もしもカズマさんがメイドを雇ってそれが完全で瀟洒なメイド長(仮)だったら   作:ツーと言えばカーな私

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長い時間かけて再始動し始めました。
時間軸はバニル倒した辺りかなぁ…っとぼちぼち始めていきます。

長い時間待たせてすいませんでした!!!


日常…平和…安心

 

 莫大な資金源のルートを確保したというもののその製品(フリント式ライター)の量産化が上手く行っていなかったカズマは日本では未成年且つ引きこもりであり、そもそもライターを使ったことが無かった。いや、一応あるのだが殆ど記憶の彼方に消えた10歳の頃、カズマの父親が誕生日だから…と、ライター持たせて蝋燭に火をつけたくらいしか経験がない。

 

 その為、ほぼ記憶頼りで始まったこの無謀とも言えるが成功すれば特大の甘い蜜を吸える策は現在上手く行っていなかった。が、咲夜が来たことでそれは一変した。

 

 転生する以前からの話になるが、咲夜は分解癖という妙な癖があり、家の中の電気製品や金属製品などありとあらゆるものを分解していた。その中で父親が使い切ったライターも含まれていて、手頃なものとしてそれを組み立てたり分解したりする事が咲夜の日課であった。

 実は今でもそれは続いており、時間停止を行えるようになったため、仕事の合間に自分の仕えている主人の所有物だろうが分解して、組み合わす事を繰り返していたりするのだ。

 

 まあ、何が言いたいのかと言えば、咲夜はライターの構造が全て分かっていたのである。これにより製造法が確定され、量産化が安定したのだ。

 更に咲夜の時間操作の力により作業効率は上がったのである。

 

 

 

 

 

 「ふぅー。おし、今日はこんなもんか」

 「お疲れ様です」

 「ああ。咲夜も手伝ってくれてありがとな」

 

 作業を終えてから先程まで感じていなかった疲れが一気に押し寄せ、少し欠伸をかく。

 自分の作ったライターを持ちカチカチと稼働するか確認すると火がついた。

 最初の足踏み状態から良くここまで出来たと思う。

 …にしても咲夜がライターに詳しいとは最初は思わなかった。

 煙草を吸っているイメージが全然湧かないし…本当になんで知ってんだろ?

 

 「今日のお夕食は如何なされますか?」

 「んー、適当にあるもんでいいよ」

 「承知しました」

 

 そう言うと咲夜は消えた。時間を止めて厨房の方へ行ったんだろう。

 ……毎回毎回見せられると慣れてくるもんだけどマジで俺もそういう能力欲しかったと思う。

 つかなんだよ時を操作するって…メイドが持ってていい代物じゃないだろ…。はぁ…俺もそういう強力なスキルをあの女神と交換して手に入れたいわー……。

 

 カズマはそのまま瞳を閉じ、溜まった疲労から来る眠気に抗えず眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 家に来て早々だが、咲夜は自分の能力をカズマ達に説明した事があるのだ。

 最初は信じて貰えなかったが、実演することによりそれは信じて貰えた。

 

 何故咲夜が自分の能力をカズマ達に説明するのかだが、まだ咲夜が若くメイドの仕事をし始めの頃の話に遡る。

 働き始めの頃、彼女は早速自分の能力を発揮し、掃除、洗濯、皿洗い、料理に貴重品の手入れなどなどあらゆる事を一瞬で終わらせた。仕事が早いメイドと言えるが、そんな称号は時の停止した世界を理解している者のみが言える事であり、咲夜のみしか存在しない世界では誰も信じてくれなかった。

 

 「やった」と言っても、「こんな早く出来るわけがなかろう!!儂に嘘を吐くのか!?」と言われ、更には「怠け者」「サボリ魔」「口だけの女」「嘘しか吐かない女」と色々な汚名を着せられた。その為自身が時間を操作する能力があると伝える必要があった。それからは改善されたが、新たな問題が出てきた。その能力故の仕事ぶりの所為か同じくメイドをやっていた者達の給金が下げられ、中には解雇される者が急増した。まあ当然の処置と言えるには言える。彼女の雇われ先の大体が悪徳領主や貴族という噂をされている者達であり、性格が読者の想像通りよろしくない。仕事のしないメイド…と言うより、咲夜により仕事が奪われてしまい仕事が出来なくなったメイドなど誰がいるものか?いいや居ない。

