IS EVOL A KAMEN RIDER? 無限の成層圏のウロボロス SI-N 作:サルミアッキ
蒼穹「そして今話から登場する義理の母です。今後とも不肖の義息ではございますが、可愛がってやってくださいませ」
千冬「おっと、原作キャラ最初の登場が私か。ふふ、ありがたいな。今後ともよろしくお願いする。では、第一話、どうぞ」
???「あれェ?なんで主人公よりも先に二人の名前が開示されてんの!?」
第一話 『レボリューションな奴ら』
部屋に香ばしいコーヒーの匂いが広がる。カーテンから昇った朝日が不規則な影を落としているが、俺は喉元にぴりつく気配を感じて飛び起きた。
「やぁ寝坊助。中坊になってもまだ地の果てにいた時の習慣のままなのね?」
「…………義母さん、おはよう。そういうアンタこそ息子に殺気突きつけて起こす必要があるのか?」
俺の目の前には年若い、だが少女とは言い難い女性がニヤニヤ笑って立っていた。彼女は石動蒼穹。蒼穹と書いて「ソラ」と読むと知った時はソレなんてキラキラネーム?って思ってしまった。厄ネタでしかない俺をある場所から引っ張り上げ、日本に連れて帰ってきた変人だ。因みに今の俺は、昔あの地にいた死にかけていた日系人の身体を乗っ取っており、自我も上書きして完全に自分の肉体を手に入れることが出来た。
「それより義母さん。カフェは良いのか?開店は日曜九時からだろ。俺、休日は一時まで寝て……オイまさか。待って、今何時?」
「ハイ正解♪今日も手伝ってね?貴方はメイド服着てるだけでいいから♪」
「義母さん、もう二度と着ないって言ったよな!?俺男だっつのに‼ナニ俺ヘンゼルとグレーテル!?イタリアかどこかでそんな奴らに会ったけど‼」
クソッ、俺が早起きするのは良い、店の手伝いをするのも許容範囲だ……だが女装は嫌だ……嫌なんですけどぉぉぉぉぉっ‼
「惣君、手が空いているならピアノか何か、演奏してくれないかしら?」
十二時を回った辺りで義母さんから声がかかる。因みにこの体、元から才能マンだったのかそれともエボルテックな力が働いてるのか分からないが、一回見れば理解することが出来るスペックを持つ。それが前世の記憶であっても再現が可能だということで俺は仮面ライダーの映画、Vシネの曲をメドレーで弾くことにした。デスティネーション、ターイム!コレがお客には好評らしく「将来は音楽家だね」とか言われている……。流石にそれは無いな、俺が好きだった仮面ライダーの曲をあたかも作曲した態で発表するのは罪悪感があるし……。
あぁそうそう。この姿では名乗っていなかったな。始めまして皆さん。仮面ライダーエボル改め、多少のコズミックな力を持つ、ごく普通な中学生“石動惣万”と申します。今後とも、どうかよろしくね?
そんなこんなで閉店時間になろうかという午後。
「……あ、いらっしゃいませ……げ」
「げ、は無いだろう惣万。毎週顔を突き合わせているんだ、何を嫌がる必要がある」
「……そりゃあ、こんなメイド服を見せたくないのが第一ですよ、千冬……」
カフェnascitaにこの日最後のお客様が来店した。俺が案内する席に着いた切れ長の目の美少女にして俺のクラスメイト……そして将来の世界最強。織斑千冬がやってきた。
「あら千冬ちゃん、やっと来たのね。遅かったわね」
「お邪魔してます蒼穹さん。今日は道場に行っていた時間が長かったものですから……。しかし毎回お邪魔していますが、良いのですか?営業時間外で料理を振る舞って頂くのは……」
「気にしないで~。貴女達の事をほっとけるほど落ちぶれちゃいないからね~……っと、惣君、これをテーブルまで運んで貰えるかしら?」
「はーい……さて、お待たせしました千冬。ビーフシチューとリゾットです……」
「さてさて、それじゃ惣君も席に着いて!暖かいうちに食べちゃいましょう♪」
「いや、俺はその前に着替えをですね……」
「「いただきま(~)す」」
「アッ、無視ですかそうですか……」
俺をほっといて食事を開始する二人。目の前で笑顔を浮かべシチューを啜る同級生を見て俺の休日は終わるのだった……。
短かったかな?まぁ日常回なので…………。(目逸らし)
※2020/12/05
一部修正
今後の進め方の優先事項
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瞬瞬必生(本編のみを突っ走れ)
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夏未完(消え失せた夏休み編の復旧)
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ちょいちょい見にくい部分を修正と推敲
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全部