お父さんになったら部屋にサーヴァントが来るようになったんだが   作:きりがる

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 昔はね、ポンポンとネタも湧いてきたしスラスラと書けていたんだ。
 しかし、今ではネタすら思いつかない、書けない、面白くないと酷いものです。脳の劣化がいらんところで突きつけられてしまった。言葉すら出てこやしない…終わったか。

「改めまして、よろしく。サーヴァント・レオナルド・ダ・ヴィンチ。そう――今からは、きみだけのダ・ヴィンチちゃんというコトさ!」

 だがまぁ、こんなことを何気ないテキトーな召喚時に聞かされりゃあ、書くしかねぇよなぁ?
 今回、ダ・ヴィンチちゃん出てこないけども。

「なんて面白い……! 私の計算を超えて行った……!」

 今回はお休みだぜ。アルンのベッドでおネンネしてな。


13 やはり俺のぼっち弄りは間違っていない

 

 

 カツ丼も食べ終わり、折りたたみのテーブルは俺が片付けて再び食堂に戻ってくれば、そこには片付けが丁度終わったのか、湯気が立つカップを2つ持っているブーディカさんが立っていた。

 

 俺を見つけると微笑みと共に片方のカップを手渡された。どうやら中身はコーヒーのようだ。

 

「はい、食後のコーヒーだよ。なにか入れる?」

 

「なら、ミルクだけ」

 

「じゃあ私もっと…」

 

 備え付けのコーヒーフレッシュを一つ取ってプチリと先端を折った後に蓋を開け、コーヒーの中に注ぐ。黒に白が混ざり、やがて茶色く侵食していくが、入れるだけでは全体に渡りきらない。そのためお手軽にカップを持っている手から魔力を行き渡らせ、軽く指を鳴らせば、カップの中で静かに、しかしマドラーで混ぜたとき並の速さで液体が回転し、魔力も液体に浸透してから直ぐに収まる。俺の魔力だし、飲めば帰ってくるからプラマイゼロである。いつもしていることだからこっちのほうが早いのよね。

 

 本当にいつもの癖で行っているが、魔力をこうして使うこと自体が珍しいのか、それとも面白いことをしているとでも思ったのか、ブーディカさんに加えてエミヤまで面白そうに俺のカップを見てくる始末。

 

「おー、そんなことできるんだ」

 

「ああ、面白い使い方だ。しかもほぼ意識せずに行っているということは、普段から様々なことに魔力を使用しているのではないか?」

 

 え? ああ、俺に聞いてるのね。自己完結しているのかと思った。

 

「まあ、ちょっとしたことでも省けて、生活が便利になるんだし、使えるなら使ったほうがお得じゃないか?」

 

「ほう…例えば?」

 

「例えば? ふむ………」

 

 何に使っているのだろうか…魔力糸のこととか? 

 とはいえ、魔力で強化や物を修復とか普通に魔術師は行ってるし、似ているのだから珍しいものでもないと思うのだが。

 

 ああ、でもよく使っているのは温めたり冷やしたり? 

 他の魔術師でも出来る範囲のことにしておかないと面倒なことにはなりそうなので、その範囲内で行うことにしよう。ただ、ダ・ヴィンチちゃん曰く、俺の基準は魔術師の基準とちょいと違うらしいので注意しないといけないだろう。

 

 手の中で魔力を生み出し、それをBB弾くらいの大きさの氷に変える。コロコロと5つほどの透き通った不純物の一切ない綺麗な氷玉が出来上がるが、このままモデルガンで撃てそうな程だ。

 これを熱すぎるコーヒーの中に入れてちょいと冷ますことにする。これくらいならすぐに飲めるほどの丁度良い温度にしてくれるだろう。

 

「綺麗な氷の玉だね。サイズ調節できるならいろいろ出来そうじゃない?」

 

「グラスにビー玉サイズやBB弾サイズの氷玉を入れて、そこに酒を注げばまたいつもと違った味わいと雰囲気が出来るからな」

 

「おっ、いいじゃんか。形変えれば子供受けもしそう」

 

