待てって』
身体、隕石展開して行くなって!
『む、なんだ…』
『俺には行くアテがない。一緒について行っても良いか?お前の仕事も手伝うからさ』
『…好きにしろ』
お、ラッキー!丁度良いや、駄賃として……カタストロフリアクターの構造とかのレシピを教えてあげよっか。
そして、美しい生命溢れる星で、もう一人の友ができた。
『私は……お前の友達だ』
美しかった。悍ましい俺の姿を見ても拒絶しなかった、心を見てくれた。
『お前は優しいな…』
とち狂った俺の手を握って、眼を逸らさないでいてくれた。俺は……エボルトから、ソーマになった。
『ほう!擬態か……それがブラッド族とやらの姿か?』
『いんや、これは……生前の姿だ』
『セェゼン?……それにしても女顔だの』
ポニーテールにした黒髪を引っ張り、聞いてくるベル。毎日が愛おしかった。大切だった。生前を含めて初めて、凡庸で幸福な『人』になれた気がした……。
『他を想う心…それだけで人は光になれる。この星の民を守り、希望の光を照らす。それが私…創世王ベルナージュだ』
阿呆らしい程の力を見せつけながら……それを民に分け与えたり、兎に角変なヤツ……それが火星の女王様だった。
だけれど……。
『キルバス、それ以上の悪事はこの私たちが許さぬ!』
………………ごめんな。巻き込んでしまって……。
『この宇宙を守る為、私は何度でも蘇える。お前の行く末を見届けるまで…』
そう言って、最後まで、自分のやりたい事を…我儘をせずに……。
「そうか……そういうことか。思い出した」
………………良かった……。
「あいつ…生きていたんだな…」
―だが、もう俺は……お前たちのマスターでいられない…―
人間、石動惣万は、間もなく死ぬ……。
三人称side
『ッ……』
無のように白い光線が通り過ぎると、『消滅した大気』を補うように暴風が吹き荒ぶ。
『…』
怪物は無言のまま、たった一度だけ、腕を振るった。
―……ブンッ―
「なっ!!!!?」
海が、割れた。
「「「「「!!!!?」」」」」
文字通り、真っ二つに。周囲を旋回していた小型昆虫ISを塵の様に吹き飛ばし、雲さえ裂いた。
「がっ、は……ァ!!!」
『…』
Mの纏ったISは、学園校舎を突き破り吹き飛んでいく。
『(何故だ!何故この私が圧されている…ッ⁉)舐めるなぁっ‼』
『……』
蝙蝠の羽のように広がったビット兵器が集結し、一本の巨大な剣と化した。
『各マニューバ、レベル5…同調開始!』
天へとそそり立つ黒光の大剣。刃渡りは高層ビル以上あろうかという巨大さだった。
『死んでしまえ‼』
―ドッガァァァァァァンンン!!!―
煙が晴れて、怪物が現れる……。
『…』
「………………っ、嘘だろう?」
無 傷 で あ る 。
『馬鹿…な……』
今の攻撃は渾身の力を込め、全身全霊の殺意を以って殺そうとした。Mは戸惑う事しかできなかった。今まで、殺すと決めた人間達は、私の決意と違わず死んでいった。だが、何が起きている?何故私はコイツを殺せていない……?
その瞬間、白い身体の怪人が掻き消える。
『ぎゃあっ⁉』
前方から、側方から、背後から。叩きつけられ、弾き飛ばされ、吹き飛んだ先でも待ち構えられ……。
『がっ、ぐぅ…⁉ぎゃぁッ‼』
「圧倒的…すぎる……」
見ているこちらの方が胸が痛くなってくる。戦いなどではなく、嬲り、遊んでいるようにも見える。圧倒的な力のみがそこにあり、理性など欠片も残っていない白い怪人……織斑一夏の成れの果て。
『ぐ、ぅ…あぁぁ…ぬぅぅぅあぁ‼』
「っ、一夏…もういい」
箒は涙で濡れた顔を上げ、そして愛する少年に声をかける。だが、その白い蛇は手甲に覆われた腕を振るうのを止めない。
「もういいんだ一夏、もういい……」
無心に、機械のように黒いISを殴りつけ、衝撃は絶対防御を貫いてMのマスクにヒビを入れる。
「もういい一夏ぁっ‼いい‼やめろぉぉぉッッッ‼」
『タス……ケル……ト、……ヤクソク…シタ……』
「…え」
だが、返ってきたのは、呟くような……そんな言葉だった。
『モウ……ナカセナイ…ッテ……キメタ……』
人であった頃の心から零れ落ちていくそんな言葉。
『マモッテ……ミセル……』
否、既に人や化け物と言う括りに非ず。
『ナカマハ…セカイハ…、…』
ただ一つ、確かなことを言えるとすれば……。
『……ホウキハ、……オレガマモル』
その身が修羅畜生に墜ちようと、変わらなかったのはその思い。
「ッッッ!?」
(私が……一夏に……負担を強いていた…のか……?)
