もしもカズマさんがメイドを雇ってそれが完全で瀟洒なメイド長(仮)だったら 作:ツーと言えばカーな私
さて、咲夜の正体がパーティメンバーにバレたわけだが、嫌悪の感情はカズマに向けられた。
何故なら、咲夜が超絶美人だからである。
それは、パーティメンバーの群を抜いてただただ美人だった。
そんな彼女が何故こんな
その理由は簡単なのだが、パーティメンバーのダクネス、めぐみん、アクアには分かる筈もない、カズマが話してくれるまでは。
さて、そんな
今まで食べてきた物とは一味も二味も違う。大貴族に生まれ育ったダクネスでさえ、目を輝かせていたものだ。実際咲夜は超一流の料理人にもなれる万能メイドだ、この道でも食べて行けるだろう。だが、
「お味はどうでしょうか?」
「あ、ああ、美味いよ?」
何故か最後疑問系になるカズマ、まだ咲夜と慣れていないのだろう。まだ出会ってからそこまで時間が経ってないので当然ではあるが。
「他の皆様もどうでしょうか?」
「美味しいわよ!だからじゃんじゃん持ってきなさい!」
その対比として、傲慢不遜とも取れる態度で接してくるアクア。
一応、300年ぶりの対面であるが、まあどちらも覚えてはいないので、事実的に言うなら初対面という事になる。この初対面の相手にも出来る態度の大きさは彼女の美点とも取れるのか、それとも直すべき汚点とも言えるのか…。
「美味しいです、あ、私はもういりませんからね?」
その料理を褒めつつ遠慮してお代わりを頼まないめぐみんは…いつものあの強情な感情はどこへ行ったのだろう?
「この味…何処かで…?」
昔に食べたのだろうか、その味に思い当たる節があるダクネスは記憶を探っていた。
礼は忘れずにちゃんと美味しかったと言う。
因みに、ダクネスは冒険者稼業を営んでいるが、本業…と言うより本来なら大貴族の御令嬢。貴族のみ集めた大きなパーティに参加もしているわけで、そこで宮廷の料理人として雇われていた咲夜の料理を食べていたのである。咲夜の作った料理はどの料理の中でも特に美味しかったので、例え幼かった頃でも記憶の隅で覚えていたのだ。
咲夜は最初こそ褒められるがそれは上っ面だけであった貴族だった故に特に嬉しいという感情は無かった。
しかし、一部の貴族や、一般人に依頼で料理を作る際には心からの感謝が伝わってくるので、何百年生きていようが根本が人間な咲夜はカズマ一行の『美味しい』という言葉を受け、僅かに頬を緩めた。
さて、そんな夕食を食べ終わった後だが…風呂である。
ここで一つ説明しておこう、咲夜は従者である。それは変わらない、しかし、今まで仕えてきたのは大概悪徳貴族だ。何故か悪徳貴族ばかりに拾われる咲夜は運が悪いとしか言いようがないが、そのお陰で感覚が狂いつつある。
なので…カズマがお風呂に入る時…咲夜は現れた、タオル姿で…
カズマは驚き、直ぐに股を隠すように風呂場に逃げた。
「カズマ様?」
「な、な、なな何で!?何で咲夜がここにいんの!?」
「いえ、お風呂場での奉仕を実行しようとしたまでですが…」
「そこまで奉仕するのか!?」
カズマはメイド喫茶程度にしか行っていないので…まあ、分からないのも当然と言える。確かに咲夜はやり過ぎている部分もあるが、従者として主人に付き添うのは当たり前のことで、何も間違って居るわけではない。
咲夜は疑問に思いつつも構わず中に入って行った。
その姿を見れば、この世界の殆どの男どもは彼女を我が物にしようとするかもしれないその美貌はカズマのカズマを起き上がらせるのは十分だった。しかしまだ発展途上、完全には起きていない。しかし股は抑える。
男なのにも関わらず、そんな女々しい行動をするカズマをみた咲夜はまた少しフッと笑ってしまう。
「ご心配なさらずとも直ぐに
咲夜の言っていることはカズマをまた一歩大人の階段に登らせようとしていることなのだが、カズマはそんな中、咲夜について自分のパーティのように駄目な部分が有るのかと疑問を持ってしまうが、これは駄目な部分ではなく男としては良い方なので大丈夫な筈だ。
というか、この言い方は違う意味で感じ取れば命を狩られると思われても仕方ないと言えるがカズマはそんな事を微塵も感じてはいなかった。
カズマはひとまず自分の
そして咲夜はカズマの隣に着き。
「カズマ様はどんな洗い方が好みでしょう?」
「え?普通にタオルでやるんじゃないのか?」
「いえ、私が今まで仕えてきた主人は主に胸部や○○○を使って………」
「いいから!普通にタオルで!!」
「そうですか」
危なくR18に突入しそうな勢いの咲夜の問題発言なのだが、カズマのこんな時にヘタレになる性質のお陰でどうにかなった。