 丸、四角、三角、星と氷を作り出してブーディカさんに渡してみる。どれも透明なので向こう側が透けて見える。

 

「他はなんかないの?」

 

「他…? 魔力で物造ったり、錬金術の真似事してみたり?」

 

 魔力で何かを作り出すのは漫画やアニメではメジャーな出来事である。氷細工もその一環ではないだろうか。

 

 ブーディカさんの催促に、再び手の中で魔力を集めて形を変えれば、一瞬でナイフやフォークが出来上がる。流石に想像したものやサーヴァントが持っているような武具はスキルや魔法を使わないと無理だが、魔力単体で作るなら既存のものは何でも創造出来るだろう。

 

 この魔力で造ったものを変化させて材質を固定すればもはやただのナイフとフォークである。錬金スキルを使用すればどこぞの錬金術師のように別のものへ。バチバチという音と共に完成したのはブーディカフィギュア。鉄なので銀色だが、その形は本物と同じほど精巧で売られていても何ら問題はないほど。フィギュアづくりのスキルがここで役立つとはな。

 

「わぁ! これ私じゃん! 凄い、細かい所までしっかり出来てるし! え、なに、プロなの?」

 

「プロですがなにか」

 

 売れるレベルまで自分で作っていましたがなにか。資金源でもあったくらいである。

 キリッとした表情で宣言すれば、ブーディカさんは自分のモデルである鉄人形を持って感心している。

 

「あ、スカートの中は違うんだ」

 

 ボソッとそう呟かれたがそれは仕方ねぇだるぉうッ!? 実際にその秘密のほにゃららの奥を見たわけではないんだから!

 

 そこら辺は今までの女キャラ達のフィギュアを作ったときとか、イラストとか諸々を参考にさせてシンプルに作らせて頂きました。

 

 それにしてもエミヤが静かだが、どうしたのだろうか。

 ちらりとコーヒーを飲みながらそちらを見てみると、何やら真剣な顔で氷を見ていたようだが、俺の視線に気づいて次は俺の顔を見ているようであり、それに合わせて何かを考えているっぽい。やだ、イケメン。

 

 そして、いきなり俺の肩をがっしりと掴んできたと思うと、食い付くように俺に顔を近づけてくる。

 

「君、食堂で働かないか?」

 

 ―ッ!?

 

「サーヴァントの中には酒を飲む者たちもいる……騒ぐ連中は飲むだけ飲んでつまみを食べ尽くし、毎度毎度大変なのだが、そこで考えた。先程のように綺麗さと風情を出せば、ゆっくりと味わうようにして飲んでくれるのではないかと…しかも料理まで出来るときたものだ」

 

「あー、なるほど…ガバガバ飲む子達もいるから。部屋で飲むならいいんだけどねぇ……」

 

「そういうことだ。どうだ? まかないとかなら出せるが……」

 

「……えー…あー……魔術師の方に頼んでは? もしくは、キャスターの人」

 

「マスターの頼みならしてくれるかもしれないが……」

 

 じゃあ頼めばいいじゃないかと言いたいのだが、駄目なのだろうか。

 

 尚も人手が欲しいや困ったことがあれば協力もしようとあの手この手で誘ってくるのだが、仕事が…、ゲームが…と断りを入れても勢いに負けている。助けを求めてブーディカさんを見てみるも、そっちも何故か乗り気であった。俺が料理できるというのも喋っちゃうものだから更に勢いが増す。

 

 これはまずい、俺の貴重な時間が無くなってしまう。

 

 やばいとばかりにあたりを見渡せば、誰も居なかった食堂に一人のサーヴァントが入ってくるのが見えた。映える銀髪に豊満なお胸を持った、今の俺にとっては聖女のような女性。

 

「ああ、やっと見つけたわ。そこの貴方」

 

 ……俺のことか? もしも二人であるならそう聞きはしないだろう。普段なら適当に返事して撒くところだが、今は逃げるには丁度良い理由付となる。タイミング良すぎかよ。

 指だけで俺のことかと確認してみると、その通りだと頷いた。

 

「少し貴方に聞きたいことがあるのだけれど……」

 

