なんとか完結させられるよう頑張ります。
とある月夜、戦火を交える二つの影があった。
片や、見えない剣を振るう女騎士。片や、独特な槍を振るう女戦士。
月を背景に見えない剣と槍がぶつかり、火花が散る。
女戦士は槍を横に振るうが、女騎士は剣で受け止める。
互角の戦いを繰り広げる二人を見守る男女。
髪をツインテールに結んだ少女と若い短髪の男であった。
「セイバー、負けないで!」
ツインテールの少女は女騎士に声援を送る。
対して男の方は冷静にセイバーとよんでいた女騎士を分析していた。
(あの不可視の剣…真名の看破を防ぐための魔術なのか、それとも元来のものなのかわからんな、剣の腕前もかなりのもの、本気で戦うときに勝てるのか)
そう分析をすると、女戦士に命令を下した。
「そこまでだランサー、引き上げるとしよう」
つばぜりあっていたランサーと呼ばれた女戦士はセイバーをいなして蹴りを入れた。
「…分かりました」
そう言うと懐からビンを出して、中身を飲み干した。
男は少女の方を向いた。
「今回はほんの小手調べだ、次に会うときには本気でいかせてもらおう」
男とランサーは立ち去った。
(あのセイバーも中々やる...やはり次に戦うときには令呪を使ってでも本気で行かねばな)
一方、少女とセイバーもこの二人について話していた。
「あのランサー…セイバーと互角なんて、どんな英霊なのよ」
少女は頭を抱えていた。
セイバーとランサーというのは本当の名前ではなく、過去の英雄の写し身ともいえるサーヴァントと呼ばれる使い魔なのだ。
セイバーの真名はアーサー王、アルトリア・ペンドラゴン。
星の聖剣をもつトップクラスの英霊なのだ。
小手調べとはいえ、そんなセイバーと互角の勝負をする英霊も中々いない。
「少なくとも、私の知る限りではあのような英霊はブリテンやアイルランドにはいませんでした、ですから恐らく英雄王よりも前の時代か私よりもあとの英霊かもしれないです」
「そう考えた方がいいわね...」
「それと、あの魔術師は時計塔の魔術師にもかかわらず、監督役であるリンと私たちに戦いを挑んできましたし警戒はするべきですね」
「確かにね、しかし本当に勝手が違うわよね、亜種聖杯戦争は…それにしても、あのランサーは本当に何者かしら」
少女の名前は遠坂凛、冬木の管理者の遠坂家当主にして今回の亜種聖杯戦争の監督役であった。
彼女の言う亜種聖杯戦争とはなにか…そもそも聖杯戦争とは7つのクラスに分かれたサーヴァントを呼び出し最後に残ったものの願いを叶える魔術師同士のバトル・ロワイアルのことである。
しかし冬木での第三次聖杯戦争で、とある魔術師が冬木に存在した聖杯の元である大聖杯を盗み出した結果世界中に聖杯の術式が拡散されてしまい模造された亜種聖杯があちこちで作られていたのだ。
ここ冬木市でも例外ではなく、始まりのご三家アインツベルン主催で開かれることとなった。
ランサー、アサシン、バーサーカー、キャスター、ライダーは既に召喚されている。
七騎召喚されてはじめて成立するのだ。