一難去ったのだが、次に風呂に浸かる時、未だに心が性欲真っ盛りなカズマにとってはかなり辛いものでその咲夜は…タオル無しなのである頭に付けて銭湯にいるような感じで居座っている。お陰で女性としての秘部やらピンクの宝珠やら豊満…?な果実は丸見えである。カズマはどうしてもそれを見たいのか、はたまた堪えているのか、鼻息が荒い。
そんな極限状態なカズマはもうさっさと風呂を出て仕舞えば良いではないかと冷静さを再び取り戻す。
そして咲夜がめぐみん達とチェスをしているのを眺めながらカズマは思う……咲夜って変態?っと。
勿論、今の年のカズマの様な性欲真っ盛りな者達にとってはとても有難いのだが、流石に今日出会って初めての人には気が引ける。
正直、今ダクネスとめぐみんがこっち側に来られると非常にマズイ。
未だに咲夜の全裸姿とタオルを包んだ時の妖艶な姿を妄想してしまい、自分のシンボルの猛りを抑えられずにいて正直服を着ていても思いっきり発情してることが分かるからだ。
何とか自分のパーティメンバーであり1番の古株である、どうやっても女と認識出来ないアクアの顔と今まで犯してきたパーティーメンバーの様々な迷惑極まりない行動を思い出し、怒りを彷彿とさせて、自分のムラムラした感情を何処かに投げ捨てた。
だがしかし、そんなカズマの苦労を知らずに事件は夜に起こった。
夜、カズマがベッドに着こうとしている時、カチャっと何か金属器を外す様な音が聞こえた。
カズマはこの家に泊まり始めて直ぐに出会ったあの悪霊達の生き残りがまだいるのかと考えた。
そっと後ろを見て、アクアー!とか叫ぼうとしたが…。
………。
咲夜だった。
しかもメイド服ではなく下着姿の、実際もう脱ぎかけている。というか、もう見えてる。あれ、ちょっと待ってもしかして咲夜ってパイ……いや、それどころじゃねぇ!!
「イy…!!」
「静かにするよう願います」
直ぐに口を押さえられ、もがくが咲夜のその柔らかい太ももの触り心地のよさでうっとり顔になってしまう。もしかしてこれが膝枕!?柔らか!?超、肌すべすべ何ですが!?
「今夜は私が相手をさせて頂きます」
「何の!?」
「それは夜の営みです。カズマ様の様な年頃の青年にはこれが的確だと?」
「え!?いいの!?ヤッちゃっていいの!?」
「はい、それが私の役割ですから」
「待って待って待って待って!!いいから!そういうのは!!というかお前そういうキャラか!?」
一応、防音の結界を張っているので外に音は漏れないのが幸いして、カズマの大声は周りに響かない。
「?何故ですか?」
「いや、だって……なぁ……でも本当に!いいからな!!」
咲夜はそう言われ、服を持たされ、どんどん扉の方に追いやられ廊下に出された。
「?不思議な方…」
咲夜はそう小さく呟いた。
いつも通り自分の主人と身体を交えようかと、考えていたのだが主人の方からNOと言ってきた。これには従者である咲夜は従うしかない。しかし、これはとてもレアなケースだった。
悪徳貴族ばかりに拾われている彼女だが、一応善良な貴族はいるにはいる。そういうものに限って早めに地位をなくしてしまうのだが、咲夜も仕えたことはある。その時も仕える主人から断られた。何故ならその貴族の主人はとても一途な人柄で、妻しか愛さないと神に誓っていたからである。
しかし、今回の様子は明らかに違った。
その一途な貴族の主人とは違い、完全に私を犯したいと思っている目だった。
主に私の胸部の方への視線が集中的だったのを覚えている。まあ、見せていた訳だが。
気づかれない様にとチラチラ見ていたので完全に興味津々なのは分かった。
自分はそこまで大きくはない方だとは分かってはいるので、何故そこまで興味があったのかは謎だが。
閑話休題
従者と主人の関係であるのなら私を犯せば良かったのに彼はそれを耐えた……何故だろう…。
彼にはそこまでの胆力はあまりない様に見える。
だからこそ不思議なのだ。
彼は何故断ったのだろう…と咲夜は思考を巡らせる。
しかし、答えは出なかった。
咲夜は
翌日からはもっと彼と接触する機会を増やしてみるのも良いかもしれない……そう考えながら、咲夜は暗闇の中へ溶け込んで行った。
因みに、カズマが断った理由はただただチキンなだけである。いざという時にヤレない小心者である。
咲夜の思考に何故その発想が生まれなかったのか不思議でならない。
実は咲夜はアホの子だったりするのだろうか。
メイドが主人に従っている時の口調が凄く難しいですね。
今回はとても健全(大嘘)に仕上がりました!