「おっと、それなら仕方ない。というわけでご両人、話はまた今度ということで!」

 

「あ! 待ちたまえ!」

 

「ありゃりゃ、逃げられちゃった」

 

 逃げますとも。

 カップとブーディカ人形をカウンターに置いてジャンヌ・ダルク似の彼女の元へダッシュで移動し、いきなり俺が来たことで驚いているがなんのそので手を取り、食堂の外へ。速攻で手を放すが…これでしばらくは大丈夫だろう。当分は食堂に来ないことにしよう。

 

 誰もいない廊下を少し進んだところで立ち止まり、すぐさまに手を離す。とりあえず謝っておこう。

 

「いきなり走り出してすみませんでした。あそこからいち早く抜け出したかったもので」

 

「まったくよ。走り出すものだから吃驚したわ…まあ、それはいいです。それよりも聞きたいことがあるの」

 

「はあ、別に構いませんが…」

 

 そういえば俺に聞きたいことがあるから話しかけてきたのだったか。こちらを見ている黒くて白い彼女はどこか昼に見たジャンヌ・ダルクと似ているが、雰囲気からして別人のようである。それでも例によって美女。街中にいれば十人が十人振り返るどころかオーバーして殆の人物が見るだろうくらいには美人である。

 

 その初対面の彼女が俺に聞きたいことなんて言われても俺には皆目見当がつかない。何かに関連するようなこともなければ、まさかジャック達のことがバレたわけでもないだろう。本当に何故ここに来たのかわからないので、つい、さとりのように人の心を読む読心術のスキルでも使ってしまおうかと一瞬思ってしまうほどであった。

 

 取り敢えず、話の前に手短に自己紹介だけ済ませて置いたのだが、なんとこの美女もジャンヌ・ダルクだと言うではないか。しかもオルタ。なんのことやらと思わんでもないが、簡単に言えば聖女ジャンヌ・ダルクの反対の存在だと思えばいいとのことだ。

 

「へぇ…貴女もあの聖女聖女した人と同じようなものと…」

 

「同じにしないでちょうだい」

 

「そうですか…で、結局、私になんの用なのでしょうか」

 

「そうね…その前に、明らかに使い慣れていないだろう敬語を止めなさい。無理やり使っているようで不快よ」

 

 初対面でサーヴァントだから使ってたのだが、まあ、本人がやめろというのならやめようじゃないか。

 少しだけ話してだが、このジャンヌ・ダルク…邪ンヌの言い方や性格は人によっては受け入れられないだろう。明らかに上からな目線に命令口調は、俺が予め言って置かなければセコムのナビがキレるところだった。

 

『精神干渉魔法や事象改変のスキルなどで文字通り中身まで聖女にしようかと……』

 

 怖いわ。最近過保護が過ぎるのでは…?

 

「さいで。ならさっさと用件を言ってもらってもいいか? 俺も暇じゃないんでね」

 

「よく言うわね。どこからどう見ても暇そうな顔してるじゃないの。それに、少しの間、休みなのでしょう? ふん、その時間、少し私に寄越しなさい」

 

「却下だ。時間が欲しいわけではなく、俺になにかさせようってことだろう? 俺はやることがあって忙しいんだ」

 

「そのやることに私が用があるといえば?」

 

「………ほう?」

 

 さて、ここまで喋っておいてなんだが、この女、そこそこ喋れるじゃないか。この調子だし、遠慮はいらないだろうと思って粗暴な感じで話していたが、それに怒るどころか普通に対応してきているのでこのままでいいのかもしれない。だが、彼女の琴線に触れるようなことがあればその限りではないだろう。

 

 しかしまぁ…邪ンヌってなんか俺に似てないだろうか。髪の色同じだし、俺も髪を切れば目の前の彼女と似たような髪型になる。顔もどことなく……とはいえ瓜二つというわけでもない。俺は目が青いし、流石に別人だとわかるか。

 

 邪ンヌも真正面に立つ俺のことをみて眉を顰めているようだが、今はいいようで話の続きを始めた。

 