既に目の機能は失われたにも関わらず、包帯の奥から涙が流れる。
(私は……仮面ライダーの様な力が無くて…だけど、私にはIS開発者の妹という責任があって……。力を、成すべきことに使わなくてはならなくて……、足手まといになりたくなくて……)
『マモル……ダカラ、ナカナイデ…ホウキ、ナイチャ、ダメダ』
(一夏の傍で、支えたくて、護りたくて……、ここにいるのに……。なのに、どうして私は……いつも、一夏に……頼ってしまう甘えがあるのだろう……)
「……、っ!」
【Ready go!】
「ま、待て……」
【ホワイトホールブレイク‼】
「待ってくれ一夏‼待って‼お願いだ……待ってくれ‼」
そんなことをしてしまっては……お前は後戻りできなくなる!
「待ってくれぇ‼」
そ の 時 、 不 思 議 な 事 が 起 こ っ た 。
『そこまでだ』
「ッッッ!?」
黄金の光を纏った球体がその攻撃を防いだかと思えば……、空中に銀髪を揺らす少女が立っていたのである。不思議な淡い光に包まれ、周囲を女王の如く睥睨する少女……。
その外見は、間違いなくクロエ・クロニクルだったのだが……。
『……【L-@>*EY】』
人の身には聞き取れない音律が口から洩れたかと思えば、その少女の片手には金色に光る槍が握られ、開かれたその瞳は碧緑に輝きだした。
「クロエ……?」
顔を上げた彼女に声をかける仲間たちであったが、彼女は我関せずと言った態度で槍を遠方へと……投擲した。
『そのまま動くな。狙いが逸れる』
「「「!!!?」」」
それは、光の速さで吸い込まれるように怪物となった一夏へと突き進み、そして………。
―ドッガァァァァァァンンン!!!!―
『…ア、アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼』
巨大な爆発、閃光、そして熱風が周囲数十㎞を覆い尽くす。
「こんな、……ことが…」
ISに乗っている少女たちは各々の機体の能力を使い、情人ならば致死の環境へと適応した。だが、その余波ですらも、IS学園の外観を
「…こんなの、もう…兵器でもISでもない…」
『グルルルル……』
攻撃を受けた白い怪人は、怒りの声を静かに上げると、身体から闘気を立ち上らせる……。
―ブワァッッ‼―
『…オォオオォアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼』
片手に『この世界の物質と逆位相のエネルギー』が収束されると、白い怪人はテレポートによって姿を消し、金色の光を纏う少女へと接近する。全ては『世界を守るため』に。………ところが、だが……。
―ガシッ、ピタッッ…―
『…………。なんだ、
「「「!!!?」」」
“海を割り”、“シールド・エネルギーで覆われた校舎を粉微塵に破壊した”彼の腕を、クロエは
『…オ、オォ…オアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ⁉』
『やれやれ……これでは力加減が困難極まる。シャボン玉を潰さずに触れるくらいに難しいな』
……そして、こう言いつけた。
『まぁ良い、所詮死んだらそれまでだった……と言うだけだ』
「「「「「ッッッ!?」」」」」
出鱈目な身体を持つ怪人……そのISを凌ぐ力を、更に圧倒的なインチキ染みた能力で打ち砕いた金色の女王。その眼には、憐憫の色が浮かんでいた……。
『……む?』
【スチームブレイク!Bat……‼】
突然飛んでくる砲撃。それを片手で弾くと、忌々し気にマスクのひび割れから睨んできた少女を見るクロエ。
『ロストボトル?……、火星で消えたはずだが、成程。奴は地球で再び創り上げたか……。一先ず止せ、お前如きがこいつに敵うとでも思っているのか?』
『黙れ……貴様などに、コイツを殺させてたまるか……』
続け様にブラック・テイルの片手から放たれたエネルギー。それをやすやすといなしていくが、そのうちの数弾が真っ白なエボルト超越態へと向かっていく。凄まじい憎しみを抱き、急激上昇したハザードレベルが一夏の成れの果てに迫り、そして…、トリガーが……ベルトから外れた。
『ぐ、ギィィィィ……………………あ、あぁぁああぁ…!?』
白い身体から色とりどりの稲妻が走り、ボロボロと怪物の体組織が剥げていく……。
「一夏!」
『…む、どうやらここまでだな』
徐々に身体から光が失せていくクロエ……否、火星の女王。その碧眼が品定めするように生徒達を見る。
『精々足搔けよ、人間。力に飲まれ、激情に支配された今のお前達では奴には勝てん。蜘蛛を殺した蛇の足元にも及ばんよ』
その瞬間、空中に立っていた彼女の身体が、引力に引かれ自由落下していく……。
「姉さんっ!」
ナイスキャッチする妹、そのまま姉は瞼を閉じて、眠りについた……。
「クロエの様子は……?」
「問題無い、気を失っているだけだ」
「この状態で問題がない……なんて言えるのかしらね……?」
―ばたり……―
そして、もう一人が意識を失い、地に倒れ伏す。
「……一、夏……?」
だが、こちらは意識が朦朧としているだけだった。う、ん……と譫言を口から漏らすと、少年は慌てた様子で跳ね起きる。
「ッッッうわぁ!?」
「ふぇッ!」
そして、ISスーツが破れた個所や額に触れて、自分が今どうなっているか確認する一夏。どうしてだ、と顔が困惑に包まれる。
「俺……頭、潰されて……胸……あれ……?」
「一夏……」
何故、俺は死んでない……?イイヤ、それどころか、皆大丈夫だったのか……?