 咲夜の登場により、屋敷にあらゆる所で見られた使用人が全て居なくなるのだ。

 当然、当時使用人を務めていた者達はこの事に憎悪の念を抱いた。

 

 しかしここで咲夜も当時の貴族に憎悪の念を抱いた。

 咲夜はなにも仕事を奪い高給を取りたかった訳ではない。使用人達はただただ酷使され安い給金を払われている奴隷に近かった。だから、咲夜はせめて自分が代わりに仕事を担い、負担を減らしてあげようとしただけであった(限度を知らなかったが)。その仕打ちが同業者を苦しませる結果になるとは咲夜は思いもせず、自分だけを必要とする貴族に腹を立てたのだ。

 

 そして彼女は一度メイドを辞めた。

 

 そこから暫くは失業していった使用人達への贖罪の旅をするのだが……これはまた後に話そうと思う。

 

 

 まあなにが言いたいのかと言うと…だ。

 

 『初めに自分の事情を説明しないと碌な事にならない』

 

 と、1つ学習した彼女は主人と伴いその家族などに自身の事情を話す事に決めたのだ。

 

 そして、その能力を披露した反応だが、三者三様であった。

 めぐみんはその能力の凄さは認めるが地味と言い、ダクネスは『時間停止プレイ』とまだこの素晴らしい世界には無い新たな発想に至り興奮して、カズマは一度力の強大さに興奮と畏怖の感情を示したが、即座に疑問が湧いてきたのか何か聞きたそうな表情をしていた。

 アクアについてだが……彼女はそもそもそんなに大きな反応は示さなかったが、時間停止世界に存在できる事が分かった。何故彼女がそこまで大きな反応を示さなかったか言えば、モノホン(クロノス)と友達であるからだと言い、時間停止世界に存在出来る理由はそもそも咲夜の能力は転生者の特典による能力であり、神から授かった力が神に有効であるはずが無かった。そして、アクアはこの世界に来てから突然みんなが止まる事があったりして、怖い思いを長い事してきたらしい。まあ、彼女からすれば日常生活を送っている中で突然時間停止が発動して、時が止まっている間の時間は完全にランダムであり、世界でアクア1人の時間が1日あった場合もあった。いくら女神だとは思えないぐらいガサツでいい加減でちゃらんぽらんで大雑把で楽観視多めなアクアといえどこれには堪えたらしい。

 疑問の正体が見つかった彼女は一発殴らせて貰えないと気が済まないと言い、咲夜はそれを受け入れた。

 

 因みに、その後カズマは咲夜に転生者か否か質問した。咲夜は特に隠す必要もないのでカズマに自分は転生者である事を告げた。……()()()告げていないが。

 

 とまあ、そんな経緯を経て彼女は現在カズマの屋敷に仕えている訳だ。

 

 

 

 

 夜、咲夜が夕食を作りカズマ達にご馳走を作り終えた後。

 後は皆が帰ってくるのを待つのみとなり、することもなくなった咲夜はカズマの部屋に行った。

 

 カチャ…とゆっくり戸を開けると静かに寝息を立てているカズマの姿が見えた。

 どうやらあの後眠っていたらしい。

 彼の作業机にはライターが大量に作られておりそれぞれのカラーリングが施されている。

 それを一度時を止めてから箱に詰め、整理した。綺麗に整え置いてから時を元に戻す。

 現実の時間としては一秒も経たないうちにあの大量にあったライターが箱に移動しているのだ。立会人が居たら恐怖映像だろうが、今この時は咲夜とカズマしか居ない。……一応アクアも別室には居る。

 