「少し前に聖女様のもう一人の私が勝手に話してきたのよ。私がゲームしているのを知ってなのか、貴方がゲームをしているというのをね。その真偽を確かめに来たというわけよ」

 

「なるほど…あの言い訳のやつか。まあ、そうだな。俺はゲームが大好きで毎日のようにしているし、漫画やアニメにラノベと同人誌なんかも大量に読んでいる。カルデアにあるゲームなんて目じゃない」

 

 ゲーム好きの俺がここにある程度のゲームの量で終わるわけがなく、アイテムボックスの中にかなりの量が収めてある。中には俺自身が作ったものや、ナビと一緒に作ったゲームもあるのだ。俺の部屋に出されているゲームはほんの一部で、気分で変えたりよくプレイしているものを出しているだけだ。

 

 俺の肯定に一瞬目を輝かせた彼女だがそれも一瞬であった。

 

「私も自分の部屋でよくしているのだけれど、その…一人でするのもいいけど、や、やっぱり対戦とかしてみたいじゃない?」

 

「だから俺を誘いに来たと」

 

「そう、その通りよ! 貴方もどうせ一人でしょう? 感謝しなさい、私が一緒にやってあげます」

 

 いや、俺は別に一人でやっているわけでもないのだが…。しかし、そのことを眼の前の邪ンヌに言うのもアレであるし、どこか期待しているようで精一杯の勇気を振り絞って誘ってみましたという友達のいなそうなぼっち感が見て取れる。ぼっち歴の長いエリートぼっちであった俺じゃなきゃ見逃してたね。

 

「別に俺じゃなくても他のサーヴァントかマスターちゃんでも誘えばよかったんじゃないか? それこそ、もう一人のお前の聖女様にでも」

 

「いや、そのっ……あ、アレよ! 他のやつをわざわざ誘うことでもないじゃない!? それだったらゲームできる……そう! 既にゲームしてて対戦もできそうな貴方のほうが良いと思ったのよ! 初心者と対戦しても面白くないじゃない?」

 

 どうだと言わんばかりに胸を張る黒い聖女様はドヤ顔だ。必死になって言い訳のようなことを慌てながら言い、体のいい言い訳があったからそれをあたかも最初からそうでしたと言わんばかりに声を大にして言ったというところだろう。

 

 何だこいつ、可愛いな。

 

「もう一人の自分なら遠慮は要らないだろうに。というか、自室ではなく娯楽施設ですればゲーム仲間でも居るんじゃないか?」

 

「そっ…それはっ! その、アレよ……他の人と大勢でやるなんて無理そうだし……」

 

「ならなんで初対面の俺なら良いんだ?」

 

「えっと…なんか、初めて見たときに貴方なら大丈夫かと思って…私に似てたし…………って、ああもう、何言わせんのよ! いいからやりなさい! じゃないと燃やすわよッ!!」

 

 ガルルッと噛み付いてきそうな邪ンヌだが、弄れば輝く。

 

 何だこいつ、可愛いな(二回目)

 

 素直になれないというか、ぼっち気質というか色んな意味で仲良くなれそうである。念話で他の奴らに今からとあるサーヴァントとゲームをするから俺が許可するまで暫く部屋にこないようにということを伝えておく。暫くレベリングか何かで部屋に来れていなかったアストルフォが駄々をこねていたが仕方ないだろう。少し相手をすれば満足するだろうから、それまで待っていて欲しい。

 

「わかったわかった。んじゃ、俺の部屋でいいか? ゲームは一式揃っているからな」

 

「ええ、それでいいです。早く行きましょう」

 

 そう言ってずんずんと廊下を進んでいく。やれやれと思わないでもないが、まあ、ここは先輩として意を汲んでやろうじゃないか。

 

 その前に一言。

 

「おい、俺の部屋はそっちじゃないぞ」

 

「…………わかってましたともっ」

 

 わかるわけ無いだろう、俺の部屋に来たこと無いくせに。痛い、わかった怒るな、案内するから俺の髪を引っ張るんじゃあないッ。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ 

 

 

 

「ふーん、ここが貴方の部屋というわけ……随分と偏ってるわね」

 