「箒……?無事だったか……?」
だが、一夏を見るクラスメイト達の視線には……もう今までと同じでは無い気がした。無事で安心した陰に、言い逃れない畏怖が隠れているかのような……。
「………………」
そんな空気の中、空中から何かが降ってきた。
「あ痛…ってこれパンドラボックス!」
ガチャリ、と零れ落ちる地球外の遺産……、そして、地に墜ちたのはもう一つ……。
(…これは…ビルドドライバーじゃない…一体……)
更識簪は未知の道具を持ちあげ、そして思う……。この世界に一体何が起こっている……?
『しかし…まさかエボルドライバーが生成されるとは、ねぇ…』
―ッ‼―
『はいはい、立ってくださぁい?…“織斑マドカ”、ちゃん』
「⁉」
サンタ・テレサの中にいる存在が、くつくつと面白げに嗤っている。Mと呼ばれていた少女の名だと理解するのと同時……ISに携わる者たちにとっては聞き逃しがたい者の名前であった。
「おり……むら、…だと?」
その少女に向けられるのは奇異の視線。ぽたぽたと額から赤い液体が垂れ、地面には壊れたISのパーツが散乱している。
だが、それほどの傷を受けても彼女の殺意は折れはしなかった。トランスチームガンを手に取り、前を向くその少女。
「……織斑、一夏……‼」
「ッ、千冬姉と…同じ顔…」
世界最強と瓜二つだということが、生徒たちの脳裏に一握の疑問を落としこむ。自分たちの知らない何かが、日常にまで侵食してきた…そんな違和感。
「コレで終わったと思うな……!」
周囲に散らばった瓦礫の中から、
「まだ終わらない…!私は貴様等の前に現れる…!」
歯を剥き出しにし、瞳孔を開き、血まみれの顔が歪んでいく。這いつくばった手で土を巻き込み、血が滲むまで拳を握りしめる。
「更なる力を手に入れて……!」
「ッ…」
彼女の背後には、どす黒い牙が並んだ顎が見える様だった……。
―んじゃ、帰りますよ。うちのマドカがごめんなさいねぇ…パンドラボックスの事ですが、今日のところはあなた方に預けておきます。すぐに取り返させてもらうのでお気になさらず……フハハハハ……ハーハハハハハハハハハハハハァーッ‼―
そんな言葉が聞こえると、周囲は煙に包まれ……新たな戦いの兆しが見えた……。
Q.あなたにとってブラッド族とは何ですか?
エボルト(原作)「口出しが多いが、なかなかに役に立ってくれる………あぁ、…『俺の道具として』、な」
伊能「使命を全うしない奴らが多すぎる…」以下二人(ウンウン)
キルバス「すぅべぇてぇ!殺すゥ!」
惣万「…餌」
五人「「「「「⁉」」」」」
火星時代以前の惣万…矛盾型の人間至上主義ブラッド族。共食いが好きで美食家(レストラン経営がうまくいっているのもグルメだから)。但し脳髄は好まず、遺伝子を操作する力を使って捕食するブラッド族の記憶を脳に封じて廃棄する。その用心深さによって乗っ取られるなどのトラブルを回避し、自我の崩壊も起きていない。
同族殺しを残酷なことをしている自覚はないが、玩具として殺すエボルトやキルバスなどと比べ遥かに常軌を逸している。なお、この同族食衝動はブラッド族にのみ向けられ、人間の事は同族だと思っていないらしい。この事は惣万の心に影を落とす事に……。
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部