 そっとカズマに近づき、ゆっくりと椅子を引いてカズマをこちらに向ける。膝の内に手を入れ、肩甲骨あたりに手を置き、抱える様に力を入れると王子様抱っこの完成である。

 そのままカズマをベッドへ運び、布団を被せる。

 

 一度時を動かしてみると、さらに眠りが深くなった雰囲気が伝わってきた。

 そうして一礼してから静かに部屋を出る。

 

 

 リピングの方へ向かい、いつも通りアクアにつまみ食いをされていないか見に行くと……居た。丁度料理を頬張る直前のアクアの姿があった。

 

 「あ」

 「アクア様、つまみ食いをされるのでしたらこれからは作りませんよ?」

 「ちょ、待って!お願い!それだけはやめて!あなたの料理食べてからお店の物じゃ物足りなくなっちゃったの!本当にお願いよ!」

 「…ハァ……分かりました。代わりの物を作るので待っていてください」

 「本当?ありがとう咲夜!」

 

 変わり身が早い女神に咲夜は仕方なくといった感じに料理を作る。通常であればここで時間停止をして即座に相手に渡すのだが、アクアには時間停止が効かないので意味がない。

 まあ、それでも彼女は数百年間料理を行なっていたプロ中のプロである。味もさることながら時間停止中でも手際が世界一というほどに効率化されていて早い。

 

 こういう事に煩いアクアが遅いと感じる前におつまみとなる料理を作り終えた咲夜はシュワシュワと一緒にアクアの前に差し出す。

 

 「やっぱり咲夜は仕事が早いわねぇ。ねぇ、私がもし天界に帰れたら私の使徒になってみない?」

 「……私が死んでからでお願いします」

 「えー。……それじゃあ、私と咲夜でどれだけ長く生きてられるか勝負よ!絶対貴女を私の使徒にしてみせるわ!まあ女神の私が寿命で死ぬことなんて無いんだけどね!」

 「それは私も同じですよ」

 「………これ何かしら?」

 

 強引な話題転換をしたアクアが料理がなんなのか聞いてきた。

 

 「豆腐の豚キムチ炒めですね。ご存知でしょうが私の元の世界の料理です。キムチの材料は似たものを揃えました。シュワシュワによく合うと思いますよ」

 「あら本当?じゃあ早速……旨っ!?ンクッ…ゴク…ゴク…プハァ!本当にシュワシュワとよく合うわねコレ!…あー、今になってあっちの世界の料理とか食べたくなるわねー」

 「あちらの世界の料理も作れますが、夕食が控えているのでそれなりにしてくたさいよ?また今度作りますから」

 「分かってるわよ。ところで咲夜、もう一杯シュワシュワはいいかしら?」

 「…夕食の時にしてください」

 

 少ない量とはいえかなり早い速度で食べたアクアに驚嘆の意を持つ。

 自分の料理をここまで美味しそうに食べてくれるのは今までの中でアクアだけであり、咲夜はいつのまにかそれを眺めるのが好きになっていたこと気づいた。おそらくそれは、この屋敷の住人の中で最も感情を率直に表現するのがアクアだからであろう。彼女の喜びの念からは淀みが無いのだ。

 まあそれは何も食事の時に限る話でも無いが、咲夜がアクアを好んでるのは全く隔たりの無い事実である。

 

 しばらくして、ダクネスとめぐみんが帰ってきて夕食となった。

 カズマを起こし、熱を覚まさぬようテーブルの空間のみ時間停止していたのを解除し食卓に着いた。

 

 家族に近い形で行われるこの行為に以前の咲夜は見るだけだったのだが、今では食事の輪に加わっている事に気づいた。久しく彼女は安心を感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からやっと原作に沿って物語が動き始めます。

小話として、実の所3話目辺りで書きたいこと書いちゃってたんですよね。いや本当にすいません。
ただ咲夜さんとカズマさん絡めてエッチなことしたいなって…っていう出来心で書いたのですが、また書く事にしました。
駄文込み込みでまた始まりますが、どうぞよろしくお願いします。

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