「いい部屋だろう?」

 

「そうね…悪くないわ」

 

 お気に召したようで。俺の部屋を一周りしたかと思えばフィギュアが所狭しと並べられている棚のところで立ち止まり、我が子達を眺めているようだ。

 

 俺は俺でいつもの駄目ソファに身を沈めて2つのテレビモニターとゲームを起動する。一人一つの画面でやったほうが楽しいやん?ということで少し前から設置した。邪ンヌはゲーム経験者ということもあるのでジャックや静謐のように教える必要もないだろうことから、最初からFPSなど本格的に殺しあえるものを選んだ。格ゲーもいいが気分じゃなかったので。

 

「私のコントローラーは?」

 

「ほらよ」

 

「ん」

 

 言われるまでもなくジャックが昨日まで使っていたコントローラーを邪ンヌに渡せば、駄目ソファの隣においてある座椅子に座って画面に向く。こっそりと横顔を見てみたが、楽しみなのか少しだけニヤけているのが隠せてないぞ。

 

 その横顔に息を吐くように苦笑しながらもゲームを始めていく。いつからやっていたのかは知らないが、やはりやり慣れているようで静謐よりは上手いかもしれない。それでもまだアストルフォの方が上を行く。まあ、俺と耐久レースや地獄の修行作業ゲーをこなしてきたからな。

 

「くっ……なかなかやるじゃない…ッ!」

 

「ふん、格が違うのだよ。ゲーマーの俺に歯向かってきたこと、後悔させてやろう」

 

「言ってろっ。今に見てなさい、吠え面かかせてやるんだから!!」

 

 いつになるのか見ものである。俺の操作するキャラが邪ンヌの操作するキャラに対してヘッドショットを決める。

 

「あーッ! またやったわね! そこ止まってなさい、その頭ぶち抜いてあげるわッ!」

 

 それは御免こうむる。

 こいつの動きは読みやすいのだ。まさしくゲーム始めたての頃のやつがするだろう行動や隠密行動を行うので先回りすればたやすく頭が見える。我慢ならなくなれば猪突猛進に高火力武器を携えて正面特攻。直後、頭はパーンである。

 

「弱っ。弱々の弱ですわ」

 

「ぐぎぎ…べ、別のゲームよ! 別のなら私が余裕で勝つんだから!」

 

「負け犬の遠吠えですな」

 

「うっさいッ! いいから用意なさいッ!」

 

 へいへい。

 仕方ないのでレース系のマリカーとかで遊ぶことにする。これなら誰もがやったことあるだろうからこいつでも経験あるだろう。これでも駄目なら協力プレイできるもので遊ぶしかないわな。

 

 セットして駄目ソファに戻れば、負けず嫌いな邪ンヌに横パンチされながらぐちぐちと文句を言われる。

 

 なるほど、こんなゲーム仲間も、悪くない。

 

 




「あ、スカートの中は違うんだ」

 ボソッとそう呟かれたがそれは仕方ねぇだるぉうッ!? 実際にその秘密のほにゃららの奥を見たわけではないんだから!

 俺がリアルに見たことあるモデルをお望みだというのなら、沖田かダ・ヴィンチちゃんか……アストルフォ……になるんだが…。

 究極の選択だぞ…何がって特に最後の奴。

「仕方ないなぁ…ひと肌脱いであげよう」

 そういって本当に物理的に脱ぎ始めるブーディカさんに流石に目を剥く。マジで脱ぎ始める人を初めて見た。

「あっ、おい待てぃ(江戸っ子)。いや、そうじゃない、なんで躊躇いもなく脱ごうとしてるんだ。しかも下から」

「え? ああ、ここに初めてきたときはこれ履いてなかったからね」

 マジかよこの人。

「アルン君だけに特別だよ?」

 いかん。俺的には美味しい思いができそうだが、この場は二人だけというわけではない、ヤバいやつ扱いされてしまう!

 これで勘弁してください。

 ドンッと、俺はテーブルの上に錬成し直したメメ子フィギュア(炎道イフリナ)を叩きつけた。


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